御大将が行く異世界旅   作:テムテムLvMAX

1 / 9
思い付き


一話

 ターンXとターン∀は互いの全力を振り絞り遂に繭となって眠りについた、そしてギムギンガナムとロラン・セアック、月と地球の戦争に終止符が打たれた。

 

 ターンタイプは眠りにつき、ギムギンガナムもロラン・セアックとの生身の一騎打ちで負け最後はナノマシンに飲まれて封印の眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかしその封印は完全なものではなかった。

 いや、封印というよりもターンタイプの特にターンXとギンガナムの増大した精神波、闘争本能に当てられナノマシンは変質し本来あり得ない機能を生み出した。ターンXがターン∀を飲み込み黒歴史の記録を元にギンガナムの望む闘争に最も適した形に進化していった。見た目はターンX、しかしターン∀を飲み込んだ機体が普通であるはずがない、パイロットの望む機能を黒歴史から引き出して再現する。この機能が増えたのだ。いつでもどこでも核を生み出すことも、無数のモビルスーツを生み出すことも出来る。まさに神のマシン、悪魔のマシン。

 

 ギンガナムの闘争本能の赴くまま戦争のあるところに転移する機能、世界を超えて介入することができるそのシステムを『次元転移』と呼称した。

 

 

「クハハハハハッ! いいぞぉ! このターンXX(ダブルエックス)さえあればこの世界なぞもう不要だ! さらなる高みへいざゆかん! 待っていろよ戦争! ターンXXよ! 転移して小生を戦争へ誘えぇ!」

 

 

 

 

 

 ★★★★★

 

 

 

 

 

 

 

「ぬうぅぉぉっ! ……なんだ? ここは、街? ……座標データは黒歴史前の地球か、データに誤差があるな……データ収集か、面倒だがステルスを起動しろ。戦争はより大きくなければ楽しくない、ここで全て私が潰しては面白みがないからなぁ」

 

 

 ギンガナムがたどり着いたそこはビルが並ぶ都市、高速道路や新幹線のレールなど黒歴史以前の西暦の地球に酷似していた。

 ギンガナムがステルス状態になった機体を飛ばし空からじっくり全景を眺め地形データを取りつつ、同時にあらゆるネットワークに侵入し歴史を把握するために必要なだけの記録を抜き出した。

 

 

「ほう、ほうほう……神聖ブリタニア帝国、ナイトメアフレーム、エリア11。なるほどなぁ、選民思想、選ばれた民、虐げられる人間ども、クククッ戦争の種だらけだなぁ! これは丁寧に水をやらねば勿体無い、肥料も用意してやろう。ターンXXよ、もっとも戦火が拡大する方法を割り出せ」

 

 

 ギンガナムの指示に従いターンXXは今後予測される紛争の規模や各国の戦力比を元に最も大規模な戦争になる道筋をギンガナムに示した。

 

 

「ふぅん、エリア11からブリタニアに蜂起を企てれば最大規模の戦争になるとな、ではそのように動くとするか。個人ではなく組織立って争いをすれば本気を出さざる終えまい、どこか適当なレジスタンスに入り込むとするか、飯の心配もある」

 

 

 ギンガナムはエリア11、日本に向けて飛びだった。

 目的地は近く道中は退屈するまでもなかった、ひとまずこのターンXXを降りてこの地球の戦争に手を出す算段を立てようと『シンジュクゲットー』なる地域にて機体から降り、オートパイロットで上空に待機させた。これならばいつ如何なる不測の事態になろうともいかようにも対応可能だ。

 

 

「ここが地球? まるでごみ溜めではないか。元の地球の方がまだマシだな」

 

 実際その通りでゲットーとはスラム街の意とも取れる待遇を受けている、これもブリタニアのやり口なのだろうとギンガナムはほくそ笑んだ。

 ギンガナムが帯刀する物を隠さずに大手を振って町中を歩いていると背後から声がする、誰が争っているような声。ギンガナムはこの世界の第一歩としてその争いに思い切り首を突っ込んだ。封印後強化されたニュータイプ的感覚を頼りにズンズンとスラムを抜けていき、辿り着いたそこは小さな花屋。どうやら会話の内容から察すると借金取りそれもタチの悪い闇金だ。

 

 

「おぉい! 金が払えねぇならこの土地とテメェの体を売ってやるぞぉ! おぉん!?」

「で、ですからもう少し! 少しだけ待ってください!」

「もう待てねぇなぁ!」

「ぐあっ!!?」

 

 

 花屋の店主は胸ぐらを掴まれて地面へ叩きつけられた、借金取りはその店主の腹を踏みつけニヤニヤと笑っている。

 周りにも人はいるのだが誰一人止めには入らない、それもそうだ、スラムの中は強者が正義。例外はあるがここでは借金取りが正義だ。

 

 

「いいぞ、いい。実にいい!」

「な、何だテメェ?」

「小生はギムギンガナム! 武門の名門ギンガナム家の頭領よ!」

「は、はぁ? 頭おかしいのかテメェ? 銀紙だかギンガムチェックだか知らねぇが俺に逆らうのかっ!?」

「う、うぅ……にげ、て」

 

 

 踏みつけられる店主はギンガナムの身を案じ逃げるように促すがそんなこと意に介さず、そもそも聞こえていないかもしれないが借金取りにいいパンチをお見舞いした。

 

 

「ロラン・セアックには負けたが貴様程度なら殴り合いでも勝てるというもの! この世界の程度を測ってくれるわ!」

「何をわからないことをゴチャゴチャと!」

「そぉれ! それそれ! おらっ!」

「がっ!?」

「なんだぁ? 貴様、マトモに殺し合いをする気があるのか?」

「ヒィッ!?」

「貴様のようなムシケラで腕試ししようとした私が甘かった! 今ここで死ぬがいい!」

 

 

 刀を抜き借金取りの首を切ろうとしたが花屋の店主がギンガナムの腰に抱きつき必死に懇願するのだ、やめてくれ、殺さないでと。ギンガナムが気を取られている内に借金取りは逃げ出した、しかしバッチリターンXXに追跡されている。

 

 

「ちぃっ! 何故止めた!」

「駄目なんです! 人殺しは!」

「今更一人増えたとて関係ないっ!」

「っ!? だったら今から変わりませんか!」

「知っているか? 争いをなくすには敵を完全に滅ぼすしかないのだ!」

「話し合いでは、駄目なのですか?」

「そんなものでケリがつくならお前は怪我をしていない、違わないだろうが!」

「それでもです! 我慢も戦いです!」

 

 

 ギンガナムの闘争本能はギンガナムの想定以上に膨れ上がりそれはただの破壊衝動へと変わりつつあった。何が原因など考えるまでもなくターンタイプの呪いなのだろうと彼の中では結論が出た、しかしこの店主が身を挺したことでギンガナムは落ち着きを取り戻した、呪いを振り切ったのだ。

 

 

「ふぅー、ならば今お前に免じて刃を収めよう」

「ありがとうございます、ギンガナムさん」

「よい、私もどこか冷静ではなかった」

「助けてもらったのは事実です、どうですかお礼をさせてもらえませんか?」

「礼? ならばこの近くのレジスタンスを教えてくれ」

「あいにく繋がりは無いです、ですが貴方の風体を見るに宿無しなのではないですか?」

「まぁない」

「では、私の家をお貸しします。一人で住むには少し広いですから」

「……助かる」

 

 こうしてギンガナムはシンジュクゲットーの花屋に転がり込んだ。彼はこの先どうなるのかはターンタイプのみぞ知る。

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。