謎の光でサザーランド撃墜、その常識を外れた方法には誰も彼もが肝をつぶした。何が起きたのか正確に把握出来るとしたらばそれはギム・ギンガナムただ一人。
「おやおや勢い余ってパイロットもやってしまったか」
「今何をした? 今何をしたんだ! 答えろ!」
「枢木スザクといったなお前、そんな暇があると思うか? ここはもう戦場なのだぞ? 貴様も軍人ならやるべきことがあるんじゃないのかぁ?」
サザーランドは一機だけではない、テロリストに対応するためにこのシンジュクゲットーへ軍隊が送り込まれていた。
撃墜したならば当然勘付かれる、ルルーシュは頭を回し戦場からいち早く逃げるためのルートを割り出してC.C.と避難していった。スザクはギンガナムに乱暴に諭され軍と合流するために基地のある方へ走っていった。
「さぁて、この世界のモビルスーツ、ナイトメアフレームの実力をテストしてやろう! ターンタイプに刻まれる新たな黒歴史となるかそれ以下か!」
ギンガナムだけは戦場に悠々と歩き出した。
「おおっと流石にターンXXを出してしまえば興ざめか! 丁度良い! あのマシンを再利用するとしよう」
★★★★
日本奪還を目指すテロリストとそれを排除するためにブリタニア軍の部隊とがシンジュクゲットーを舞台に戦闘を繰り広げていた。軍はナイトメアフレームの最新型、サザーランドを広域に展開しテロリストを街もろとも粉砕している。
ブリタニア帝国人は日本人をイレブンと蔑みゴミ同然に扱っていた、帝国植民地エリア11、それが今の日本。その現状を良しとせず日々テロリスト達は戦う、例え同じ日本人に犠牲が出ても。
差別と下剋上、互いに抱える腹の中。それを全て、ターンの名において無へ還す男がいる。
「隊長っ! 撃墜されたサザーランドの信号が回復しましたっ!?」
「馬鹿なっ! 故障じゃないのか!」
『残念ながらぁ! 故障じゃないのだよ! この機体は小生が頂いた!』
撃墜された友軍機のシグナルが突如回復し行動している、そのことに慌てふためくブリタニア軍の通信に割って入るギンガナム。サザーランドに乗り込み廃ビルの屋上に位置取りをしていた。
「誰だっ!」
『小生のことを知りたいならば落としてみろ! 闘争本能の赴くままになぁ!』
「あっ!? うぁぁぁっ!?」
『雑魚めっ!』
「よくもっ!」
『ヌルいわっ! ハーケン!』
「二人掛かりならぁぁぁっ!」
『その程度の戦法は千年も前に攻略済みなんだよぉぉぉ!』
ビルの屋上から飛び降りて奇襲をかけるサザーランド、どよめく隊員達を次々に串刺しにしていく、スラッシュハーケンを駆使した高速立体機動で重力から解放されたように舞い、ランドスピナーで地を滑りながらすれ違いざまに古典的な兵器である大型ランスで鎧袖一触にしていく。機体性能を最大限活かし混乱状態のサザーランド隊に手酷い損害を与えていた
初めてのナイトメアフレームの操縦と言えど二千五百年の演習を積んできた武人は市街地での立ち回りは二手三手先をゆく、そのうちに操作にも慣れサザーランドを我が物とした。
『たかだか一人にこの損害とはなぁ! これでは戦争の道具以下だな!』
「野蛮人がっ!」
「隊長!」
「あれは私がやる! お前達はテロリストを鎮圧しろ!」
サザーランド隊を率いていた指揮官は眼の前に立つギンガナム機に立ち向かっていく、ブリタニアのプライドをかけて挑発に乗らない訳にはいかないと考えたのだろう。それが思うツボだと気付くのは撃墜される瞬間だった。
「テロリストがぁっ!」
『挑発に乗るとはますますアホだな!』
「スピナーとハーケンの合せ技ぁぁぁっ!」
指揮官機はギンガナムの背後のビルにスラッシュハーケンを打ちランドスピナーを駆動させる。ハーケンで引っ張り更にランドスピナーで加速をつける合せ技、しかしこの程度ギンガナムの想定内。突撃するサザーランドの動きに同調し跳び箱の要領で避けてみせた
『よく動く! それだけだな!』
「この距離であれを避けるのか! 人間か貴様!」
『経験の差なんだよっ!』
「手足が! ぬがぁっ!?」
ギンガナムが鍔迫り合いに打ち勝ちランスで足を、同時にスラッシュハーケンで両手を破壊した。手足を失いダルマにされた指揮官機のサザーランドは緊急脱出装置を使いパイロットは戦線を離れた。
指揮官をやられて黙っているブリタニア軍ではなく、テロリストに対応していた他のサザーランドもギンガナム目掛けて群がってきた。一人に対して明らかに過剰な数、しかしながらギンガナムの相手をするには数が足りない。
『ブリタニア軍はこの程度の練度しかないのか? そこらの寄せ集めのテロリストと変わらんなぁ!』
「言わせておけば!」
『何度でも言ってやろう! 高級な玩具をもらって喜ぶだけの子供なんだよ貴様らはぁっ!』
「くっそぉぉ! 囲んで叩け!」
『騎士様が野蛮でありますなぁ! しかぁし! 囲んだところで勝敗は既に決しているのだ!』
ハーケンでやたらめったら乱雑な攻撃を繰り出したギンガナム、取り囲むブリタニア軍人には当たらずあざ笑う声が通信機から聞こえてくるがその声もすぐに小さくなっていった。
「ぅぁああああっ! ビルがっ」
「狙っていたのか、クソっ身動きがっ!」
「だ、脱出装置が動かない!」
やたらめったら打っていたハーケンは囲みの背後にあるビルを崩すための攻撃だった、崩れたビルは囲みの半分を生き埋めにして半分には瓦礫で小さくない損傷を与えた
『無様だなぁブリタニア軍! 頭数での有利しか考えていなかったのか? 戦場はそれほど優しくないぞぉ?』
「己ぇぇぇ! テロリストの分際で!」
『戦場で優生思想なんざ出しているからこうなるのだ! 戦いの理論をもう一度学び直せ、生き残れたら我が名を伝えよ! メッセンジャーボーイ!』
ここからは蹂躙だった。怯え竦むブリタニア軍は統率を失いギンガナムに撤退する間もなく狩り殺される、手心を加えていたので戦死者はそう多くないがその逃げ延びたブリタニア軍人達は揃って戦場へ出る事が出来なくなっていた、植え付けられた恐怖、ナイトメアフレームに乗るだけで思い出すあの男。
『このギム・ギンガナムの名を!』
ギム・ギンガナム、奇跡を超えて必然の死をもたらす破壊神。ブリタニア軍の中で最悪のテロリストとして語られることとなった
カレンどこ?