御大将が行く異世界旅   作:テムテムLvMAX

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白いのは強い


五話

 ルルーシュ達の快進撃を止めた白いナイトメアフレーム、ブリタニアの新型で名前はランスロット。かの有名な騎士の名を受けたそれに枢木スザクは乗り込んでいた。

 持ち前の身体能力とランスロットの驚異的な運動性能が合わさる事で武器すら持たずともテロリストのサザーランドを撃破していく。

 

 

「僕が全部落とせばケリがつく! 退いてくれ! 早くしないとルルと彼女が巻き込まれるっ!」

 

 

 スザクは友の為に必死になっていた、その相手が友だと知らずに。

 高ぶる気持ちのままに全力でテロリストたちを排除していくとふとビルの高い所の崩れた壁に潜むサザーランドを見つけた。あれが指揮官と確信してスラッシュハーケンで思い切り飛び上がり奇襲を仕掛けた。

 

 

「お前がッッ!」

『ちっ! 見つかった! 白い奴!』

「取らせてもらう!」

『やらせない! はあっ!』

「グラスゴー!?」

 

 

 ランスロットとサザーランドではほとんど勝負になっておらずルルーシュは辛うじて致命的な攻撃は避けていたが瞬く間に左腕破損、あわや撃墜という所をグラスゴーの捨て身の奇襲でルルーシュのサザーランドは逃げおおせた。カレンも機体は失ったが脱出していた。

 

 

「逃した……どこだ、あそこか!」

『チッ! これならばっ!』

「無駄に被害を増やしてぇ!」

 

 

 逃げるサザーランドは廃ビルを撃ちまくり崩壊させ追ってくるランスロットを足止めしたかったが超人的な反応を見せ落ちてくる瓦礫の隙間を縫うようにすり抜けてきた

 

 

「もう少しで追いつく! スラッシュハーケン!」

 

 

 ランスロットはサザーランドに追いつきスラッシュハーケンを飛ばす、狙いは脚部のランドスピナー、機動力を奪おうとしていた。

 狙いは良かったがスラッシュハーケンはスラッシュハーケンに迎撃された、サザーランドに。しかしそれはルルーシュので無い。

 

 

『その機体! ナイトメアフレームの新型かぁ!』

「通信っ!? でも友軍じゃない!?」

『その通り! 小生はギム・ギンガナムと言う、一対一の対決を所望する!』

「お前が前線を荒らす破壊神か! ……この声はまさかさっきの!」

『おやぁ? 気付くのが少々遅いのではないか坊や!』

「貴方もテロリストの一味だったなんて! 僕の釈明は意味がなかったのか!」

 

 

 スザクの思いを乗せてランスロットはギンガナムに飛び回転蹴りを浴びせたが、しっかりランスで防ぎ不敵に笑う声が通信機越しにスザクを追い詰める。

 

 

『まだテロリストでも何でも無い! 思うがままに戦場を駆けるだけよ!』

「なんだって! ……狂っている! 貴方は!」

『戦争に狂気は付き物だろうが!』

「知ったようなことを!」

『知っているんだよ! 本物の戦争を引き起こしたのだからなぁ!』

「何者なんだっ!?」

 

 

 ギンガナムの割り込みでルルーシュは無事に逃げられた、彼には別の目的があった。後方にいる地上戦艦にいるクロヴィス・ラ・ブリタニア、ブリタニアの第3皇子、今はエリア11の総督としている。ルルーシュは一気にその本丸へ向けて進んでいった、彼の求める答えを探しに。

 

 一方でギンガナムはランスロットと死闘を繰り広げていた。

 

 

『でやぁぁぁぁっ!』

「思い切りいい奴っ! 黒歴史にも白い機体はいつで戦場を中心にあった! 戦況を動かしていたなぁ!」

『黒歴史とは何だ! 何の話をしている!』

「知りたくば勝利して得るのだ!」

『言われなくともぉぉおおおっ!』

「力負けするか! 機体制御をマニュアルに! ユグドラシルドライブ、リミッター解除!」

 

 

 流石に第5世代のサザーランドと第7世代のランスロットでは根本的に覆せない性能差がある、何度かの打ち合いでそれを感じ取ったギンガナムは即座にサザーランドのリミッターを外し操作をより柔軟にするために完全にマニュアルに切り替えた。

 

 

『リミッターを解除したのか! 危険なことを!』

「戦いにやりすぎはないんだよぉ!」

『そこまでして貴方が邪魔をしなければもっと早くに終わっていたのに!』

「そうでもあるまい! テロリストのあの指揮官、中々の腕前よ! 現に戦線を崩壊させている!」

『貴方も原因だ! 何故テロに加担する!』

「争いの中でこそ人は生を見いだせる! そして闘争本能が叫ぶのだ!」

『戦いたいだけなんて! やはり狂っている!』

 

 

 武器を持ったサザーランドと無手のランスロット、パイロットの腕前もあって拮抗している。サザーランドは巧みにランスを使いこなしハーケンで細かな隙を突いていくがランスロットとの機体性能の差は埋まりきらないがスザクも押し込めていない、引いては押し押しては引いて、それでもギンガナムはこの戦いを心底楽しんでいる

 

 

『なんでっ! 攻めきれない!』

「より多くの戦いを経験したものが勝つ!」

『僕だって下手じゃないはずだ!』

 

 

 超至近距離での肉弾戦、武器を思うように使えない距離で性能限界での高速の攻防にもつれ込むも決着が付かない。サザーランドの関節が悲鳴を上げ始めているがギンガナムは引くつもりはない、最後まで戦える時まで戦う、戦いを求める男に撤退はない。

 

 

「いつまでも決め手に欠ける! 口だけで性能任せか?」

『それでもこれならっ』

「狙いは関節か!」

 

 

 ランスロットがビルを蹴りサザーランドの上を取った、腕部からハーケンを撃ち出してムチのように振り回しながらギンガナムに落下してくる。ランスで払い除けるも避けきれず関節部に損害が出る、更にランスロット本体の落下回転蹴りを受け止めたことで両腕がフレームごと潰れてしまい、好機とみたスザクの追い打ちは止まらず機体にアラートが鳴り響いていた。

 

 

「その程度で……エネルギーが残り僅かだと? 漏電かっ!」

『貰ったぁぁぁぁ!』

「引き時だな、では最後だ! 諸共に行けやぁぁぁ!」

『しまった!?』

 

 

 リミッター解除とランスロットの猛攻に過負荷が祟り動きが鈍ったサザーランドに止めを刺すために近づくランスロットに取っ組み合い、ランスロットごとハーケンを巻き付け離れないようにしてユグドラシルドライブを過剰運転させた。それは自爆も当然の行為。

 

 

『離せっ! 死ぬ気か!』

「その感情だ! 極限に置かれた生物の本能を感じるぞぉっ!」

『このぉ!』

「む、限界か……ではな!」

 

 

 ギンガナムが脱出装置で脱出するとサザーランドは限界を迎えランスロットを巻き込んで爆発を起こした。

 爆炎の中から所々破損したランスロットが出てきたが、流石新型と言うべきか、装甲は無傷で各駆動系の動作に乱れはなかった。しかしパイロットはそうでもなかった。

 

 

「ギンガナム、貴方は歪んでいる……っ!」

『全軍に告げる! 即刻戦闘を停止せよ! 負傷した兵士、イレブンも隔てなく治療せよ! 繰り返す! 即刻戦闘を停止せよ! これはブリタニア第3皇子クロヴィス・ラ・ブリタニアの命令である!』

「停戦命令……してやられたのか、僕たちは」

 

 

 

 スザクはランスロットの中で静かに呟いた

 

 

 

 

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