書きたいものがあるけど、今書いてるものもちゃんと続けたい!
でも文才も無けりゃ時間も無い!どうすればいいんだ?!
・・・と悩んだ結果、文字数を減らすという結論にたどり着きました。
天の道は今まで通り7,8000文字にしといて、こっちは3,4000字くらいに抑えるという。
最近ようやく時間にゆとりができたので、投稿頻度上げる上げる詐欺から脱却できそうです。
来日
基本自家用機での移動が中心だった僕は、ほとんど初めてに近いファーストクラスの旅を満喫していた。
自分でも飛べる僕からすれば雲を下に見るのはいつものことだから感動など無いが、ここまで空の上でリラックスすることは滅多に無い。僕が感動したのは、シートが高級ソファみたいでよく眠れることだ。貸し切りだからリクライニングもし放題で、爆音で音楽を流しても問題無い。これをキッカケに「長距離移動用快適空間スーツ」なんてのを作るのもありかもしれない。
[間もなく本機は成田国際空港へと到着いたします。]
「ああ、ようやくか。危うくノンレム睡眠に入るところだった。さて、お出迎えに備えて身だしなみを整えないと。」
僕はもうすぐ10時間に渡る空の旅を終えて、目的の国日本に降り立つ。
日本という国はサブカルチャーの聖地でありながらも、昔からSamuraiやWasyokuといった独自の文明を築いてきた稀有な国だ。世界的に見てもここまでクリエイティブな国は日本とアメリカくらいなものだろう。
僕は降下するにつれて徐々に傾き始めたシートに身を委ねる
「ああ、初期のスーツに比べると随分優しいGだ。僕の最新作には遠く及ばないだろうが。」
そんなことを夢見心地で考えながら白一色の窓をぼんやり眺めていると、突然視界が鮮やかに彩られた。主に緑で。
「Wow、、、写真で見た羽田に比べると成田というのは随分自然豊かだな。流石はマウンテンカントリーJapanというわけか。」
カルチャーのみならず、自然も豊かという点の重大さをカジノとバーしかない西部の州には教えてやりたい。
僕が”生きていた”時には、ペッパーと一緒にモーガンを日本へ連れて行ってやりたいとよく話していたものだ。今となってはそれも叶わぬ夢となってしまったが・・・
おっと、センチになっている場合じゃない。取り敢えずいじくり回していた回路類を到着までに片付けなくてはならないな。
さてと。愛する家族よ、パパはもうすぐ日本に着くぞ。
あー、、、憂鬱だ。なんで貴重な休日を要人警護なんかに当てさせられてるんだ、俺は。しかもこんな冷え込む11月の早朝に。
こういうのの本分は警察だろうに、わざわざヒーローを呼ぶなんて合理的じゃない。しかも寄りにもよって教員職も兼ねている俺を呼ぶなんて。
「Hey!イレイザー、いつまでも芋虫してないで出て来いよ!もうすぐビッグネームのご到着だぜ?」
「あと5分」
「オメーは小学生か!!」
そして一緒に来たのが
確かにメディア慣れしているマイクならばマスコミの対応もできるだろうし、対象的にアングラの俺なら”個性”が広く知られていない分いざという時に動きやすい。
とはいえそれは、警護という点で合理的なだけで俺の心の内など微塵も考えてられてはいないのが問題だ。根津校長の有無を言わさぬ言葉に押されて受けたのを今更ながら後悔する。
ハァ、、、猫カフェは来週に持ち越しだな。
「いい加減起きろって、ほら来たぞ!」
しつこいマイク目覚ましに嫌気がした俺は、重い体を寝袋から引きずり出す。それとほぼ時を同じくして寝起きの耳には悪すぎる甲高い音が響き渡った。
俺は耳を塞ぎながら乗ったことが無いようなサイズの機体が降りてくるのを見ていた。無事に規定の位置へと着陸した旅客機のドアが開かれるとそこに現れたのは一人の男。その一人が今回の警護対象だ。
一般的な社会人の年収以上はするであろう立体的なオーダーメイドのスーツに身を包むサングラスの男。口元に蓄えた髭や遠目に見ていても目立つブランド物の革靴、そして何よりも歴戦の勇士であるかのような威圧感が周囲を圧迫していた。
その気迫は思わずプロヒーローである俺でさえ、警護という当初の目的を忘れるほどだった。その男はゆっくりと手を広げて口元を歪める。そして階段を一段、また一段と下りながら・・・
「ジャパニーズはもの静かな人種と聞いてはいたが、、、私の登場シーンを葬式に変えるのはやめてもらえないか?自分がまだ死んでいるような気になってしまうだろう?」
驚くほどにくだらないことを言った。
あっけらかんとしている内に、男はこちらへと歩いて来て待ち構えていたマスコミの前へと歩み出る。
「やあ、日本の皆さん。私はトニー・スターク、遥々アメリカ空軍基地からここまでやって来たどこにでもいない天才だ。しばらくの間、よろしく頼むよ。ああ、着いてこないでもらえるかな?詳しくはこのあとの記者会見で聞いてもらえると、、、おい、君は案山子か?違うなら早く記者を誘導してくれ。」
構えられたテレビカメラにそう伝える男に先程の覇気は無くなっていた。かと思えば、こちらに向けて偉そうに指示を飛ばしてくる。面倒な男であるのは火を見るより明らかだったが、職務を放棄するわけにもいかない。
「えー、、、皆さん今から一階中央口前で会見が開かれまs「おい、いいポジションを確保しに行け!」
「正面の画角以外も忘れずに撮れよ!」「お前ら邪魔だ!早く行けよ!」「ウオオオ!!」
「やあ、お疲れ様。実に良い働きぶりだった、延々と棒立ちしていたから心配だったんだがこれなら信頼できるな。」
「良かったなイレイザー、世界のトニー・スタークに褒められたぞ!」
記者共に突き飛ばされ、踏み荒らされ、ボロボロになった俺にそう声をかけてくるトニー・スタークという男は相当人が悪いと見た。マイクは元々だから今更どうとも思わないが。
「そりゃどうも。それで、会見は午前7時からなので30分ほど時間がありますが?」
「そうだな、、、丁度腹も空いてきたし食事にするか。それよりも君、そう堅苦しいのはナシにしようじゃないか。ボディガードとはアダ名で呼び合うくらい親密な関係じゃないと。」
「結構です」
どうして俺が関わる人間はこういうタイプの人間ばかりなんだろうか?会ってまだ10分も経たない相手に渾名呼びされるなんて普通だったら御免だろうが。
「遠慮するな、こう見えて名前を付けるのには自信があるんだ。例えば、君の同僚は”コッカタイル”で決定した。イカすだろう?」
「因みに意味はオカメインコだそうだ!愛くるしい俺にピッタリ!!」
自慢げに親指を立てながら宣言した友人の好みに引いたが、それ以上に引いたのはその友人が既にトニー・スタークと親しげに肩を組んでいるという事実。大物相手に臆しないマイクの姿勢は素晴らしいとは思うが、無駄に馴れ馴れしいのは低評価だ。第一、なんでスターク氏も嬉しそうにしているんだか。
「因みにコイツのイレイザーヘッドっていうヒーロー名は俺がつけたんだぜ。」
「個性を消せるから消しゴム頭か、君も中々センスがいい。じゃあ僕も考えるとしよう。そうだな、、、サーファー君2世?違うな。闇堕ちサーファー君なんてどうだ?」
「縁起でもないこと言わないで下さい。相澤でお願いします。」
いくら実績も財力も兼ね備えた人間とは言え、こんなのを雄英に置いておいたら生徒の教育に悪すぎる。国が呼んだなら泊まる場所も用意してやるのが普通だろうに、なんでウチの高校によこす?最先端技術を雄英にも云々とか言ってはいるが、どうせお国の予算削減だろ。
「相澤くん、と言ったね。そんな顔をしないでくれよ、あれが僕なりの距離の縮め方なんだ。フレンドリーに接していたほうが僕としても楽でね。」
「そうですか、少し別の考え事をしていたので気になさらずに。ですが、必要ないことをペラペラ言うのは考え直したほうがいいですね。非合理です。」
「HAHA!言ってくれるじゃないか、その意気だ。ジョークはジョークで返して初めて成り立つんだぜ?」
ジョークという単語のせいで鬱陶しいアイツを思い出したが、まあいい。
「さてと、ジャパン一発目の食事は何にしようか?ここはやっぱり日本製ハンバーガーを」
ズダダダダンッ
無駄話をしながらも、無事に空港内の喫茶店に辿り着いたという時だった。
乾いたような銃声が連続で響き、直後には何かが爆発するような轟音と無数の悲鳴が聞こえてくる。
「来日して早々テロ事件か。治安はニューヨークと大して変わらなそうだ。」
「言ってる場合かよ!!」
「アンタは頭をできるだけ下げて銃声と反対側に逃げろ!マイク、空港付近のヒーローに応援を頼め!」
俺は次第に漂い始めた煙の匂いに、嫌な予感を覚えながら走り出した。
事件が起きたら我が身を盾に誰かを救う、キャプテンを思い出す思考回路だ。だからといって、キャプテンの持つ凄まじい自己犠牲精神を肯定しようとは思わないが。
真のヒーローは世界を守るが、それ以上に自分も守れなければならないというのを僕は死んで初めて知った。
ヒーローらしくないと思うかもしれないが、自分を大切にすることは周りにいる家族や友人を安心させることができる。
頭がなければペッパーとキスが出来ないし、腕がなければモーガンを抱き上げられない。
足がなければローディの奴を蹴り飛ばせないしな。スーツでもできないことは無いが、自分の手でやってやりたい。誰しもそうだろう?
確証はないが、僕はもう一度皆に会えると信じている。そのときに、元気な姿で面と向かいながらこう言うのが今の目標だ。
「I love you 3000.」ってね。
さて、ヒーローっぽい信念を語ったところであの愉快な二人を助けに行こう。
「フライデー、
[ボス、既に携帯端末から情報を受信していますので、あと1分以内にはそちらに到着するかと。]
流石は僕のもう一人の娘だ、出来がいい。フライデーをスマホと接続しておいたのは正解だったようだな。
「それなら話は早い。僕の人工衛星から成田国際空港の滑走路付近を確認してくれ。それを参考に、僕がスーツを装着したらすぐ向かえるように相手の人数と今の状況を調べろ。」
[了解しました]
フライデーとの通信を切り、僕はガラス張りになっている壁から空を見上げた。
遠くの空にはマッハ3で飛んでくる一条の光が見える。
「さあ、日本での初仕事だ。頑張れよ
Tony Stark has returned to this world.
将来はトニー・スタークみたいなイケオジになりたい。
ちなみにスーツの番号についている”ダッシュ”っていうのは、この世界で更に改良を加えたという印みたいなものです。