逃亡海兵ストロングワールド 後書き
今回、某掲示板の方で出てきた様々なアイデアを取り込みつつ書き上げました『逃亡海兵ストロングワールド』は如何だったでしょうか。楽しんでいただけたら幸いです。
ここに書くのはあくまでキャラクター設定であったりコンセプトであったりの部分なので、読み飛ばして頂いて大丈夫です。できる限り作中で読み取れるようにはしましたが、どうしても作者である私自身の未熟で描けなかったことがあるので……。
書いている間は悩みつつも楽しかったです。見切り発車でしたが。
・ストーリーについて
割とシンプルというか、わかりやすいです。原作通りといえば原作通り。メンツが違うのと、そもそもシキ自身が最初からマリンフォードを標的にしていたという違いがあるくらいですね。
ちなみにですがシキは計画開始の最終段階くらいでウタの危険性に気付き、できるのであれば味方に引き込む、できなければ排除のための襲撃でした。実際最終盤で見せた力を考えると正しい判断です。
最終的なエンディングは当初、宴エンドを考えていました。CP9組やエース、イルなどの宴に参加できないメンバーを最初に描写し、宴の中でそれぞれの後日談を書く形です。ただやっぱり二人の物語であることを考えて今回の形になりました。
◎ルフィとウタについて
今回は両方が主人公のつもりで書いています。二人の海兵としての最後の大きな戦いであるということからして、何をピックアップするかについては考えながら書いていました。その中でウタの正義である“平和を届ける正義”というドンピシャなものが出てきたのでそれを全面的に前に出しました。二人の過去も盛りに盛ったれの精神でいっています。
ちなみに現時点でエレジアの悲劇があったかどうか、そこにルフィが関与していたかどうかはどちらとも取れるようにしています。そこは本題ではないのと個々人によって解釈が違うと思ったのでぼかしてます。
・ルフィ
行動原理は終始一貫しています。ウタを取り戻す。そして二度と連れて行かれないようにシキを倒す。そしてマリンフォードも東の海も守る。実にシンプル。それでこそです。
彼の正義は逃亡後に決まるという概念があるので、じゃあこの時の彼は何を背負っているのか? そこに自分にとって一番大切な人の“正義”がありました。だからこそ彼は自分自身の血で染まったウタの正義のコートを背負い、平和を届けると宣言します。
ウタの心情に比べてルフィのウタに対する心情が少ないのですが、これについては逃亡後に彼の本音というか心の底が見えるようになるのだろうなという考えからです。というか十分出てるだけでも行動が重い気はしますが。
ちなみに彼の決戦服はガープとお揃いの白スーツです。そこにウタの正義のコートを羽織るという格好。私の趣味全開ですね。
戦闘面に関しては色々と考えましたが、最終的にあの形になりました。この世界線だとガープさんはちゃんと不器用ながら師匠してるだろうし、ルフィも怖がってはいるけどちゃんと尊敬はしてるんだろうなと。だからこそのじいちゃんオマージュです。
未完成ギア4についてはこの後ちゃんと修行すれば完成できたはず。ちゃんとできれば、ですが。
シキとの決着は最初から決めていました。一つの章の終わりと考えるのであれば、始まりの技で締めるべきと。
・ウタ
今回の彼女について浮かんだ最初のフレーズが“フーシャ村のウタ”という、“赤髪海賊団の音楽家”ではなくなったことを示すものでした。ただ完全に吹っ切れてはいなくて、憎んでもいて、でも声が思い出せなくなっているくらい前の話で、とその感情は複雑です。
彼女のルフィに対する想いはそれはもうかなりのものではありますが、しかし「ルフィに夢を諦めさせてしまった」という負い目がずっとあります。本人は気にしてないのに。
彼女の正義については今回全面的に前に出しました。この後の事件でそれを掲げることに迷いが生まれ、何なら戦うことさえできなくなるということを考えるとここでそれを見せておくべきだろうと。その正義をルフィもまた背負うというのがいいですよね。
戦闘面については「ルフィよりウタの方が見聞色は得意なのでは?」という概念より未来視に到達しました。しかしこの時点では原作アラバスタのゾロのようにギリギリの状況下での覚醒なのでいつでも自在に使えるわけではありません。彼女もちゃんと鍛錬できれば習得できたでしょう。できれば、ですが。
麦わら帽子と黒ドレス。これも趣味全開ですが、ルフィと並んだ時に白スーツのルフィと対になっていいんじゃないかなと思ったり。凄く素敵な絵を頂いて感謝です。
彼女とカガシャの決着はあれしかないのかなー、と。本人は必死だと言っていますが、ちゃんとルフィと肩を並べるくらいの力はあるんですよね。
◎味方陣営の皆さん
●討ち入り組
・ガープ
正直想定以上に強過ぎました。相手の格は年齢で衰えているとはいえ四皇最高幹部クラスだというのに結果を見れば完勝に近い。それなりに深手を負ってはいますが、それで済むのがおかしい。
この世界線だとちゃんとルフィの師匠をしつつ、でも不器用なのでやっぱり怖がられてはいるのがガープさんです。ルフィが海兵になると言った時にその理由を悟り、ならばちゃんと強くしなければと思ったかもしれません。方法はともかく。とはいえ二人に怖がられてはいても嫌われてはいないので、多分いいおじいちゃんはしています。
今回は家族として海兵としてルフィを導いてくれている人のイメージでした。ちゃんとルフィも彼を格好いいとは思っています。それ以上に怖いだけで。
この後で曇ることが確定している人。多分相当キツい。
・モモンガ
二人のかつての教育係であると共に海兵という生き方を教えた人という立ち位置。厳しい人ではありますが、二人からはかなり慕われています。拳以外の戦い方があることを教えたのも地味にポイント。
とことん実直な人というイメージで書きました。同時に二人に対して大分情がありますし、逆に二人からも尊敬されています。二人にとっての正しい意味での“海兵”のイメージは多分この人なんじゃないかなー、と。
ブルチネラとの戦いは「多芸を使いこなす者」と「一を徹底的に追求した者」という側面があります。勝手な設定ですが“断割”は居合術としては基本中の基本の技であり、だからこそ使い手の実力が反映されます。それで五億近い賞金首の覇気を超えて叩き斬るわけですからその練度は凄まじい。
二人の活躍と騒動を聞く度に小さく微笑んだり頭を抱えたりしてほしい人ですね。
ちなみにあの問題児二人に海兵としての基礎を教えたことを評価され、教育係としても名前が知られています。怖がられてもいるが慕われてもおり、別部隊へ移ることになった若手には個別に声をかけたりしてるかもしれません。意外とかなりの影響力がある人かも。
この後大分辛いことになる人です。
・スモーカー
地味にウタと同階級、ルフィからは友達扱い。
実はかなりマッチングが変わりまくった人です。当初の予定では最初からドリーマーと戦う予定でしたがラウンドとの戦いとなり、最終的にヒナと組んでドリーマーを討ち取ることに。これについては同期コンビのタッグ戦が書きたかったのと、長年正しい訓練を積んできた海兵とあくまでその場のみの即席コンビの差を出したかったというのがあります。
ちなみに裏設定としてルフィとウタの部下たちからは第二の上官くらいに思われているという設定があります。一緒の任務の際に二人が突っ走った時は大体オリンを筆頭に二人の部下たちが「指示をください」と当たり前のように言います。そしてその度に頭痛を堪えるような表情をするのがお約束。
割と面倒見がいいので二人の部下からも慕われていますし二人からの信頼も厚い。ケムリンとも言われて怒るのもお約束。
この後でどうするのか実は意外と読めない人。
・たしぎ
今回いぶし銀の活躍を見せてくれた人。イルとの戦いでも決定打とも言える一撃を入れましたし、その後についても脱出ルートの捜索など細かな気配りのできる人です。
勝手な設定ですがウタやオリンとは仲が良く、ヒナも含めて女性陣でよくお茶会という名の女子会を開いています。互いに対する信頼はこの辺から。
彼女もまたアラバスタの騒動で英雄の一人に数えられていましたし、スモーカーとのコンビはルフィとウタほどではないにしても知名度は高いはず。
この後物凄く苦悩する人のうちの一人。
・ルッチ
完全に味方という非常に珍しい状況。こういうのがあるからこの概念面白いですね。
元々CP全体としてシキのこと自体は追っていました。とある鬼の行動とその鬼に勧誘されている海賊たちの動きから何かが動いていることを察知して世界政府は動いていたわけです。その過程でCP9の三名がようやく突き止めたメルヴィユに極秘に潜入したタイミングでウタの誘拐があり、そこで現れました。
何気に一番最初に幹部を撃破した人。まあ強いですね、シンプルに。何気にあそこで単独で動き回れる駒であるアルキディクスを討ち取っていたのは大きいです。
誰も知らない場所で誰も知らぬうちに敵幹部を仕留めた。その辺りは海兵ではなく諜報員らしい動きなのかな、と。
ちなみに逃亡編でルフィと激突し、結果としては引き分けに近い形になって互いに「次は勝つ」と思うなんて概念があります。案が纏まったら書いてみたい。
多分事件のこと聞いてもそこまで何も思わないのではないでしょうか。「馬鹿なことを」くらいに留まりそうです。
・ブルーノ
潜入捜査とか暗殺とかするならとてつもなく便利な能力ですよね。REDでも大活躍でしたし。
一対一の戦闘こそありませんでしたが、海楼石の錠をかけられたウタを庇いつつ最前線で体を張りまくるという過酷な状況を戦い抜きました。その後も司令室の防衛戦となるのでまあ、かなり負担は大きかったですね。多分彼がいなければ何人か死んでたはず。
彼の中で今回の討ち入り組に対しては少し情のようなものが湧いてしまっている気がします。
この人も多分、事件のことを聞いてもショックを受けるとかはない気がします。ただ少しだけ心配はするのかな、というくらいで。
偶然W7に行ってブルーノの酒場で彼を見て何とも言えない感じになるたしぎ&オリンとか見てみたい気もします。
・オリン
味方陣営では名前ありの唯一のオリジナルキャラです。ルフィとウタの階級とか立場を考えると、彼女のような副官は絶対いるはずですしいてくれた方が話がスムーズなので登場させました。いや本当にありがたかったです色々と。
元ネタというかイメージとしては私の書いている短編「麦わら帽子のヒーロー」に出てくる女性海兵からです。というかほぼ同一人物ですが、短編ではエレジア事件がなかった想定、今回のSW編はあった想定なので彼女の出身は短編のそれとは違います。
音楽一家出身で厳しい指導を受けていた上に彼女自身も楽器の扱いについては天才的なため、大抵の楽器はこなせます。一番得意なのはヴァイオリン。ロック派の彼女とクラシック派の父親の間で大喧嘩になり、飛び出した勢いで海兵になったというロックな人。
本編でも片鱗を見せていましたが割と問題児です。単純に口より先に手が出るタイプなのですが、それ以上に動きが早い二人のお陰で冷静に動いているように見えるだけという。
ちなみに恋愛小説好きでウタにも貸し出したりしてるので、エピローグの月が綺麗云々はこの人のせい。本人も恋人欲しいなと二人を見て思っていますが、ルフィを見ているせいで男性に対するハードルが無自覚に上がっているのに気付いていません。この辺はちょっと喜劇。
この後盛大に曇ることが確定している人。
・部下三人組
シキによってメルヴィユに飛ばされて戦争の最前線へと叩き込まれた部下三人組。固有の名前はないですが、三人とも将校ではないので正義のコートは持っていません。
基本的には愉快な三人組というか部隊全体がこんな感じではあるイメージです。嗜めるのはオリンのお仕事。ウタは多分乗るし、そもそもルフィは発案者の可能性が高い。そして一応嗜めた後にオリンも最終的には乗っかるので最終的にセンゴク元帥やら大将赤犬やらに怒られます。やはり問題児部隊です。
日常で言うとルフィたちが立ち寄った島で宴をしようと言い出したりライブをしようと言い出すと既に準備を進めてるみたいな連携の良さを見せます。多分本当に楽しい日々だったはず。それはそれとしてよく説教はされますが。
ただ戦争の最前線に将校でもないのに討ち入りメンバーに入っても躊躇はしない辺り大分覚悟決まってます。その辺りはやはりトップ二人の姿を見ていたからこそでしょう。
彼らのみならず部下全員盛大に曇ることが決まっているようなものです。
●討ち入り組以外の味方陣営
海軍のネームドについては出せるだけ出した感あります。総力戦であるということもありますし、何よりここに出てきた人たちがそのまま敵になるというのがこの概念の面白いところでもあると思うのでちょい役であっても色々出てきてます。
・センゴク
シキとのやり取りを始め、基本的に裏方ではありましたがだからこそ海兵たちが奮闘できた気もします。なんだかんだ友人であるガープのことは信頼しているし、問題児ですが二人のこともちゃんと評価していますね。
きっちりシキの思惑も見抜いている辺り、やはりかつての時代を生きてきた人です。
この後引退も考えることになるわけですが……。
・三大将
カイドウを止めるために赤犬と黄猿が外に出ており、青雉だけが残るという策略。シキは全員が出払っていると判断しましたが、青雉を控えさせていたのはセンゴクの作戦です。マリンフォードの上の決戦となった場合の切り札とするためですね。
今回一番株が上がったのが赤犬ことサカズキであるように思います。ウタの海兵としての師という立場であるとともにその信念の強さも見せてくれました。まあだからこそこの後盛大にダメージを受けるわけですが……。
勝手なイメージですが、一番仲がいいというかコミュニケーションを取れているのが青雉、厳しくしながらも海兵として尊敬されているのが赤犬、そして二人に対して一番上官としての適切な距離感を保っているのが黄猿というイメージです。
・ヒナ
乗り込む際の精鋭部隊の一人として、そしてスモーカーとの同期タッグをして欲しかったと言うのもあって出てきました。
二人と階級も近い上に同期であるスモーカーと二人に交流があるので、この人とも絡みがあるといいなぁと思ったり。ウタにとっては頼れる先輩兼お姉ちゃんポジションだったりするかもしれない。
ちなみに彼女とスモーカーとラウンド、ドリーマーのタッグ戦は明確に連携の差が出ています。この辺りは正規の訓練を受けた人とそうではない人の違いでしょうか。
・ジャブラ
実は大分当初の展開と比べて影が薄くなってしまいました。
彼はシキの研究成果の確保と脱出のための手段(レムナントが隠れて用意していたやつ)の確保を人目に触れずにやりきっていたので、諜報員としてはとてつもなく優秀です。むしろ本来はこういうのが諜報員の役目では……?
ちなみに当初の予定では研究成果を集める際にDr.インディゴと戦闘、或いは逃げ出そうとしたレムナントとの戦闘を想定していたんですが、前者は降りてしまったし後者は小市民過ぎて自分だけで逃げなかったので実現せず。
ちなみにですが彼は最後まで人獣型を解除していないので海軍側への顔バレもしていません。優秀ですね。
・七武海
ハンコック、ジンベエは何やかんやあって二人に協力的だから。くまは普通に指示に従った。ミホークは偶然近くにいての暇潰し。ドフラミンゴは口では面白そうと言いつつ、“ジョーカー”として最前線で生の情報を手に入れるためにここにいます。モリアは来ていませんね。強制参加ではないので、むしろここまで集まったこと自体が異常なのではないでしょうか?
◎シキ陣営
海兵としての二人、その最後の戦い。第一部の総決算であるということで盛りに盛ったれの精神でいきました。なんかかんやでオリジナル敵が8人、アイデアもいただいて形になりました。ありがとうございます。
・シキ
元四皇であり“伝説の海賊”であり“金獅子のシキ”と呼ばれる男。ルフィにとっては海兵時代のラスボスということで原作よりも盛られてはいますが、それでも老いを始めとする衰えはどうしても誤魔化しきれていません。一番顕著というか大きい衰えは多分タフさの部分なのかな、と思ったり。
ここのシキはロジャーに対して物凄い複雑な感情を抱いています。彼が“海賊王”になったことには口では憎まれ口を叩きつつ「あいつならやるだろう」くらいには思っていたし、“海賊王”になった後も何度か小競り合いのようなことを繰り返しつつ、「先を越されたが目標が明確になっていい」くらいには思っていました。
しかしそこでロジャーの処刑。二度と戦うことさえできなくなった。そこで計画したのが今回の計画であり、結果だけを見ればロジャーを処刑した“世界政府”を倒すことでロジャーに勝とうとしたわけです。最後の一撃、その直前の独白がきっと彼の全てです。処刑される前に満足いくまでロジャーと殴り合いができてたらこうはならなかったんじゃないでしょうか。
東の海の出身であり、かつてロジャーが被っていた麦わら帽子を被り、そしてロジャーが始めた大海賊時代に生まれ、かつて自分ともやり合った男であるガープの孫。“新時代”そのものとも言えるルフィに負けたのは区切りになったんじゃないでしょうか。
多分インペルダウンからの脱獄はしないんじゃないでしょうか。二人の事件について聞いても「おれに勝ったんだ。捕まるわけねェ」って小さく笑っているかもしれません。
●シキ配下における幹部集団“七宝剣”
億越えの賞金首によって構成される七人の幹部。七武海を模して作られた集団であり、彼らのスカウトについてはシキが直々に行なっている。こういった象徴の存在の重要性をよく理解しているシキが海賊団の結束を高めるために作った集団ですね。
アイデアを頂いて生まれました、ありがとうございます。
ちなみに加入した順番は
ジュウゾウ(元々シキ配下)、ラウンド、カガシャ、レムナント、アルキディクス、ブルチネラ、ドリーマーです。
戦闘能力については、
ジュウゾウ、ラウンド、ブルチネラ、アルキディクス、カガシャ、ドリーマー、レムナントのイメージですが、相性もあるので一概には言えないと思います。実際にぶつかり合うと割と勝敗はわからない気がします。
各キャラについては登場順で
・カガシャ
“毒蛇のカガシャ”の異名を持つ暗殺者であり海賊。ナギナギの実の能力者ということで、アイデアを頂いた時点でウタの敵であることはほぼ確定したみたいなものです。その戦闘も“見聞色の覇気”を得意とするウタにとって天敵に近いものです。ただ暗殺者でありあくまで一方的な殺人が本領であるため、打たれ弱いのが弱点。
その戦闘技術は『正面から不意打ち』という矛盾した論理によるものです。“見聞色の覇気”を鍛えた者ほど彼女の“溺れる者は藁をも掴む”を避けられません。そこをウタは未来を視るという手段で突破しました。
身内と決めた相手には相応の情は見せますが、基本的に暗殺者ということもあって非常にドライです。「口を慎め」と言いつつナギナギの力で黙らせるのは殺す側と殺される側という立場を自覚しろという傲慢さからくるんでしょう。
彼女の背景については作中にあった通りです。とある国の暗殺者集団の当代における頭領であり、自身を裏切った国王を暗殺して国を出ました。そのため彼女が率いる海賊団はその暗殺者たちのうち彼女についていくことを決めた者たちによって構成されているため、海賊というより暗殺者集団としての側面が強いです。カガシャという名前も実は本名ではなく、頭領が受け継ぐ名前ですね。本名は捨てたため最早知っている人間はほとんどいません。
シキの配下に加わったのは結局のところ彼女を含めて彼ら暗殺者は「誰かの指示を聞く」ということに慣れ過ぎて自由であることが逆に不自由であったからです。かといって誰でもいいわけではなく、相応の格がある相手を探していたらシキから勧誘されて加わることになりました。割と本人たちは満足していた模様。
インペルダウンへと収監されることになりましたが、脱獄イベントがあった場合バギーの下につくかは微妙なところです。やかましいのが嫌いなので。ビジネスライクに接してくれるであろうクロコダイルなんかとは相性いいかもしれませんが。
幹部組の中ではラウンドとイルの二名と主に交流があります。共に物静かなので彼女の好みに合うし、特に後者は自分と同じ『生まれた瞬間から役割を決められていた人間』であったこともあって気にしていた模様。
逆に苦手なのはブルチネラとDr.インディゴ。やかましいので。
・ブルチネラ
通称、“返り血のブルチネラ”。相手の返り血で自身の衣装を赤く染めることからこんな異名がついた危険人物。バギーとはまた違ったタイプのピエロであり、バギーのような華美な道化服ではなく白を基調としたシンプルな道化服と黒い仮面が特徴の巨漢です。最初のコンセプトはクソ強ピエロ。
その戦闘方法は様々な“芸”を用いたトリッキーなものですが、その本領は頑強な肉体による肉弾戦です。そういうところでも相手を欺こうとするのがこのピエロですね。
多分“七宝剣”の中では一番残虐ですし容赦もない。悪い海賊としてのイメージそのものではないでしょうか。割と好き勝手してる割に空気は読めるので実は一番タチ悪いタイプかもしれない。“道化”であるためその行動全てが本心であると共に偽りでもあるという男。表に出ている感情の裏で冷静に頭が回っているタイプです。
彼の背景は作中でも少し出ていましたが、元々はとあるサーカス団の道化として活躍していました。観客を含めて周囲の空気を読むことが得意で、無自覚のうちに“見聞色の覇気”を覚醒させてもいた。彼自身も人気はありましたが花形の役者たちよりは人気が劣り、それに対して少しずつ不満を蓄積していき最終的にサーカス団の人間を殺して出奔。生来の大きな体と人の機微を読み取る能力で海を渡ってきました。異名の通りの危険人物のため“七宝剣”ではジュウゾウを除いて一番懸賞金が高いです。
脱獄イベントがあるなら多分画面端で「うおお! キャプテン・バギー!」と躊躇なくやってるタイプ。その後の流れで多分普通に傘下に入る。恩は恩としてちゃんと感じつつ、それはそれで逃げる算段も裏でつけてるタイプですね。
幹部組だと一番他のメンバーと会話が多いですが、仲がいい相手というのはいません。相手の裏と本音を読もうとすることが癖になっている彼が他人を信用することはありません。ただスカーレットはゴリラであり正直者なので彼にとっては一番気を許せる相手だったのかもしれません。ちなみにジュウゾウはどこまでが本気でどこまでが冗談なのかが本気でわからない上にその強さも理解しているので大分苦手です。他の者たちについてはそもそもあんまり興味がない。あるように見せているだけです。
・ラウンド
“大地の王”の異名を持つ男。様々な義理であったり思想であったり信念であったりといったことによって雁字搦めになっている男。ツチツチの実を食べた能力者。この後の逃亡編の世界観の片鱗を見せつつ、けれど彼に主人公二人は最後まで関わらないといったコンセプトで考えました。
ツチツチの本領である大質量で押し潰す戦術と、生来の真面目さで生まれ育った国の正規の槍術を収めているので戦闘能力は純粋に高いです。ただ他者との連携がどうしようもなく苦手。ずっと一人で生きてきた弊害でしょう。人を背負うことはあっても並び立つことは数えるほどしかなかったのです。
寡黙な人物であると共に本質的な部分で一匹狼であり、集団で生きることが苦手。海賊として高額の懸賞金を懸けられているが彼の認識では海賊を名乗ったことは一度もなく、また誰かを率いてそれらを差配した記憶もありません。シキの傘下に収まった海賊たちに指示を出すことはあるがそれはあくまで彼の下ではなくシキの下という認識と態度で行っています。
どちらかといえば『無法者』という表現が正しいのであろう彼は当初は賞金稼ぎであり、最初から無法者であったわけではありません。ドーベルマン中将とはまだ彼が海軍将校となる前後くらいの時期からの顔見知りで、賞金稼ぎ時代にはなし崩しで共闘したこともあります。以下ラウンドの略歴。
元々は加盟国の裕福な一家に生まれ、そこでは使用人として奴隷を所有していました。虐げるようなことはなかったが両親は明確な線を引いており、しかし彼はそれに対して幼少期から疑問を抱くと共に数歳年上の奴隷の女性アラストゥルに恋をします。しかし彼女は奴隷を理由に彼の求愛を断り、その後程なくして病でこの世を去りました。その後彼は世界を見て回るとして賞金稼ぎになり、その過程で非加盟国の側に立って戦ったことから賞金首となってしまいます。その後単独で海を渡る中でフィッシャータイガーに救われた元奴隷たちの一団と出会い、彼らを故郷に送り返すことにしました。その理由には奴隷であった、彼が生涯で唯一恋焦がれた人のことがあったのかもしれません。だが全員が帰れるわけではないし、帰る場所などない者もいました。そこで彼はそんな者たちと共に『アラストゥル』という国を立ち上げます。そこに援助をしたのが旅の過程で出会ったジュウゾウを通じて接触してきたシキであり、だからこそその恩を返すために傘下に入りました。その後は作中で語られた通りです。順番としては革命軍からの誘いを断り、アラストゥルはバスターコールによって滅び、彼は“七宝剣”の一人としてこの戦いに赴きました。
幹部組だと私情を基本的に挟まないカガシャとは気が合う部分があり、同じ一匹狼気質なアルキディクスとも仲は良好です。ジュウゾウとも付き合いが長いため彼の酒に付き合うことも多かった模様。また、自分が見つけたということと元奴隷という境遇からかなりイルのことは気にかけていました。
ちなみに彼自身は苦手に思う相手はいないがブルチネラのことは警戒していた様子。
・アルキディクス
大王イカの人魚であり、“海災”の通り名で知られる『ならず者』。『ならず』とは『不成』であり、作中で彼自身が語ったように『何者にも成っていない』男です。
その通り名が示すように海で出会う災いそのものとして恐れられる彼が海に出た理由は作中で語られた通りですが、少し特殊なのは彼は差別であったり迫害であったりといった種族として受けてきた歴史についてあまり気にしていないところです。昔はそうでもなかったのですが、故郷を捨てた時点でその辺りは全て一度切り捨ててしまいました。彼自身も海に出てから差別や迫害を受けますがそれは無法者に対するそれに人魚に対する差別意識が乗ったものであり、そして彼はそれを持ち前の暴力で全て黙らせてきました。それもあって彼は「こちらを攻撃してくるのであれば反撃すればいい」というシンプルな論理で生きています。ただフィッシャータイガーやオトヒメのような誰かのために戦う人間を尊敬する部分もあり、だからこそわざわざ言葉にして否定していたりするという人間臭い部分も。
言動や佇まいは落ち着いていますが、その本質は暴力を解放する先を探している無法者なので割と危険人物です。
その戦闘方法は至極シンプルな魚人空手を用いたものです。その練度は凄まじいものであり、実戦のみを繰り返してきた彼の魚人空手は通常のそれよりも更に殺意が高くなっています。
脱獄イベントがあるなら素直に出てきそうな人。ついでに言うとこの世界線で立ち上がるかはわかりませんがバギーの海賊派遣業は割とこの人にとって天職かもしれません。飯食えて戦えるならそれでいい人なので。
ルッチとはその根本にある部分が違う、どこか似た者同士での戦いでした。ルッチの中には“正義”が確かにあるのですが、彼にはそういった“芯”の部分がありません。かつてはあったはずなのですがいつの間にか無くしてしまっていて、残ったのは自分自身の“力”だけでした。
年の功というか、年齢的には“七宝剣”の中ではジュウゾウに次ぐ二番目なので周囲との関係は良好です。
・レムナント
元世界政府の科学者であり、今は“墓荒らしのレムナント”と呼ばれる無法者。“フランケン部隊”という死体を改造した兵士たちを統べる男であり、これまた死体を改造した“スーツ”と呼ばれるものを着込む形で彼自身は戦闘を行います。生身はもやしです。
本体は弱いですがスーツの力そのものは強力です。ただ相手が悪かった。
作中でも触れましたが基本的に小心者であり小市民です。元々はプライドもあり自身の能力にも自信を持っていましたが、“世界最高の頭脳”と出会って自分の才能の限界を痛感しました。ただそれでも優秀な人間ではあるので世界政府も重宝していたのですが、根本的にその倫理観がズレているのでフランケンを作成するきっかけとなる“パシフィスタ”の初期設計図を見たこととその素材調達のための墓荒らしが原因で追われることに。ちなみに死体を使うのはそれが効率的だからという理由です。一から体を作るより元々から人の体として形になっているものを使ったほうがいいという判断なわけですが、まあ倫理観はおかしいです。
世界政府を追放された後にシキからその経歴を買われて傘下に入りました。彼としてはうるさく倫理やらルールやらを強制されないし資金も出してくれるしで居心地は良かったようです。ただ逆にその居心地の良さとシキの強さと「裏切りを許さない」というシキのルールに縛られ逃げるタイミングを失いました。
幹部組だとドリーマーとは気が合ったようです。どちらも実利主義な部分があるので、そういうところが良かったのでしょう。
脱獄イベントがあるなら普通に出てきますし、何なら縋りついてでも出ようとするタイプです。割と生き汚いので。
・ドリーマー
“蹴撃のドリーマー”と呼ばれる“新世界”の海賊。トリトリの実古代種、モデル“ディアトリマ”の能力を持つ、蹴り技を得意とする武闘派。性格的にはチンピラですが実力は確かな男。彼の技は爆弾を模したものとなっています。
平和な日常を生きていた彼が海賊になるに至った流れは残念ながらこの世界ではありふれたものでしょう。その経緯もあってか少々投げやりな部分もあります。とはいえ海賊になったことに後悔はなく、その所業についても反省はありません。そういう意味では同情はできるかもしれませんが間違いなく犯罪者であり海賊。裁かれるべき人間ではあります。
才能も運もあって“新世界”へ至り、本人も言うように『好き勝手に』生きてきましたがそこでシキと遭遇してしまったことが運の尽き。絶対的な力の差を見せつけられ傘下に降りました。それ故に忠誠心などはありません。かといって裏切るだけの力もない。彼もまたレムナントと同じである意味逃げるタイミングを失った人間なのかもしれませんね。
ロマンを求めて海賊になったわけではないということもあってか、表向きの言動に反して割と実利主義というかリアリストな部分があります。海賊稼業を楽しみつつもどこか冷めている。そんな彼はレムナントやアルキディクスと気が合っていたようです。ある意味『真面目な海賊』でした。
最後に空を見上げた時に感じたものはきっと、彼が置き去りにしてしまったものです。
ちなみに空気読めるし恩は恩として感じるタイプなので脱獄イベントがあるなら素直に出てきます。多分。
・ジュウゾウ
“金獅子”の右腕であると共に鬼札。戦闘という一点において彼から絶対的な信頼を寄せられている老人。シキと組む前は“酒呑”、組んだ後に引き起こした事件によって“国呑”と呼ばれるようになり、最終的に“アラストゥルの悲劇”、或いは“殺人鬼”と呼ばれるようになった怪物。要するに四皇最高幹部なので純然たる化け物です。ヒトヒトの実幻獣種、モデル“鬼”……純粋な身体能力の向上と『鬼火』という炎を操る能力を持ちますがその本質は結局不明です。モデル間違っているんじゃないかという説あり。
戦闘面に関してはその身体能力と天性の才覚による本能をそのままぶつけるような戦い方をします。刀も一時期手にしていましたがそれはレイリーの戦闘を理解するためであり、向いていないとして諦めました。後に彼の刀はイルへと渡されます。
普段はお酒大好きの困った人でもあり、ふらっと出歩いては見知らぬ土地で酒を呑んでいます。ちなみにお金を払う意思はあるのですが、持ち合わせがない時もあります。そういう時は頼み込んで酒を貰うのですが、断られると奪います。その際の被害が凄まじく、それ故の“国呑”です。逆に無償で酒を渡すと機嫌よく何もせず帰るので、もはやそういう妖怪とかそういう類の存在。そのある意味派手な行動がシキの計画の目眩しにもなっていました。そして酒を飲むついでにシキの代理として動くのもまた彼の役目でした。
彼の語る『罰を受けたことがない』というのが彼の在り方の原点です。自らの生き方が間違っていることは彼もわかっていますが、それが腹落ちしていません。理解はしていますが納得していない。だからこそ彼は自分を曲げませんでした。その果てに『罪』とは何なのかという漠然とした考えを抱くに至り、そして結局その答えは得られないまま。ただガープという彼に『罰』を与えた存在は彼にとって救いだったのかもしれません。
ちなみに気まぐれで弟子にしたイルや共に酒を飲むことの多かったラウンド、アルキディクスとの交流が多かったようです。他の者たちに対しても友好的ではあるのですが、恐れられている部分の方が大きかったようです。
おそらく脱獄はしないでしょう。ようやく受けた『罰』である以上、彼はそれをちゃんと受けようとします。
●別枠幹部
・イル
奴隷の両親より生まれ、その生を受けた時から奴隷として生きてきた女性。年齢的にはウタとそう変わりません。“シキの孫娘”を名乗りますが、これはシキが彼女の立場の保証をするためという彼としては非常に甘い対応によるものです。
二刀流の剣士であり、その剣術はジュウゾウより教わったもの。ただジュウゾウの剣術は我流であり、彼が見てきた剣士の技術を見様見真似で再現したものです。更にいえば技術による再現ではなくその身体能力による強引な再現であるため、彼女がその剣術を習得したのは彼女の執念による部分が大きく、事実上彼女が開祖のようなものです。ちなみに刀はジュウゾウから貰ったものですが無銘の刀です。イルはとても大切にしていますが。
その生い立ち故か自己主張というものをほとんどしませんし、常に何かしら働いていないと落ち着かないという難儀な性格をしています。彼女の主な仕事はシキの補佐であり、実は彼の計画の全貌を知る数少ない人間でもありました。そんな彼女が執着するのはかつての奴隷時代に救いであったウタの歌声であり、自分を救い出してくれたシキとラウンドに対する恩返しという感情です。自分のことを消耗品か何かだと思っているので自身の生存や安全といったものの優先度はとてつもなく低いです。健を削がれた右足を自ら切り落とし、義足をつけた際も何の躊躇もなく行いました。足手纏いにならず、恩返しのために戦うためです。そんな彼女を見てシキは何を思ったのでしょう。
唯一インペルダウンに収監されず革命軍の下に流れつくことになった彼女は、初めてここで選択というものをすることになります。その果てに何を思うのか。
個人的にはいつか世界を見たことをシキヘ報告してほしいところです。
完全にあげるの忘れてました。
ストロングワールドを格上で色々と生えた設定やらもろもろです。