side風鳴翼
思い出す。今でも鮮明に思い出せる。
2年前、あのライブの日。
その終わり。
絶唱を歌い上げ、アームドギアも握れず地面に倒れた奏。
そんな奏に駆け寄る私。
「奏…ッ!」
「どこだ……?翼…?真っ暗でお前の顔も見えやしない…」
「奏…ッ!」
「悪いな…もう一緒に歌えないみたいだ……」
「どうして……?どうしてそんな事言うの…?奏は意地悪だ…!」
「だったら翼は泣き虫で……弱虫だ………」
「それでも構わない…!だから…ずっと一緒に歌って欲しい……!」
「知ってるか……?翼……思いっきり歌うとな…すっげぇ腹減るみたいだ…………」
涙を一筋流して、絶唱のバックファイヤで消滅していった奏。
全ては、私が弱かったせいだ。
私の弱さが引き起こした。
ならば…強くなる。剣になる。そこに…心は、いらない。
side立花響
課題を進めていると、アラームが鳴り響く。
確認すると、二課の定例ミーティングだった。
時間が差し迫っている。
思わずため息をつく。
「こんな時間に、用事?」
「アハハハ…」
「夜間外出とか、門限とかはわたしでなんとかするけど…こっちはなんとかしてよね。一緒に流れ星見ようって約束したの覚えてる?」
そう言って未来が見せてくれたのは綺麗な流れ星の動画だった。
「なんとか、するから…だから、ごめん。」
その後、服を上手く着ることができなくて未来に手伝ってもらってから、わたしは二課に急いだ。
「遅くなりました!すみません…」
「では、全員揃ったところで仲良しミーティングを始めましょ。」
いや、翼さんがこっちを見てくれな…それも踏まえて言ってるのか…了子さん、性格悪いな…
なんて思ったところで、一つだけ気になることがあった。
「アイゼンさんは…どこに…?」
昨日や一昨日の行動から、彼女が二課の一員であることは間違いない筈なのだが…
すると、皆少し苦い顔をする。なんというか、意外だ。
「はーい、アイゼンはここにいまーす!」
すると突然、アイゼンさんの声が響いた。
モニターに顔が映っている。
「了子、貴女の真似なんだけどどうだった?」
「うーん、40点ぐらいね。」
「なんとぉ!?という訳で響…そう呼ばせてもらうけど、私もいるから大丈夫!さぁミーティング再開!司令、任せました!」
「あぁ、わかった。響君。これを見てくれ。」
そう言ってアイゼンさんの顔を映した画面が縮小。残ったスペース全てにリディアン近くの地図とその上に重なる赤い点。
「どう思う?」
司令がモニターを指してわたしに聞いて来る…感想を求められている…なら…
「うーん。いっぱいですね。」
「ぷっ…アハハ!全くその通りだ。これはここ一ヶ月に現れたノイズの発生地点だ。では、ノイズについて響君が知っている事は?」
「ええと…まず無感情で機械的に人間だけを襲うこと。そして襲われてしまうと炭化すること。時と場合を選ばずに突然現れて周囲に被害を及ぼす特異災害として認定されていること。」
「意外と詳しいな。」
「今纏めてるレポートの題材だったのでなんとかなりました!」
「ノイズの発生が国連で議題に上がったのは13年前だけど…観測自体は遥か昔からあったわ。それこそ太古の昔から…」
「世界各地の神話や伝承に登場する異形はノイズ由来の物が多いんだろうな。」
心の中でふむふむと納得した、専門的な用語が少ないから理解しやすい。
「ノイズの発生率そのものはそこまで高くないの。この発生件数は誰の目から見ても異常事態。だとすると、そこには何らかの作為が働いていると考えるべきなのでしょうね…」
わたしはその言葉に信じられず聞き返してしまった。
「作為…ということは誰かの手によるものだというんですか?」
「中心点はここ、私立リディアン音楽院高等科。我々の真上です。サクリストDーーデュランダルを狙って何らかの意思がこの地に向けられている証左となります。」
「あの…デュランダルってなんですか?」
「ここよりも更に下層、アビスと呼ばれる最深部で保管され、日本政府の管理下で研究されている“ほぼ完全状態”の聖遺物、それがデュランダルよ。」
「翼さんの天羽々斬、響ちゃんの胸のガングニールのような欠片は奏者が歌ってシンフォギアとして再構築させないと力を発揮出来ないけど、完全状態の聖遺物は一度起動すれば100%の力を常時発揮し、更に奏者以外の人間にも扱えるだろうと、研究の結果が出ているんだ。」
「それが私の提唱した“桜井理論”。でも完全聖遺物の起動には相応のフォニックゲイン値が必要なのよね…」
オペレーターのあおいさん、藤尭さんが解説し、了子さんが纏めてるくれたけど一割もわかった気がしなかった。
司令曰く、今の翼さんなら起動出来るかもしれないこと。
更に“デュランダル”はベイコク…アメリカから渡せと言われていて、それによって実験もままならないらしい。
米国が関わっているとわかると司令室が一気に殺気立ち、翼さんも紙コップを握り潰していた。
「まぁ、私も米国には行きたくないかな…何されるかわかんないし。」
と、アイゼンさんが言っている…え?
「あぁ、戸惑うよね。私は公的には“自立稼働する聖遺物”だからさ。私も米国からの要求リストに入ってるんだよ。」
そう…なんですね………ええっ!
「まぁ、今は人間じゃないから、じゃんじゃん使ってよ。ね?」
「風鳴司令、そろそろ。」
誰も何も言えなくなったけど、それを破ったのは、最初にわたしが二課に連行された時や、昨日の戦闘の後に寮まで送ってくれた緒川さんだった。
「あぁ、そろそろか。」
でも、そろそろ…何の時間なんだろう?
翼さんに向けて口を開く緒川さん。
「今夜はこれからアルバムの打ち合わせが入っています。」
「へ?」
なんのことか分からなかった。アルバム?
「表の顔は風鳴翼のマネージャーをやってます。」
差し出された名刺を受け取る。
「おぉ…!名刺をもらうなんて初めてです。これまた結構なものをどうも…」
そのまま仕事へ向かう翼さんと緒川さん。
それを見送りつつ呟く。
「わたし達を取り囲む脅威はノイズだけではないんですね…」
「うむ…」
「どこかの誰かがここを狙っているなんて考えたくないです…」
その呟きを拾ったのは了子さんだった。
二課本部のセキュリティは異端二して先端、誰も寄せ付けないのだ、と。わたしはそれを聞いて安心した。
だが、気になることも、ある。というか漠然とした疑問だった。
「どうしてわたし達はノイズだけでなく、人間同士で争っちゃうんだろう…どうして争いは無くならないんでしょうね?」
「それは…人類が呪われてるからじゃないかしら。」
耳を噛まれたりして、その後ドタバタしたがその言葉が妙に、耳に残っていた。
薄い…内容が薄い…
第10話、どうだったでしょうか?
原作との乖離点、アイムートの一言と響の反応のみ、それ以外変わってない…
と悲嘆に暮れつつ、暫くは原作準拠が続きます。
形成の詠唱も完成したので、開帳が楽しみです。
では。
今のところG編まではやろうと思っているのですが、その後どこまでやるかを募集します。
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G編までで良きよ。
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キャロル見たい!GX編までやれ!
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AXZ編までやらなければ許さん!
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XVまでやれ!やるんだァ!