sideアイムート
「…!現場に急行する!何としても鎧を確保するんだ!」
通信から聞こえる声に歯噛みする。タイミングが最悪だ。
私はどこからともなく現れ続けるノイズの対処に手一杯。
響と翼の援護に行けない。
というか、もう“偶発的”という規模を超えている。殆ど小型とはいえ2、300は倒してないか…?
現状“活動位階”の私は遠距離の攻撃手段を持っていない。
ノイズが勝手に自壊するとはいえ、市街地に向かわないよう抑え込むのはかなり難しい…
今だってかなりギリギリだ。
ネフシュタンの鎧の元までは行けない。
まぁ、向こうはそう考えているのだろう。
魔人を侮ったな。
連怨・共喰の魔剣の呪いを緩める。
周りに人がいないのを確認しているからこその荒業だが…
触れただけで崩れていくノイズ共。
「打ち止め…か。」
暫くして増えなくなったノイズを見て、元から
side立花響
「ネフシュタンの鎧だと…」
翼さんが呟いた単語、“ネフシュタンの鎧”。2年前のライブで起動実験を行ったけどその後消失した完全聖遺物…そう聞いたけど…
っ!翼さん戦おうとして…!
「やめてください翼さん!相手は人です!同じ人間です!!」
「「
2人に一喝されて、わたしは強く出れなくなってしまった。
何も出来ないまま、状況は動いていく。
「どうやら貴女の方が気が合いそうね。」
「だったら仲良くじゃれ合うかい?」
わけの分からぬまま進む状況に目を回している間に戦いが始まってしまった。
翼さんがアームドギアを振るって攻撃を仕掛けていく。
自分が放った衝撃が掻き消えたのを見て剣を大振りにして接近、そのまま振り下ろす。
でもネフシュタンの鎧の少女は棘のついた鞭で翼さんの剣を弾き飛ばした。戦闘の素人の私でもわかる、隙だった。そしてそのまま翼さんの鳩尾に蹴りが入る。
顔を苦痛に歪める翼さん。余裕を滲ませるネフシュタンの少女。
「ネフシュタンの力だなんて思ってくれるなよ?ワタシのてっぺんはまだまだこんなもんじゃねぇぞ?」
「翼さん!」
「お前はお呼びじゃないんだよ。コイツらでも相手してな。」
ネフシュタンの少女がこちらを向くと右手に持った…銃のような物から光が照射された。そこには災害の筈のノイズがいた。
明らかに、人為的に呼び出されたものだ。
しかも…
「ノイズが操られてっ…!」
こちらに迫る4体のノイズから距離を取ろうとして、吐き出された粘液のような物に絡め取られた。
「その子にかまけて、私を忘れたかッ!」
「お高く止まるな!」
一瞬の攻防、大振りのアームドギアを維持したまま突撃した翼さんを鞭を両手で構えて受け止めたネフシュタンの少女。
更に、翼さんが足払いをかけて姿勢を崩したところにネフシュタンの少女に上段蹴り。でもこれも受け止められてしまった。
そのまま掴まれ、投げ飛ばされた翼さんの頭を踏みしだくネフシュタンの少女。
「のぼせ上がるな人気者!誰も彼もが構ってくれると思ってんじゃねぇ!」
「くっ…」
蹴り飛ばされ、そのまま頭を押さえつけられる翼さん…
私にも聞こえるように放たれた一言は意外な物だった。
「この場の主役だと勘違いしてるなら教えてやる。ワタシの目的はハナッからコイツをかっ攫うことだ。」
「え…?」
わたし…?
「鎧も仲間も、アンタにゃ過ぎてんじゃないのか?」
「繰り返すものかと…私は誓った!」
そう言ってアームドギアを傾ける翼さん。それが合図だったのか無数の剣が降り注ぐ。
それを避けるネフシュタンの少女、続く戦闘に拘束されたまま立ち尽くすわたし。
そこでふと気づいた。
翼さんがアームドギアを使っていたように…わたしにもアームドギアがあれば………奏さんの代わりに…
そこでふと蘇る声。
“人の心に立ち入る時、押し付けた善意は悪意と何ら変わりない”
アイゼンさんの言葉だった。
もし、アームドギアを出せて、ネフシュタンの少女を倒す手伝いができたとして、それは…奏さんの代わりか?
そもそも、根本的に人は誰かの代わりになどなれるのか?
そう思ったわたしには2人の戦いを横目にアームドギア顕現に再度挑むも、失敗してしまった。
side風鳴翼
鍔迫り合う鞭と
「鎧に振り回されている訳ではない…この強さは本物ッ…!」
「ここに来て考え事かぁ?度し難ぇ!」
繰り出される蹴りをなんとか躱したが…
照射される光、そして現れる小型のノイズ。
次々と繰り出されるソレを私は切り裂いていく。時に手に持つアームドギアで、時に降り注ぐ剣閃で。
ネフシュタンの鎧に迫る。
放たれる鞭を躱し、近接戦に入った。
しかし、攻撃はいなされ、防がれる。
“あの技”であれば……
技の前段階として小刀を投擲する、だが、反撃の想定が少し甘かったのだろう。黒白の球体を鞭に纏った攻撃を防ぎきれず吹き飛ばされた。
「まるで出来損ない。」
そうだ…その通りだ。
「確かに…私ば出来損ないだ…この身を一振りの剣と鍛えてきたはずなのに…あの日無様に生き残ってしまった…出来損ないの剣として生き恥を晒してきてしまった…」
小刀が奴の影に刺さったのがわかった。これで、あとは、もう…
「…だが、それも今日まで…奪われたネフシュタンの鎧を取り戻す事で…この身の汚名を雪がせてもらう…!」
「そうかい…脱がせるもんなら脱がして…ッ!」
忍術、“影縫い”…短時間だが…相手の動きを封じる。
ノイズ戦で使うことはなかったが…これで…
「まさか…お前…」
「月が覗いているうちに、決着をつけましょう?」
「歌うのか!?絶唱を!?」
「翼さんッ!」
私の魂からの言の葉だ。
「防人の生き様、覚悟を見せてあげる。その胸に焼き付けなさい!」
剣を
歌おう。防人が紡ぐ命の歌、『絶唱』を。
「…Gatrandis babel ziggurat edenalー」
歌い出しにも関わらず、壮絶な力の奔流を感じる…
「…Emustolronzen fine el baral zizzlー」
ネフシュタンの鎧がノイズを繰り出すが…笑止、どこを狙っているのやら。私はもう
「…Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el zizzlー」
ネフシュタンの鎧の肩を掴んで固定する。全身に巡る奔流が外へ溢れ出すのを感じる…同時に、私の命も。
周りが認識できない、あぁ…目から出血しているから…
視覚が安定していないのか…
「翼さんッ!」
「無事か翼ッ!」
「翼ッ!」
あぁ、三人の声が聞こえる…少し力を入れて、振り向く。
「私とて…人類守護の役目を果たす…防人…こんな所で、折れる剣じゃありません…」
…意識は暗転した。
蒼の戦姫は倒れた。
魔人はそれを見て、何を思うか。
文才がッ!無いッ!そして遅れましたァ!すみませんッ!
という訳で第十一話、どうだったでしょうか?
翼さんの絶唱、無印でも最推しシーンの一つなのにこんな表現しかできない自分が恨めしい…
この回から、アイゼン氏は少し過激になっていきます。近しい人の死は何度体験しても慣れない、ということですね。(※死んでないです。)
現在集計中のアンケートは次回を以て終了とさせて頂きます。
投票ありがとうございました。
まだ未投票の方は是非ともお願い致します。
今のところG編まではやろうと思っているのですが、その後どこまでやるかを募集します。
-
G編までで良きよ。
-
キャロル見たい!GX編までやれ!
-
AXZ編までやらなければ許さん!
-
XVまでやれ!やるんだァ!