ありがとうございます!
そして、kazukinさん、感想ありがとうございました。
今後とも精進致します。
side立花響
あれから数日経ち、考え続けているけどなかなか答えは出てこない。
緒川さんの“お願い”は元々そのつもり…だったから。
覚悟も意味も理由も知らずに、翼さんの心に踏み入ったわたし。
突然シンフォギアという力を手に入れて、勘違いしていた。
一人でできることは少ない。素人のわたしは特に、だ。
だから、まずは、翼さんに今までのことを謝る…んだけど…
翼さんはまだ集中治療室の中、今できるのは謝る時の言葉を考えるぐらいで…
「響。」
「未来…」
「最近一人で居る事が多くなったんじゃない?」
「そ…そうかな…?そうでも…ないよ?ほら、わたしって一人じゃなんにもできないし…この学校にだって未来が進学するから一緒にって決めたわけだし…え、いや、ここって学費がびっくりするぐらい安いじゃない?お母さんとおばあちゃんには負担かけずに済むかなっ…て…アハハハ…」
必死に捲し立てるわたしの手を静かに握る未来。その瞳はわたしを見つめている。
うん、そうだよね…
「やっぱり未来には隠し事できないなぁ…」
「だって響、無理してるんだもの。」
「でも…もう少し一人で考えさせて。これはわたしが考えなきゃいけないことなんだ。」
そう、アイゼンさんに言われた“戦う理由を考えろ”。という言葉。今まではなあなあで殆ど何も考えてなかった。人助けが趣味だから。そんなものは上辺の理由だ。考えることをやめちゃっただけだ。
だから、今、考えないと…
本当の意味で、取り返しがつかなくなる前に。
そんな思いを込めた言葉に未来は「わかった。」と頷いてくれた。
「あのね、響。どんなに悩んで考えて出した答えで一歩前進したとしても…響は響のままでいてね。」
「わたしのまま…?」
「そう、変わってしまうんじゃなくて、響のまま成長するなら、私も応援する。」
「だって、響の代わりは一人もいないんだもの、いなくなって欲しくない。」
「わたし…わたしのままでいていいのかな…?」
「響が響のままじゃなきゃ嫌だよ。」
思い出すのは、先日の定例ミーティングの一幕。
わたしが泣きながら叫んだ、“守りたいもの”その一つはこういうかけがえのない人なのだと思うから。
立ち上がって、静かに、だけど力を込めて拳を握る。
「ありがとう。未来。わたし、わたしのまま歩いて行けそうな気がする。」
「よかった。あ、そうだ琴座流星群見る?動画に撮っておいたんだ。」
そう言って貸してもらった携帯カメラには何も映っていなかった。未来は光量不足らしい、と言っていて…
思わずツッコミを入れてしまうわたし。
二人で大笑いした。
涙が止まらないけど、未来と約束した、一緒に“流星群を見る”って、何気ない日常、小さな約束。そういうものを守るために、わたしは…
わたしのまま、強くなる。
だったら、できることは沢山ある。
「たのもー!!」
インターホンが見当たらず、家の前で叫んで家主を呼び出すと、出てきたのは特異災害対策機動部二課、司令、風鳴弦十郎さん。
「わたしに、戦い方を教えてください!」
「俺が…君に…?」
「アイゼンさんが言ってました。“司令は対ノイズ以外は人類最強”だって!」
「…俺のやり方は、厳しいぞ?」
厳しいのは、むしろどんとこいだ…翼さんは2年、いやもっとかけて今ぐらい強くなった。
わたしは年単位なんてことは言ってられないから。
「時に響君。君は、アクション映画は嗜む方かな?」
「はい?」
ここから弦十郎さん…師匠式の特訓が始まった。
食べる➝アクション映画を見る➝映画の動きを再現するために訓練➝帰って寝る
の繰り返し、最初は運動しているという感覚だけがあったけど…
一日、三日、一週間、更に経って、わたしは成長を実感できるようになった。
何度か学校も休んでしまったけど…仕方ない…よね…
思い出すのは、ある日の未来の一言。
「ねえ響…」
「なに?」
「私、流星群の動画撮ってること響に黙っていたのは…少しだけ苦しかったんだ…」
「響にだけは、二度と隠し事したくないな…」
「うん…わたしだって…未来に隠し事、しないよ?」
嘘つきだ、本当は、ノイズのこと、シンフォギアのこと、二課の人達のこと…全部未来に隠してる、大嘘つきだ。
でも、未来を、大切な人達を守りたいから。
だから…
「どうした?」
わたしの顔を覗き込む師匠。顔に出ちゃってたかな…?
「大丈夫です!行きます!」
そう言って、わたしは師匠とスパークリングを続ける。
靄は、かかったままだ。
わたしは今二課、その司令室のミーティングルームで休憩させてもらっている。
なぜなら、リディアンは今授業中だ。
「はい、ご苦労さま。」
「ふぁあ!すみません!」
差し出されたドリンクを一気に飲む。うん、美味しい。
「あの…自分でやると決めたことなのに申し訳ないんですけど…なにもうら若き高校生に頼まなくっても、ノイズと戦える武器って他にないんですか…?外国とか…」
「公式にはない、ということになっている。日本だってシンフォギアは最重要機密事項として完全非公開だ。まぁ、我々は唯一シンフォギア以外の例外を知っているが…」
「
「そうだね…危険というか、ろくでもないというか。」
いきなり繋がった通信にはアイゼンさんの顔が映っていた。
「どういうことですか?」
「永劫破壊はシンフォギアと違って対ノイズを想定している訳じゃないの。ただ、“聖遺物”を使うから結果的にノイズが倒せるだけなのであって…ね。」
「なるほど…?それにしても、機密、ですか…わたし結構派手にやらかしてるかも…」
話を続けたくなさそうな雰囲気を感じ取り、無理矢理話題を変える。
するとオペレーターの人達が反応を返してくれた。
「情報封鎖も二課の仕事だから。」
「だけど、時々無理を通すから、今では我々を良く思ってない閣僚や省庁だらけだ。」
「特異災害対策機動部二課を縮めて『
「情報の秘匿は、政府上層部の指示だってのに…やりきれない。」
「悲しいけど、そういうものね。世界はそうやって強い奴が弱い奴に都合を良いように押し付けられるようにできてる。永劫破壊がどーたらこーたらは関係なしにね…」
「そう、か…まぁ上層部はいずれシンフォギアを有利な外交カードにしようと目論んでいるんだろう。」
「EUや米国はいつだって回伝の機会を伺っている筈…シンフォギアの技術は既知のものとは完全に別系統の場所から発生した理論と技術によって作られているわ。日本以外では到底真似できないから尚更欲しいのでしょうね…」
今までの会話から考えるに…
「結局やっぱり…色々とややこしいってことですよね…」
そこで気づく。シンフォギアを生み出し、いつもなら大きな声で場を盛り上げる人が、いない。
「あれ?了子さんは?」
「永田町さ。」
「永田町…?」
「政府のお偉いさんに呼び出されてね、本部の安全性、及び防衛システムについて関係閣僚に説明義務を果たしに行っている。仕方のない事さ。」
「上の人間は得てして頭が硬いから、懇切丁寧に説明しなきゃいけないの。」
「ほんと…何もかもがややこしいんですね…」
師匠、アイゼンさんの言葉にげっそりとした気分になる。
「ルールをややこしくするのはいつも責任を取らずに立ち回りたい連中なんだが…その点、広木防衛大臣は…………了子君の戻りが遅れているようだな…」
「ほへー何があったんでしょう?」
「大きな遅れではないからな。帰ってきた了子君から直接聞くとしよう。」
少しの疑問の裏で、少しづつ、破滅の塔は組み上がる。
その目覚めは、まだ、先だ。
やはり、オリジナル要素入れるの難しいなぁ…
第十三話、どうだったでしょうか?
次話は広木防衛大臣の独白から始める予定です。
そして、次話から新アンケートを開始しようと思っています。
投票よろしくお願いします。