side広木威椎
「ハッハッハ、電話一本で予定を反故にされてしまったか…全く、野放図な連中だ。」
「旧陸軍由来の特務機関とはいえ、些か勝手が過ぎるのではありませんか?」
「だが、“特異災害”に対抗し得る唯一無二の切り札だ。私の役目は奴らの勝手気ままを守ってやることなのだが…」
秘書は困ったように笑って言う。
「『特機部二』とは、よく言ったもので…」
高架下に入り、そのまま出ようとした車列は唐突に横切ったトラックに阻害され、玉突きで事故。
そのまま中から軽機関銃を持った男達が。
…気づいた時には護衛を含め私を除いた全員が死んでいるように見えた。
だがしかし、この、ケースだけは…
突きつけられる銃。
「
「貴様らッ…!」
銃声が鳴り響く。
sidechange
「たーいへん!長らくお待たせしまーした!…なーによ?そんなに寂しくさせちゃった?」
「広木防衛大臣が、殺害された。」
「ええっ?本当!?」
「複数の革命グループから、犯行声明が出されているが…詳しいことは把握できていない。目下全力で捜査中だ。」
「了子さん、連絡も取れないから心配してたんです!」
それを見てゴソゴソとポケットを漁り…
「壊れてるみたいね…」
ホッとした顔をする一同。
「でも心配してくれてありがとう。」
近くのソファにケースを置き、開く。
「政府から受領した機密指令も無事よ…任務達成こそ広木防衛大臣の弔いだわ。」
side立花響
リディアン地下にある大型会議室、ここには今特異災害対策機動部二課のほぼ全メンバーが集まっている。
「私立リディアン音楽院高等科、つまり特異災害対策機動部二課本部を中心として周辺で頻発するノイズ発生の事例から、その目的を本部最奥区画“アビス”にて厳重保管されているサクリストD…“デュランダル”の強奪目的と政府は結論づけました。」
「デュランダル…」
「欧州連合が経済破綻した際、不良債権の肩代わりを条件に日本が管理・研究することになった、数少ない完全聖遺物の一つ。」
ここでオペレーターの藤尭さんが疑問を呈した。
「移送するったって、どこにですか?ここ以上の防衛システムなんて…」
「永田町最深部の特別電算室、通称“記憶の遺跡”。そこならば、ということだ。どちらにしても俺達が木っ端役人である以上、お上の意向には逆らえないさ。」
ここで了子さんが説明を引き継いだ。
「デュランダルの予定移送日時は明日、明朝
ここで数個の質問があって、解散。
わたし達はそのまま司令室に戻り、デュランダルの搬出を見届けている。
「あそこがアビスですか…」
「*1東京スカイタワー三 本 分、地下1800mにあるのよ?」
「ふわぁ…」
凄いスケールに思わず息が漏れる。
「はーい、じゃあ予定時間まで休んでなさい。お仕事はそれからよ。」
「私が参加出来ないのは残念だけどね。」
休もうとした瞬間に通信で割り込んできたアイゼンさんが突如投げ込んだ爆弾に動きが止まる。
「政府からの命令は待機。珍しいのよ、いつもは二課に委ねられてる私への裁量権が今回だけは政府主導。まぁいつもの如く上で見苦しい言い争いが続いているんでしょうね。」
「ハハハ…」
アイゼンさんって政府の人に辛辣なんだよな…と思いつつも休むために司令室から出ていった。
でも、まぁ、授業をサボって二課にいれば、当然こうなる訳で。
「ちょっと!朝からどこにいたの?いきなり修行とか言われても…」
いま、わたしは未来に問い詰められています。
「あーっとえーっと、そのー、ですね…」
「ちゃんと説明して!」
「もも、もう行かなくっちゃ!」
ごめん、未来。でも、未来に危険な目にあって欲しくない。
だから…ごめん。
私は、急かすようにドアノブを捻り、外に出た。
二課本部の廊下でたまたま転がっていた新聞を手に取ると…
「いへっ!」
そこには女性の下着姿を写した記事が。
男の人ってこういうの好きだよね…と思いつつ。
別のページを開くと、“風鳴翼、過労で入院”の文字。
でも、正直にネフシュタンの鎧の子と戦って入院と言える訳ないか…と思っていると、緒川さんがやってきた。
「情報操作も、僕の役目でして。」
「緒川さん…」
「翼さんですが、一番危険な状態を脱しました。」
思わず笑顔になる。よかった。本当によかった。
「ですが、暫くは二課の医療施設で安静が必要です。」
そう、だよね…あんなにボロボロだったんだから…
「月末のライブも中止ですね…響さんも、ファンの皆さんにどう謝るか一緒に考えてくれませんか?」
ッ…!やっぱり…わたしのせいなんだ…
沈んだ顔をしていたのか、緒川さんが慌てて謝ってくれた。
そうだよね、二課の人達はそんな酷い人達じゃない。
「伝えたかったのは、何事も沢山の人間が少しづつ、色々なところでバックアップしているということです。」
「そうね、バックアップ自体は私もやるし。」
「アイゼンさん!?」
廊下に響いた声、その元を見るとアイゼンさん本人が立っていた。緒川さんが驚くのも無理は無い。
「SC波形がプラス値に近づいててね。通常値に戻るまでの少しなら外に出られる。いやぁ…シャバの空気は美味いなぁ!」
「刑期を終えた犯罪者みたいなこと言わないでください。」
「ハハ…冗談冗談。それでもやっぱり通常時は地下から出られないし…ね。今はここにいられるだけで十分だから別にいいけど。」
「アイゼンさん…」
「暇があったら、今度訓練付き合おうか?司令が忙しい時とか。」
「は、はっ、はい!」
突然の誘いに少し戸惑ったけど、勢いで付き合ってもらうことにした。
「どんな力も使い方次第。私の永劫破壊だってろくでもない力で、与えられたことを感謝なんて多分死んでもしないけど、色々と飛び越えて人を助けられる力になった。だから、今のまま頑張りな。進み続けることで見える物もある。」
そう言って、アイゼンさんは去っていった。
わたしも頑張ろう。わたしのできることを。
今はただ、夜も更けていくばかり、
魔人は星も見えぬ地の底に何を思うのか。
広木防衛大臣のところの英語、再現するのが難しかったですね。
第十四話、どうだったでしょうか。
フィーネ戦までまだまだ遠い…
形成の開帳はまだ先になりそうです。
そして、新アンケート。
投票よろしくお願いします。
フィーネの生存についてアンケートを取りたいと思います。
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いや、原作通りに幕を引いて頂いて。
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転生阻害のために魂を捕獲しちまえ!
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鎧は壊して研究に専念して貰って、どぞ
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鎧も残して戦力アップ…?