side???
衝撃で身体の動きが鈍っている…
にしても、なんて無理筋な力の使い方をしやがる…
この力、
未形成のアームドギアで…ッ!
ネフシュタンの侵食が始まった。
痛みに顔を顰めてしまった。
食い破られる前に片をつけなければ…
…ん?追撃が来ない…?
振り向いて前を見ると、突っ立って構えすら取っていない
コイツ…!!
「お前!バカにしてるのか!アタシを!雪音クリスを!」
「そっかクリスちゃんって言うんだ。」
その言葉で気づいた。敵に余計な情報を与えてしまった…と。
「ねぇ、クリスちゃんこんな戦い、もうやめようよ!ノイズと違ってわたし達は言葉を交わすことができる。ちゃんと話をすれば、きっと分かり合えるはず!だってわたし達、同じ人間だよ?」
腸が煮えくり返るとはこういう事か。
イライラする、腹立たしい、叩き潰してしまいたい。
その全てを乗せて、口を開いた。
「クセェんだよ…嘘くせぇ…!青くせぇ…!」
接近し振りかぶる。相手が腕で防御しようとするが…バーカ!こっちはフェイクだよッ!そして拳で体制を崩して、本命の蹴りを入れた。鞭を使うとか、そんなことは全く考えなかった。
コイツだけは…アタシがッ!
起き上がった
が、コイツを叩き潰すより鎧の侵食の方が早ぇ…
「クリスちゃん…」
コイツ…この期に及んでッ!
侵食も進んでる、このままじゃ何もできずに負けるだけ…
業腹だが…歌うしかねぇ…
「吹っ飛べよ!アーマーパージだ!」
歌う…しょうがないから、どうしようもないから、大嫌いな歌を…歌ってやらァ!
「この歌って…」
そうだよ!目ェかっぽじってご覧じろ!
「イチイバルの力だ!」
「クリスちゃん…わたし達と同じ…」
同じ…?あぁ!同じだよ、同じだなクソッタレ!
「アタシに歌を歌わせたな…?……アタシに歌を歌わせたな…!!教えてやる!!!アタシは歌が大嫌いだ!!」
「歌が…嫌い?」
ぼさっとするならそのまま叩き潰す!
クロスボウ状のアームドギアを展開して、射殺さんと矢を放つ。
吹っ飛べ!
狙い通り徐々に近づいてきたドンくせぇのを蹴り飛ばす。
まだだ…こんなもんじゃ足りねぇ!
アームドギアを機関銃に変形。そのまま連射する。
腰部のミサイルポッドも全弾発射だ!
字義通り最大火力…これでッ!
爆発が前方を埋め尽くす。
だが、爆煙の先から現れたのは…
「盾…?」
「
風鳴翼…もう復調したってのか?
「死に体でお寝んねと聞いたが?足手まといを庇いに現れたか。」
「もう何も、喪うものかと決めたのだ。」
「翼さん…」
「気づいたか、だが私も十全ではない。力を貸して欲しい。」
なんだよ…アタシは眼中にないってか!?
機関銃の掃射を叩きつける。
が、ひらりひらりと躱され接近される。
マズい…コイツのギアは接近戦仕様…
咄嗟に下がり、上段からの斬り下し、下段からの斬り上げを避けたが、先回りされて頭部への切り払い。
これもなんとか頭を下げて避けたが、機関銃を柄で弾かれただけでなく後ろに先回りされ背中合わせの状態で首筋に刀を当てられた。
この女…以前とまるで動きが…
「翼さん…」
「わかっている。」
オメェもそのクチに鞍替えかよッ!
機関銃の後背部をぶつけて背中合わせから脱する。
睨み合いから攻撃に移ろうとした瞬間、機関銃がノイズによって破壊された。
…え?だって、ノイズを操るソロモンの杖はフィーネが…
アタシにも、高速でノイズが飛来するのを見て、訳が分からなくなった。
sideアイムート
私専用の直通通路で地上まで出た。響に加勢しようとして…
「ノイズの反応を検知!」
「なんだとッ!?すまん、アイゼン君。そちらに向かってくれ!」
「…了解!」
指定されたポイントまで一瞬で加速すると、確かにわらわらとノイズがいた。
「今、なんだか無性に腹が立っててさ…ちょっと付き合ってよ!」
そのまま身体強度頼りにノイズの群れに突撃する。
そこで気づいた。
ノイズ共が自壊するまで時間がかかってる…?
“死の誘引”が収まってる?いや、範囲が狭くなってるんだ。
方針を変更、漏らしが発生する可能性も鑑みて、衝撃波で破砕する方向へシフト。
少しづつ進んで、気づいた。
あーこれ道だ。ノイズで作られたやつ。
意味は…
いいよ!乗ってやろうじゃん!
なんか、猛烈に渇いてしょうがないんだよね!
私はそのままノイズ共を破砕しながら進んだ。
暫くすると、ノイズが途切れた。
味はマズかったけどエネルギーにはなってたんだよな…
とぷんすかしていると、翼と響に…アレはネフシュタンの中身か。雰囲気がそれっぽい。
「命じたことも出来ないなんて…貴女はどこまで私を失望させるのかしら?」
「フィーネ…!」
フィーネ…フィーネねぇ…最終楽章、転じて“終わり”か。
それを名前にするなんて随分と酔狂な奴だな…
というか…この感じ…なんだろう…?なんだか頭がフラフラして…
「こんなヤツがいなくたって戦争の火種ぐらいアタシ一人で消してやる!そうすればアンタの言うように人は呪いから解放されてバラバラになった世界は元に戻るんだろ…?」
なんか…今度はグラグラしてきた…
「もう貴女に用はないわ…」
フィーネと呼ばれた女の手が光って、何かが集まっていく。
ネフシュタンの鎧を、回収しているのか…?
そこでようやく、女を直接見た。
その魂の波長を見て、気づいた。
「え…?嘘でしょ…ねぇ?どうしてッ!?」
なるほど、これは夢だ、だって、彼女が、そんな…
「聖遺物の使徒、魔人か…貴女にも結構感謝してるのよ?」
「…嘘だ…そんな……」
「もう、使い物にもならないか…」
ふざけるな…ふざけるなッ!
「その声音でッ!邪悪を語るなッ!」
私はフィーネに向けて跳躍した。
「使徒も堕ちればまた獣、か…残念ね…」
音が聞こえる…気づくと周囲をノイズに囲まれていた。
コイツらかッ!
私はその中のヒトのカタチをしたノイズに向かって“死”を振り向けた。
失せろッ!
そして、その瞬間、内側から身体の制御を奪われた。
side風鳴翼
「アイゼン女史?」
フィーネと呼ばれた女とネフシュタンの鎧の中身が海へと逃走しているのをノイズを斬りながら確認した瞬間、気づいた。
アイゼン女史がいつもより、いや出会ってからの全ての瞬間より恐ろしい気配を放っている事に。
ナニか…剣のようなモノが右手に握られているように見えるが…
黒い気配は…周囲に拡散した。一瞬で。暴風の如き威容で以て。
私と立花の周りにいたノイズごと、私達を吹き飛ばした。
ギアはひび割れ砕け散り、次は己と覚悟する程のものだった。
何故なら今の風は、余力を残した試運転だとわかってしまったからだ。
だが、その瞬間、それが一気に霧散したのだ。
「風鳴翼さん…?はじめまして、かな?」
いつもと同じ顔、いつもと同じ声音のはずなのに、確かに初対面の印象を受けた。そう、髪色が白なのだ、これだけの事で印象がかなり異なる。
「貴女は…?」
「わたし?
「守役…?」
「うん、誰より純粋なこの子が、押しつぶされないよう、守ってあげるのがわたしの役目。責任とか、義務とも言えるね。」
「それは…」
思いもよらない答えだった。
「この子のこと、大事にしてあげて?多分、この子に一番性質が近いのは君だから。」
「…!わかりました。」
そう言うと、アイゼン女史は髪色が戻り、地面に倒れ伏した。
魔人、その化けの皮は未だ厚く、暴走して尚明かされぬ真実。
戦姫は守り人の願いに如何にして応えるのか。
書きたいこと書けて満足…(っ˘ω˘c)スヤア…
ハッ!目覚めねば…
第十八話、どうだったでしょうか?
活動位階の暴走のリスクが発現してしまった回でした。
本来は誰も死なずに収まることはないのですが、“彼女”が頑張ってくれました。
OTONAの戦闘は難しすぎて没になったぜ、ハハッ…
やっぱ無理やったんや…ハハ…
そして、kazukinさん、誤字報告ありがとうございました。
非常に助かりました!
フィーネの生存についてアンケートを取りたいと思います。
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いや、原作通りに幕を引いて頂いて。
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転生阻害のために魂を捕獲しちまえ!
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鎧は壊して研究に専念して貰って、どぞ
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鎧も残して戦力アップ…?