ありがとうございます!
これからも精進します!
sideアイゼン
「皆んなの歌声がくれたギアがわたしに負けない力を与えてくれる。」
「クリスちゃんや翼さんにもう一度立ち上がる力を与えてくれる…歌は、戦うための力だけじゃない。命なんだ。」
「高レベルのフォニックゲイン…コイツは2年前の意趣返し…」
【んなこたぁどうでもいいんだよ!】
「念話までも…限定解除されたギアを纏ってすっかりその気か!」
ソロモンの杖を振るい、ノイズが召喚され、瞬間、炭化して消えた。
「貴様…ッ!」
私はただ静かに見つめるだけ、しかしそれだけで伝わった筈だ。
“私の間合いでは半端なノイズは存在すら許されない”と。
【いい加減、芸が乏しいんだよ!】
【世界に尽きぬノイズの災禍は、全てお前の仕業なのか?】
優位を勝ち誇るように、了子は言った。
【“ノイズ”とは、バラルの呪詛にて統一言語を失った人類が、同じ人類のみを殺戮するためだけに生み出した生体自立兵器…】
【人が、人を殺すために…】
【バビロニアの宝物庫は、扉が開け放たれたままでな…そこからまろ美出る十年一度の偶然を私は“必然”へと変え、純粋に力と使役しているだけの事…】
【また訳わかんねぇ事を…!】
了子が杖を振り上げる。
「落ちろォ!」
緑色の光は、“死の誘引”の効果圏を素通りし、上空で分化。
街中に降り注ぎ大量のノイズを呼び出した。
街の全てが大小様々なノイズで埋め尽くされたように見える。
裏手の山々さえも。
「あちこちから…」
「よっしゃあ!どいつもこいつも、まとめてぶちのめしてくれる!」
クリスが一足先にノイズ掃討へ向かう。
翼も行こうとしたが、響が声をかけた。
「私…翼さんに…」
恐らく暴走していた時の話だろう。
「どうでもいいことだ。」
そう言って、微笑む翼。
「立花は私の呼びかけに応えてくれた。自分から戻ってきてくれた。自分の強さに、胸を張れ。」
「翼さん…」
「一緒に戦うぞ、立花。」
「完全に除け者だね。まぁいいけど。」
「すみません、アイゼン女史。お願いできますか?」
「了解。私の役目は、了子が追加でノイズを呼び出さないようにすること、でしょ?」
頷くと、翼は街のノイズに向けて飛翔。
響もそれを追った。
「戦力分散は愚計だぞ?」
「分散、各個撃破が必要な時だってあるけど…ね!」
迫る鞭を避け、超速の斬り上げ。
しかし、複雑に折れ曲がる鞭に舌打ちしつつ、左に転がり、剣を使って後退する。
あのまま斬り上げを敢行していれば閉じ込められ削られていたに違いない。
ノイズの召喚光を目眩しとして使いつつ、運良くノイズが残留すれば一瞬でも壁になる。
厄介な…爆音からして、翼達のノイズ討滅は順調に進んでいる。
私が了子を抑えれば…
そう思った私が見たのはソロモンの杖を抱えるようにして中に浮かぶ了子。
初めて見るモーションに対応が遅れる。すぐさま駆け出そうとして、その光景に目を細めた。
街中に広がったノイズの残党が了子に向かってい収束していく。
赤紫の粘体となって重なり、更に召喚光が上空から分化を繰り返し、それすらも収束していく。
「ノイズに、取り込まれて…」
こちらに戻ってきた響が呟くが、少し違う。
逆なのだ。
「そうじゃねぇ、アイツがノイズを取り込んでんだ!」
赤紫の粘体が伸展し、上空にいる響達を攻撃する
「来たれ!デュランダル!」
「…ッ!マズイ…!」
現れたのは、“赤き竜”
その頭部にデュランダル由来のエネルギーが収束している。
「させるかッ!」
死の誘引を最大展開。装甲がゴリゴリ削れるが、それと同速で再生している。
ノイズ由来でも、魔人と融合している故に効きが悪いのだろうが…それにしても異常な再生力だ。
エネルギーが臨界に達する。
照射されるエネルギー兵装と街の間でエネルギーを押しとどめ、上方に弾く。しかし、上空に曲げきれなかったエネルギーが街に直撃、炎上する。
「
私、翼、響、クリスに向けて第二射が放たれた。
先程より臨界に達するのが早く、私でも避けるので精一杯だった。
クリスが反撃にエネルギー兵装をお見舞いしてやると、了子が姿を見せていた部分が完全に閉じ、攻撃を遮断した。
更に、羽のようなパーツもエネルギー兵装と化し、ビームを放ってくる。
クリスはこちらの対処で手一杯だ。
翼、響がそれぞれ全力で攻撃しているが、殆どダメージを与えられず、しかも即座に再生される。
私の一太刀も、翼達よりは効くが、五十歩百歩だ。
【いくら限定解除されたギアであっても、所詮は聖遺物の欠片から作られた “玩具”…完全聖遺物に対抗できるなどと思うてくれるな?】
それを聞いたクリスと翼は閃いたらしい。
この場面、我々にも使える完全聖遺物が私以外にもう一つある。
【聞いたか?】
【チャンネルをオフにしろ!】
【もっぺんやるぞ…!】
【しかし、そのためには…】
私と響を見る翼。
「抑えは私がやる。思いっきりぶちかましてこい!」
「…やってみます!」
エネルギー兵装の照射が再開され、私達は三手に別れる。
「ええい、ままよ!」
「私と雪音で露を払う!」
「手加減無しだぜ?」
「分かっている!」
迎撃網を掻い潜り了子に接近するクリス。
その後方から一際大きなアームドギアで“蒼ノ一閃”を放つ翼。
私がそこに死の黒風でへこみを穴に変える。
そこにクリスが突入。
粘体の中、了子の眼前でエネルギー兵装をフルバースト。
内部から破壊していく。
了子は再生して場所がないため、クリスを外に弾き飛ばそうとして、攻撃を遮断していた扉を開けてしまった。
眼前にはアームドギアを振りかぶる翼。
たまらずネフシュタンの鎧の鞭を用いた盾を張るが防ぎ切れる訳が無い。
了子を“黙示録の赤き竜”たらしめていたエネルギー源、デュランダルが手元から離れた。
「そいつが切り札だ!」
翼の言葉に驚いた顔をする響。
「勝機を溢すな、掴み取れ!」
クリスの拳銃型アームドギアの射撃で弾かれ、響へと近づいていくデュランダル。
響が、ソレを掴み取った。
side立花響
デュランダルを掴んだ瞬間、ワタシが黒く染まっていく。
ふと、大きな音が聞こえた。
「正念場だ、踏ん張りどころだろうが!」
そう叫ぶ師匠。
「強く自分を意識して下さい!」
緒川さん。
「昨日までの自分を!」
朔夜さん。
「これからなりたい自分を!」
あおいさん。
皆んな…!
「屈するな立花。お前が構えた胸の覚悟を私に見せてくれ…!」
翼さん…
「お前を信じ、お前に全部賭けてんだ!お前が自分を信じなくてどうすんだよ!」
クリスちゃん…
「貴女のおせっかいを!」
安藤さん…
「アンタの人助けを!」
板場さん…
「今日は、私達が!」
寺島さん…
「姦しい…!黙らせてやる!」
わたし達に迫る触手は、“黒い風”に阻まれてこちらに来れない。
「これは…!グッ!」
「生物限定の超重力場だ!動かないでもらおうか!
…行けッ!立花響!」
黒いモノが少しずつ、大きく…
「響ぃぃぃぃ!」
そうだ…今のわたしは、わたしだけの力じゃない!
そうだ…この衝動に、塗りつぶされてなるものかぁぁぁぁ!
「その力、何を束ねた!?」
「響き合う、皆んなの歌声がくれた…シンフォギアでぇぇぇ!」
翼さん、クリスちゃんと力を合わせて振り下ろす。
再生速度を遥かに上回る速度の破壊、これなら…!
掻き出し吐き出せ
ausfegen und ausfegen
人の持つ功徳なる物を
Das Verdienst, das Menschen haben
了子さんの後方に構えていた、アイゼンさんが黒で延展した剣を横薙ぎに振るう。
「これでぇぇぇ!」
泡立つ赤き竜の粘体。
そして、二刀の輝きを受けて、次の瞬間、爆散した。
side Re アイゼン
炭の山から了子を引きずり出し、皆の元へ歩く。
「お前…何を…馬鹿なことを…」
「やりたいことを、やりたいだけ。それが今の私のモットーだからね…」
手近な岩に了子を座らせる。
「了子、もう、終わりにしない?」
「私は…フィーネだ…」
「でも、桜井了子でもある。」
軽く舌打ちしている了子の横で夕日を眺める。
「人は、分かり合えないのかな?」
立ち上がり、歩く了子。
「ノイズを作り出したのは、先史文明期の人間…統一言語を失った我々は“手を繋ぐ”よりも“相手を殺す”ことを求めた。」
「そんな人間が分かり合えるものか…だから私は、この道しか選べなかったのだ…!」
『戦争は闘争の一手段であり、対話の一手段である。』
私が呟いた言葉に、了子が反応する。
「私の持論なんだけどね。大事なのは、一つの手段に固執しないように、皆んなで気をつけることだと思うんだ。」
「一人だと、採れる手段は一つだ。手段が一つでは、視野が狭まってしまう。狭まった視野は他を排斥する。」
「それじゃあ、いつまで経っても分かり合えやしない。」
振り向いて空に向けて鞭を繰り出す了子。
私はその首筋に牽制として剣をあてた。
「私の勝ちだァ!」
了子が叫び、地面を砕きながら、己の身体が壊れるのも構わず、鞭を引っ張る。
「月の欠片を落とすッ!」
「私の悲願を邪魔する禍根はここで纏めて叩いて砕く!」
「この身はここで果てようと、魂までは絶えやしないのだからな…聖遺物の発する“アウフヴァッヘン波形”がある限り私は何度だって世界に蘇る!」
「どこかの場所、いつかの時代で、今度こそ世界を束ねるために…ハハハッ!私は永遠の一瞬に存在し続ける巫女、“フィーネ”、なのだァ!」
笑い続けるフィーネ。でも。
「ありがとう。了子。」
「…なんだと…?」
「月の公転軌道まで行くのは大変だったから。引っ張ってくれて、ありがとう。」
「貴様ッ!」
「そして、」
「ッ!」
「私の永劫破壊によって“桜井了子だったフィーネ”の魂は私の中に残留するけど、転生自体は止められない。だから、見ていて欲しい。」
「…」
「
そう言って、私はフィーネに背を向ける。
元々、ネフシュタンの鎧が壊れた今、魔人としての特質を失い、肉体のみの融合になった了子は、長くは保たない。
死ぬ前に、言いたい事だけ、全部言っちゃったな。
「軌道計算、出ました。直撃は避けられません…」
藤尭さんの言葉で覚悟が決まった。
私が剣を掲げると明るい光が集まっていく。
奏者達3人の限定解除、及びギアが解除された。
「これは…!アイゼン女史!」
「フォニックゲインを徴収させてもらった。こういうのは、大人の役目。子供はお月見でもしていなさい。」
「ティルフィングは元々王が振るうために作られた“無敵の剣”。故に、ソレは王の権能を宿す…という事か。」
「そういうこと。私はどこまでも傲慢で他人の好き勝手が許せない人間で、私以外の人達にも生きていて欲しいから。」
「そう、か…精々足掻いてみろ。」
了子が灰になる音が聞こえる。
見るな。今だけは、見るな。
地を蹴り、中に浮かぶ。
亀裂を無理矢理束ねたような黒翼を開く。
高度を上げて、私は月の欠片を目指す。
掻き出し吐き出せ
ausfegen und ausfegen
二翼の状態で空を突き進む。
人の持つ功徳なる物を
Das Verdienst, das Menschen haben
四翼。
拝参せよ、正しきを捧げし者
Anbeten, Gerechtigkeit anbieten
八翼。
大いなる者を矮小にせんとし
erniedrigen die Großen zu den Kleinen
十六翼。
笑いを以て砕き、踏み潰す
Beim Lachen zerquetschen und trampeln
三十二翼。
敬虔なる者達を火に焚べ、薪とせよ
Verbrenne fromme Gläubige zu Brennholz
六十四翼。
醜悪なる性に割れんばかりの喝采を!
Tosender Applaus für hässlichen Sex!
百二十八翼。
全ての翼は開かれた。
いざ。
今までとは桁違いのエネルギーを纏い全速力で月に突貫する。
今の私の到達点。
“制限創造”
これで…
瞬間、月の欠片は木端微塵に砕け散った。
side???
今回の一件は“ルナアタック”と呼ばれ、聖遺物という異端技術を世に知らしめる結果となった。
しかし、私のやることは変わらない。
皆と共に生きて明日を掴むために。
「アイゼン君!」
「わかりましたよ…しっかり仕事します。」
上の空だった私は司令に言われて作業を再開した。
ノイズは未だ尽きず、災禍の炎は収まらない。
人が一つになる兆候は見えないが、それでも止まることなく進み続ける。
私は、この世界で生きていく。
大変お待たせしました!無印編完結です!
第三十話、どうだったでしょうか?
できる限り原作を崩さないようにしようとしてみましたが、皆様の目ではどう見えたでしょうか?
面白く感じていただけたなら幸いです。
お知らせを3つ程。
1つ目、G編を書くに当たって、本編を再履修するための期間を一週間程設けます。その間、投稿が止まるかもしれません。
2つ目、活動報告にて私なりの解釈が欲しい単語や展開を募集します。と言うのも、自分で見直した時、読者様方にどう見えているのかが気になったためです。
協力よろしくお願いします。
3つ目、これはいつも通りですが、新アンケートの回答をお願いします。30票ぐらい集まったところで締切り、そこからG編を書きたいと思っていますのでよろしくお願いします。
最後に、評価、感想をよろしくお願いします。
これからも、“戦姫と魔人の永劫破壊”をよろしくお願いします。。
G編に入った際のアイゼンの初期位置を募集します
-
ライブ会場でマネージャーの真似事
-
ライブ会場で観客に扮する
-
響、クリス両名とソロモンの杖運搬任務
-
記憶の遺跡で業務をこなしつつ米国から隔離