戦姫と魔人の永劫破壊   作:檜山俊彦

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これからも「戦姫と魔人の永劫破壊」をよろしくお願いします。


第四話 胸の奥にあるモノ

 

 

 

 

side立花響

 

昨日の疲れが取れないまま憂鬱な気分で机に突っ伏していると、幼なじみで親友の“小日向未来”がリディアンに入学してからの友人“安藤創世”、“寺島詩織”、“板場弓美”の3人を連れて来ていた。

なんでも、誘って行きたいところがあるそうで。

 

 

「ビッキー、これからふらわーに行ってみない?」

 

 

「ふらわー?」

 

 

初めて聞く名に聞き返すと、どうやら駅前にあるお好み焼き屋さんでおいしいと評判らしい。かなり魅力的な提案なのだが…

 

 

「ごめん、今日は別の用事が入ってるんだ。」

 

 

申し訳なく思いつつ断る。

今日は今から断れない大事な用事があるからだ。

昨日のメディカルチェックの結果が出た、という事で私は地下に潜って二課の本部に行く事になっている。

 

 

「また呼び出し?ホント、アニメみたいな生き様してるわねー」

 

 

「アハハ…」

 

 

「仕方ない、また今度誘うね。」

 

 

「それでは。」

 

 

3人に“別の用事”を先生からの呼び出しだと勘違いされてしまい、ショックを受け「わたし、呪われてるかも。」と心の中で呟きつつ、身だしなみを整えて待っていると、後ろから服がはためく音がした。

慌てて確認すると、昨日の軍人(?)さんがいた。そしてその後ろに翼さんもいる。

 

 

「準備は済んでいるようだし。行こうか。」

 

 

「は、はい!」

 

 

肩にコートを掛け、歩く軍人さんを追いかける。

ちなみに、「軍人さんだったんですか?」と聞いてみると、「そうだよ。今は違うけどね。」という答えが返ってきた。

慌てて呼び方を変えようとするが、「そのままでいいよ。」と言われた。

 

 

エレベーターまで着くと翼さんが口を開いた。

 

 

「…彼女は重要参考人です。手錠を掛けるべきでは?」

 

 

「翼、私達以上の手錠なんてないでしょう?別にこれは放置してる訳じゃないから安心して。」

 

 

「…わかりました。」

 

 

などと言われていて、内心気が気ではなかったけど、庇ってくれている…のかな?

 

 

エレベーターの急降下に冷や汗をかきつつ、昨日とは違う道を進む。途中で軍人さんとは別れたが、どうしたのだろうと思いつつ。突き当たりまでやって来た。

 

 

扉が開くと昨日の3倍はあろうかという大きさの部屋があった。

昨日の部屋は多目的ルーム。今日のここは二課の司令室らしい。

 

 

「それでは、メディカルチェックの結果発表〜!」

 

 

休憩室のような所に案内されて、自分の顔写真や何らかのグラフが投影されているホワイトボードを見せられた。

 

 

「疲労は残っているが、“ほぼ”異常はない」らしい。

そのほぼの部分がかなり不安だが、それより聞きたい事もある。

 

 

「んーまあ、そうよね。アナタが聞きたいのはこんなことじゃないわよね。」

 

 

「教えてください!あの力は一体なんなんですか!?」

 

 

向こうもメディカルチェックの結果が本題ではなかったのか、話を聞く事ができた。

 

 

赤髪の“司令”と呼ばれていた男性、“風鳴弦十郎”さんが目配せすると、翼さんが胸元のペンダントを取り出して私に見せた。

 

 

それはアメノハバキリというセイイブツの欠片であり、トクテイシンプクノハドウ、即ち歌の力で起動して昨日私が纏ったような鎧になる。という事だけがわかった。他の事は、難しすぎて分からなかったのだ。

 

 

「だからとてッ!誰の歌、どんな歌にも聖遺物を起動できる力が宿っている訳では無いッ!」

 

 

“適合者”という単語について説明が始まったタイミングで翼さんが叫んだ。どこか悲痛さを感じさせるその叫びの意味を正しく理解していないのは自分だけのようで、他の人達は目を伏せていた。

 

 

雰囲気を払拭するために、先程まで説明してくれていた女性。“桜井了子”さんが殊更明るい感じで説明を続けた。

それでもやっぱり…

 

 

「全然分かりません…」

 

 

「いきなりは難しすぎちゃいましたね。だとしたら聖遺物のからシンフォギアを作れる唯一の技術、“桜井理論”の提唱者が私であることだけは覚えてちょうだいね?」

 

 

とウインクされた。

しかし、疑問も残る。

その“シンフォギア”に、聖遺物の欠片が必要であるならわたしはそんなもの持っていないはずなのに。

その事を質問すると…

 

 

見せられたのは今まで何度も見てきた自分のレントゲン写真。

そのほぼ中心にある、胸の傷と除去できない欠片。

そこから関連して、2年前のライブについても話した。

 

 

「調査の結果、この影はかつて奏ちゃんが纏っていた第三号聖遺物、ガングニールの欠片であることが判明しました。……奏ちゃんの置き土産ね。」

 

 

すると、端の方で音がした。

そちらを向くと、翼さんがよろよろと退室していった。

 

 

それを見送りながらも、考える事がある。

それは、「この力は親友の未来に話していいのか」ということだった。ただ怒られるだけなら…とも思ったが、返ってきたのは、最悪の場合近しい人達の命に関わる、ということ。

 

 

「人類はノイズに打ち勝てない。人の身でノイズに触れる事は、即ち炭になって崩れることを意味する。そしてまたダメージを与える事も不可能だ。例外があるとすれば、それはシンフォギアを纏う奏者のみ。あとは、カウントはしたくないが、アイムート君の永劫破壊(エイヴィヒカイト)ぐらい、か。」

 

 

巻き込みたくない、話せない、と思っていた所に新しい単語が出てきた。エイヴィヒカイト…?なんだろうか?

 

 

「響君が“軍人さん”と呼ぶ彼女の術理だ。詳しい事は彼女本人に聞いてくれ。何がどうなってるのか、俺にはさっぱりわからん。」

 

 

「アハハハ…」

 

 

それって私も分からないんじゃ…?と思いつつも、続く話を聞く。

 

 

「日本政府特異災害対策機動部二課として改めて協力を要請したい。

 

立花響君。君が宿したシンフォギアの力を対ノイズ戦に役立てて貰えないだろうか。」

 

 

「…わたしの力で、誰かが助けられるんですよね?」

 

 

司令は、力強く頷いてくれた。

だったら、大丈夫。わたしの趣味は「人助け」。大事な人達を守るためなら。

 

 

「分かりました!」

 

 

瞬間、警報が鳴り響いた。

退出していた翼さんも戻ってきた。

という事は…

 

 

「ノイズの発生を確認!」

 

 

「本件は我々が受け持つ事を一課に通達!」

 

 

「出現地特定!リディアンから距離200!」

 

 

「かなり近いな…」

 

 

「迎え撃ちます。」

 

 

目まぐるしく動く状況、わたしに今わかるのはリディアンの近くにノイズが現れたという事だけだった。

 

 

即座に迎撃に向かう翼さん、オペレーターの人が最短ルートを提示。流れるような連携だった。

戦うのであれば…そう思いわたしも出撃しようとして、司令に止められた。

まだ戦い方も知らないのでは出撃させられない。と。

でも…

 

 

「わたしの力が誰かの助けになるんですよね!?シンフォギアの力はノイズと戦う力なんですよね!?

だったら行きます!」

 

 

ここから200mの距離、走れば追いつける筈だ。

そう思って、わたしは司令室から出た。




前回、タイトル関連で色々と不備がありました。
今後再発を防止すると共に、作品のクオリティ向上に務めていきます。

第七話、どうだったでしょうか。

過去一長い癖して、過去一薄味になってしまいました。
細かい台詞が違う程度で、他が原作二話とほぼ一緒になってしまっています。


次回の戦闘も、マトモな描写は翼さんの「あなたと私、戦いましょうか。」からなので、あまり期待せずにお待ち頂けると幸いです。

今のところG編まではやろうと思っているのですが、その後どこまでやるかを募集します。

  • G編までで良きよ。
  • キャロル見たい!GX編までやれ!
  • AXZ編までやらなければ許さん!
  • XVまでやれ!やるんだァ!
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