戦姫と魔人の永劫破壊   作:檜山俊彦

8 / 31
第五話 戦姫と魔人の夜中行脚

 

 

side立花響

 

 

現場に到着した時には戦闘はもう殆ど終わっていて、自分なりに殲滅を手助けしたつもりだったが…やっぱり、翼さんには及ばない。

それでも…

 

 

戦闘が終わった翼さんに駆け寄り、これから共に戦う仲間として関係を始めるために言葉をかけた、つもりだった。

 

 

「そうね、貴女と私、戦いましょうか。」

 

 

ノイズに向けられていた切っ先は、今度は私に向かう。

 

 

「へっ?」

 

 

 

side風鳴弦十郎

 

 

「なッ!?何をやってるんだあいつ等は!?」

 

 

突如響君に切っ先を向けた翼を見た。

驚愕が心を占めてしまい、一瞬行動が止まる。

 

 

「青春真っ盛りって感じね。」

 

 

了子君の冗談ともそうでないともとれる発言にため息を漏らす。

 

 

「ったく…」

 

 

「青春で人殺せる武器振り回されたらたまったもんじゃないですよ…止めてきます。」

 

 

繋がった通信からアイムート君の声がした。

確かに、彼女なら制圧も容易だろう。

それに、まだ本調子ではないためフォニックゲインを補充する必要もある。

そう考えて許可を出した。

だが、彼女の通信の声音、呆れと驚きの奥に一瞬“怒り”を感じたのは気の所為か…?

 

 

 

sideアイムート

 

 

突如切っ先を立花響に向けた翼を見て、再起動に数瞬かかってしまった。

 

 

今も通信から翼達の会話が聞こえて来る。

 

 

「そういう意味じゃありません!わたしはただ翼さんと力を合わせて……」

 

 

「わかっているわ、そんな事。」

 

 

「だったらどうして!?」

 

 

「私が貴女と戦いたいからよ。私は貴女を受け入れられない。力を合わせ共に戦う事など風鳴翼が認められる筈もない。」

 

 

やっぱり私怨だった…と歯噛みしつつ、エレベーターシャフトを駆け上がる。後で給料が差し引かれるだろうが、エレベーターの上昇より私の跳躍の方が速い。

 

 

私が扉の前に到達した瞬間に開いて外が見える。

ありがたい。多分あおいさんだ。

開いた扉からシャフトの外に出て、そのままソニックブームが出ない程度の最高速で駆ける。

 

 

リディアンの外に出ると、そのまま本当の最高速へ。

1秒かからずに現場の高架下に到着。

そのまま跳躍。

 

 

ちょうど、翼が天の逆鱗を立花響に…ちょっと待って!?天の逆鱗!?広域殲滅系の技を奏者とはいえ人に向けて撃つな!

 

 

翼と立花響の間に割り込み、迎撃。

と言ってもまぁ、腕を構えて突っ立ってるだけでいい。

 

 

“死の誘引”は聖遺物には効果がないが、そもそも永劫破壊によって魔人の体はそんなものがなくても絶対的な防御を誇っている。

 

 

右腕と剣先の衝突の瞬間、同程度の衝撃をぶつけて相殺。

バランスを崩した翼をキャッチする。

司令だったらもう少し完璧にやるんだろうな、と思ったが、今ここにいるのは私だ。次に活かせばいいだろう。

…奏者同士の争いなんてもう起きて欲しくないが。

 

 

ふと割り込みをかけた時に水道管が破損していたのか、雨に打たれたようになっている。

 

 

ふと翼を見ると…

 

 

「翼…泣い…「泣いてなんかいません!----涙なんて流していません。貴女だって知っている筈です。風鳴翼はその身を剣と鍛えた戦士です!だから……」……私は先に帰るから。折り合いを付けて、戻ってきなよ。待ってるから。」

 

 

私はそう言って、リディアンの方に歩いて戻っていく。

 

 

「翼さん…わたしがダメダメなのはわかっています。だから、これから一生懸命頑張って----奏さんの代わりになってみせます!」

 

 

そう言った立花響は翼に張り手されていた。

 

 

「はぁ…やっぱり地雷踏むタイプだったね…」

 

 

一旦2人の元まで戻り、立花響を引っ張っていく。

 

 

「えっわわわ…軍人さん…?」

 

 

「アイムート・ヴァルトルート・フォン・キルヒアイゼン。それが私の名前。貴女は?」

 

 

「た、立花響です!えーっと、アイゼンさん!」

 

 

アイゼン、そう来たか。なるほど、一年近く呼ばれてきたが、アイムートという名前はやはり階級呼びより語呂が悪かった。今後はこちらを推進していこう。

しかし、それよりも、だ。

 

 

「戦う事を選んだ貴女に、忠告しとく。

 

一つ、自らの戦いのカタチとそれに伴う覚悟を身につけるように。でなければ、早晩、後悔することになる。」

 

 

「は、はい。」

 

 

これは…よくわかってなさそうだな…はぁ…

 

 

「二つ、人の心に立ち入る時、押し付けた善意は悪意と何ら変わりない。人の内面に踏み込む時、心に残した傷は、そう簡単には治らないのだから。」

 

 

「……!!」

 

 

こっちはわかるみたいで良かった。というか人の心が分からないタイプではないのか…なのに、よくもまぁ、あそこまで見事に地雷を踏めるな…

 

 

「後は自分で考えなさい。他人に与えられた結論は、大事な時に役に立たないのだから…

 

緒川さん、お願いします。」

 

 

そう言って、見送りを緒川さんに引き継がせる。

 

 

「気をつけなよ、私みたいにならないようにね。」

 

 

夜は更けていく。

戦姫の葛藤は未だ終わりが見えぬまま。





司令、出番奪ってスマン…この先のプロット、アイムート改めアイゼンさんの出番が少なめなんじゃ…許してたも。

第八話、どうだったでしょうか。

〘速報〙アイゼン氏、本格戦闘はフィーネ戦までほぼ無しの模様。
「これも全て、日米安保(シンフォギア世界の)って奴のせいなんだ…」

本当に、そしてネットサーフィンやめらんねぇ!ティルフィングに関する資料が出るわ出るわ。
やっぱり、物語はプロット書いてる時と設定考えてる時が一番楽しいみたいです。

そして、現在集計中のアンケート、「G編以降どこまでやるか」は原作4話、「落涙」のエピソードまでで終了を予定しています。

それでは、今後とも「戦姫と魔人の永劫破壊」をよろしくお願いします。

今のところG編まではやろうと思っているのですが、その後どこまでやるかを募集します。

  • G編までで良きよ。
  • キャロル見たい!GX編までやれ!
  • AXZ編までやらなければ許さん!
  • XVまでやれ!やるんだァ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。