入学後2ヶ月でAクラスに来ましたけど何か?【1年生編1学期終了】   作:かりん糖さん

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坂柳sideが終わりました。
ちょっとグダってラストが雑になってます。
特に読まなくても問題ありませんが、新情報が出ているのでチェックしておくと今後を楽しめるかもしれません。


13.5話 ②side:坂柳

2ー4.5ー①坂柳side

 

 

皆さん御機嫌よう。

頭脳明晰学年トップの坂柳有栖です。

 

 

一体誰に対する挨拶をしているのか分かりませんが、この気持ちを吐露しなくてはやっていられないので日記に残すことを決めました。

 

 

この学年で私を楽しませてくれる存在は各クラスのリーダー格を除けば綾小路清隆君くらいでしょう。

彼の事は幼い頃のホワイトルームを訪問した際に一方的に知っているだけですが、彼の実力はホワイトルームの最高傑作と呼ばれる程です。

 

 

私はホワイトルームのカリキュラムをこなす子ども達をガラス越しに見ていただけでしたが、そこで運命の出会いを果たしました。

綾小路君は誰よりも素早くペンを動かし迷う間もなく解答していきます。

 

 

ホワイトルームのカリキュラムは人が一生をかけて学ぶものだと聞いています。

一般的な基礎学力を身につけるのは勿論、ありとあらゆる理論を学び、身体能力の向上を図るため拷問のようなトレーニングを行うそうです。

 

 

私が確認したのは座学の一授業でしたが、彼らは何も言わず機械的に問題を解き続けます。

問題の内容は高校一年生で習う数学の問題だそうですが、難易度は大学入試レベルだと今なら理解できます。

 

 

綾小路君の機械的なまでの集中力、実行力、学力、知力は私の中の何かを脅かしていました。

 

 

ホワイトルームの目的は天才を人工的に作り出す事ですが、私は幾ら素晴らしいカリキュラムを立てても努力は才能を越えないと自負しています。

そしてその根拠は他でもない私なのです。

 

 

私には生まれ持った才能がありました。

身体的問題を抱えていてもそれをカバー出来てしまう程の頭脳です。

 

 

ですから天才の私は彼に負けるはずはないのです。

それなのに彼に底知れぬ恐怖を抱いてしまいました。

 

 

幼いながらも私を脅かす彼を倒すことを目標に今日まで生きてきました。

そして4月、高度育成高等学校に通う事になりました。

 

 

私はAクラス、綾小路君はDクラス。

私は綾小路がとの勝負を楽しむ事の出来る組み分けに満足していました。

 

 

彼以外で勝負を楽しめる人がいないか探した所、Cクラスの龍園君と高円寺君が該当しました。

 

 

神室さんに調査をお願いしたところ、高円寺君は随分と奔放な振る舞いをされているようで、相手をする事は不可能だと言う結論に至りました。

龍園君に関しては暴力でクラスをする支配者である他、Bクラスへの嫌がらせを行っている事が判明しました。

 

 

恐らくこれはどこまでの行為を行うとクラスポイントが引かれるのか試しているのでしょう。

暴君が許されるのは成果を出している間のみです。

 

 

龍園君は学力は並程度のようですが、知恵は働くようですしリーダーとして私には出来ないような策を使うタイプ。

綾小路君と戦う前の余興相手としては充分楽しめそうですね。

 

 

当分はクラス内で葛城君と派閥争いをする事になりそうですし、準備のため情報収集に努める事にします。

しかし、だからこそ私は忘れていたのです。

 

 

不気味な彼女の事を。

 

 

6月1日、私は戦慄しました。

 

 

『ではHRを始める。だがその前に新たにAクラスの仲間入りを果たした生徒を紹介する。小代、簡単で構わないので自己紹介を頼めるか?』

 

 

彼女は返事をし自己紹介を始めました。

 

 

『初めまして、Cクラスから来ました、小代瑠奈です。趣味は読書です。Aクラスの生徒として貢献できるよう努力します。宜しくお願いします。』

 

 

4月が始まって少し経った頃、階段下に落ちていた杖を拾って下さった女子生徒がそこに居ました。

 

 

というか、二ヶ月でクラス移動ってなんですか?

まだ6月ですよ?

 

 

一人で2000万ポイントを貯める事は極めて困難であり、過去の達成者も詐欺行為を行なって退学になっています。

正攻法で2000万貯めたのであれば、あの日の新たに追加されたルールが関係しているのでしょう。

 

 

放課後、他クラスの生徒も交え小代さんにどのような手口でポイントを獲得したのかお話を聞く事になりました。

 

 

『うん、じゃあ私がしたことを説明するね。まず私はモール内の宝石店で自宅から持ち込んだ価値のある宝石を売り払ったの。』

 

 

ここまでは予想通りですが、石崎君の言葉に私はハッとしました。

 

 

『でもよ、ただの高校生がこの学校に高価な宝石を持ってくる必要があるか?まるで、この学校のシステムを知ってるかたのように思えるが?

 

 

彼のいう通り、彼女の宝石売買についてはこの学校のシステムを予め知っているとしか思えないのです。

売却のみで1000万を超えるとなるとかなり高品質の高価な宝石という事になりますから、そんな貴重品を全寮制の学校に持ち込む事自体不自然です。

 

 

石崎君の発言にはその場にいる誰もが賛同していました。

彼を威勢だけの馬鹿という評価から勘の鋭い馬鹿に変えておきましょう。

 

 

結局あの場でははぐらかされてしまいましたが、今ならわかります。

これと似た事を彼女は発言で示してます。

 

 

それが彼女との出会いの場面、杖を蹴り飛ばされた後に起きた彼女との会話で体験しています。

詳しくは1章の3.5話 side:坂柳でご確認下さい。

 

 

一応簡単に説明だけしておきます。

 

 

あの日、派閥を結成した事は誰にも知られていないはずなのに、何故か他クラスの生徒である小代さんがそのことを知っていたのです。

 

 

ええ、あの日の前日鬼頭君と橋本君が派閥入りを表明して下さったのですが時間も合わないため、顔合わせは翌日の昼休みに行う事になりました。

ですから、小代さんとお会いした時は彼らを引き連れて行動してもいなければ、橋本君と鬼頭君が互いに顔合わせもしていない状態でした。

 

 

神室さんとは表立って会話をしていませんので、

考えられる可能性としては橋本君がスパイの場合くらいでしょうか。

鬼頭君は忠誠を誓って下さっていますし、神室さんは二人の事を話していませんから除外できます。

 

 

橋本君本人の性格として最終的に勝ち馬に乗れれば良いといった蝙蝠男タイプのようですから、私をよく思わない第三者に情報を流す事も考えられます。

 

 

この日、私は彼女に綾小路君と初めて出会った時の様な恐怖を覚えました。

彼女の事を神室さんや橋本君に調べさせましたが、目立った行動は避けているのか読書が趣味の優等生という情報しか出てきませんでした。

 

 

無念です、彼女の秘密を暴こうにも小代さんには隙がありません。

 

 

そして迎えた7月10日。

小代さんによって多目的室に集められた私達を待っていたのは真嶋先生でした。

 

 

そして、小代さんが到着すると契約書にサインさせられました。

この話し合いの内容が重要である事は瞬時に理解できました。

 

 

時間の差はありますが、クラス全員が契約書にサインをしました。

その後まず私達はグラフを見せられました。

 

 

どうやら昨年の一年生のクラスポイントの推移だそうです。

ポイントは激しく変動しているため一年間で7、8個の試験が行われるようですね。

 

 

他に気にする事は直近の試験、昨年の一年BクラスがAクラスに下剋上している事くらいでしょう。

他には大した情報はなさそうですね。

 

 

それから彼女が話した事は私の予想通りの内容でした。

 

 

『このグラフって昨年の1年生のクラスポイントか?』

 

 

『そうだよ、戸塚君。皆に注目して欲しいのは赤丸で囲ったここ。』

 

 

『なるほど、半信半疑だったけどこれで分かった。今の2年Aクラスは元1年Bクラスなんだな。』

 

 

石田君はやはり優秀ですね。

 

 

『俺は生徒会の役員として2年や3年の生徒と関わる事もあるが、現2年Aクラスのリーダーは生徒会副会長の南雲雅先輩だ。』

 

 

そういえば葛城君は生徒会の役員でしたね。

クラス内では葛城君に支持が傾きつつあるのは事実ですし、少し牽制しておきましょうか。

 

 

け、決して悔しいわけではありません。

 

 

『聞いた話では、南雲副会長は2年生の全クラスからプライベートポイントを徴収していらっしゃるとか。2年生の支配をされている南雲副会長は堀北会長同様、この学校では頭一つ抜けた優秀さをがあるそうですね。』

 

 

『うん、私も彼については調べてるよ。でも今は南雲先輩の事は置いておこう。私はこの下克上が身近に迫っている事に危機感を抱いて欲しいんだ。』

 

 

小代さんのせいで株を上げる作戦が台無しです。

葛城より詳しい情報を持っているという事を示す事で優秀さをアピールする作戦でしたのに、小代さんは何故邪魔をするんですか。

 

 

というかなんで南雲先輩について調べているんですか?

 

 

『今の私達一年生のクラスポイントを思い出してみて欲しいんだ。』

 

 

彼女の発言により、一年生のクラスポイントを確認する事になりました。

ここで注目する点はAクラスの次にクラスポイントの多いBクラスのポイント数ですね。

 

 

『思い出してって言われても、他のクラスと差はあるよ?Dクラスなんて1000ポイント近い差が出来ているし。』

 

 

自派閥の女子生徒の言葉に私は呆れました。

彼女にはもう期待しませんが、派閥と私の名誉の為に釘を刺しておきましょう。

 

 

Dクラスと比べたとして何が言いたいのでしょうか。

ただ見下したいだけなら不愉快ですから消えて下さい。

 

 

『皆さんそれは違います。』

 

 

『ど、どういうことですか?』

 

 

『小代さんがおっしゃっているのは、AクラスとBクラスのクラスポイントの差を確認しろ、という事ですよ。私達Aクラスは他クラスに追われている身であり、ポイントが最も近いBクラスが私達を脅かす存在だという事です。グラフを見る限り8月に全クラスのクラスポイントが増加していますし、何かあるんでしょうね。』

 

 

『坂柳の言う通りだ。このまま定期考査や普段の生活態度を継続するだけでは足りない。昨年の下剋上のタイミング的に何かクラスポイントを賭けたイベントが起きている可能性が高い。そのイベントをクリアし続けなければ、他クラスに負けてしまうだろうな。』

 

 

そう簡単に流れは渡さない、という事しょうね。

葛城君も少しは楽しめそうですね。

 

 

『だが、ポイントを賭けたイベントとなると団体戦か?』

 

 

『はい、恐らく団体戦だと思われます。』

 

 

『なら間違いなくウチのクラスはBクラス以下に降格するだろうな。下手したらDクラスよりも劣っているかもな。』

 

 

石田君が優秀な事は分かっていましたが、こんなキャラでしたか?

 

 

『はぁ?なんでだよ?石田』

 

 

戸塚君、それくらい考えたら分かるでしょう。

 

 

『弥彦、落ち着くんだ。すまないな、石田。』

 

 

葛城君も苦労しているようですね。

 

 

『いや、大丈夫だ。…少し考えれば分かる事だ。ウチのクラスは2つの派閥に別れている。どちら側に着くか決めかねている中立側の人間もいる。この状態で団体戦を行う場合、坂柳と葛城は方針が違うから協力は困難だ。足の引っ張り合いが起き、裏切り者も出てくるかもしれない。』

 

 

なるほど、彼のいう事は可能性としてあり得ます。

現に無人島試験の前に橋本君達には妨害をお願いする予定でしたし。

 

 

『中にはクラスを見限って他クラスに情報を流したり、他クラスと組んで敵対派閥を失墜させるなんて事もあるだろうな。そして、内紛が起きれば、他のクラスに付け入る隙を与える事になる。』

 

 

他クラスへの懸念も忘れぬ完璧な回答ですね。

本当に彼は人が変わってしまったようですが、嬉しい成長ですね。

 

 

『石田君の意見は可能性として有り得る。だからその話もしておきたかったんだけど、石田君に全部言われちゃった。』

 

 

小代さんは石田君を持ち上げ褒め称える事で場の空気を変えました。

石田君の印象を上げて駒にするつもりなのか、はたまた…いえ、なんでもありません。

 

 

その後は小代さんが特別試験の内容が書かれたプリントを配布し、試験におけるクラスの状態や他クラスの懸念について、今までの話し合いの内容を交えておさらいしました。

そしてクラス一丸となるよう彼女は葛城派を人質に取り遠回しに脅しました。

 

 

そこからは普段の葛城君からは考えつかないであろう提案を行い、私との交渉の中でも今までとは違う攻撃的な策を出しできました。

人は短期間にこんなに変わる事があるのでしょうか…。

 

 

最終的に試験に関する契約書を擦り合わせ、無人島で失墜させる作戦はおじゃんとなりました。

 

 

 

この話し合いで小代さんは恐ろしい事を行いました。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

①危機感を煽る為の資料と疑問の提示

②現状の他クラスとの差とクラスの欠点の提示

③次の試験内容を開示

④葛城を追い込み覚醒させる

⑤坂柳を断れない状況にし葛城の提案を飲ませる

⑥話し合いを裏から操作しクラスを支配した

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

結論、彼女は議題を提示し話を合わせる事に徹しましたが最終的にクラスからは重要な人物だという評価を得ています。

当然のように今後の話し合いの参加を求められている点からこれは確実です。

 

 

派閥間の争いによって引き起こされる裏切りや妨害行為を予防し、派閥間の敵対意識を一時的とはいえ抑える事に成功した。

派閥関係なくクラスを纏めたのは私と葛城君の契約によるものだと思われがちですが、全ては彼女の目論見通りなのでしょうね。

 

 

彼女はリーダー争いに参戦する事なく静観しているようですが、ついに動き出したのです。

彼女の実力は未知数ですが、恐らくAクラスを裏から支配する事が目標だと思われます。

 

 

この事実に気づいているのは覚醒した葛城君と私、真嶋先生くらいでしょう。

石田君や矢野さんの成長にも一役買っていそうですし、葛城君を覚醒させた事といい、彼女はクラスをどうしたいのやら…。

 

 

私は彼女に探りを入れるべく一緒に下校する事にしました。

探りを入れて分かった事は、彼女がリーダーもしくはそれに近いポジションに着いていた事があるという事ですね。

 

 

後、多目的室を出た頃、背後に気配を感じたので耳をすませると私と小代さん、神室さん以外にもう一人分の足音が聞こえました。

状況的に他クラスのものだと推測できます。

 

 

 

どうやら小代さん達は気づいていなかったようですね。

寮まで戻ると足音は消えましたが、一応クラスのチャットで注意喚起をした方が良さそうです。

 

 

そして2人を自室に招き入れ飲み物を渡して小代さんとの会話を再開させます。

彼女は執拗に無人島試験の参加について尋ねてきます。

 

 

まるで私に参加してほしいかのように。

 

 

そして彼女に一枚の紙を手渡され、本当に私に参加して欲しいのだと理解した。

彼女が私の不参加を予測していたのか、情報をポイントで買ったのかは分からないが、半不参加の権利を買う事を思い付き、本人の意思も聞かずに契約書を作成し提案してくるのはおかしい。

 

 

異常だ。

 

 

『分かりました。最後に一つ聞かせて下さい。貴方はどうして私を無人島試験に参加させようとしているのですか?』

 

 

『勝つためだよ。無人島試験で負けたとしてもAクラスが逆転される事はほぼ無いけど、坂柳さんの頭脳は後の試験に絶対に役に立つ。』

 

 

『え、後の試『あっ!もうこんな時間!』…え』

 

 

後の試験がなんなのか、尋ねる間もなく小代さんは嵐の様に去って行きました。

小代さんには知られてはいけない秘密があるに違いない。

 

 

彼女の情報源はなんなのか、彼女の真の目的はなんなのか。

気になる事は多いですが私は諦めません。

天才であるこの坂柳有栖が綾小路君も小代さんも葬ってしまいましょう。

どんなに努力しようと、足掻こうと才能には才能でしか対峙出来ません。

 

 

このクラスのリーダーになるのは私です。

いつかきっと化けの皮を剥がして差し上げます。

 

 

私は恐れてなどいない、この震えは武者震なのですから…。

 

 

私は気にしていないアピールをするべくテレビの電源を入れました。

 

 

『続いてのニュースです。今年3月に行方不明となった当時15歳の高野累さんが遺体となって発見されました。発見現場は東京都高度育成高等学校前の公園の茂みにブルーシートで覆われていたそうで、腐敗臭に気づいた近隣住民が第一発見者となったそうです。警察は事件性があるとして捜査を進めているそうです。』





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所属    1年Aクラス

学籍番号  S01T00□7x4

誕生日   3月2日

【学力】   A
【知力】   B
【判断能力】 B+
【身体能力】 C
【協調性】  B+

【面接官からのコメント】

学力が非常に高く全体的にバランスの良い生徒だ。
また中学はイギリスのパブリックスクールへ二年間留学しており、美術の成績はトップクラスだった。
他にもドイツ語やフランス語を学習し、日常会話程度なら問題なく話せるクァドリンガルでもある。
上記を踏まえAクラス配属とする。

干支試験でどのグループに入る小代ちゃんを見たいですか?

  • リーダーグル
  • 美少女グル
  • リーダーと山内グル
  • 参謀グル
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