入学後2ヶ月でAクラスに来ましたけど何か?【1年生編1学期終了】   作:かりん糖さん

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5話目です。
なかなか書き進められず、グダグダしてしまいました。
今回の話はそこまで面白要素は無いですが、原作知識を持っている身として、ある人物に対する嫌がらせをする話になります。




5話 面接

 

 

翌日の放課後。

時刻は15時56分だ。

 

 

私は生徒会室に向かった。

現生徒会長はDクラス堀北鈴音の兄であり、歴代最高の生徒会長と呼ばれる程の類まれな才能を持っている。

 

 

そして過去問を貰う相手に何故彼を選んだのかと言うと、単純に生徒会長という多額のポイントを持つ人間のコネクションが欲しかったからだ。

 

 

そしてもうひとつ、先輩に知り合いが居ないため"生徒会"に入りたいという体で話しかけることができるからだ。

 

 

原作で葛城と一之瀬は生徒会入りを頼みに行ったが断られている。

つまり私も生徒会に入ることはなく、少しばかりの有能アピールをして簡単に過去問の取引ができるという訳だ。

 

 

これならば、わざわざ部活動にはいる必要も無いため、時間コストを最小限に抑えることが可能だ。

 

 

生徒会に入る気は無いし、向こうも入れたりしない。

だからこそ都合が良いのだ。

 

 

コンッコンッ

 

 

生徒会室の扉を2階ノックすると中から『どうぞ』と声が聞こえた。

 

 

「失礼します。」

 

 

軽く礼をし室内に入ると高そうなソファが2つ置かれていた。

中には橘書記と現生徒会長堀北学が何やら書類を確認しているようだった。

 

 

「1年Cクラスの小代瑠奈です。生徒会長にお話があります。今宜しいでしょうか?」

 

 

「構わない。そこのソファに掛けると良い。」

 

 

「では失礼します。」

 

 

私がソファに座ると会長もデスクから腰を上げ目の前まで移動し、ソファに座った。

 

 

「さて、要件とは?」

 

 

「私を生徒会に入れてくださいませんか?」

 

 

恐らく断られるがここで会話を止めてはいけない。

なんとしてでも、過去問を買わねばならないな。

 

 

「断ろう。」

 

 

やっぱりね、いい感じだ。

さてここで少し反発しないと怪しまれるし理由でも聞いてみようかな。

 

 

「そんなにすぐ断らなくても…。いえ、理由をお尋ねしても宜しいでしょうか?」

 

 

「そうだな、実は部活動紹介の後に2人の1年生が生徒会入りを希望してきた。しかし彼らには時期が早いと断った。この意味がわかるか?」

 

 

やはりここは原作通りのようだ。

恐らく葛城と一之瀬の2人が生徒会入りを希望し断られたんだな。

でも時期が早いからダメな理由はなんとなくわかるけど、意味って何?

 

 

「意味は分かりかねますが、先輩が危惧されていることは想像出来ます。」

 

 

「ほう?言ってみろ。」

 

 

多分これは南雲の思想に染まることを危惧しての措置だと思う。

でもその南雲が一之瀬を生徒会に入れちゃってるからこれってあんまり意味がないんだよな。

 

 

だったらいっそ堀北生徒会長に生徒会見習いとして秘書とかさせたらいいんじゃないかな。

 

 

「堀北会長は南雲現副会長の思想に葛城君と一之瀬さんが染まる事を恐れているのでは有りませんか?」

 

 

「ほう?生徒会希望者を知っていたか?なら何故ここに来たのか理解出来ないな。だが面白い意見だ。続けろ。」

 

 

いや続けろと言われても何を言えばいいのか、そんな深く考えてた訳でもないのに。

とりあえず2年生の支配状況について言えばより信ぴょう性は高まるはずだ。

 

 

「現在の2年生は現副会長南雲雅先輩が支配しています。2年生の全クラスの生徒からプライベートポイントを徴収されているそうですね。」

 

 

「なっ…一体どこでその話を聞いたんだ?」

 

 

「どうしてそれを…」

 

 

堀北会長と橘書記は目を見開き驚いているようだった。

 

 

「そうですね…実は図書室の前で他学年のDクラスらしき生徒が話しているのを偶然耳にしたのです。」

 

 

この話は原作知識から得たものだし、そもそも1年生はこの時期クラスポイントやクラスの序列を知る訳が無い。

堀北会長や橘書記が驚くのも当たり前だし、おそらくこんな早くに本質に気づく生徒なんて居ないはず。

 

 

勿論怪しんだり警戒して真面目にポイントに気遣いながら生活しよう、って呼びかける生徒は居ると思う。

神室の話から坂柳と葛城はクラスに対する呼び掛けをしたことで、リーダーに名乗りを上げたって話していたかな。

 

 

流石Aクラス、考察力も一級品だねぇ。

 

 

それによくハー○ルンで見たし、モブ主人公が…

 

 

『10万ポイント貰えるとも限らないし、少し節約

した方がいいかもね』

 

 

『10万ポイントが私達に対する正当な評価らしいから、この評価が下がったら来月貰えるポイントも下がるかも〜!』

 

 

とか言ってた気がする。

だから別に有り得ない話じゃ無いはず。

少し優秀なだけだよ、多分。

 

 

数秒の沈黙を経て堀北会長は口を開く。

 

 

 

「なるほどな。では仮に俺が南雲側に着かれることを危惧しているとしよう。だがそれだけで本当に生徒会入りを断ると思うのか?」

 

 

「それもそうですね。しかし南雲副会長はBクラスからAクラスへ上がっています。これは彼の優秀さを示す大きな根拠に成り得ます。この行動は革命的であり、下級生のAクラス以外にとって偉業とも言えましょう。」

 

 

この発言をした瞬間空気が張りつめた。

恐らく室温が5度程下がった気がするのだが、気の所為だろうか。

 

 

「待て」

 

 

「はい?何か?」

 

 

堀北会長は信じられないものを見たような顔をして私の話を区切ってきた。

私を化け物か何かと勘違いしているのでは無いだろうか?

私はきわめて普通の女の子なのだが。

 

 

そして橘書記も私を見て固まっている。

 

 

心無しか顔色が悪いようですが、この部屋の室温管理きちんと出来てますか?

また、体調管理はきちんと出来ていますか?

 

と問いたい。

 

 

「今君は南雲がBクラスからAクラスへ移ったことを優秀さを示す大きな根拠と言い、そしてこれを偉業と言ったが、之はどういうことだ?」

 

 

「言葉通りの意味ですよ。南雲先輩はその優秀さを発揮してBクラスをAクラスへと押し上げ」

 

 

あ、やっべやらかした。

 

 

「ああ、それは事実だ。しかしBクラスをAクラスにあげるとはどう言う意味だ?説明してもらおうか。」

 

 

いやこれどうしよう、恐らく二次創作でもこんなレアミスしないでしょ。

やばい、確実に怪しまれてるよ。

 

 

○○で偶然耳にしました、じゃBクラスをAクラスに押し上げたことが何故優秀だとされるかの説明ができない。

流石に不審がられるし、この後の過去問イベントに影響を及ぼすかもしれない。

 

 

ほんの少しの有能アピールをする予定が飛んだとばっちりを食らってしまった。

いっそ生徒会に入りたいと言わずに過去問を要求すれば良かったな。

 

 

後悔先に立たず…

仕方ない、ポイントで買ったと押し通す。

 

 

「実は私はこの学園のシステムを新入生の誰よりも早く知ることが出来ました。」

 

 

「それは…誰かに尋ねたということか?」

 

 

「はい。まず私はこの学園の至る所に設置されている防犯カメラに着目しました。防犯上の問題と言われても仕方ありませんが、その数が多すぎるんです。」

 

 

「ほう?確かにそうだな。生徒会室にも幾つか設置されている。」

 

 

「そして入学初日の説明で、支給された10万ポイントは私達に対する正当な評価の表れだと聞きました。つまりこれは評価が下がればその分支給される額が変わることを意味しているように思えます。説明で使われた言葉が複数形であることから、評価は集団…つまりクラス単位の可能性が高そうです。 」

 

 

「ほう、面白いな。随分と綺麗な思考をするようだな。初日にそこまで考えられるとは、実に興味深い。」

 

 

お、これは会長のお眼鏡に叶ったかな?

 

 

「そしてこれらの考察の答え合わせのために私はこの学園の仕組みについてプライベートポイントで情報を買うことにしました。」

 

 

「ほう、いくらで買ったんだ?」

 

 

「流石にそこまではお答えできません。しかしその情報で得たことがこの学園はAクラスが優秀な生徒が多く、Dクラスには劣等生が多いということ。卒業後の特権はAクラスのみが享受できるということを知りました。そしてクラス移動には2000万ポイントが必要で、退学を取り消すにも同額が必要だということ。クラスポイントに×100したポイントが一人一人に割り当てられるプライベートポイントであること。テストの点数も1点10万ポイント買えるということ。」

 

 

一息でここまで言えた私を誰か褒めて欲しい、ついでに頑張った賞で残り800万ポイント欲しいんだけどどうかな。

 

 

「他にも定期考査以外にも特別試験と呼ばれる、主にクラスポイントを求めて競い合うクラス対抗試験もあるそうですね。クラスポイントが他クラスのポイントを越えるとクラス替えが発生し、上のクラスに行けるシステムだということも知っています。」

 

 

一気に話したから少し息苦しいガ、これも仕方ないことだ。

そもそも情報量が多すぎるし、長々ペラペラと話していてはいつまで経っても本題に入ることが出来ない。

 

 

「こんな所でしょうか。」

 

 

言い終えると堀北会長は顎に手を当てながらしばらく黙りこんだ。

そして私を褒め称えた。

 

 

「実に素晴らしい行動力だな。南雲に関して危惧しているというのも事実だ。では、お前が答えなかった意味に着いて教えてやろう。」

 

 

「お願いします。」

 

 

「南雲を危惧しているから生徒会希望者を断っているとお前は言った。だが勿論それだけでは無い。俺は南雲の思想に染まらない後輩の育成を考えている。だからこそ、当分の間は見極めさせて貰いたい。」

 

 

つまり、南雲に染まらない後輩を育成するための素質を見極める。

いわば素材選びといったところだろうか。

 

 

何かを作る上で材料選びはとても重要だ。

作る上で何を重視するのかで選ぶ材料は変わるため、堀北会長が重視する材料とは南雲に染まらない後輩。

 

 

「つまり先輩は今後生徒会長になるであろう南雲にも反論、意見が出来、この学校の未来を支えるとの出来る人材を探されているのですね。いや、その人材に育てるに値する人物をと言うべきですか。」

 

 

「ああ、概ねお前が言っていることは間違っていないだろう。」

 

 

「では、私も今後会長のお眼鏡に叶えば生徒会に入ることも吝かでは無いと?」

 

 

「さて、どうかな。」

 

 

今後のために点数稼ぎをして生徒会に入るのもありだが、今がその時では無い。

まあ好印象を与えるに越したことは無い、なるべく悪印象を与えないようにしなければ。

 

 

そういえば、原作では一之瀬帆波が南雲に生徒会に入れてもらっていたな。

そのせいで一之瀬が三学期万引きしていたという事実を広められてしまう。

 

 

それ自体何か思うことは無いが、私がAクラスに行ってから坂柳に支配されるのは好ましくない。

できるだけ葛城と坂柳には対立を続けて欲しいし、対立を続けながらも上手く試験を乗り越えて欲しい。

 

 

つまり一之瀬への攻撃なんて問題外だし、無人島試験で葛城が龍園との契約を飲むのも反対したいところだ。

あれのせいでAクラスはポイント差が縮まり、プライベートポイントも大幅に失うことになるのだ。

 

 

何より自意識過剰傲慢腹黒女好きの薄汚いハイエナ王子は気に食わないし、Bクラスに南雲派に入られると今後の事業における資金も貯めにくくなるだろう。

 

 

私が近いうちに手を出そうとしているネットバンク事業を乗っ取られるかもしれない。

これは由々しき問題だし、ここら辺でひとつ手を打つことにしよう。

 

 

「では会長、私は生徒会入りを諦めるつもりは有りません。ですが今回のところは引き下がります。ですからひとつ約束をして欲しいことがあります。」

 

 

「なんだ?生徒会に入れろという約束は勿論受け入れられんぞ。」

 

 

いや違います。

 

 

「なんだ?」

 

 

「新一年生の中で生徒会入りを断られた生徒が副会長の権限により生徒会入り果たすことの無いよう、生徒会に入れてはならないと呼びかけて欲しいのです。」

 

 

「どういうことだ?お前は南雲が1年生の誰かを副会長の権限により生徒会に迎え入れると言いたいのか?」

 

 

「はい。その候補の筆頭は一之瀬さんでしょう。」

 

 

「理由は?」

 

 

「彼女がBクラスだからです。南雲副会長は元々Bクラスの生徒です。その実力とリーダーシップ、上へとあがりたい執念は相当なものだと思われます。そして来月どのクラスもAクラス卒業を目指すことになるでしょう。そこで目をつけるのは元Bクラスのよしみとして一之瀬さんが適切です。」

 

 

「なるほどな。しかし、同じBクラスという点だけで一之瀬に手を貸すような単純な男では無いぞ?」

 

 

流石歴代最高と名高い堀北会長だ。

そう簡単に納得してはくれないか、まあここまで予想通り、想定内だ。

 

 

「ですが南雲先輩は女性を私物化するような男性だと聞いていますよ。噂では女性を喰い物にされているようですし。Aクラスで優秀な生徒である葛城君は保守的な思考の持ち主だと噂で聞いていますし。堀北会長寄りの思考を持っている可能性が高いでしょう。しかし──」

 

 

一度区切り、印象付けるように話す。

 

 

「一之瀬さんはAクラスへ上がるという革命好意を目指すようになるBクラスの人間ですよ。革命的思想を持つ南雲副会長側の人間に成りやすいということです。」

 

 

どうだ、これ全部原作知識のおかげなんだぜっと強気にはなれず、あくまで真面目に真摯に訴える。

だがこれ以上言うことも見当たらないため、ここで1度話を終わらせることにした。

 

 

「以上です」と説明を終えるとテーブルにお茶が置かれた。

橘書記が気を利かせお茶を用意してくれたようなので、お礼を述べお茶を頂いた。

 

 

教科書の本文をまるまるひと作品読まされたような気分だな。

ここまでずっとフルスロットルで話し続けたためか、冷たい緑茶が喉によくしみる。

 

 

「会長もどうぞ。一息入れてはいかがですか?」

 

 

橘書記が堀北会長にお茶をすすめた。

 

 

「ああ、ありがとう橘。」

 

 

感謝を述べ堀北会長はカップに手を伸ばす。

カップを取る動作には気品が溢れており、どこかの貴族と言われても信じてしまうだろう。

 

 

改めてお茶を飲んだ会長と向き合い微妙な空気が流れる。

頼む、何か話してくれ。

 

 

約1分が過ぎた頃、堀北会長が一枚の紙にペンで何かを書き始めた。

 

 

「さて、お前はあくまで自分が断られたから、平等に当分の間、俺と南雲に見極め期間として生徒会への推薦権限を行使しないで欲しいという事だな?」

 

 

「はい。私がまだ早すぎると断られたのに、副会長の権限で誰かを入れるのはズルいですよ。」

 

 

正直今の私の発言って現実離れしてるし、情報をプライベートポイントで買ったって話もどこまで信用して貰えるのだろうか。

生徒会に入りたいと言うより、一年生の生徒会入りを阻んでいるように捉えられかねない。

 

 

「そうか。まるで本当に起こるかのような口ぶりだな。この先の未来を知っているような話し方だ。」

 

 

なんか勘づかれているような気がするが防衛に回るだけじゃダメだ。

あくまで知らぬ存ぜぬを通し、そして強気な態度で堂々と接していかなくてはならない。

 

 

「未来がどうなるかなんて私には分かりません。ただズルしないで欲しいのです、審査は平等に行われるべきです。その上で実力主義を語るのならば、私はそれに従います。」

 

 

「成程。良いだろう、実に面白い女性だな。流石だ、入学試験4教科満点で2位に輝いた成績優秀者。そして残りの1科目も99点。入学してすぐにシステムを知るとは、今後が楽しみだ。」

 

 

「ありがとうございます。会長、もう一つ、いえお願い自体は一つです。しかし加えてお話がもう一つあるのです。宜しいですか?」

 

 

少し考える素振りをしてから堀北会長は時計に視線を向けた。

時刻は16時20分を少し過ぎているようだった。

 

 

「分かった。聞こう。橘、今日の会議の時間だが30分ずらすよう連絡を頼む。30分後にまた会おう。」

 

 

指示を出された橘書記は端末を操作し、幾つかの書類を抱えて出口に向かう。

 

 

「分かりました。伝えておきますね。30分後にここへ戻ります。ではごゆっくり、小代さん。」

 

 

出て行く寸前の橘書記に感謝を伝えた。

 

 

「ありがとうございます、橘先輩。」

 

 

するとにこりと微笑んで退出して行った。

 

 

さあ、ここからが正念場。

本日一重要なイベント。

 

 

 

さあ、商談を始めましょう。

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