寝て起きたらスーパーアースの草原でした   作:扶桑畝傍

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第3話 ちびっ子と俺で後悔と複雑

ごとごと

 

「ぉ~。」

「これは。」

「ほぇ~。」

 

流石に気味悪がられたので

曲は止めている

聴きたいのにぃ~

 

屋根にはスキー板を取り付ける

アタッチメント?だっけ、

アレがついてるので

彼等の武器はそこに載せている

 

「御仁。」

「はいよ?」

「本当に町に向かってるのですか?」

「ん~、多分。」

勿論、ナビを着けているが

彼等には『動く絵画(かいが)』と見れるらしく

ゴーストが取り付いているのでは?

と、疑われた

エルフ耳ちゃんが『ターンアンデット』と

唱えたけど、何もなかった

 

「あ、アレかな?」

丘の上に家屋が見えて来た

「おぉ!本当に向かっていたのですね!」

「帰って来れた~、

 って、腹減ったな、お前ら何食う?」

「報告が先ですよライト?」

「あ、そう言えば名前。」

エルフ耳ちゃんがこっちに顔を向ける

やっべ、可愛い

「名前、かぁ~。」

元の名前が言えない理由は

『その名前では一度死んでいるから使えない』と

神様とのメールで確認した

「私はカルムと言います、

 家名は廃嫡されたのでもう使えませんけどね。」

「へぇ、御貴族様か。」

「元ですよ、元。」

「俺はライトだ、隣の大陸の港湾都市から来たんだ。」

「あれ?『大洪水』は大丈夫だったのか?」

「いんや『大洪水』でぶっ壊れた、

 だから丁度いい機会だって思ってな、

 実家から飛び出して来た。」

「おぃおぃ、それって、

 復興を手伝って欲しかったんじゃないのか?」

「さぁな?

 魚臭い毎日よりは充実してるぜ?」

「そか。」

「わ、私は。」

「わり、なんか警戒されてるから一度降りて貰える?」

「おっと、コレはいけませんね。」

「だな、折角帰って来たのに

 迎撃されちゃ敵わねぇ。」

「はい!」

名前、言えなかった

 

「おぉ!!カルムじゃないか!!」

「はい『ビッグホーン』の討伐が完了しました。」

「そうか!コレで畑の拡張が進められる、

 しかし、アレは?」

「はい、あの御仁に助けられ、

 その謝礼も兼ねての積りが

 此処まで『魔動車』に載せて貰ったのです。」

「なんと、まだ動く『魔動車』があったのか。」

「御仁も、色々あったようで、

 今は宿無しだそうで。」

「成程、出来るならキミらのパーティに

 加えてモンスターの討伐をして貰いたいな。」

「ですね。」

ちびっ子共がなんか群がって来る

「ねぇねぇ!」

「はいよ。」

「『おじさん』は『お兄さん』だ、

 まだ18だ。」

コレは転移・転生特典デフォルトらしい

神様曰く『若くないと子作り大変でしょ?』

・・・GJ!!

「えぇっ!?」

「とりあえず離れてくれるか?

 ストレージから物が出せない。」

「あ、は~い。」

お?聞き分けが良い子だな

ストレージから

メンテナンス用の作業台を呼び出す

 

「おぉ~!!」

ちびっ子達が更に群がって来た

「むぅ。」

メンテナンスステータスを見ながら

必要な所に作動油、潤滑油を差して行く

ランス部分は軽く磨けば大丈夫そうだけど

「機構部分は磨耗ステータスがあるのか。」

どうやら機構は『丸ごと交換』する必要が出て来た

そりゃそうか

爆発・衝撃・回転・給弾・排莢・動作機構

まぁ、上げれば上げるだけ負担が掛かる

「最悪、暴発して壊れるのか。」

壊れる・・・正直余り見たくないが

致し方無いので

錬成で予備の機構をストレージに入れて置く

「兄ちゃん。」

「あん?」

「おれもつかえる?」

「ん~、鍛えれば行けんじゃね?」

「ほんと?」

「今つかいたい!!」

「今?」

「つかいたい!!」

と、周りのちびっ子達が騒ぎ出す

「ぁ~、わかったわかった、

 一旦離れてくれ、

 『模擬武器』なら造れるから離れてくれ。」

「「「は~い!」」」

 

数十人のちびっ子達が囲んで

今か今かと待ち構える

「おぉぅ。」

期待の眼差しが怖い

 

「しゃ~ない。」

 

『覚えている武器』を

あるったけ錬成してみよう

〔神様~〕

〔な~に~?〕

事情を細かくメールする

〔大丈夫だよ~〕

〔ほんとに?〕

〔木材で作る模擬武器でしょ?なら大丈夫〕

〔あざ~すっ〕

〔ちょっと忙しいから

 返信遅くなるかも~〕

〔りょ~〕

〔じゃね~〕

 

地球の歴史上の手持ち武器や

モンスターを狩るゲームの武器

『飛び道具』に部類された

『銃系統』も作れたのはちょっと誤算だった

 

きゃいきゃいと、

各々が気に入った模擬武器を振り回すけど

「危ないから、ちゃんと距離を取りなさい。」

「「「は~い!」」」

と、ちゃんと距離を取る

マジで聞き分け良い子ばかりだな

普段から訓練でもしてんのかな?

 

「コレは。」

犬耳カルムが色々手に取る

「は~、こう言う大剣もあるのか。」

と、ライト

「これって。」

そういって『フレイル』を持つエルフ耳ちゃん

 

「御仁。」

さっき、カルムと話していた人耳だ

「なんでしょう?」

「アレを、町の防衛武器として

 採用してよろしいでしょうか?」

「そう、ですね、

 防衛に使うのであれば構いません、

 勿論、『モンスター』や、

 『他種族の侵略にも』ね。」

「・・・しません、

 もぅそれは過去の人耳の罪ですから。」

「どうだか。」

そう、悪魔で技術の底上げこそすれど

それをどう使うは

『所詮、使う者に依存する』

俺の知った事じゃない

「お兄ちゃん。」

「はいよ?」

「コレ、どうつかうの?」

女の子が持ってきたのは

『誰も手に取らなかった銃』だ

「ぁ~、そうか、

 コレを見た事は?」

「ん~ん、ないよ?みたことない。」

でも、やたらこの娘にしっくりくる不思議

「そうだな。」

『錬成』で、同型の『ガスガン』を創る

「わっ。」

「コレが模擬戦用の同型で、

 これが『弾丸』の代わり。」

BB弾・銃弾の加工バージョンも創った

(年月が経てば微生物によって分解される有機素材仕様)

「先ずは弾込め。」

「うん。」

『二つ』創ったガスガンを一緒に工程を重ねる

「そして、これ。」

封入用ガス缶を渡す

「なにこれ?」

「これで撃ちだす為の魔力代わりが出来る。」

「ほんと!?」

工程を進めて行くと

この娘は『魔盲』と言われる『病気』に分類される

原因は不明で

魔力が上手く変換できなかったり

体質的に使えないと様々らしい

「んで、ガチャって言うから、

 装填完了ね。」

「できた!」

 

まぁ、危ないのでちゃんと壁を作り

20m50m100mと的を置く

 

「こうしてロックを外して。」

「はずして。」

かち

「ドットサイトの真ん中に

 的の真ん中を持ってく。」

「真ん中にもってく。」

ちびっ子には台に載せてあげる

両手撃ちにしてもまだ持ち上がらなかったので

「引鉄を引くと撃つ。」

バスッ

こん

「お、ちゃんと当たった。」

正直、あんまり得意じゃ無かったりする

「ひきかねをひく。」

あ、引鉄って言えないの可愛い

バスッ

こん

「あ!!当たった!!当たったよ、お兄ちゃん!!」

ぴょんぴょん跳ねて喜ぶちびっ子

「こら!」

「ひゃい!」

「コレを使う時は絶対振り回さない!」

「はぃ。」

「っと、ごめんごめん、

 でも本当に危ないから常に

 周りに気を配ってな?」

「わかった!」

「もうちょい練習してみる?」

「うん!!」

 

すると、音に釣られてちびっ子達が集まり出した

 

バスッバスッ

「よーし!」

 

ババババスッ

 

教えてないのに連射し出した

子供ってこっわ

 

「お兄ちゃん!」

「はいはい。」

「これは?」

「・・・おぅ、スナイパーライフルだねぇ。」

「すないぱーらいふる?」

「遠くを狙う物だね~。」

「つかいたい!!」

「ぁ~、はいはい。」

 

今度は200mの的を出す

 

「みえない。」

「おう、俺も的は見えるけど

 真ん中は見えねぇな。」

 

スコープ調整はサバケー以来やって無いので

ほぼ、ほぼ手探りだ

 

「こんな感じかな。」

「は~い。」

 

まぁ、構える姿はマジで様になる

てか、マジでどこぞのスナイパーさんですか?

 

「撃つ時はこうして。」

一瞬、息を止め、撃つ

 

こん

「おっと、当たったかな?」

的を見に行くと、

円形の的のギリギリに当たっていた

「なはは、こんなもんかな、

 俺は得意じゃ無いからこんなもんだ。」

「やって見る。」

 

ちびっ子達が静かになる

俺も静かに見守る

 

バスッ

 

「ん~、ずれた。」

そしてスコープを微調整する

 

あれ?教えたか?俺?

 

「これで。」

あ、この娘化ける、マジでヤバい方に化ける

 

バスッ ジャカ キィン

 バスッ ジャカ キィン

  バスッ ジャカ キィン

 

「やった!!

 全部真ん中に当たったよ!お兄ちゃん!!」

ボルトアクション式で

先端にBB弾を埋め込む銃弾とは言え

 

「すげぇ、いや、ほんと。」

ちびっ子の雰囲気はどこへやら

歴戦のスナイパーの風格が漂う

 

「まぁ、モンスターには撃って良いけど、

 人に撃つなよ?

 怪我で済めば良いけど

 『簡単に殺せるからな?』」

「・・・その方が良い。」

え?

「どうして?」

「おとうさん、

 人耳に殺されたから。」

「復讐ね。」

「うん。」

「でも、まだ早い。」

「なんで?」

「一人で旅は出来ないだろ?」

「あぅ。」

途端にちびっ子の雰囲気に戻る

「それに、その相手が誰かわかってるのか?」

「『大洪水』のあと、わかんない。」

「とりあえず情報を兎に角集めて、

 鍛えて、そうだな、

 キミはいま幾つ?」

「4さい。」

 

 

「4歳なのか~。」

「うん!」

マジかっ!?

「せめて成人してからかな?」

「ぶ~。」

ぷく~っと頬を膨らませる

「大体、それ模擬戦用だからな?

 本物はもっと重いぞ?」

 

 

「5発な。」

「うん。」

 

町外れに1500mの射撃場を造った

 

イアマフを被せ

ちびっ子の上から被さり

しっかりスナイパーライフルを抑える

 

ちびっ子が撃てば大怪我まっしぐらだからね

 

引鉄とスコープを任せる

 

ガン!!

ジャカッ

キィン

「すごい、おと。」

「だな。」

イアマフ着けててコレなんだから

モノホンのスナイパーさんは耳が

どうにかなっているのだろう

 

ちびっ子がスコープを調整する

「撃つよ。」

「あいよ。」

 

ガン!!

ジャカッ

キィン

「どうだ?」

「うん、ど真ん中。」

「残りも?」

「連射。」

「はいはい。」

 

 

「コレがメンテナンス用の作業台な?」

「うん。」

その女の子の家にある小屋に

作業台を造ってあげる

「とは言え、金属だ、

 経年劣化はどうしてもあるから

 それまでに『自分で作れるようにな?』」

「たくさん練習する。」

エルフ耳ちゃんからの助言で

腕輪式の『触媒』をあげたら

『使えてしまったのだ』『錬成』が

「頼むから防衛だけってのは?」

「や。」

「・・・そうか。」

 

〔君が気にする事は無いよ

 その子の意志なんだから〕

〔そうかね〕

〔そうだよ、

 ボクが頼んだんだから良いの

 キミは『利用されただけ』

 割り切らないと今後も辛いだけだよ?〕

〔・・・ありがと、神様〕

〔それはお互い様だよ?〕

〔・・・寝る〕

〔うん、頑張ってね?〕

 

頑張って、か

 

生前、一度も言われた事なかったな

 

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