町と言ってもこの町は
全体で4000人程度の町で
一番近場でも
『徒歩で10日』掛かる
勿論、休みなく歩ければの話だ
その隣街は、約6000人程いるらしい
ただ、連絡らしい連絡は取れておらず
不定期に来る『冒険者の聞き伝え』情報なので
隣町・街に辿り着いても
『滅んでいる事はざらにある』
「ぇ~。」
まぁ、うん、中世的な感じしてたよ?
「タライ風呂とは・・・。」
俺個人、温泉は好きだが、
お風呂は余り良い思い出は無い
肩まで浸かれても『足が伸ばせなかった』
「それじゃ、お兄ちゃんよろしく~。」
え?
「え?ちょ、いやいや・・・嘘だろ?」
放心状態のエルフ耳ちゃん放置ですか
え?俺に彼女を洗えと?
本気?
いや、キミがやってくれないの?
俺、男だよ?
幾ら行き遅れ(自称)の
エルフ耳ちゃんって言ったって
『女性なんですが?』
「ぁ~・・・。」
まぁ、嫌だよな
自分のアレで湿った物は
「エルフ耳ちゃん、立てる?」
ストレージから出すのは
『プールタオル』
頭から被せ繋ぎ目は横に持って行く
あのね、キョトンとした顔ヤメテ?
クル
「こ、これなら、み、みえ、ないだろ?」
ぁ
と、小さく頷く
▽
そのプールタオルを被せたまま
風呂場へ手を引いてあげる
「・・・お湯、これぐらいでいいか?」
『適温』と言う便利魔法があるけどさ
これ、『誰にとっての適温なんだろう?』
「ぅん、これぐらい。」
「そ、そか。」
先に述べたよね?言ったよね?
中世的な感じって
石鹼も無ければ
湯船に浸かる習慣も無い
『サウナ』として、このタライ風呂は
使うそうだ
(って、なぜかストレージに入ってたので説明を見た)
「ふ、拭く、けど、いいのか?」
やや熱めのお湯に別のタオルを浸し
軽く絞って置く
コクリ
背中にプールタオルの繋ぎ目をずらし
隙間からタオルを突っ込んで拭いて行く
「背中、だけだからな?」
背中を拭き終え
拭いていたタオルを受け渡す
「・・・前は?」
「頼む、自分でやってくれ。」
色々我慢してるので
「やってくれないの?」
「ふんぬっ!!」
壁に顔を打ち付ける
「頼むから、自分でやって~・・・。」
そのまま気絶を決め込んだ
▽
(どうじゃ?)
(ちっ、町長、ダメ)
(なんじゃ、イケると思っとったのに)
(ヘタレ)
▽
チョンチョンと肩を叩かれる
「んぇ?」
「き、きがえた、よ?」
あぁ、ちゃんと服を着てる
「そか。」
ぎゅう
裾を掴まれた
「止めとけって。」
「なんで?」
「なにが?」
「助けてくれた。」
「一目惚れって、言った筈だけど?」
「そぅ、だけど。」
ぁ~、なんで手を出してくれないかって事か?
「・・・俺、この町には留まらないし。」
「ぇ?残らないの?」
「___ちゃんもやる事あるし、
町長を主導で防衛強化するんだろうけど、
俺はここ以外を知らないで終わるのは
ごめんだね。」
「そぅ、なんだ。」
「一緒に行くか?」
「・・・いいの?」
「まぁ、この世界の事、
ろくに知らないからな、
案内役も欲しいし、金銭の交渉事も
教えて貰えると助かる。」
(これは本当の事だし嘘は言って無い)
「・・・そぅ。」
はぁ
「泣くなって。」
「泣いてない。」
背中に張り付いてすすり泣きが聞こえてる
「ていっ。」
「ひゃんっ!?」
手早く振り向いて抱きしめる
「・・・今は、コレが精一杯、です。」
女性経験皆無(生前も無かった)な俺の
出来る限界です、はい
ひぃ~///手が震える~///
「ぷっ。」
「ちょ、笑うなよ。」
「だって、顔真っ赤。」
「ったりめーだろ、
じょ、女性を初めて抱きしめたんだから。」
「はっ!?ハジメテっ///」
「あぁ、悪いかよ?」
「べ、別に!」
ヤメテ、そんなにぎゅ~ってシナイデ?
心臓バックバクなんだから~
(変な人耳、
心臓バクバク言ってる、
こんな行き遅れで
ハーフエルフで・・・
なんで?)
「なんで?」
「ん?」
「なんで?」
「なにが?」
「優しい、から。」
「・・・。」
(あら?心臓が落ち着いてく?)
「『この世界でも言われたか』」
え?
先程まで真っ赤だった顔は
最早『ヴァンパイア』みたいに青白くなっていた
「ちょっ、どうしたの?」
「ぇ?
あぁ、ごめん、昔を思い出しただけだから。」
「・・・優しい事がいけないの?」
「ごめん、ちょっと一人にしてくれ。」
無理にでも立ち上がろうとする彼を
「~っ!!」
今度は抱き止めた
「・・・離してくれるか?」
「やだ。」
(あぁ、今度は彼女の
心音が聞こえる
俺とは違う音
トクトク、と、必死に動いている)
「頼む、離してくれ。」
(俺はコレが怖い
優しくされる事が怖い)
「や~だ。」
(力で振り解こうと思えば出来る)
「離してくれ。」
「絶対離さない。」
「俺に優しくしないでくれ。」
「やだ、う~んと優しくする。」
「泣いてるの?」
「・・・雨、だよ。」
「うそ。」
「あめ、だ。」
「わかった、
止むまでこのまま雨宿りさせてあげる。」
▽
(コレは、野暮じゃな)
(お兄ちゃん、昔になにがあったんだろう)
(ほれ、後は大人な二人に任せて
ワシらは町を強化するぞ?)
(ちぇ~、
えちえちなの見れるって
思ったのに~)
(ん?___?
どこでソレを知ったのじゃ?)
(町長と奥さん)
(・・・見てたのか)
(うん♪すごかった!)
(・・・お主にはまだ早い)
(え~?
第二婦人じゃダメ~?)
(止めてくれぬか?
俺はまだ殺されたくない)
「あ~な~た~?」
「ひぃっ!?お、おまぇっ!?」
「来なさい!」
「た、たすけ・・・いないっ!?」
「___ちゃんが呼びに来てくれたのよ?
た~っぷり、
注いで貰うから覚悟しなさい?」
「・・・はぃ。」
(作戦せーこー!
でも、お姉ちゃん、お兄ちゃん、
そのまま寝ちゃったし
明日の朝が楽しみ~!)