闇の正義スパンダム   作:ぬこノ尻尾

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合同訓練を終えて

 

 

 合同訓練が終わった後には、模擬戦に参加しない者たちは既に行っている意見交換会という名目の親睦会に加わることとなる。

 今回の訓練を通じて親しくなった相手などがいれば、仕事上のみではなく個人としても友好関係を築ければいいだろう。

 実際それなりにいい雰囲気で進行しているようで、ワイワイと楽し気な様子ではあった。CP9メンバーたちにも自由に過ごすように指示を出す。

 

 しかしまぁ、こういった場において一般兵や役人はともかくとして、CPの代表のような立ち位置に居る俺がのんびり楽しめるかと言えば、そうはならない。

 こうした場で上の人間が忙しいのは世の常。むしろ上の人間が率先してバカ騒ぎをしていては問題である。

 

「今回は我々の立場としても学ぶことが多かった。手痛い敗戦を経験しましたが、これもまた必要なことだったのかもしれませんね」

「そうですね。海軍は言うまでもなく戦力の規模としては世界最大です。だからどうしても、無意識下に自分たちが負けるはずがないというような驕りが多少はあるのかもしれませんね」

「市民たちの安全を守る立場として、強いということはよいことですが、同時に慢心や腐敗にも気を配らなければならないのが辛いところですな」

 

 現在俺はセンゴクと会話をしており、互いに海軍とCPの代表として今日の感想や今後についてを話し合う。本来はタマの仕事ではあるが、タマは別の場所でつるの相手をしている様子だ。

 今回の模擬戦は結果としてCP側の4勝1分け……圧勝と言っていい結果だった。

 

 それぞれを思い返してみれば、まず初戦のジャブラ。ジャブラの最大の長所は実力にムラが無いところだ。鉄塊拳法と覇気、そしてCP9内でも年長ということもあってか己の本来の実力を発揮するのが上手い。

 調子によってムラっ気が大きい者と比べて抜群の安定感を誇るので、指揮する側としてはかなり使いやすい有能な存在といえる。今回もしっかりと十全に己の力を発揮して勝利を収めた。

 

 次にフィズ……本人はひとりだけ引き分けだったことを気にしており、その際に本人にも直接言ったが、今回の模擬戦において俺の想定を大きく超える力を発揮したのはフィズのみだ。

 事前の情報や本人を見た感想として、ギオン中将はフィズより2段階ほどは格上だった。実力だけで考えるなら、瞬殺されてもおかしくないだけの差があった。引き分けという結果は大金星と言っていい。

 戦いを見ていて思ったがフィズは攻撃の見極めと対応が上手い。避けられる攻撃は避け、避けられない攻撃は最小のダメージに……口にするのは簡単だが、それを実戦でしかも格上相手に行える者がどれだけいるか……今後はその部分を伸ばす鍛錬をするのもいいかもしれない。

 

 カクはなかなか能力を使いこなせていたと思う。少なくとも原作のエニエスロビー編のように、パスタマシンだのといった戦いの最中で己の想定していなかった状態になるようなことは無かった。原作ではギャグテイストで描かれていたが、戦いの場で己の能力を把握できていないのは問題なので、その辺りはしっかり鍛えた。

 結果としてキリンの膂力を生かしつつ、持ち前の機動力もあるパワーとスピードを両立したいい戦いが出来ていた。

 

 その後のルッチは、さすがの一言だ。力への渇望を得たことでルッチの成長は著しく、中将の中でもそれなりの実力者であるモモンガをまったく寄せ付けなかった。

 相手にもよるが既に四皇幹部相手でも問題なく勝利できるレベルに達しており、まだまだ発展途上といった感じで日々成長しているので今後が楽しみである。性格的にも原作より穏やかになっており、今回のような合同訓練でも友好的に接することが出来るだけの度量を得ているのも高評価点だ。

 

 ポチに関しては、わざわざいまさら語ることでもない。アイツは既に四皇と1対1で戦ったとしても勝てるであろうレベルまで到達している。だいたいCP5時代の俺ぐらいの力であり、タイマンなら四皇にも勝てるが、部下込みではやや分が悪い領域だ。

 そもそも基礎能力にも覇気にも大きく差があり過ぎる中でクザンはよく戦ったと思う。流石大将まで上り詰めるだけあって、状況判断なども含めて能力は高い次元で纏まっており、強者と呼ぶに相応しい存在だ。

 

「海兵たちにとっても多くの印象が変わる機会となりましたし、今後もこういったことを行いたいものですね」

「確かに、特に海軍とCPが入り交じっての訓練は学ぶ部分や課題も多い。こちらとしても定期的に開催できればと思いますね。流石に今回のような規模で、毎回行うのは厳しいでしょうが……」

「そうですな、ある程度規模を縮小して年1度の開催ぐらいに落とし込んでみたいところですな」

 

 センゴクの合同訓練を定期化しようという提案は悪くないものだ。実際今回の訓練で海軍に対して認識が変わったCP役人は多い。同じ世界政府所属の組織なのだから、連携が高まることは大きなメリットだ。

 今回のように中将を複数に大将や元帥まで来るというのは難しいが、規模を縮小すれば十分に年1開催は可能だろう。

 

「話は変わりますが、スパンダム殿は指導能力も優れているのですね。特にCP9メンバーの覇気の練度には驚かされました。聞けば、大半が覇気を習得して2年に満たないとか……コツがあれば是非ご教授いただきたいものです」

「ああ、それに関してはある道具の存在が大きいですね。私は個人的にDrベガパンクと交流があるのですが、その際に自身の覇気同士をぶつけて練度を上げられる道具を作ってもらって、それを用いて鍛錬を行わせました。この道具で自身の覇気同士をぶつけると消費が大きいので、必ずしも実戦より優れているとは言えませんが、個人でも鍛錬できるのは極めて有益です」

「なんとっ……そのような道具があったとは……」

「恐らくベガパンクが私に気を使って他には伝えていなかったのでしょうね。もしよろしければ、私の方から連絡して、海軍に対しても支給できる形にするように伝えましょうか?」

 

 リリスが作り出した覇気の波長を変えるリストバンドは非常に便利だ。覇気の成長だけなら、己より大きな覇気を持つ相手との戦闘の方が上ではあるが、ひとりでも鍛錬できるのは大きい。そして俺に関しては、もはや俺より巨大な覇気を持つ相手は存在しないので、リストバンドが最高効率だ。

 センゴクが知らなかったのは、おそらくリリスにとってリストバンドは俺との個人的な依頼で作ったもので、政府に依頼された研究品ではないので報告はしていなかったのだろう。

 

「それは願ってもないことですが、よろしいのですか?」

「ええ、別にこちらが独占する意味は無いでしょう。それにソレがあるからと言って、劇的に覇気が強化されるわけではありません、あくまで鍛錬がしやすくなるといった効果です」

「なるほど、それでも極めて有用な品……スパンダム殿のお心遣いに感謝します」

 

 別にリストバンドについては秘匿する必要はない。むしろこれを用いて海軍が更に強化されればこちらのCP9メンバーなどにとっても競争相手がいるという刺激になるだろう。

 リリスとしても海軍からの正式な依頼であれば、多額の報酬……研究費も期待できる。

 隠すとしたら、その内リリスに研究させてみようと思っている生命帰還と複数の気功を用いた筋肉圧縮による肉体改造に関してだ。

 

 その後もしばらくセンゴクと雑談をしたあと、他のCP主官や海軍の重鎮とも一通り挨拶と雑談を行う。それが終わった頃には、もう意見交換会も終わりというようなタイミングだった。

 ポケットから取り出した飴を咥え、あちこちで騒ぐ海兵と役人を見て、軽く笑みを溢しつつ飴をひとつ振り返らないまま後ろに放り投げて小声で呟く。

 

「……ちゃんと指示通り、ある程度クザン大将にも見せ場を与えたな。ポチ、よくやった」

「はい!」

 

 

 




スパンダム:狂パンダ。今回はCPメンバーの仕上がりに満足。ポチに関しては、クザンを瞬殺しないように、剃の速度に制限をかけていた。リストバンドに関しては、特にひた隠しにするようなものでもないので教えた。

ポチ:忠犬で狂犬。才能が極端なタイプで、覇気なら武装色、六式なら剃と嵐脚が飛びぬけて得意なので、ポチが本気で剃したら現状のクザンでは捉えきれなかった可能性が高い。パンダに褒められて尻尾をブンブン振ってた。

センゴク:海軍を鍛えなおさなければと、海軍強化フラグができあがった。

トットムジカ:o((*•ω×))o♪ 賑やかなの好き♪
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