あの不完全燃焼な任務から数日後。
今日も自分はパトロールを兼ねて街を練り歩いていた。
暇ということは断じてないが、昼間や夕方は仕事が少ない。我々ジークはリコリスと違って人の少ない時間帯が主な活動時間となる。
ジーク。正式名称ジークフリート。
direct attack通称DAとは別の保安維持組織に所属する男女混成精鋭部隊。
こちらは孤児ではなく、政府の厳正なる選択(抽選)の結果召集された適齢の人間で構成されている。リコリスやリリベルと同じように殺人や銃の発砲、銃刀の所持が合法となっているが、主な任務はリコリス・リリベルのバックアップや事後処理となっている。その中でも更に優秀とされる隊員にはリコリスやリリベルでも対応しきれない凶悪事件の解決といった任務が発注される。
基本方針としてジークフリートは隊員が端末からの情報を引き出して自らの判断で任務を受注する形を取っているが、先程挙げた優秀な隊員にはこれに加えて凶悪な任務の受注義務というものがあり、リコリスのファーストクラスでさえも歯が立たないレベルの犯罪者の対処が任務内容になっていることが多い。
リコリスでは上から、ファースト、セカンド、サードと三つにクラスが存在する。しかしジークはリコリスよりも総員数が圧倒的少ないのに階級は5つ存在する。上からアインス、ツヴァイ、ドライ。この三つが上位に分類されるものであり、凶悪任務の受注義務が課せられる。実力もバケモノだらけで大抵は研究所で改造手術を受けた強者が多くいる。残りのフィーアはリコリスで言うところのファースト並みの実力者。自分がいるのはこのフィーアだ。
本部から早く昇格試験を受けろと急かされているが、死にたくは無いので御免被る。最後にフュンフ、リコリスで言うところのセカンド並みの実力者でジーク内では1番人数が多い。
数年前のジーク内の階級ごとの人数をまとめたデータがある。その時で、
アインス 3人
ツヴァイ 6人
ドライ 12人
フィーア 24人
フュンフ 120人
だそうだ。
現在も似たような人数であり、多少殉職によって減っていたりはするようだが目安としてはこんなものだ。
ジークの場合もリコリスと似たような制服。つまり学生服のデザインを採用している。リコリスはワンピース型の制服だがジークはブレザーにシャツ、ズボンorスカート+階級ごとの装飾品という組み合わせになっていて素材も防刃防弾の物を使っている為かアーマーとしての効果も高い。
話を戻すが今は主な活動時間ではない為、任務を選ぼうにも他の隊員に取られていることが多い。ジークの給与体制は階級ごとの基本給に加えて任務のインセンティブ報酬が加算されて月に一回支給される。社会保険も完備で福利厚生として国指定した商業施設や保養所の利用に割引が発生する。
その面では明らかにリコリスよりも待遇が良い。
絶対にリコリスには話したくないな。
そんな訳で天気も良いお昼頃、自分はある喫茶店を見かけた。
「喫茶リコリコ?リコリスとなんか語呂が似てるな。ちょうど良い、ここで軽く何か食べていこう」
自分は意気揚揚と扉を開けた。