リコリコ ボツ 二次創作   作:白ノ宮

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供養中...


4話 後編

模擬戦で使用するフィールドの地形はシンプルで、室内に遮蔽物やボロ屋を見立てたオブジェクトが複数あり、ギミックはボロ屋のドアだけ。

実力が99%モノを言うフィールドだ。

 

両者ともにどこがスタート位置かは見えないが、ここは相手の拠点のフィールド...即ち自分の位置はすでに把握されている。

よって自分が選択すべき行動は...。

 

スタートを合図するブザーが鳴る。

その瞬間に音を立てずにスタート位置から離れる。

 

初期位置から右に向けて走り、突き当たりで待機。

あとは耳を澄ませて相手が飛び出てくるタイミングでこちらも飛び出る。

左手の銃で牽制射撃をして相手の体勢に乱れが発生した瞬間に警棒と足技のコンボで相手を崩す。その予定だ。

 

タタタタッ....!!!

 

(足音探知、前方方向。接敵まで5、4、3、2、1...今ッ!)

 

千束と接敵し、自分がしゃがんでいる事により若干の反応の遅れを確認。

隙を逃さずに胴に三発撃つ。

 

牽制のつもりだったがコレは当たったかも知れないなと思ったが、銃弾は残像を残して避けられ、お返しとばかりに数発返ってくる。

 

(銃弾が見えるのか、最強と云われる所以はそれか!)

 

体を捻りながら避け、無理な体勢ではあるがそのままタックルする。

 

案の定避けられるが、隙がまた発生するので足払いを当てて立ち上がらせる前に首筋にシリコン製の警棒を翳す。

 

「短い時間だったが...チェックメイトだ」

 

「動き速くない?付いていくのに必死だったんだけどぉ...」

 

まるで反則だと言いたいような目を向けてくる千束に対して僕は苦笑を浮かべて誤魔化す。

 

今回は初見騙しと格闘戦の得意不得意が顕著に出たおかげで勝てたが、次はどうなるかわからない。

 

戦ってわかった事がある。

 

千束は驚異の観察力で相手の筋肉の動きや視線の動きを察知して銃弾を避ける事ができるようだ。格闘戦は身体がついていけてないだけで、察知自体は出来ていたはずだ。

 

リコリス最強の名はやはり伊達ではないという事だろう。

 

「それにしてもジンって待ち伏せタイプの戦い方なんだね」

 

と千束が言うが

 

「いや、別に待ち伏せの戦い方だけでは無いさ。状況に応じてって感じだが、今回は千束がどんな動きをするのかよくわかっていなかったから待ち伏せに徹してなるべくこちらのペースに巻き込もうと思っただけさ」

 

「じゃあ私はそれにまんまと乗せられたって訳だ」

 

「そうだね、運が良かったと思っておくさ。それに、まさか銃弾を避けるなんて思いもしなかったよ」

 

そういうと千束は表情が弾ける笑顔に変わり、

 

「すごいだろ〜?」

 

と自慢げに言った。

 

まぁこれはお世辞抜きですごいと言える。

僕でもそんな優れた動体視力や観察力は持っていない。

 

談笑しながらフィールドの外に出ると井ノ上さんがそこにいた。

 

「いや〜、負けちった☆」

 

戯けるようにたきなに笑いかける千束、しかしたきなはスルーしてこちらを向く。

 

「千束さんが負けるとは思いませんでした。あれでもジンさんは本気を出されていないんですか?」

 

「なんて言えばいいんだろうな...。限られた技だけを使ったって考えれば本気じゃないと言えるけど、身体を動かした時の速度は本気と変わりないからよく分からないが答えだな。でもこれだけは言える、千束は明らかに強いよ」

 

「そうですか」

 

井ノ上さんとの間に壁を感じるが本来ならこれが普通なのだ。

千束のような性格の人間は基本的に見かけないものだ。

 

 

 

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