whiter than white(PSYCHO-PASS)   作:鈴夢

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最"恐"夫婦

 

 

 

・・・・

・・・・・・・・・・・

 

 

 

「((…薬師寺……土谷?))」

 

 

舞白はじっと慎導達の様子を伺うも、距離もあるため鮮明な言葉は聞き取れない。しかしどうやら、土谷の事件について、目の前の男に何か聞き出している様子は見て取れる。

 

「あの男…誰?移民…」

 

デバイスで相手の男の上方を掴もうと思い左手首に手を伸ばすもデバイスを付けていない舞白。服装に合わないから、とハンドバッグにしまっていたのを思い出す。

 

しかし、ハンドバッグは先程座っていたソファに置いたまま―――

 

 

「そうだった…外してたんだ私…」

 

ガクッと肩を落とすと、彼らに動きが。

慎導が立ち上がり、その場から離れて行く…

そして、何やらイグナトフは険しい顔つきで相手の男に何か言葉を発している様子だった。

 

 

「…((まあ…盗み聞きしても無駄かな。そもそも彼らの国内の事案に首を突っ込んだら、美佳ちゃんに何言われ―――))」

 

 

刹那、職員専用らしき扉から、やけにガタイのいい大柄なホテルマンの服装をした男たちが複数人現れる。身長はゆうに全員2mは超えているだろうか?

 

明らかに、このホテルのホテルマンには相応しくなさそうな外見の男達。しかし、どうやらイグナトフ達はそれに気づかず、相手の男と会話を続けていた。

 

 

「…何あれ……関係者…には見えないけど…」

 

物々しい雰囲気に思わず身構える舞白。

そしてその瞬間、目の前にコミッサが現れる―――

 

『エリアストレス警報

至急 メンタルケアを行ってください―――繰り返します―――』

 

 

その警告を目の前に、イグナトフ達は何やら混乱した様子。しかし舞白は瞬時にあの人物達が何者か判断する。

 

 

―――あいつら、間違いなく潜在犯

 

 

そして、そのホテルマンたちはイグナトフ達に襲い掛かるのであった。

 

 

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背後から強い衝撃。

イグナトフはギリギリ頭部に食らうはずだった打撃から逃れると、体を強く殴り飛ばされ、ロビーのソファが激しく転倒していく。

 

「監視官!!…ックソ!なんだコイツら―――」

 

「デカすぎんだろ!」

 

入江、廿六木も突然現れた巨漢達にうろたえる。体格も力も別格。現にあのイグナトフでさえ対応しきれていない。

 

 

 

 

 

「クッ!!グハァッ!!」

 

イグナトフは1人の男に抑え込まれ、強い打撃を次々と食らっていく。なんとか体勢を起こし、反撃を試みるも、まるで歯が立たない。目の前には2人の男…2対1は無謀すぎた。

 

「((…クソッ…何人いるんだ!?))」

 

殴られたせいか視界が大きく歪む。

 

そして、気づけば離れな場所で、入江は顔を何度も殴られ、男に首を捕まれかなり危険な状態に陥っていた。

 

そこに入江の顔の真横に、再びコミッサが現れる―――

 

『ヘルスチェック、頭部に危険な衝撃を受けています。あなたは暴行を受けている可能性が極めて高いです―――』

 

 

「ぐっ……そうだ、よ…ッ!!」

 

『すぐに回避してください―――』

 

「できるか!!ボケ!…ッ…う……」

 

コミッサの無謀すぎる言葉に、入江は頭に血を昇らせる。そしてまた再び頭を殴られると、鼻や口から血液が溢れる。

 

 

 

「入江!!…ッグアッ……」

 

廿六木も同じく、馬乗りになった男に打撃を落とされる。

 

 

 

 

 

「…廿六木!入江!……ッう!」

 

倒れる執行官達にイグナトフも焦り始める。

 

「((…まずい…この状況を打破しないと…))」

 

容赦なく目の前の男たちは再びイグナトフに襲い掛かる。そして、よく周辺を見ると、既に男たちに殺害されたであろうリーの死体が転がっていた。頭部を潰されたのか、凝視できるような死体ではなかったら、

 

 

「((しまった……貴重な証人が…))」

 

もはや、ここまでか―――

と絶望した瞬間。入江に跨っていた男の悲鳴が響き渡る。

 

 

「ぐぁああああああぁぁ!!!」

 

男は床に転がると、なにやら首を押さえ痛みに悶えている様子だった―――

 

 

 

入江は自分の目の前に現れた、見覚えのある"女"に目を見開く。その女はまるで狼のように鋭い目付きをしており、黒いドレスと少し濃いめのメイクが、やけにその様子を映えさせる―――

 

 

 

「……お前…ッ…確か外務省…」

 

「美佳ちゃんには秘密です――」

 

 

舞白は口元に人差し指を当て、入江を見下ろすと、再び男に向かって走り出す。慣れないハイヒールのせいで普段に比べると、どうしても動きは鈍い。

 

入江に襲いかかり、床に転がった男は、どうやらハイヒールのヒール部分で蹴られたせいで、首から血を流していた。

 

 

「このクソ野郎が!!」

 

他の男たちが舞白に照準を定め、次々と襲い掛かる。長い丈のドレスに、履きなれない靴、それだけでもかなりのハンデな筈なのに、襲いかかってくる巨漢を相手にしていく。

 

 

 

「…なんて…人だ―――」

 

イグナトフは怪我を負った腕を掴み、荒い息を吐いていた。そして、ここまで実力の差がある事実に、内心落胆する。

 

 

「はっ……ッ…はぁぁぁああああっ!!!」

 

 

廿六木を襲っていた男の胸元を掴み思いっきり投げ飛ばせば、男は宙に浮き、ロビーの椅子たちをなぎ倒していく。

 

「…おっかねぇ……お嬢さんだ…」

 

廿六木もその場から立ち上がると、俊敏に動く舞白に恐れを生していた。あの華奢な体のどこから、あんな力が―――と。

 

 

「はぁ…はぁ……ッ…はぁ…」

 

「((…よかった…やっぱり須郷さんと帰る間際にトレーニングしておいて良かった、お陰で体がいい感じに動いてくれて―――))」

 

肩で呼吸をする舞白。

額から一筋の汗が流れるだけで、怪我などは負っている様子はない。

 

 

「宜野座舞白!!後ろだ!!!」

 

 

刹那、イグナトフの叫び声と共に、背後から体を思いっきり掴まれると、あまりにも強い力に舞白は眉を顰める―――

 

 

「ぐっ……」

 

そして頭部に何かが突きつけられると、イグナトフ達は体を固まらせる。舞白の頭部に男が突きつけたもの…それは、銃口だった。

 

 

「はぁ…はぁ……そこを退け!!退かなければこの女の頭を吹き飛ばす!!」

 

舞白の体を掴む男は大声を上げると、ニヤリと勝ち誇った表情を浮かべていた。そしてその視線は、ロビーの2階に向けられる。

 

 

「そこのお前!ドミネーターを下ろせ!!」

 

声を向けられた相手、それは姿を消していた慎導だった。2階部分から男にドミネーターを向けていたが、上手く作動しない。

 

 

「……((…ダメだ、宜野座さんが壁になってドミネーターが…それに万が一彼女にエリミネーターが当たってしまったら―――))」

 

 

『対象は 外務省行動課 特別捜査官―――

犯罪係数の計測には許可が必要です―――』

 

ドミネーターは、なかなか舞白の背後の人物を認識しない。舞白を人質にとった男の犯罪係数はオーバー300だということは分かっている。しかし、エラーメッセージが流れ続けると、慎導は為す術なく、ゆっくりと銃口を下ろす。

 

 

「…ッ……」

 

「おいおい…どーするんだよ……」

 

「お嬢さん、このままじゃ死んじまうぞ…」

 

「((…他に手は無いのか!?))」

 

 

1階の入江たちも、ただ立ち尽くすしかない。しかし、目の前で苦しそうにしている白髪の女性の姿に、全員が苦渋の表情を浮かべていた―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人質にする相手を間違ってるぞ。」

 

 

突如、ロビーに男の声が響き渡る。

全員がその方向に視線を向けると、見た事のある人物の登場に驚きを隠せない。

 

 

「((…課長が言ってた…元一係の―――))」

 

「((宜野座伸元…))」

 

慎導とイグナトフはその男が何者か理解する。しかし、その男の妻である人物が苦しそうにもがいていると言うのに、あまりにも冷静すぎる姿に眉潜めていた。

 

 

「舞白、…下手な演技はやめろ…」

 

「……ッ…ぐ……、たすけ…」

 

宜野座は小さく息を吐くと、呆れたような様子で再び言葉を発する。

 

「夕食の時間、更に遅らせる気か?」

 

あまりにも冷徹な宜野座の台詞に、傍に居た入江が宜野座に掴みかかる。しかし、宜野座は顔色1つ変える様子は無い。

 

「おい!アンタ、頭イカれてんのか?あいつは苦しんで―――」

 

 

刹那、舞白は微かに笑みを零す。宜野座以外の全員が、その笑い声に気づくと呆気に取られていた。

 

 

「……ふふっ…」

 

先程まで苦しんでいた様子がまるで嘘のように正常に戻ると。舞白はニヤッと笑みを浮かべる。

 

 

「なめんじゃ……、ないわよ!!!」

 

舞白は思いっきり後頭部を男の顔面にぶつけると、男が怯んだ瞬間を狙い、銃を奪う。そしてその銃をイグナトフへ向けて放り投げる。

 

 

 

 

「悪いが、頭は至って正常だ。執行官―――」

 

宜野座は舞白を援護するように、男の元へと駆け出す。2人のコンビネーションの良さに、かつてこの2人が刑事課一係で監視官、そして執行官として活躍していたという事実を思い知らされる。

 

 

 

「俺たちの出番はナシ…ってか?」

 

「コイツら…アタマぶっ飛びすぎだろ?」

 

入江と廿六木は唖然と口を開く。

そしてそれは同じく、新任の監視官2人組も其の様子に目を奪われていた―――

 

 

 

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イグナトフ達に襲いかかった男達は全員で4人。

幸いにもドミネーターで裁く必要はなく、怪我は負っている者がいるものの全員生存。彼らから話が聞き出せそうだ、と。

 

 

しかし、薬師寺の秘書官"リー・アキ"は死亡。この事に関しては完全に一係の落ち度。恐らく、世間からも薬師寺陣営の人間たちからも叩かれるに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、血が出てる…」

 

舞白はしゃがみ込み、ハンドバッグから淡いピンク色のハンカチを取り出すと、それを床に座り込む入江へ手渡す。酷く殴られたせいで顔は腫れ上がり、鼻や口からは血が流れていた。

 

「…わ……悪いな…」

 

まさか、執行官、潜在犯である自分を。そして数日前にいがみ合った自分に対して、彼女の優しい気遣いに目を白黒させる。あの時は冷酷で、とんでもない人間だと思っていたが、自分たちを身を呈して救ってくれた姿勢に惹かれるものがあった。

 

「返さなくていいですから。使ってください」

 

入江は躊躇するもハンカチを鼻に押し当てると、その場から立ち上がる舞白を目で追う。

 

「((…何か…いい匂いがするぜ…))」

 

その様子を隣で見ていた廿六木。

冗談交じりで彼女に口を開く。

 

「お嬢さん、俺にはねぇのかよ?」

 

「……残念ですが、ハンカチは1枚しか持ってません。2人で使ってください。」

 

「俺のを使うか?」

 

すると、傍にいた宜野座も同じく胸ポケットからハンカチを取り出すも、廿六木は怪訝そうに顔の前で手を振るう。

 

「野郎のものはいらねぇよ」

 

 

「…お前達……それ以上この2人の手間をかけさせるな―――」

 

入江と廿六木の様子に頭を抱えるイグナトフ。そして男たちの捕縛を終えた慎導が再び姿を現す。

 

 

「外務省行動課、宜野座伸元さん、舞白さん。

…ありがとうございました。」

 

バッと勢いよく頭を下げ、礼を述べる。

その様子に2人は視線を合わせると、小さく笑みを口元に浮かばせる。

 

「礼には及ばない。俺達もたまたま居合わせただけだ。」

 

「うん。そうそう。

…今日ここで夕食―――」

 

本来の目的を思い出し、ハッとした表情を浮かべる舞白。予約時間を30分も過ぎている事に今更気づくと、隣の宜野座の腕を掴む。

 

「まずいよ伸元さん。早く行かないと…」

 

グイグイと腕を引かれると、宜野座は舞白に向けて、慌てる様子の彼女に呆れたような微笑みを向けていた。

 

「そうだったな?――」

 

"じゃあ、俺たちは行くよ"と2人は立ち去ろうと背を向ける。

 

 

 

「あのー、えっと…

こういう時、上にはなんて報告すれば良いですか?"先輩方"!」

 

「おい!灼…お前何言って…」

 

入江、廿六木に続けて、慎導もあの2人に最後の最後まで突っかかる様子に、深いため息を吐けば頭を抱える。

 

 

慎導の言葉を聞いた2人はその場に立ち止まり、互いにくるっと首を向けると、宜野座は面白そうに言葉を放つ。

 

 

 

 

「…たまたま通りすぎた"最強夫婦"に救われたと報告しておいてくれ」

 

「……伸元さん、ちょっとそれは嫌―――」

 

じとーっと眉を顰め、そんな相手を呆れ顔で見つめる舞白。

"そんなの、美佳ちゃん一瞬で気づくし、何そのネーミング"と呟くと、舞白はイグナトフを見つめ、なにか思い出したように声を上げる。

 

 

「あ!あと忘れてないですよね?"小宮カリナ"のサイン!ゲットできたら、この前の発言の撤回と、今回の貸しはチャラにします!」

 

「……((そうだった―――))」

 

イグナトフは更に深いため息を吐き出す。

 

"お前、あの監視官と面識があったのか?"と宜野座はじーっと怪しげに舞白を見下ろすも、"ただ病院で鉢合わせただけだよ?"と口にし、2人は姿を消す―――

 

 

 

 

 

2人が見えなくなると、慎導は両手を腰に当て"ふふん"と呑気に笑みを見せれば、イグナトフにゆっくりと近寄る。

 

 

「なるほど〜。それで小宮カリナのサインが必要だったんだ、炯。」

 

「……だから言ったろう?俺が欲しいんじゃなくて、"知り合い"が欲しがってると…」

 

「監視官…どうやってあの女と"知り合い"になれたんスか?」

 

「それ、俺も思ったぜ?どこに接点があるんだよ?」

 

 

入江と廿六木は興味津々。

外務省の人間、寧ろ先日対峙し合った関係なのに、どこでそこまで親密になれたのか?と不思議そうな様子だった。

 

 

 

「妻と同じ病院に通院してるんだ、宜野座舞白も。」

 

イグナトフの"妻"、という発言に目を点にする2人。

 

 

「あー…そういえば皆に言ってなかったっけ?

炯は妻帯者なんだ。綺麗な奥さんがいるんだよ?」

 

「……別に言う必要も無いだろう?そもそもお前たちなら俺のID情報なんて、すでに盗み見してるだろうと…」

 

 

 

 

 

 

「「監視官が妻帯者?」」

 

入江と廿六木はその事実に空いた口が塞がらない。

 

 

 

「マジかよ……、監視官、まだ24だろ?若すぎやしねぇか?」

 

廿六木は腰に手を当て、イグナトフをじっと見据えると、今どき珍しい…なんて内心考えていた。

 

「それを言うなら、あの宜野座舞白さんも、俺たちと同じ24歳だよ?霜月課長とは昔からの親友…だとか?」

 

入江は慎導の発言に、押し当てていたハンカチを顔から離すと、ふと思っていたことを口にする。

 

 

「ちょ…ちょっと待て!

なら、あの外務省の男、宜野座舞白の旦那って、…そんな若くは見えなかったけどよ……」

 

「えーと…確か、…」

 

慎導は顎に手を添え、以前盗み見した宜野座の経歴を持つ思い出す。

 

 

 

 

 

 

「宜野座伸元さんは…確か2084年生まれだから…

…歳は36―――」

 

「36であの身体能力…、それに加えて、ひと周りも離れた綺麗な嫁さん…。その嫁さんは、あの霜月課長の親友って…そんな恐ろしい世界線があるのかよ!」

 

入江はポカンと口を開けると、その様子を面白がる慎導。

 

 

「ふふふっ…正にその名の通り"最恐夫婦"、ですね?」

 

 

"さーーて、帰りますよ〜"と両手を後頭部に当て、スタスタと慎導は駐車場へと歩き向かう。3人も慎導の歩調に合わせ、歩き始める。

 

 

 

 

「…ていうか、俺も彼女に用があったの忘れてた…」

 

「宜野座舞白、にか?」

 

「うん。小宮カリナに言われたんだよね。"いつになったらブローチを返してくれるのか"って」

 

「…小宮カリナとも繋がりがあるのか?」

 

「いや、恐らくは"過去の事件"で少し関わったくらいだよ。」

 

慎導は隣を歩くイグナトフに、とある事件のアーカイブをデバイスを通して見せる。2年前の事件。当時は若者中心に震撼させた恐ろしいものだった。しかし、敷かれていた箝口令もあり、世間には大きく取り上げれることはなかった。

 

 

「機密レベル3。…どうやって開いた?」

 

「雛河さんに、ちょっとね?」

 

その報告書の作成者の名前は、ほとんどに"狡噛舞白"と記載されていた。

 

「…ほら、この日の報告書。作成者が狡噛舞白で承認者が常守朱。新宿で行われた肯定党と優生党の討論会―――」

 

黒塗りされた部分があるものの、"小宮カリナ"という名前が明記されており、彼女と何かしらの関係が伺える。

 

「当時、新人議員として参加していた小宮カリナ。そして、新宿のホールで事件が発生し、小宮が所持していた"ブローチ"に何か仕掛けがあった…」

 

「で、それを直接取り扱ったのが、宜野座舞白…」

 

「そういうこと。…でも、もっと面白いものを見つけたんだよね〜」

 

デバイスの画像を切り替えると、画面に"機密レベル5"の赤文字のエラーメッセージが表示される。

 

 

「機密レベル5なんて、課長クラスでも閲覧が厳しいものだろう?一体、なんの情報なんだ?」

 

「"狡噛舞白"の情報だよ。過去のね?」

 

"勿論、閲覧不可"′と呟く慎導。

 

パッと画面を消すと、背後で会話を聞いていた執行官2人組が監視官2人に食いつくように身を乗り出す。

 

 

「やっぱあの女、ただもんじゃないんスね?監視官」

 

「噂によると、同じ外務省の兄貴と過去に数年間、海外に失踪してた…なんて話もあるんだろ?」

 

「…お前たち、どこでその情報を―――」

 

「俺たちだって、それなりの知恵は併せ持ってる、な?入江」

 

ニタッと怪しげに笑う執行官2人組。

そして、地下駐車場にたどり着くと、車両に乗り込む4人組。

 

イグナトフはハンドルを握りしめると、改めて今回の作戦を脳裏に浮かばせると、眉を潜め、神妙な面持ちを浮かべていた。

 

 

「リー・アキの死亡。そして謎の男達。」

 

「死亡者を出したのは想定外だけど、…代わりに怪しい男たちを捕まえることが出来た。」

 

 

 

「また"クレームの嵐"だろうな?」

 

「大丈夫大丈夫。霜月課長ならうまーくやってくれるよ?」

 

 

そして再び、霜月へと心労が降かかる…

公安局刑事課であった――――――

 

 

 

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