「おいおい、また見ているのかい?」
タブレットでURAから公式配信されている動画を食い入るように見ているアオに対して、獣医がそのように言った。
彼の口振りから、アオがかなりの頻度でタブレットを見ている事が把握出来る。
「だってさ。あたしが居ない間にクラシック三冠勝った人の名前と顔くらい知りたいもん。ウマ娘として」
それに対して、アオが当然のように答えた。獣医は、白と黒のツートンカラーに別れた毛髪の境目をなぞるように頭を掻く。
「ちなみにドトウくんとタイキくんが勝ったG1レースは――」
「知ってる。 ドットさんは宝塚記念。タイキさんはジャック・ル・マロワと他たくさん」
講釈を垂れようとした獣医に対して先手を打てた事に、アオはニッと笑ってみせた。見た目は愛嬌があるのに、こういうところは可愛げのない。
そんなやり取りをしている内に、タブレットから歓声がワッと鳴いた。どうやらレースがラストスパートに入ったらしい。
「ウチからビワハヤヒデ! ウチからビワハヤヒデ! ウイニングチケット逃げる逃げる一バ身!! 外からナリタタイシン――」
実況の声が興奮気味に捲し立てる中、カメラはゴール前の直線を映し出した。画面に映る全員が全力で駆けているのが分かる。
「タイシンさん勝てー!!!」
どうやらアオはナリタタイシン推しらしい。まぁ小柄のウマ娘が勝ってもらうのは、子供にとっても夢があるか。
そんな事を思いながら、獣医は黙って彼女と一緒に画面に釘付けになっていた。
「ウイニングチケット!! ウイニングチケット一着!! 勝ったのはウイニングチケット!!!」
レース結果を見てアオは若干悔しそうな、だがしかし勝者であるウイニングチケットに羨望の目を向けていた。
「タイシンさんもそうだけど、あの頭が大きい白いビワハヤヒデって人と、チケットって人も早いねぇ……!!」
「……ハヤヒデくんは髪質のせいで頭が大きく見えるだけだな」
一応フォローしてやる獣医。アオは、日本ダービーという大レースを見終えてご満悦といった様子で次の動画の再生ボタンに手を伸ばしかけ――
母親にタブレットを取り上げられた。
「ほら、区切りの良いところで約束の時間。気持ちは分かるけど、見すぎはいかんよ」
「……はーい」
渋々、アオはタブレットを母親に預けた。こういうところは決して反抗しないから、根は良い子だ。
アオはその日、散歩に出た。山林へ赴き、物思いに日本ダービーへの想いを胸に抱く。
「ウイニングチケットかぁ……」
先ほど見た日本ダービーの映像を思い出す。あれは良いものだ。子供のアオでも素直に感動できた。
だからこそ、リアルタイムでウイニングチケットの走りを見られなかった事が惜しい気持ちもあるが。
「……まぁ、今更かな」
――天気予報通り、雪が降るのを待つ。
アオは、今年初めての雪が来るのを待ちわびていた。
異空間に囚われるという出来事があったのだから、雪を視る事も山林に入る事もトラウマにすらなっていそうなものだが。アオはむしろ、使命感を帯びたような表情を浮かべていた。
ドトウに助け出されてから、もう一年が経とうとしている。
あれから、彼女はずっと両親とはもちろん、ドトウやタイキと一緒に過ごしていた。
子供らしくドトウと一緒にドジを繰り返したり、タイキと一緒に留守番を寂しく過ごしたりするものの、とても楽しく過ごしている。
そして……自分の居るべき場所はここなのだという確信がある。
実際、この世界は居心地が良いのだ。優しくて、暖かくて、牧歌的な世界。
――あたしが再びあの空間に辿り着いたとしても、もう帰り道に迷う事はない。
アオは、狭間の空間を彷徨った経験も併せて『帰るべき場所』というものを認識しつつあった。
それがどういうものなのかはまだ具体的には説明できないものの、なんとなく理解できるようになっていた。
ふと、空を仰ぐ。雪雲が浮かんでいて、ちらほらと白い粒が降ってきていた。
彼女の目には、その雲の向こうにうっすらと太陽と月が同時に浮かんでいるように見えた。比喩表現でなく、実際に空に二つの星が浮かびつつある。それは、彼女が居る世界が現実ではなく、幻想の世界である事の証左である。
アオは落ち着いて目を瞑り、両親やドトウ、タイキの顔を想い浮かべる。小学校の仲の良い友人達や、牧羊犬のウィルとか、時々厄介を焼いてくれる獣医の事……牛やヤギたちも当然……横断歩道を渡る時にいつも見守ってくれている駐在の警察官の人だとか。学校の先生の人だとか……。
とにかく、自分が大事に思っている人達の事を頭に思い浮かべていく。
そうして目を開くと、アオは……元の山林で倒木の上に座っていた。空には、雪雲と。冬の季節の弱々しい太陽が一つ。
「……うん、やっぱり大丈夫。あたしが居るべき世界は、ここなんだ」
アオは、自分の推測が正しかった事を安心したと同時に。それが暖かくも、何故か分からないが、悲しい事に思えて……少し泣いた。
一年前、『テイエムオペラオー』らしきラクダが牧場に来たという。
ドトウの話曰く。彼は、ウマ娘のテイエムオペラオーのトレーナーを助けた後に。自分の帰るべき場所を理解していたようにして雪の世界に帰っていったらしい。
「だとしたら、そのラクダさんは元の世界で平穏に暮らしているのかしら?」
アオは再び異空間に立ち入ると虹色に輝く不可思議な空を眺めながら、そう呟く。
そんな独り言のような言葉に答えるように――背後から「ワン」という声がした。
振り向くと、そこに居たのは見ず知らずの老犬だった。どうやら、今のは彼が鳴いたものらしい。
彼はアオの足に体を擦りつけてくる。まるで何かを訴えかけているかのような動きだ。
尻尾を振りながら足元をぐるぐると回るものだから、思わず撫でてやると気持ちよさそうに目を細める。
「……もしかして道に迷ってたり?」
アオは一年前、自分が途方もなくこの空間を彷徨っていた事を思い出す。
すると、彼女の問いかけに応えるかのように目の前の老犬がまたも短く吠えた。
その様子を見て確信したのか、アオはその老犬に諭した。
「大丈夫だよ。ご主人さまのいる世界に帰ろう」
年老いているにも関わらず毛並みがいい事や、首輪がついている事から、誰かの飼い犬なのだろうとアオは考えた。
「きっと、ご主人さまの事を思い浮かべていれば大丈夫だよ。えぇっと……『レオン』?」
彼女は首輪に書かれていた名前を安心させるように言った。……彼女の態度から理解したのだろうか。それとも、彼も自ら『帰るべき場所』を悟ったのだろうか。
老犬はお礼のように一つ「ワン」と鳴くと、何かに導かれるようにして一定の方向へ元気よく駆け出していく。
その姿を見送っていると、やがて彼の姿は雪に紛れて見えなくなっていった。
雪原に残されたアオは、再び空を見上げる。相変わらず空は奇妙で綺麗な虹色だった。
「……」
この空間は、アオが思ってたよりも怖い空間ではないのかもしれない。
そう思った途端、もしもこの空間に迷い込んでいる者達がいるならば、それを教えてあげるべきなのではないかという考えが沸き上がった。
「……渡し守になった気分だ」
そう言ってアオは苦笑した。きっと、この空間は往々にして現世と繋がる扉が存在するのだ。その者が帰るべき場所を自覚すれば、おのずとそれが見つけられるのだろう。
雪の日が来る度に異空間へ踏み入る事を繰り返して、いくらかの日数が経った。
アオはその世界を渡り歩くのに、徐々にコツを掴んできたように思える。
「……あれ?」
アオは遠くに見える動物の影を見て、首をかしげた。それは遠目からだと大きな牛に見えたのだが、よくよく見ると微妙に違う。
目を凝らして確認すると、それは牛というよりもラクダや何かに近い形態だと分かった。
「……まさかテイエムオペラオー? それともシャトじいじ?」
後者については、写真で見た事がある。ドトウやタイキ、両親が皆で集まって撮影した集合写真の中に写っていたのだ。確かにそれに似たシルエットをしているが……いや、そんな馬鹿な。シャトじいじは、もう既に元の世界に帰り着いたと聞いている。
まさかまた迷い込んだのか?
アオはその生物に近づいてみた。近づけば近づくほど、確信を強めていく。シャトじいじでもなく、話に聞いたテイエムオペラオーでもない。真っ黒な体毛の動物であった。
「…………」
アオは、少しおっかなびっくりしながらその動物に近づいた。
なにせ、この種の動物に会うのは初めてだ。写真でこそ見た事はあれど、本物を見た事はない。もしかしたら、噛んでくるような凶暴な動物ではなかろうかという恐怖すらあった。
しかし、近づいてみると不思議な事に恐怖感は無くなっていた。動物はアオの存在に気づくと、「ぬぼー」という表情で見つめてきた。
しばらく無言で見つめ合っていた二人だが、その時間にアオは相手の事をよくよく観察した。
手入れが行き届いているのか毛ヅヤが良い動物である。だが見るからに肋が浮き出ている。それ以外にも、足も首も骨ぼったい。背骨も曲がってる雰囲気がある。つまり世話はよくされているが、加齢による影響。
「……老齢」
アオは動物と接してきた経験則と、本で読んだ知識からなんとなしにその事を推測した。
たぶん、シャトじいじという動物よりも高齢かもしれない。だが、獣医さん曰くあの見た目でも「人間換算で80かそこいら」なのだから……この子は人間換算するとどれくらいなのだろう。もしかしたら、100は超えてるかもしれない。
そんな風に思いながら見ていると、ふと動物の方から近づいてきた。
噛まれるかと怯えかけたが、どうやらそういった様子は無い。
「……心配してくれてるの?」
言葉は通じないが、雰囲気くらいは伝わるらしい。まるで祖父か祖母か、あるいはその知人にあやされている気分に陥った。
人懐っこい動物である。こんな子が牧場に居てくれたら癒されそうだなぁと思った。
「……ウチの牧場にくる!?」
アオは、幼心から妙な支配欲のようなものが沸いてきたので、思わず口走ってしまった。
正直な話、牧場では自分だけシャトじいじと接した事がないから、ドトウ達がとても羨ましかったのだ。だからだろうか、この奇妙な空間における出会いを運命的なものに仕立て上げたかった。
そう考えるあまり、つい言葉尻が強くなってしまった。
「…………」
とはいえ、意気揚々と「ふんす」と鼻息を荒らげるアオに対して、黒毛の動物はキョトンとするばかりであった。
その反応に、アオも段々と冷静になっていく。
「……そうだね。戻れるなら、戻りたいよね」
思えば目の前の動物も、過去の自分のように迷い込んだのかもしれない。そして帰るべき場所を探しているのかもしれない。なら無闇矢鱈に連れまわすよりも、彼が望む場所に返してあげるべきだろう。
それがこの子の為でもあるのだから。
「例え話としてさ。君は今、迷子になってるのかもしれない。帰りたいけど、帰るべき場所が分からないのかも。もしそうだったとしても、心配しなくていいよ。必ず君の帰りを待っている場所はあるから。君がそこに辿り着くまであたしが傍にいるからさ」
彼女は、優しい口調で語りかけた。それは自分自身にも言い聞かせるような言葉だった。
彼女の後ろからついてくる。その存在は、自分が何故ここにいるのだろうかよく分からぬままでいる。
不安げに耳をパタパタさせてはいるが、それは見知らぬ場所に放り出されたという戸惑いもあってのものだろう。
「この世界にさ。放り込まれたなら、別世界の人が『君に会いたい!』って思ったのがきっかけのはずなんだ。もしかしたら、君はその帰り道なのかもしれないけど。だったら、あとやるべき事は『元のご主人さまとかに会いたい』とか思い浮かべるだけでよくて――」
アオは説明しながら、後ろにいる動物に対して色々とアドバイスをした。その口調には熱が籠もっており、半ば必死さが垣間見えるほどだった。
「…………誰からも忘れられてたのなら、帰れないけど、さ」
そこまで言ってアオはハッと口を噤んだ。
何故元の世界への帰り方を理解した時に悲しく思えたのか、ようやく理解できたからだ。
「……時間が経ちすぎると、忘れられちゃうのかな……」
そんな想像が頭に浮かんだ途端、自然と涙が滲んできた。
生きている者はもちろん、"死んだ者にすら"与えられる優しい魔法。
だが奇跡の魔法は有限だ。想いの感情は時が過ぎれば過ぎるほどに失われていく。そこに永遠は無い。どんなに想われた存在でもそうなるのだと、確信があった。
「…………」
気づけば足が止まっていた。俯いて足元を見ると、地面がぐにゃりと歪んで見えた。
今すぐどうにかなってしまうという話ではないが。アオは『死』という概念が猛烈に怖くなった。
……生き物は死んでしまった後はどうなるのか?
あの世にでも行くのか。
別の生き物に生まれ変わるのか。
それとも『無』か。
難しい思考から目を逸らさせてくれていたのが魔法の存在で。しかしそれが限りあるものだと気づいた今、その恐怖を実感せざるを得なくなった。
その恐怖で、胸が締め付けられるように苦しくなった。心臓の音が耳に響く程に煩く聞こえた。
涙こそ溢さないものの、身体は震えている。
その時、背中に柔らかくて温かい感触が触れた。驚いて振り向くと、そこには先ほどの動物がいた。
黒毛の動物はアオの事を慰めようとしているかのように寄り添い、頬擦りしてくれていた。
力加減の関係か、少し痛い。でもそれ以上に、不思議と心が安らいだ。
まるで幼い頃に祖父が撫でてくれたような懐かしさに満たされ、アオの心は平穏を取り戻していった。
「……ありがとね」
そう言うと、背中から伝わる温もりが離れた。名残惜しかったが、同時に救われた気持ちにもなった。
「…………ウチの牧場でずっと過ごしてほしいけど。それはやっぱり傲慢だよね」
アオは自分の心に巣食う寂寥感を誤魔化しながら思った。
「……キミはね、そんな風に年老いるまで大事にされている。だからたぶん。とっても多くの人が。キミの事を想ってくれているはずなんだ」
たとえ、死んでいたとしても。きっと、その魂は今この瞬間も愛されているはずだと。アオはそう確信した。
「永遠が無いとしても。いつか終わりがあるとしても――キミは、キミ達は――あたし達は、たくさんの人に大切に想われている。だから、ここで少しくらい道に迷ったとしても。必ず元の世界に帰れるよ」
その言葉が届いたかどうか定かではないが、それでも動物はジッと耳を傾けてくれていた。
やがて納得したように頷いたかと思うと、黒毛の動物は駆け出した。
「……お別れついでに、追いかけっこだ!」
そう言って、アオもまた彼と併せて走った。
彼の背中を追いかけていると、自然と気持ちが昂ってくるのを感じた。
「こっちの世界ではさ! ウマ娘っていう、すっごく足の速い人達がいて――あたしもそうなんだけど――メイショウドトウや、タイキシャトルや、あたしよりも足が速い人がいっぱいがいるんだよ!!」
そう言いながら彼を追いかけ続ける。
彼は年老いているにも関わらず、なかなか脚が早い。しかも息切れしている様子も無く、まだまだ走れそうだという印象を受ける。
その走りを、アオはどこかしらで見た事があるのは気の所為か。
「日本ダービーっていう大きなレースがあってさ! あたしは、ナリタタイシンっていうウマ娘さんが好きで。でも他にも速いウマ娘さんもいてさ。頭の大きいビワハヤヒデさんとか――」
それを聞いた動物は、何かを思い出しているかのように瞳が揺れた。
「――それでもその中で、一番速かったのは、『ウイニングチケット』!」
そして走るペースを少し速めたかと思えば、雪の上を猛スピードで駆け抜け始めた。
アオに対して何かしらを示してくれているのか。あるいは、何かしらを想起して思わず全力で走り始めたのか。
はたまた両方なのか。それが続いたのは距離にしてたった100m未満。それでも、子供のアオには追いつけるスピードでなかった。
彼女が息を切らした頃には動物の姿はもう遠く、雪景色の中で影絵の状態になっていた。
「さようならー! 元気でね!」
大きな声で手を振って見送ると、甲高い嘶きが聞こえた。
雪景色の中、黒毛の動物を出迎えるように――頭の大きい動物と小躰の動物の姿も見えたような気もした。
「……リアルタイムで見れたかもね。日本ダービーの走りってヤツ」
アオは、幼いながらに聡明だ。黒毛の動物の名をなんとなく悟りながらも。あえて明確な答えを出すのはやめておいた。
アオは牧場に帰ってから、ドトウに対してこの出来事を自慢した。
「山林に行って、あの空間にまた入ってきたよ!」
「!?!?!?」
ドトウは驚愕の表情を浮かべる。いや、まぁ、そりゃ当然の事だろう。
「で、でれなくなるかもしれませんから絶対もう二度とだめですよ!!!!」
普段のおどおどした態度とは一変し、珍しく語気を荒げて注意された。
「大丈夫。出入りのコツをよくよく理解したから」
そう答えて安心させるように胸を張るが、ドトウの顔色は変わらない。
「だめったらだめです!!!」
ドトウは頑として譲らない。その態度は怒りというよりも、心配からだ。
「…………」
アオは、幼いながらに聡明だ。涙目になって上目遣いに見上げれば、大人達は強く叱らなくなる事を理解している。ドットさんは特に。
「うぐ……そんな顔をしてもダメですよぅ…………」
「……だって、誰かが想ってくれてるとすぐ帰れるから……」
「そ、それでも何か間違えがあったら……」
「ドットさんはあたしの事想ってくれてるでしょ?」
あの世界の仕組みを理解しているドトウにとって、その言葉はとてつもなく卑怯だった。
ドトウは大きくため息をつく。
「……もしも行く時は必ず、私に伝えてからにしてくださいね?」
観念したようにそう言うと、小指を差し出してきた。
アオは笑顔で頷いて、小さな手でドットさんと小指を繋いだ。
ドトウとのこの約束も一つの通行券――チケットだ。
有効期限は永遠とまではいかないけれど。
きっと、長い長い時間この想いを繋いでくれる。
ねぇ。
あたしのこの声が誰かしらに聞こえているのなら、貴方に一つだけお願いしたい事があるの。
大好きな人がたとえ居なくなったとしても、時々その人の事を思い返してくれると嬉しいな。
それはたぶん、あたし達を道に迷わないようにしてくれるからさ。
そうでなくとも、死んだ後に誰かが想ってくれていると考えるだけで、怖くなくなるんだ。
居なくなった直後は、きっと悲しくて目を逸したくなっちゃうかもしれないけれど。
いつか向き合えるようになるはずだから、その想いを胸に抱いていてほしい。その想いを伝える事を怯えないでほしい。
それだけで、あたし達はその時が多少は怖くなくなるから。