真・恋姫†無双~夢空飛譚~   作:ジャックIOVE

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第十四話 乱世の奸雄と裏切り者

あの騒ぎの数日後我々将と華林殿は視察として城下にでることとなった。庭に集合だといったが

 

「少々、早く来すぎたようだ。」

 

まだ約束の時刻まで半刻程ある。

やはり凪や桜居でも同伴させれば良かっただろうか?

というかまだ背中が痛むな……春蘭殿はやはり流石だ。あれほどの力をだせるとは……

塀に叩き付けられたときの衝撃など忘れはしない。

いや年甲斐もなく燃え上がってしまったな。正直あそこは春蘭殿も正気ではなかったから逃げるべきだったな。

シャン殿や華侖殿にも心配をかけたしな。というか帰ってきてからの凪や桜居にも苦労をかけたしな。

だが、あれほどの力を目の前にし燃えない武士はおらん。

私もまだまだということか。我慢弱い性格は死んでも治らんようだ。

しかし、私ももっと強くなる必要がある。この世界で生きていくと決めたのだ。春蘭より強いものと戦う機会もこれからでてくるだろう。

やはりグラハムスペシャルの早期開発を……

体術で……いや…駄目だそれでは体を動かすのに限界がある……氣を極めればもしや…凪の衝撃波を流用すればもしくは……

だが、グラハムスペシャルは遠距離からの攻撃に対する回避技術。これでは躱せたとしても一太刀が限界詠まれれば死ぬ……別の技を……はっ!トランザムを氣で再現すれば……!?そのためには氣の鍛練をしなくてはな……また凪に教えてもらうとするか……」

 

「おぉ、グラハム早いじゃないか、集合まではまだもう少しあるはずだが?というか一人でなにを話している……控えめに言って気持ち悪いぞ。」

 

「本当に気持ち悪いわ。」

 

「おぉ、春蘭殿に荀彧殿ではないか。

なにこれから強くなるためどうすれば良いのか考えていただけだ。」

 

「脳筋は一人で十分よ……」

 

「誰が脳筋だ!」

 

やはりこの二人は仲が悪いな

元気に喧嘩をしている。手が出なかったり過度なことは言ったりしない。もしや仲が良いのかもしれんな。

 

「私の力は華林様の敵を倒すためのものなのだ!州牧になられた今そういった敵は増えていくだろう。」

 

「だから、その力を使うのは私軍師なの!頭まで筋肉だと役立たずなのよ。」

 

「なんだとぉ!」

 

仲が良いのか……?

 

「ははは、確かにどちらも大事であるな。だが、力ばかり、知識ばかりではいけない。戦ではどちらも必須なものなのだよ。戦士も全線に立てば変わり続ける戦場に対して臨機応変に対応しなければならん。軍師も本陣に奇襲が来るものは珍しいことではない。その時最低限身を守れるような力は身に付けてほうが良いかもしれんな。」

 

とまともなことを言うとなんだこいつといった表情で見ている。空気も読めないのもどうやら死んでも治らぬようだ。

 

「ねぇ……」

 

「何かな?荀彧殿。」

 

「あなた何様なのよ……」

 

「これでも年長者を自負しているのだがな。まだ若い者には負けてられんさ。」

 

「確かに年齢は上だったな、それで何歳なのだ?」

 

春蘭殿が聞いてくる。

 

「35だ。」

 

「「な!?」」

 

いやそんな何故そんな驚くのだ?

 

「何故そんなに驚くのだ…普通のことだろう。まぁ恐らく将の中では一番年をくってはいるが。」

 

「いや、だってあんた35?結構年いってるのね……」

 

「私よりも10以上離れているだと……」

 

一体何歳だと思っていたのか……

 

「皆が若すぎるだけだ。」

 

話していると華林殿が秋蘭殿、栄華殿、華侖殿を連れてこちらに来る。

 

「どうしたの春蘭、桂花?そんなに驚いた顔をして」

 

「それが私の年の話をしたら驚かれてな。」

 

「そういえば聞いてなかったわね。幾つなのよ。」

 

「35だ。」

 

「……思ったより上だったのね。」

 

華林殿もまでもかというか

 

「そうでしたの…」

 

「私より上だとは思っていたが……」

 

「え!?グラっちそんなに上だったんですか?敬語使ったほうがいいっすか?」

 

他の皆もか……

というか秋蘭殿はからかっているだろう

 

「いや、そんなことは必要ない今までで結構。

それよりも今日は城下の下見なのだろう。」

 

「そうだったわね。では早くいくとしましょうか。賊が町に現れたという情報も入っているわ警邏もかねてするように。」

 

 

 

 

 

 

その後城下町に繰り出した私達であったが人数の多さか二人一組にわかれることとなった。何故かあそこまで来ていた荀彧殿は留守番ということだった。

そして私は

 

 

「あなたとこう二人で話すのは久しぶりね。」

 

華林殿と一緒に行動することとなった。

護衛としては実力は十分だが

 

「あら、私には秋蘭にしたように口説きはしてくれないかしら?」

 

案の定華林殿は弄ってくる。

 

「口説いてなどいないさ。」

 

「そう?秋蘭に夫はいないのだけれどあなたの眼には叶わなかったのかしら?もっと年上の方がいいのかしら?」

 

「口説いていたら口説いていたで、私は華林殿にどんな目に遭わせられていたことか……」

 

「わかっているじゃない。」

 

やはりサディスティックだな。

 

「まぁ今のあなたでは愛などほど遠いいものでしょうね。」

 

何か傷つくことを言われたが無視するとしよう。

私がいつも行く市場につく。

華林殿は統治者の目で市場を見ている。

流石華林殿。切り替えが早い。もう私をからかっていた影はない。

私とはこの市をみるところは違うのだろうな。

市場事態はよく賑わっている。多くの人々が商品の売り買いにいそしみ何人かは道の端で雑談を楽しみ、子供は何人かで遊んでいる。

問題になる点としてはあまり整備されていないことだろう。道が急に狭くなるところもある。

子供も行き交う場所だ。何か事故がおこることもありえるな。細い道が多いいと治安が悪くなるかもしれんな。後で書く報告書にはそう書いておくとするか。

 

「あら隊長さん。今日は買い物ですか?いい桃がまた入ったんですよ。」

 

よく話しかけてくる果物屋の女性が話しかけてくる。

 

「いや、今日は仕事でな。すまないが今日は遠慮しておこう。」

 

「それは残念…また今度いいもの買ってくださいよー」

 

「ははは、わかったわかった。」

 

と笑いながらわかれる。

その後も何人かの商人に話しかけられ会話を少しする。

子供に話しかけられたときは少し困ったが華林殿のほうを指差し

 

「今日は任務なのだよ。」

 

というと笑いながら去っていく。

 

「あなた顔が広いのね。」

 

「最初は顔の傷で怖がられたが日々話すたびにな。やはり話すことでわかりあえるのだよ。」

 

「あらあなたらしくないと思うのだけれど誰かの受け売りかしら?」

 

「よくわかっている。流石華林殿。昔とある少年が言っていたのだよ。」

 

「そう。とても平和的ね。

あぁそれよりもあなたには伝えておくべきことがあるの。」

 

今思い出したのだろう。

 

「あなたとは別に天の御遣いと名乗る人物が現れたわ。」

 

「なんと……」

 

「世迷い言だと思っていたけれど噂は大陸全土につたわっているわ。白いぽりえすてる?を使った服を着ているそうよ。天にはそのようなものがあるのかしら?」

 

「確かにある。というか大抵の衣服には含まれていたもので間違いない。」

 

「なら、あなたと同じ天から来たということは本当なのでしょうね。今は劉備と名乗る人物と共に人を集めているそうよ。」

 

劉備とは!?劉玄徳のことかやはり出てくるか

 

「挙兵でもするつもりか?」

 

「恐らくはそうでしょうね。まだ小さいけれど注視しておいて損はないでしょう。

あぁついでだけれどあなたも青の御遣いとして噂を流しておいたから。あなたはもう他国に曹軍にいる異国人として知られているわ。」

 

なんと。そこまで目立ったことはしてこなかったはずだが……

 

「発言のもとは陳佳よ。」

 

「なるほど。陳佳殿らしい。」

 

「それで異国人だとはくがないから、あなたの服の色からとって青の御遣いと名付けておいたわ。」

 

「大それた名だな。」

 

「あら、なら魏の種馬にした方がよかったかしら。凪や桜居にも手を出していて私の秋蘭にも手を出したのだし。」

 

「やめてもらおうか……」

 

そういったいわれはないのだがな。話を変えるか……

 

「そういえば華林殿、州牧になられるのだな。」

 

「そうよ。あなたも桂花のように否定するのかしら?」

 

「いやそんなことはしないさ。わかり合うためには力を持つことが必要だ。力のないものがどれだけ理想を並べようと話し合いの場を整えようと応じる所は少ないだろう。そのための足掛かりとしては悪くない。少々早尚だとは思うがな。だが、華林殿なら大きな間違いもないだろう。」

 

「信用されているのね。」

 

「もちろんだとも。我等が覇王はそんなことはせんさ。もしそれでも暴走するのなら私が止めるさ。」

 

「あら頼もしいわね。

でも私を止めるにはまだ立場が足りないわね。」

 

「ははは、これは手痛いかえしを喰らってしまったな。」

 

「まぁ楽しみにしておくわ。青の御遣いさん。」

 

そう言って再び視察に戻る。

本当に久々に二人で話した。いつも周りには他の者がいることが多いい。愛が多き者だからな。

今の華林殿なら道を踏み外すことはないだろう。手段はソレスタルビーイングと変わらない。それでしか解決できないような世の中だ。それまで私達がそれを支える者となればよいのだ。私の部下やカタギリのようにな。

 

 

 

 

そして市場をあらかた見終わり集合場所に戻ると

 

「なんであなたたちは揃いも揃って同じ竹籠を持っているのかしら?」

 

「「「「…………」」」」

 

春蘭と栄華、秋蘭と華侖で行動していたはずだが……

春蘭栄華ならまだしも秋蘭が持っているとは

 

「朝竹籠の底が抜けていることに気付きまして……」

 

「あなたのことだからそれがずっときになっていたのでしょう?」

 

「はい……」

 

なんとも秋蘭らしい。

そして春蘭と栄華はというと…

 

「どうしますの春蘭さん!」

 

「どうするといわれてもだな……華林様に嘘はつきたくないしでも失望されたくはないし……」

 

後ろの竹籠を覗き込めばそこには大量の衣服。

恐らく春蘭殿は華林殿。栄華殿はシャン殿季衣殿にたいしての服なのだろう。

もちろんそれには華林殿も気付いているが

 

「まぁいいわ。今回は目をつむりましょう。だけれど報告書はしっかりと書いてもらいますからね。」

 

「「はい……」」

 

そして報告書を書くために城へ戻ろうとした時。

 

「そこのお人……お主には強い相が見える……」

 

一人の老人が、声をかけてきた。

 

「なんだあれは?」

 

「恐らく占いを生業としているものでしょう。お姉様早く行きましょう。」

 

と栄華殿が説明し、華林殿を急かす。

 

「あら。一体なにが見えるというの言ってみなさい。」

 

だが華林殿その老人の話しにのる。

 

「お姉様!」

 

「いいじゃないの栄華。ただの戯れよ。」

 

といい栄華殿をさとす。春蘭も秋蘭も止めようとしていたが止める。

 

「力ある相じゃ。兵を従え、知を尊び……お主が持つのはこの国の器を満たし、繁らせ栄えさせることのできる相。この国にとって稀代の名臣となる相じゃ。」

 

「なんだよくわかっているじゃないか。」

 

うんうんと首を縦に振りながら満足そうに言う春蘭。

だが占い師は

 

「国にそれだけの器があればじゃがの……

お主の性今のひび割れた国では収まらぬ。その器から溢れた野心は国を侵し…野を侵しはるか地まで名を轟かせる類いまれなる奸雄となるだろう……」

 

「貴様華林様を愚弄するきか!!」

 

「それ以上口にするなら容赦はいたしませんよ!」

 

奸雄という言葉を聞いた瞬間、秋蘭と栄華は怒声を放つ。奸雄とは悪知恵でのしあがる英雄だったか?確かに自分の主君がそう言われればそうもなるか。

だがそこで華林殿が口を開いた

 

「秋蘭!栄華!落ち着きなさい!」

 

「しかし、華林様!」

 

「そう乱世においては奸雄となると。」

 

「左様。それも千年、万年……人の世が続くまで名を残すやもしれぬほどのな。」

 

「…………」

 

剣呑な雰囲気が周りを包む。

華林殿は鋭い目で占い師をじっと見続け。

秋蘭殿と、華侖殿は今にも占い師を取り押さえようとしている。

春蘭殿と華侖殿は頭の上に?を浮かべている。

どうやら占い師の言った意味を理解できていないのだろう。

どうなるのだろうな?

と思っていた矢先に

 

「ふふふ……」

 

「華林様?」

 

「ははははは……良いわ。実にいいわ。乱世の奸雄大いに結構。遠くの国まで名が残る奸雄いいじゃない。」

 

「ははは、なんとも華林殿らしい。」

 

私も釣られて笑ってしまう。他の者はなんとも言えない表情だ。

 

「グラハム幾ばくかの礼をこの者に渡しなさい。」

 

そう言われ、懐から銭を取り出し占い師に与える。その時占い師が私の耳元で

 

「お主は三度大きな選択を迫られる。よく考えて選ぶことじゃ。さもなくば裏切り者として歴史に名を残し破滅と離別を迎えるじゃろう……気を付けることじゃ。」

 

「なに?」

 

そう言った。

 

「なにをしているのグラハム。もう用は済んだのだから行くわよ。」

 

華林殿から急かされる。秋蘭殿華侖殿がもう我慢の限界なのだろう。

 

「了解した。」

 

そう言って占い師の言葉を反芻しながら華林殿たちの元へ駆けていくのであった。

 

「裏切り者………」

 

 

 

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