真・恋姫†無双~夢空飛譚~   作:ジャックIOVE

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第二十三話

 

「さてもうそろそろ国境の関所につくぞ。グラハムも香風も疲れてはないか?」

 

予定どおり私達グラハム隊は秋蘭殿とシャン殿と共に国境付近まで来ている。

 

「だいじょうぶー」

 

「問題ない。

だが何故今我々は国境の関所へ赴いたのだ?このようなことをしている場合ではあるまい。」

 

この計画がわかってから少し疑問に思っていた。今我々の領土だけではなく、他の領土も侵食している。でなければ王朝から直接令書が来ることはない。他国が攻めてくることはないはず。関所破りが多いいところであると聞いたが、こんなところに我等の軍の第2の戦力がある部隊、秋蘭殿の部隊と戦力になる将がいるグラハム隊、シャン殿の部隊という多くの部隊を送るのは戦略的には間違っている。実際は少し縮小しているのだが。

 

「さぁな?貴様ならわかっていると思ったのだがな。昨日の夜華琳様といろいろあったのだろう?」

 

「……?」

 

秋蘭殿……そのような含み笑いで言わないでもらえるか。こうなれば恐らく

 

「え!大将、総大将と何かあったの……ですか?」

 

桜居が突っ込んで来るに決まっている。まぁ後ろの凪によって尻すぼみにはなっているのだが。

 

「桜居よ。ただ昨日の夕餉を運びにいったついでに話をしていただけだ。」

 

「え~本当に~……った!」

 

「いい加減にしないか!隊長に失礼だろ!」

 

拳骨が桜居の頭に落ちる。

 

「痛そう……」

 

「ははは……やはりグラハム隊は面白いな。」

 

 

そして関所につく。

関所の近くには町がありそこで一旦準備を整えることになった。まぁ準備といっても装備の点検、装着を行うだけだ。今回の私の装備は連邦の青い軍服に、籠手とズボンの下に脛当を付けているだけの軽装だ。武器は剣を二振。今回は関所という狭い場所での任務だ。もっとも動きやすいこの格好が最善だろう。グラハム隊の皆にも軽装にするようにと指示を出している。

 

「隊長。グラハム隊総勢20名準備整いました。」

 

来た凪の装備を見るといつもと変わらない装備を身に付けている

 

「凪の装備はいつもと変わらないようだが問題ないか?」

 

「は、はい。私は元より身に付ける装備を最小限に納めていますのでこれで良いかと。外せと言われれば外しますが……」

 

「いや、やりやすいようで構わん。」

 

やはり凪は良い部下だ。上官の言葉にも億さずに自分の意見を言う。普通の兵士なら恐れて出来ないことだ。桜居は……出来てはいるが……あれは少し違うな。

 

「それでは我々は関所に向かうとするか秋蘭殿やシャン殿の部隊は人数が多いい。時間がかかるだろう。先に行って手続きをすませる。」

 

「は!」

 

我々は早々に関所へと向かった。

時おり凪が私の顔を見てくる。流石に気付かれたか。昨日の夜、華林殿によって付けられた傷は包帯を巻いて誤魔化している。少し聞かれると気まずいのだが、聞く気はないようだ。私が目を合わせると少し恥じらいを含んだ顔で目をそらす。

 

「あぁ!副大将が照れてる。何かやったの大将?」

 

「私は照れてなど……」

 

「何もやっていないさ。」

 

それでグラハム隊の皆は笑う。良い隊だ。

談笑を楽しんでいると関所についた。

黄巾の連中が騒いでいるなかでも、多くの人が行き来している。

 

「こんな時でも多いんだ……」

 

「商人等は特にそうだろう。金と時は待ってくれないからな。」

 

陳留が黄巾の掃討に積極的なのは周知の事実だ。武具や、防具をこれ見よがしに売りにくるのはおかしいことではない。

見張りの兵は二十人程か。よく回している関所を破るものがいれば何人か騒ぎに紛れることも可能だろう。

まぁ仕方ない。今は兵も少々不足している。

取り敢えず近くのいる兵士に話しかける。

 

「曹軍グラハム隊隊長グラハム・エーカー。関所の視察に来た。代表者にお目通し願いたい。」

 

「青の御遣い様でしたか。少々お待ちください。」

 

最初は知らない兵に話しかけると、この顔の傷で怖がられ、この服で怪しまれたものだ。

今では青い御遣いとして多くの兵に知られている。どこか噂では確か『顔に大きな傷を持ち、万の賊に突撃し無傷で帰還した猛将』などと言われているが……誇張にもほどがあるだろうに。華琳殿も言わせておけば?と言われている。

 

「お待たせしました。グラハム将軍お待ちしておりました。」

 

「ご苦労。視察の件は大丈夫か。」

 

「視察の件は聞いております。ご自由にしてください。」

 

「了解した。ありがたく視察をさせてもらおう。」

 

そう言うと頭を下げ仕事に戻る。やはり人が足りないか華林殿に報告しておくか。

 

「よし。それではグラハム隊はこれより関所の視察及び警備を行う。私はここに留まり夏侯淵殿と徐晃殿をまつ隊員は凪と桜居の指示を聞き関所周辺の警備に回れ。以上だ。」

 

「「「了解!」」」

 

そうして私の部下たちは散らばる。

さて秋蘭殿たちが来るまでは取り敢えず待機となるか。

関所付近の警備でも手伝うとするか。

 

 

 

「お兄ちゃんー」

 

「待たせてしまったか?」

 

「おぉ、シャン殿、秋蘭殿。いや、そんなことはない。もう視察の件は話を付けておいた。」

 

「助かるよ。それでは我々も視察を始めるとしよう。」

 

「おーー」

 

「そうするか。では私は自身の隊に戻るとする。では」

 

そういい去ろうとするが手を捕まれる。シャン殿かと思い振り向くと

 

「まぁ凪や桜居も居るのだし少しぐらいは良いだろう。話したいこともあるのでな。」

 

秋蘭殿であった。私の頸もとをしっかりと見ながら。

目が少し笑っていないぞ……

これは気づいているな。というかここまでしてくるのだ見ていたのやも知れない。

というか少し気配が桜居を怒る凪に似ているぞ。下手に抵抗すれば無理やりにでも連れていかれてしまうだろう。隣にいるシャン殿にも不振がられてしまうだろう。ここは大人しく付いていくとするか。

 

「そうだな。あやつらの鍛練にもなるだろう。」

 

「そうだぞ。過保護すぎるのも考えものだな。」

 

「じゃあシャンは別のところを見てくるね」

 

となにかを察したのかシャン殿は足早に去っていく。

そして手をつかんでいた手を私の肩に置いて

 

「ではあちらで話すとするか。」

 

「お手柔らかに頼む。」

 

「まぁ取り敢えず視察をしながら話をしようではないか。」

 

私は秋蘭殿の隣を歩き始め視察を始める。

少し歩いても話を振ってこないので流石に仕事はするようだな。

 

「私が仕事をまともにしないとでも?」

 

「それは私のみの技のはずだが……」

 

そう言ったことを話していると。関所での対応を待っている列から私達の身分を察したのか「お勤めお疲れ様です。」といった声をかけられる。声をかけてくるのは様々な人で荷物を抱えた商人や武器を持った旅人、薄汚れた装備を付けなにも持たずに並んでいるものなどもいる。

 

「あの者は怪しいな……」

 

「だがなにもしていないのに捕えるわけにはいくまい。グラハムと違ってな。それで昨日は華琳様とお楽しみだったようだが?」

 

「私はなにもしていないさ。」

 

「二人で湯槽に入って何もなかったと」

 

そこまで見られていたか。だが中で何があったかは知らないらしい。

察してはいてからかっているのだろうが。

秋蘭殿を見るとシャン殿が一緒にいたときのような覇気は感じられない。

 

「あぁ決して何もなかった。」

 

「ならその頸の包帯はどうした?二日前までは付けてなかったと記憶しているが。」

 

「華林殿に試された。それまでのこと。」

 

本当のことを伝える

するとからかっているような顔は少し困惑したような表情を浮かべる。

隠しているのは傷であることを察したようだな

 

「お前は何をしたんだ……」

 

と聞いてくる。華琳殿は人を試すのは好きだが悪戯に傷跡を残すような人ではない。そのような人が私を試し傷を付けたというのだ。側近としては気になって当たり前だ。

 

「何、覚悟の再確認をされたまでよ。」

 

少し曖昧な返事で返すと、これ以上私が話すことはないと悟ったのか

 

「そうか。あまり華琳様の手間をかけさせないようにな。」

 

そう言われた直後後ろから

 

「関所破りだーー!」

 

と声が聞こえる見るとさっき見かけた薄汚れた装備を着ている男が走って関所を突破するところのようだ。

そしてその声のもと関所に並んでいる者から数名が飛び出す。

恐らくこの期に乗じて関所をこえようとするのだろう。

 

「外れたものを急ぎ捕えろ!」

 

秋蘭殿は弓をつがえながら指示を出す。

狙いは最初に関所を破った者だろう。大分距離がある。銃でも狙うのをためらう距離だ。しかも周りには多くの人がいる。

 

「こんなことをしなければ華琳様も受け入れてくださったのに……」

 

そう言い矢を放つ。そしてその矢は逃亡者の足に吸い込まれるように刺さった。

 

「お見事。」

 

「そんなことをいっている場合……いや全て終わったようだな。」

 

列から出た関所破りの疑いがあるものは全てグラハム隊とシャン殿の部隊が捕えている。広めに展開させたのは正解だったな。

 

「一応私はあの関所破りのもとにいく。こちらはまかしてもいいか?」

 

「もちろんだ。」

 

秋蘭殿は関所の方に向かっていった。

それにしてもあの弓の腕大したものだ。もしかすると銃よりも精度が良いかもしれないな。

 

「隊長!」

 

「凪か。状況は?」

 

「列から出たものを香風様の部隊と合わせて総勢12名を拘束いたしました。逃がしたものはいません。」

 

「よし。拘束を継続。取り調べをし、しかる場所に移す。」

 

「了解しました。」

 

副隊長が報告に来るのは少しおかしな気もするが人数も人数だ気にしないことにしよう。

 

む?

私の方に向かって走ってくる兵がいる。だいぶ急いでいるそうだが……

そして私の前で片手をついて

 

「報告いたします。夏侯淵様より至急帰還の準備をせよとのこと。」

 

「帰還だと。どういうことだ。」

 

確か今日は1日視察の予定だった。それを曲げるとは何かあったか。凪も疑問を持っているようだ

 

「捕えた者が黄巾の者であり密書を持っていたとのこと。」

 

なるほどそれは帰還しなければならないな。

 

「凪帰還準備を関所破りの者は連行する。黄巾のものやもしれんからな。」

 

「了解しました。」

 

凪は離れていく。

さてここに来て大人数での国境破り。

これは大きな争いは近いな。

 

 

 

 

 

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