真・恋姫†無双~夢空飛譚~   作:ジャックIOVE

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第二十六話 

 

黄巾の本拠地を叩いてから数日がたった。

未だに残党が見られるが私達将の活躍によって終息しつつある。

戦後の処理や襲われた邑の復旧作業などで少々忙しかったが、今は城に籠らなくても政は正常に回るようになった。

そして今は

 

「……………………」

 

「……………………」

 

静かな昼食を華琳殿ととっている。来ているのは私が通っている点心の店だ。ここを静心と呼んでいる。ここを紹介したのは華琳殿と栄華殿しか今のところいない。最初にここに連れてきたのは栄華殿ではなく華琳殿だ。あの忙しい時にいつの間にと思うだろうが流石に昼には時間が空く時があるその時に誘ったということだ。美食家であるということもあり少し不安もあったがお眼鏡にかかったらしい。それからもたまに通うようになっている。

 

「そういえば、栄華のことを真名で呼ぶようになったけれど進展があったのかしら?栄華もここを知っているようだったけど。」

 

先に口を開いたのは華琳殿だった。

 

「あぁ栄華殿もここに誘った。そして真名を許してもらった。」

 

「なら栄華も仕事が忙しくなければ誘えば良かったわね。ここは特に美味しいのだから、ぜひ城の料理担当に迎えたいところだけれど。どう店主、気は変わったかしら。」

 

すると店の奥から店主が私達が座る机まで来て

 

「遠慮しますよ。細々と私が選んだお客様に料理をお出ししたいのです。どうかご理解ください。」

 

そう言って点心を机の上に置く。

 

「わかっているわよ。」

 

ここに来ると城で働かないかと勧誘をする。才を求める華琳殿にとっては当たり前のことなのだろう。

この店は完全な招待制となっている。店主や店主の奥方が選んだ者のみ入ることができる。私が入れたのはただ目の前を通った時に奥方に手招きされて訪れたのが最初だった。客は私達以外に数人来ているところは見たことがあるが両手で数えるほどだ。

 

「ありがとうございます。こちら最後の品ですが他に注文はありますでしょうか?」

 

「大丈夫よ。もう少しゆっくりしたいのだけれどこれから仕事なのよ。」

 

「そうでしたか。では何かありましたら妻に言ってください。」

 

しばらくして昼食をとり終わり会計をすませ外にでる。

 

「良かったのか?王が臣一人のみで外食など。」

 

「別にいいわよ。というか誘ったのは貴方ではなかったかしら?」

 

「それもそうだな。」

 

「私はいいのよ。でも城にいる桂花や春蘭は今頃どうしているのかしらね。」

 

確かにあの二人なら昼を華琳殿と食べたがるな。

そう言いながら歩いていくと大通りにでる。華琳殿を知っているものは立ち止まり頭を下げる。下げないものもいるが数えられるほどだ。

 

「そちらの仕事はどうなの?」

 

恐らく黄巾の残党のことだろう。

 

「まぁ上手くいっている。まだ数は多いいが徐々に減っては来ている。それよりも今は文官のほうが忙しいだろう。柳琳殿や栄華殿が多忙にしているのを見聞きしている。」

 

争いが終わって武官の大きな仕事が終わり次に大きな仕事が来るのは文官である。被害をどうするか、どれ程補修するか、予算はいくらか決めるのは全て文官。

命の危険は武官よりないが、常に頭を使い多忙なのが文官といったところだ。

今は少し緩和されてはいるようだが忙しいことに変わりはないようだった。

 

「あれが彼女たちの仕事よ。頑張ってもらわなくては困るわ。でも確かに今は忙しい時期ね。落ち着いたら休暇でも与えましょう。」

 

確かに忙しすぎていたからなそれぐらいしてもいいだろう。恐らく皺寄せは私たちに来るだろうが、それぐらいは構わないだろう。

 

「それじゃあ今日は私に付き合ってもらうわよ。」

 

「了解した。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「華琳様ーどこにおられるのですかーー!」

 

隊長を探していると辺りを見渡しながら廊下を歩いている。春蘭様と秋蘭様を見つけた。

 

「どうなさいましたか?なにか探し物でも。」

 

「おぉ凪か。今は華琳様を探しているのだ。一緒に昼食でもと思ってな。でも探してもいらっしゃらないのだ。もう昼食から帰ってこられる時間なのだが。」

 

「そうなのですか……私も隊長を探しているのです。もう戻らる時間なのですが……」

 

「グラハムもいないのか……」

 

秋蘭様は少し考える素振りを見せて

 

「あぁ……」

 

何か納得したような顔をする。

 

「おぉ秋蘭何か察しがついたか?」

 

「あぁ取り敢えず栄華のもとに向かうとしよう。」

 

「栄華様ですか?」

 

何故ここで栄華様の名前がでるのだろうか。隊長とはあまり仲がよろしくなかったような……

と思ったが大人しくついていくことにした。

 

「栄華いるか?少し聞きたいことがあるのだが。」

 

「秋蘭さん?構いませんよ。」

 

と栄華様の私室に入る。金庫番の方々は最近仕事が忙しそうだが今は休憩の時間なのだろう持ってきてもらった昼食を取っていた。

 

「あら春蘭さんに凪さんまでどうなさったんですか?」

 

「華琳様がいらっしゃらないのだ。」

 

「私は隊長を探しているのですがそろそろ仕事の時間なのですが。」

 

「あぁそれなら二人で一緒に外食しに行きましたよ。お姉様は今日は昼から休みを取っているようですし。」

 

「何!?」

 

「やはりか。」

 

「秋蘭様はなぜおわかりになったのですか?」

 

「いや華琳様と二人が話しているのを見かけたからな。仕事の話しかと思ったが、予想通りのようだ。恐らくグラハムも一緒だろう。」

 

「ですが隊長が仕事を放棄して付き添うでしょうか?」

 

「グラハムさんならお昼までの仕事を全部済ませたと言っていましたが……」

 

済ませた……確かに昼からの仕事は少なく後に鍛錬をすると言っていたが……

隊長が仕事を残してどこかにいくとは考えにくい。本当に終わらせているのだろう。

 

「グラハムめ!華琳様を一人占めにしてずるいぞ!」

 

といい駆けていこうとする。恐らく華琳様と隊長を探しにいくつもりなのだろう。がそれは秋蘭様の手によって止められる。

 

「姉者流石に仕事を放棄して行くのは止めた方がいいと思うぞ。」

 

「だ、だが!」

 

「仕事を放棄したとあってはこの忙しい時期皆に迷惑をかける。ただではすまないかもしれんぞ。」

 

「秋蘭~~」

 

失礼だが姉妹が逆なのではないかと思ってしまうことがある。本当に失礼ですが。

 

「では私達は仕事に戻るよ。」

 

「わかった……」

 

「私もそろそろ行きませんと。それでは凪さんまた」

 

と言ってお三方は仕事に戻っていった。

部屋の前で一人で立ち尽くす。

 

「仕事がなくなってしまった……」

 

隊長の仕事はグラハム隊の仕事全部。それが終わったということは私や桜居の仕事も終わったということ。

実質昼から休暇になったということ。鍛練でも……

いや仕事をしましょう。町で警邏をしている真桜と沙和の監視です。前回さぼっていたから今日はしっかりと仕事をしているだろうか?

 

 

 

 

「………ちょ出すぎや沙和!」

 

「真桜ちゃんも声が大きいの~」

 

外に出て真桜と沙和を探していると物陰から通りを除いている二人を見つけた。誰かを監視しているなら良かったのだが……

 

「いやーあれは珍しいで。」

 

「なの~凪ちゃんもきっとびっくりするの~」

 

そんなことはないらしい。

またか……しょうがない……

取り敢えず頭に鉄拳を落とす。

 

「貴様ら!」

 

「いった!何すんねん!って凪!?いや……これはな理由があってな?」

 

「痛いの~でも本当に凪ちゃんもびっくりするの!ほら見てみるの!」

 

「下らなかったら承知しないからな……」

 

といい二人が覗いていたところから顔を覗かすと

隊長が華琳様と一緒に談笑をしながら歩いていた。

 

「ほら凄いやろ?」

 

「何がだ?」

 

「いやだって凪ちゃんの隊長さんが華琳様と一緒に昼から仲良く歩いてるの~逢い引きに違いないの~」

 

「だからそれがどうしたというのだ。」

 

「「へ?」」

 

「隊長はよく女性と一緒にいるぞ。私ともそうだが秋蘭様とは良く話しているし春蘭様とは良く二人きりで鍛練をしている。華侖様とはよく遊んでいらっしゃいますし。柳琳様とはよく仕事の相談をされるような仲です。最近は栄華様とも仲はいいですし。季衣様と香風様とも仲が良いですし。」

 

まぁ桂花様とは相変わらずですが。

 

「凪ちゃんはあれを見てどうも思わないの?」

 

「沙和は何がいいたいのだ?」

 

「いやだってあんな手紙送っといて付き合ってないと思う方が無理って話しやないか。」

 

「私が付き合う?誰とだ?」

 

「そんなん隊長さんに決まっとるやろ。」

 

付き合う私が隊長と?

 

「い、いや!そんなことないぞ!私が隊長となどお、おこがましい!」

 

「まぁ隊長がたらしっちゅうことはわかったわ。」

 

「なの~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何か騒がしいけど何かあったのかしら?」

 

確かに騒がしいがというか原因は凪含むあの三人だな。私からはよく見えるが流石に何を騒いでいるかわわからない。

 

「問題はないだろう。よくあることだ。」

 

「そう。じゃあ今度はお茶でも飲みましょうか?」

 

「あぁ。ついていこう。」

 

そう言い足を近くの茶屋に向ける。

 

「それにしてもあんなひらひらした服が流行っているなんてね。」

 

今回行った服屋は最近できたもので流行りものを扱っている店だ。その中にはひらひらしているこの時代にはそぐわないものだった。

 

「それも急に流行ったみたいだし……あなたは何か知っている?」

 

「いや詳しくは知らないが、あれは私のもといた世界にあったものによく似ているな。」

 

「ということはあちらの天の御遣いの仕業かしら?未だに挙兵の話しも聞かないし天の知識を使って商人にでもなったのかしら?」

 

私は軍人であったからこそこの生活になれることはできたが一般人であった場合酷な世界だろう。

 

「そうかもしれぬな。戦場に出ないからこその幸せもある。」

 

「あら、じゃあ貴方も商人にでもなるつもり?」

 

「いや私は今の立場が一番あっている。私はこの生き方しか知らないからな。」

 

私は孤児でそれから士官学校を経て軍に入った。空を飛びたいその理由のために軍に入るのに躍起になっていたため普通の生き方など最近までは考えることもなかった。今は守る民も近しい人の一人となる。普通の暮らしに触れる機会も多くなった。

 

「私の視野の狭さに呆れたものだ。」

 

といいいつの間についていた茶屋の椅子に腰を下ろす。

そして注文をしてしばらくたち茶が届く

 

「貴方本当に天の世界で全うには生きていなかったのね。」

 

「まぁそうだな。本当に一つの目的だけ見ていた。目覚めたのはここにくる少し前だったな。」

 

「女性との経験も無かったと言っていたけれど」

 

痛いところをついてくる。確かに言ったが。

 

「そうだな。本当に女性と話をしたこともあるのも数えるほどだ。」

 

軍の連絡で触れることはあったが親しげに話したのは本当に少ない。軍人同士の合コンもあったが私は不参加だったしな。

 

「栄華を口説いたんだもの。経験がないと言う方が無理があるわよ。誰かここに来て手でもだしたのかしら?」

 

「残念ながらそんなことはない。」

 

「あらもったいない貴方の周りには多くの美しい花があるのに。」

 

大半が貴殿の愛人又は身内だろうによく言う。

 

「そう。例えばあの子とか。」

 

「あの子?」

 

「ほら」

 

華琳殿が指を指した方向には

 

「凪か」

 

後方からついて来ている気配はずっとしていた。

 

「あら他の二人は候補に入らないの?」

 

「真桜殿と沙和殿も魅力的ではあるがよく知らぬのでな。」

 

「そうね。でも凪は良い子よね。健気だし貴方に尽くしてくれている。私もほしくなってきたわね。」

 

「流石に止めたまえ。純情な乙女なのだ。そちらの道にいくには早いと思うが。」

 

「私は純情な乙女でないと?」

 

「凪と比べてしまっては誰でもそうなってしまうさ。」

 

少し嫌な予感もしたが華琳殿は流してくれたようだ。冗談一つであの覇気とは恐れ入る。

 

「でも本当に欲がないのね。私ならすぐに味わいたいと思うのだけれど。貴方が不能でないこともわかっているし。」

 

「それとこれとは話しが違うのだ。」

 

「そういうものかしら?」

 

「そういうものだ。」

 

といいどちらかでもなく立ち上がる。

 

「次が最後の予定よ。最後まで付き合ってもらうからそのつもりで。」

 

「わかっているさ。

ただ手加減はできないがな。」

 

「えぇ、もちろん。」

 

といい城の裏手に向かうのだった。

後ろの三人もつれて。

というか凪はいいが真桜殿と沙和殿は仕事の最中だったはずだが良いのだろうか?

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