真・恋姫†無双~夢空飛譚~   作:ジャックIOVE

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第二十八話

 

「グラっちーーーーー!」

 

朝、城内をあるいていると後ろから呼ばれて振り向くと華侖殿がぶんぶんと手を振ってこちらに駆けてくる。やはりとんでもない速度だ。

だが毎度同じ轍を踏む私ではない。こちらに突っ込んでくる華侖殿の脇腹を掴み後ろに回すことによって衝撃をそらす。

 

「どうした華侖殿。今日は休みではなかったのか?」

 

「華琳姉から今日は昼からグラっちも休みって聞いたっす!それに昨日一緒に遊んだって!ずるいっすーー!私も遊びたいっすーー!」

 

あれを遊びと評するか……華侖殿が求めているものは違うだろうが。

 

「わかった。だがもう一人呼んでもいいか?」

 

「別にいいっすよ。人数がいればいるほど楽しいっすからね!あ!なら柳琳も呼んでいいっすか?お昼からは空いてるって言ってたっす!」

 

「ならば昼食時に城門前に集合でいいな。」

 

「はいっす!」

 

と、私達の隊を真似たであろう敬礼を決め駆けていく。

 

「ははは元気なものだな。」

 

私も桜居を呼ぶとするか。この時間ならば私の部屋に居るはずだ。私の部屋で休憩をしているはずだ。

 

「戻ったぞ。」

 

「隊長。外に出られたのでは?」

 

「いや、桜居にようがあってな。」

 

といい机に突っ伏している桜居に目をやる。

死んでいるように動かない。

 

「帰ってきてからこの状態なのですが……」

 

「仕方がない。荀彧殿から師事を受けていたのだこうなるのも仕方ない。」

 

そうここ最近桜居がいなかったのは荀彧殿から軍や行軍のあれこれを教わっていたから。桜居にはそのような経験がいないからな。荀彧殿に頼んだのだがこってりと絞られているらしい。その証拠に今疲れきっている桜居がいるのだが。

 

「桜居無事か?」

 

「………これが無事に見えるか?大将……」

 

凪がいるなかでこの言葉遣いをするのは十分に疲れている証拠だ。叱ろうとした凪を手でせいする。

 

「昼からは今日は空いているのだろう?華侖殿と昼食を食べる約束をしてな。その後も一緒に休暇を楽しもうと思うのだ。一緒にと思ったのだが……」

 

「行く!」

 

勢いよく顔があげられ満面の笑みを浮かべる。

 

「よし。なら準備をし、昼に城門前に集合だ。遅れるなよ。」

 

「了解!」

 

そういい前までの死んでいたような雰囲気から一転し嬉しそうにして部屋を去っていった。

 

「まったくあれでは華侖殿と変わらないな。」

 

「しっかりと学んではいるようなのですが……」

 

「構わんさ。あれぐらいなものが隊にいるだけで士気は上がる。

凪はどうする?」

 

「自分は今回は遠慮させていただきます。昼からは真桜と沙和を見に行こうと思いまして。前日の件は私が止めなかったことも原因ですし。」

 

「そうか、名残惜しいが仕方ない。今度また二人で行くとしよう。」

 

「はい。ありがとうございます。」

 

「では、昼までの仕事を終わらせるとするか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いっすよーーー!」

 

仕事が終わり城門に向かうと華侖殿と柳琳殿が待っていた。

 

「すまない待たせてしまった。」

 

「華侖様ー」

 

「桜居っちー」

 

二人は仲が良い。波長が合うのだろうな。手を取り合い

 

「いえ、あまりまってはいませんよ。」

 

「急な誘いだったが問題はなかったか?」

 

「はい。姉さんと一緒に昼食をと思っていたので。それにグラハムさんからのお誘いを断るわけにはいきませんからね。」

 

「それはありがたい限りだ。恐らくゆっくりはできないが……」

 

「それはそうですね……」

 

少し離れたところで騒いでいる。二人を見ながら察するのだ。

その予想は直ぐに的中することになる。

 

「この肉まん美味しいっすーー!今度はあっちの出店に行くっす!」

 

「俺もついていきますよ華侖様ーー!」

 

「姉さんがすみません……」

 

飲食街のある町の中心部へと来てどこかの店にでも入ろうと思ったが、華侖殿が空腹を我慢できずに出店で小籠包を買ってからそれを皮切りに出店を回ることになっている。

 

「まぁ良いではないか。こうして歩きながら食べるも一興よ。」

 

「まぁそうですね。

周りに迷惑をかけなければ良いのですけど。」

 

肉まんを差し出しながら

 

「私達はゆっくりと行くとしようか。」

 

「そうしましょうか。」

 

そして近くの茶屋を見つけ座る。華侖殿と桜居にはしっかりと伝えている。

隣を見るとやはり大分仕事の疲れが溜まっていたのだろう。少し息をつきながら茶を飲む柳琳殿がいる。

 

「やはり今は大変な時期か?」

 

「あ……すみません。表に出さないように気をつけてはいたのですが……」

 

「無理もない。あれほど周りに頼られているのだ。」

 

柳琳殿は他の将からよく相談をされる。これが華侖殿や従姉妹である栄華殿ならばわかるが、あの秋蘭殿や強いては華琳殿の相談も受けていると聞く。自分の仕事があるなかで頻繁にそういったものがくるのだ。しかもそれに的確に答えを出している。軍の最新の情報全てを常日頃から確認していなければわからない。それを仕事としてではなく善意で行っているのだ。疲労も人一倍溜まるのも必然というものだ。

 

「わざわざ休暇に仕事の話をするのも憂鬱だ。他の話でもするか。」

 

「そうですね。でしたら……グラハムさんがいた天の料理を知りたいです。」

 

そういえば私が料理を振る舞ったときも興味がありげだったな。

 

「そうだな。どんな料理が知りたい?」

 

「グラハムさんが日頃から食べていたものには興味がありますね。」

 

「日頃から食べていたものか。そんなに美味しいものではなかったな。」

 

「前回食べた親子丼はとても美味しかったはずですが……」

 

「いや、私は軍の部隊の隊長として船に乗る時間が多くそこでは保存食や、栄養補助食をたべていることが多かったな。」

 

「栄養補助食ですか?」

 

「こちらで言うと丸薬とにたようなものだ。お世辞にも美味しいとは言えん。それにいつも出てくる食事は肉や野菜を潰しとろみをつかせたものだった。何を食べているのかも気にしなくなっていたな。」

 

「天では食は蔑ろにされていたのですか?」

 

「栄養には目を向ていたが美味しさには目を付けていなかったな。私の時代は餃子の大きさで一食を補うことができたからな。」

 

「そんなすごいものが……!」

 

この世の中では思い付かないだろうな。まぁそんなことを教えるわけにはいかない。なにも楽しみがないからな。

 

「今回は私の国の料理の話をしようか。ハンバーガーの話でもするか。」

 

「はんばあがあ……ですか?」

 

「私の母国ではとても有名な料理だ。小麦を練ったものの間に肉や野菜を挟み食べる。簡単ながら親しまれていた料理だ。」

 

「小麦を持ったもの馬拉糕《マーラカオ》でしょう。その間にお肉を……味付けは何かあるのですか?」

 

「濃いめのタレをかけていたな。」

 

「そうですか……こちらでも再現は出来そうですね。帰ったら作ってみようかしら?」

 

「その旨をよしとしよう。だが取り敢えず彼女らを呼ばなけらばな。」

 

「そうですね。でもどこに言ったかなんてわからな……」

 

「美味しいっすーー!」

 

「まだ食べますよ!」

 

騒いでいる二人が遠目に見える。

 

「探す必要もありませんでしたね。」

 

桜居は敬語が使えるのだな。何故凪の前だけでは使えないのか。一番怒られるのは凪の前だと言うのに。

 

 

 

その後まだ腹が空いていたであろう二人をつれ厨房をかり料理を始める。

 

ただ簡単な料理だ直ぐに出来た。肉は味の濃い角煮で代用した。葉野菜をつかって見た目はそれらしく出来た。

二人に振る舞うと美味しそうに食べている。その後も誰かが人伝に言ったのだろう多くの兵がつめることとなった。

華琳殿も来て食べたが口に合わなかったようだ。春蘭殿には好評だったのだがな。

 

「これでは休暇にならないのではないか?」

 

「いえ。皆さんが楽しんでいるのを見れば疲れもとれますよ。」

 

だが顔は明らかに疲れていることが見えた。だがここで取り繕くのは悪手だろう。

楽しんでいるのは確かだろうからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はグラハムさんと姉さんと一緒に町に出ましたが思ったより疲れましたね。楽しかったのは確かですが最後の料理でどっときましたね。自室に戻った私はベットにすぐに横になってしまった。グラハムさんがせっかく誘っていただいたのに悪いことをした気がします。そうしていると扉を叩く音が聞こえ私は急いで姿勢をただす。

 

「はい。誰ですか?」

 

「グラハムだ。入ってもいいか?」

 

「グラハムさん?どうぞ。」

 

何か相談でもあるのでしょうか?

 

「失礼する。」

 

と前回栄華ちゃんのところに言ったときのようにお盆を持っている。上には茶器がおかれている。

 

「お茶でもと思ってな。少し持ってきた。私がここに来てから良く飲んでいるものだ飲むといい。」

 

そして茶器をおいて

 

「ではこれにて茶器は明日取りに来よう。お休み。」

 

と有無も言わさず去ってしまった。

少し気を遣わせてしまったでしょうか?ですが気を遣われるのは悪くありませんね。

そして暖かいお茶を手に取り飲む。

 

「美味しい……」

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