あの後、曹操と言った女性に連れられ近くにある村まで連れて来てもらった。まぁ連行に近いのだが…
だが、良いこともあった。あの後シャン殿が駆けつけてくれたのだ。理由としては
『お兄ちゃんなんか変なことしてからまわり?してそうだったから』
だそうだが、まぁ良いだろう。気が知れた仲が一人いればこれから過ごすこともできるだろう。
そしてとある部屋に連れられてシャン殿と私達が逃がした盗賊について、加えて私のことについても聞かれた。
「なるほど…盗賊の件はわかった。だが…空を飛ぶ機械などとは…信じられんな…」
主に私に話をしていて夏侯淵殿が言う。
「やはりこいつ嘘を!」
と夏侯惇殿は食って掛かるが曹操殿に止められる
「信じられんのも仕方あるまい。私も魏の曹操殿が生きていた頃の時代だとは…私も信じられん。」
と、私が話し
「彼の話は信じても言いと思うわ。私の字を知っていて、今後大陸に覇を唱えるために必要だと思っていた魏と言う名を共に言ってくれたのだもの。
あなたも自分で言っているのだから現状を受け入れなさいな。」
「あぁ、そうだな。」
「よろしい。徐晃…入ってらっしゃい。」
すると、扉が開きシャン殿が私のとなりに立つ。
「お兄ちゃん。大丈夫だった?」
「私は大丈夫だ。シャン殿も私について来て良かったのか?関わりたくなかったのだろう?」
そう、彼女達4人趙雲、程立、戯志才そしてシャン殿は、流浪の身であり誰にも遣える気はないと言っていた。その本人が私を心配して来たとすればこちらも感じる事がある。
「うん。良いの。お兄ちゃんに聞きたいこともあったし、お金も尽きてきてたしそろそろかなと思ってたから。」
「それなら良いのだが…礼を言う。」
「いいよ、いいよ。」
今は短くすますが、後で何かしてあげればな。
「そうだ、あなたは何ができることはあるの?盗賊の証人ってだけで暮らしを保証してあげても良いのだけど、用がすんだらそれまででしょう?どうやらこの世界に関して何も知らないようだし。徐晃は都での実績もあるから雇うのは申し分ないのだけれど。徐晃もあなたがいると心置きなく私に仕えることができるでしょうし。」
と、曹操は言う。彼女の瞳はまた、私を試すような目をしている。だが今度の目は、何か楽しみにしているようなそんな感じがした。多分私が言うこともお見通しなのだろう。だが私にも選択肢がない、今の私をこの世界で極限まで生かすのは…
「曹操殿、兵として雇っていただけないだろうか。」
やはり武人としての道だろう。そして一武士としてあの曹操の行く道を見てみたいという個人的なものもあるが。
「あら、でも私あなたの武人としての眼は認めたけれど、実力を見てないのよね…そうね.....春蘭!」
「は!」
「あなたがこの....ぐらはむの相手をしなさい。」
「はい!わかりました!」
「では外に行くわよ。」
そうして夏侯惇と、私は外に誘導される。するとシャン殿が私の服の裾を掴んで
「気を付けて。あの人すごく強い。」
そして夏侯淵は
「姉者は強いぞ。覚悟をして挑め。でなければ死ぬぞ。」
うむ。それはわかっている。曹操殿もそれを面白がっているのだろう。彼女に抗ってみなさいと。そう言っているのだろう。
ただやはり私の性分は死んでも直らないようだな。先ほどの盗賊との戦いの時よりも昂るのだ。
「わかっている。」
そう一言呟くのであった。
あの男から話を聞いて確かにこの我々のいる世界の住人でないことはわかった。空を飛ぶ機械にのって戦っていたという言葉はいまだに信じがたいが…あの男も同じような感覚なのだろう。
そして何故か華林様に仕えるために姉者と仕合うこととなった。武わ示すためと言うが、姉者でなくともと言うのが私の意見だ。特にあの男は、私達の目の前で華林様の得物を突きつけられ覚悟を示している。華林様にも何か考えがあるのだろうか?確かにあやつは強いのかもしれんだが姉者程かと聞かれるとそれは否だ。ただ、異国のいや、正確に言うならば、異界の太刀筋を見たかったのかもしれない。
「気を付けて。あの人すごく強い。」
と徐晃殿が言う。徐晃殿も相当な実力者なのだろうこの短期間見ただけで判断したので。対する男は無言のまま徐晃殿を見ている。私も一応注告しておくか。
「姉者は強いぞ。覚悟をして挑め。でなければ死ぬぞ。」
すると男は私を見ずに一言
「わかっている。」
と言った男の後ろ姿に恐怖や恐れというものはなかった。
これが姉者の強さを理解していないからなのか、男の強さか私にはわからなかった。
「あなた得物はどうするの?」
「確かに何があるだろうか?」
「ならこの中から選びなさい。訓練用のもので刃は引いてあるわ。春蘭はもう決めているから早くしなさい。」
ここに来てからは得物はにぎってすらいない。日本刀はさすがにないだろう。似たような武器があれば良いのだが。あるのは剣と、薙刀、槍、手斧まである。
まずは薙刀を手に取るがやはり手に合わないか…武士道を学んだ時に振ったことはあるがここまで長い武器は合わんな。槍も同じか。
やはり私には剣だろう。やはり刀よりは重いかだが
「曹操殿、二本選んでも良いのだろうか?」
「えぇ、別に構わないわよ。それがあなたの型なのでしょう?」
「感謝する。」
少し重めの剣と、軽い剣を二本手に取る。そして素振りをす上段二段、中段一閃、下段二段と順に打っていく。
「……………」
それを他の皆は黙って見ていた。
そして、夏侯惇の前に立つ。夏侯惇の武器は大剣か…
あれを受けきるのは至難の技だろう。回避主体または流しをするしかないか…
「準備はもう良いのか?」
夏侯惇殿がこちらに話しかけてくる大分軽い表情だ。
「あぁ、すまない。もう大丈夫だ。いつでも可能だ。」
「そうか、そうか。この夏侯元譲の前に立つ度胸は認めてやる。精々死なぬようにしろよ。」
お互い軽い言葉を交わし戦闘態勢に入る。
そして
「それではこれより夏侯惇とぐらはむによる模擬戦を行う。勝敗は相手に先に一太刀浴びせる又は、完全な状態で得物を突きつけること。奮戦を期待しているわ。それでは始め!」
「やぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
曹操殿の始まりの合図が聞こえた瞬間、夏侯惇殿は即座に正面から突っ込んで来る。明らかに無防備に見えるが大きな好きは見えないそして
一閃
私が居た地面には大きな窪みができていた。
「ほほぅ……」
やはりこれ程の力を持っていたか。恐らくこの世界このようなことを成すやからは他にもいるのだろう。
「どうした。怖じ気づいたか!」
といってさらに私に迫る。今度はその大剣を私の持っている剣で受けた。両腕に重い痛みが襲う。しかも一撃では終わらず。あの重いであろう大剣を軽々と振り回し連激をくり出してくる。私は7合受けた後逃げるようにしてなんとか弾き距離を取ろうとするが次の瞬間にはすぐ目の前に現れまた一方的に打たれる。
それは私を試しているような立間わりではなかった。お前を圧倒して見せる。お前を殺す。そう言ったものが伝わってくる。
また、私は同じ間違いを犯してしまった。ここは私が生きていた世界とはまた違う世界。私のいた世界より死が身近にある不安定な世界。そして国家が、国家として成り立ってもいない世界。それが一般人にも及ぶ世界。私のいた世界も死と隣り合わせであったが、確実にこちらの世界のほうが不安定。そんな世の中、戦の中であろうと訓練であろうとこのような実力を見るだけの仕合いであろうと気を抜かない。
いや、抜けないのだ。だからこそここまで生き残ってこれたのだろう。
夏侯惇殿非礼を詫びよう。貴方をただの腕の立つ兵だと思っていたこと、この世界の人々を愚弄していたこと。
私も決して手を抜いていたのではない。だが心構えが違った。再び改めるとしよう。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
「なっ…!?」
これまでよりもより強く、殺すつもりで押し返す。
夏侯惇は弾かれ大きく下がる。
「非礼を詫びよう。夏侯惇殿。」
「何が非礼だ。もしやこれからが本番だとでも言うつもりか?」
「いや、ここからが始まりだ。さぁ、思う存分死合おうではないか!!」
今度は私から攻める。両方の剣で連続した技を大剣に、夏侯惇の力に負けぬよう力強く振るう。何度も何度も打ち合う。だがさすが夏侯惇殿、こちらの少しの隙を連激をくり出す毎に制度の上がる反撃をしてくる。
その反撃を弾けてはいるものの、時間の問題だろう。この打ち合いのなかで夏侯惇殿が私よりも力が強く剣の腕も高いことがわかる。
「くっ……」
予想通り大剣が服に少し触れる。やはりここは早期決着しかないか。私は連激を止め大きく後ろに下がる。
そして再び構える。そして目の前の敵と目を合わせる。その目はとても楽しそうに見えた。
お互いに構えたまま微動だにしたい。タイミングは一瞬。そこをはずせば私の首は飛ぶことだろう。
空気が一段と張り詰める。こういった時に先に仕掛けたほうが負ける。だが
あえていかせてもらおう!
そうして夏侯惇にむかい全速力で走る。それに合わせて夏侯惇もこちらに向かってくる。
速いもう目の前で大剣を振りかぶらんとしている。私の剣はまだ左右に開かれている。この一振は避けられない、剣で受けることはできない。
だが、これで良い。避けられないそれが良い。剣で受けることができないそれが良い。この状況が、死合っているこの場がそうさせる、いち早く眼前の敵を殺せという意志が良い。これこそが私の一つの勝筋。
「とったぁぁぁぁぁぁ!」
そして一つの剣と大剣が合わさり甲高い音をあげる。
ようやくだ……ようやく
「つ……捕まえたぞ……夏侯惇…!」
あやつの雰囲気が変わった。明らかに今まで打ち合っていた時とは覇気が違う。だが、私夏侯元譲。そのようなものには屈しない。
「非礼を詫びよう。夏侯惇殿。」
と突然、私に対して謝罪の言葉を飛ばす。
「何が非礼だ。もしやこれからが本番だとでも言うつもりか?」
「いや、ここからが始まりだ。さぁ思う存分死合おうではないか!!」
速い!先程とは違う。
強い戦士だとは思っていたがそれまでだと思っていた。でも今は違う。前より速く前より力強く打ち込んでくる。これ程の高揚感を感じたのはいつぶりだろうか。それほどまでにこの男は強い。
だが、私よりは弱い。私も目が追い付き反撃をする。それを時間が立つ毎に回数を増やしていく。
そして一太刀が服を掠めると男は下がった。
男はこちらを向き剣を構える。そして目を合わせる。
こいつ次で決めるきか。
その気概はよし正面から叩ききってやろう。
そして一時たったのち走り突っ込んでくる。それに合わせ私も走る。そしてお互い間合いに入る。対する男はまだ打つ構えにも入っていない。
もらった!!
勝利を確信し大剣を振るう。
一つの剣で男は受けようとするが関係ないその剣ごと叩き切る!
「とったぁぁぁぁぁぁ!」
甲高い音とともに衝撃がはしる。だが、男はその場から動いていない。そして
「つ……捕まえたぞ……夏侯惇…!」
血を口からだし私の大剣を受け止めている男がいた。