真・恋姫†無双~夢空飛譚~   作:ジャックIOVE

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第三十四話

 

「はぁぁぁ!」

 

振るわれる武器。その一撃はくらえば一溜りもないことはわかる。その武器、大剣を振り回すわ我等曹軍一の剣夏侯惇こと春蘭殿である。

流石というのも憚られるその太刀筋。大本の流派のようなものはないように思える。恐らく我流なのだろう。

とても荒々しく力強い。だがそこには一種の美しさを感じる。

だがその剣には迷いが生じている。あの夏侯惇殿がと皆思うかもしれん。

ただ相手が相手だろう。

 

「春蘭。踏み込みがいつもより甘いわよ。」

 

相対しているのは我等の王である、曹孟徳こと華琳殿である。敬愛している王に剣を向けるのだ、それは剣の腕も鈍るというもの。

 

「は、はい!」

 

といい、再び華琳殿に斬りかかる。今度の踏み込みはなかなかに良いものだったが。全力の時とは全く違う。

 

「良いけれどまだ甘いわ!」

 

 

「華琳様……もの足りなさそう」

 

「ははは、やはり春蘭殿では少し物足りないようだな。」

 

「華琳ねぇー春蘭ー頑張れっすーーー!」

 

「な、何を言っておられるのですか!これを見ている私たちの身にもなってください!」

 

「心配するな栄華。姉者もそこは弁えている。だが華琳様も大分荒れている。」

 

隣で見ているのはシャン殿、秋蘭殿、栄華殿、華侖殿。と親衛隊の兵が何人か見守っている。

私達が洛陽から戻ってきた次の日我々は華琳殿から呼び出され鍛練をするのだと言われ集まった。

しかし開けばそれは仕合。そして見守の我等を集めたということだ。

普段ならこういったことをするようなお人ではないが……

 

「秋蘭殿。やはり何かあったな。」

 

「……そうだな。だがいつもとは発散の仕方が違う。いつもは私と姉者、桂花を閨に呼ぶのだが……」

 

「まぁ確かにあの何進という大将軍は鼻につきましたね。」

 

ふむ。張遼殿が言っていた何進という者か……

一体どのようなことをしたのか

 

「あ……そろそろ決まる。」

 

そういったシャン殿の言葉で華琳殿と春蘭殿の方を見ると

 

「あ……」

 

丁度大剣が地面に落ちた時だった。

 

「そこまで!」

 

と秋蘭が声をだし勝負が終わりとなる。

 

「うっ……流石です、華琳様。」

 

「えぇ貴方もまた強くなったようね春蘭。でも私相手でも本気でかかってきてほしいものね。」

 

「は……はい……」

 

「グラハム。貴方はこれからやれるかしら?」

 

「あぁ、もちろんだ。

そちらの方こそ休憩は大丈夫かな?」

 

「えぇ問題ないわ。今ぐらいが貴方と仕合うには丁度いいもの。」

 

「そうか。」

 

腰に携えた二刀を手に構え前にでる。

 

「グラハムさん……貴方もですか……」

 

「まぁ……お兄ちゃんだし。」

 

一体なにをもって栄華殿に呆れられたのか理解は出来ないが仕合ならば私も血が騒ぐというもの。

 

「いつもので頼めるかしら?」

 

「了解した。しかし良いのかな?凪や桜居の前ではないが。」

 

あの死合の後度々華琳殿は私や私の部隊の鍛練に足を運んでいる。その時は決まって春蘭殿、秋蘭殿は連れてきていない。初のお目当てとなることだろう。

 

「春蘭。合図を頼めるかしら。」

 

「は、はい!わかりました!」

 

といい私たちの間に駆け寄り

 

「それでは始め!」

 

そして始まるは私達、王と部下との仕合い。

しかしそれは仕合いというには血生臭いそんな戦い。

実際に血はでていないのだがお互い一つ誤れば出血は必至。しかしここまで高まった華琳殿と私ならばそんなことにはならない。

しかしいつもより苛烈な攻撃、これはこちらも高まるというもの!

そして戦いの決着は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしているんですか!あんなものを見せられるこちらの身にもなってください!」

 

栄華殿に怒られるという最後に落ち着いた。

華琳殿は春蘭殿、秋蘭殿と何か話しているようだが、こちらからは聞こえないな。

 

「聞いているんですか!もしも怪我でもされたらどうするんですか!確かに鍛練に怪我は付き物ですが相手はお姉さまですよ!しかもお互い全力って本当に何をしでかしてますの!?」

 

「まぁまぁ……栄華様……お兄ちゃんも反省してるしそろそろ……」

 

シャン殿が援護してくれるが……これ程まで怒っているのだもう少しは続くだろう。

 

「香風さんが言うなら……

これからくれぐれも気をつけてください。いいですね!」

 

と思ったが、いとも容易く許されてしまった。

やはり小さな少女には弱いのだろうな。休暇の時に季衣殿シャン殿を部屋に招き、様々な服を着せているという噂も聞く。

まぁ……愛の形も人それぞれか……

 

「グラハム。」

 

「華琳殿そちらの話は終わったのか?」

 

「何が終わったのか?だ!貴様何をしたのか……」

 

「姉者、もうその話はすんだろう。だがグラハム流石に栄華の言う通りだ。華琳様とグラハムの殺気を感じたときここにいるものは全員肝を冷やしただろう。これからは場所を考えるようにしろ。」

 

「ということらしいわ。良い刺激になると思ったのだけれど……」

 

「華琳様……」

 

と秋蘭が真剣な表情で華琳殿を見る。

 

「わかったわよ。グラハムも良いわね。」

 

と言い、私は首を縦に振る。

そして華琳殿、春蘭殿、秋蘭殿はそのまま城内へ戻っていった。

そして私と、栄華殿そしてシャン殿は……

 

「さぁさぁ次のお店に行きますわよ!」

 

「ふへぇ……栄華様~早すぎるよ……」

 

と言ったように服屋をたらい回しの如く多く回り行く先々で服を買っている。しかもそれは自身の服ではなく一回り程小さいものを大量にときた。もはや誰のためやら誰のものやら聞くのも野暮と言うものだろう。シャン殿は着せ替え人形に、私は荷物持ちとして今日は使われている。

 

「それでまた急に買い物なのだ?」

 

「私が休日を使うのも自由でしょう。ですが強いて言うなら……」

 

「強いて言うなら」

 

「禁中で見た董卓さんという可愛い人を見たことで、少々止められなくなっていることは否めませんね。」

 

「董卓殿が可愛い人?」

 

董卓殿はあの手紙から人相を把握するしか出来ないが……私が知っている中国史の中で董卓というと……

そう思い少し顔が歪む

 

「何ですか?董卓さんはとても可愛かったのですよ!はぁあの未成熟な身体、顔。あの身体に合う衣装を考えるだけで……グヘヘ……」

 

「栄華様……」

 

うむ。もうこれ以上は突っ込まない方が良いだろうな。栄華殿の名誉に関わってしまう。話をそらすか。

 

「栄華殿。季衣殿は誘わなかったのか?」

 

「へ?季衣さんですか?

あぁ誘いはしたのですが……何かお友達を探しているということでしたので流石に……」

 

「友人探しか……これが終わったら手伝いに行くか……」

 

「途中であった凪さんも誘ったのですが鍛練があると断られました。貴方も凪さんを預かっているのですから趣味などをお勧めしたらどうですか?」

 

「凪の趣味か……」

 

「鍛練だね……ずっと暇な時、訓練場の端でいつもしてる。お兄ちゃんと一緒に……」

 

「グラハムさん貴方もですか……これだから男性は……

まぁいいです。ではお買い物を済ませて季衣さんに合流するとしましょう。ほら香風さん行きますよ。」

 

「ちょ……栄華様ーーー」

 

ここの強引さは唯一華侖殿ににていると思うところか……

 

 

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