真・恋姫†無双~夢空飛譚~   作:ジャックIOVE

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第六話 私はストーカーでも気持ち悪い者でもない!

 

彼女を、つけ始めてからもう半刻がたっただろうか

彼女の見た目は特徴的であり後ろで編んだ長い銀の髪。

服の間や顔には多くの傷のあとが目立つ。

その立ち姿には隙がなく優々と歩いている。

どうやら買い物の途中らしい。

所々の店で消耗品や食料を買っているようだ。

 

ただ、もっとも気になるのはあの盗人に放った衝撃波のようなものだ。あのような技などもちろん見たことななどない。あれは拳から放っていた。どういった原理なのだろう。この世界の住人は誰でも衝撃波を打てるのだろうか。

 

「あのー……」

 

私も打てるようになるのだろうか…さすればその反動で違う方向に飛ぶことでの回避。グラハムスペシャルができるのではないか!うむそれは良い。どのような鍛練をすれば打てるようになるのだろうか?後々春蘭にでも聞いてみるとするか。

 

「すみません。私に何かようですか?」

 

「うぉ、なにようかな?」

 

考えすぎてしまったらしい。いつの間にか少し町の外れまで来てしまったらしい。そして目の前には疑いの目を向けながら私を見るあの女性がいた。

 

「盗人の仲間かとも思いましたが……その割には堂々とついてきていましたし。殺気などもかんじません。しかもこのような人のいないところにまで誘導してみても何もせずに考え事をしているようですし……何者なのです?」

 

といいながら拳わ構える。獲物はやはり徒手か…

いや、そういっている場合ではない。このような場所で戦闘になってしまっては華林殿に申し開きがたたんな。

 

「申し訳ない。私の名はグラハム・エーカーだ。決して怪しいものではない。」

 

「怪しい人物は皆そういったことをいうのですが…」

 

「一応身分としては曹操殿の一将として仕えている。」

 

「曹操様の!?それは本当ですか?」

 

「もちろん。こんなことで嘘はつかぬよ。疑うのなら城に今から向かうとしよう。私の部屋がある。」

 

こちらの目をじっと見つめてくる。この世界には人の目で判断するものが多いようだ。それだけ強きものが多いいということだろう。逆に言えばそうしなければ生きていけないということだが…兵ではないものもそうなのか。

 

「疑ってしまい申し訳ありませんでした。私は楽進と申します。将軍様が私に何のご用でしょうか?」

 

信じてはくれたようだ。では早速用件に移るとしようか。

 

「早速で申し訳ないのだが。私の隊に仕官するつもりはないか。」

 

「……え?私がですか!?」

 

「うむ。実力も盗人を退治した時に確認した。私が考えに没頭していたこともあったが追ってくる者にたいしての処理もできている。そして何よりも……」

 

「何よりも?」

 

「君との間に運命を感じた。乙女座に産まれたことに感謝しなければな。」

 

「な!?わ、私は乙女などではありませぬよ!顔も体も傷だらけですし……しかも運命なんて……」

 

と、なぜか小声でモジモジとしている。

 

「まぁ、まずは一旦城に来てもらい。夏侯淵殿も交えて説明しようと思うのだがどうかね?」

 

「……はい。わかりました。ついていかせていただきます。」

 

「よろしい。ならば向かうとしよう。」

 

城に向かい歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正直にいってまだ信用しきってはいない。

私のような出自不明の者を町中で勧誘するなど聞いたことがない。

兵の募集は常にしていると聞いたことはあるが、兵が足りないなど聞いたことはない。というか新兵が何人も逃げるほど既存の兵は精強であるという噂を聞くほど練度は高いことで有名だ。

その軍の一将が町中で見ず知らずの人間を勧誘するなど本当に良くわからない。もしかして私は誘拐されてしまうのだろうか!?でもこんな傷物の私など……

だが目の前のぐらはむと名乗った男からは、嘘をついているようにも邪気も感じない。ただ、嬉しそうな雰囲気を醸し出しながら

 

「やはり私には乙女座の運命が……」

 

とか

 

「これでグラハムスペシャルに一歩近づける……」

 

など意味不明?な独り言を発している。

悪い人ではないと思うのですが……なにか気持ち悪いですね……

でも仕官できるなら悪い話ではない。私が武功を立てれば後々沙和や真桜を仕官させることだってできるはずだ。そうすれば私達の邑の人に少しでも楽な生活をおくってもらえるかもしれない。また、軍で私が賊を退治すれば必然邑が襲われる危険性も少なくなるはずだ。

よし。私が頑張らなければ!

 

考え事をしているともう城の目の前である。

ぐらはむは悠々と入っていく。門番は礼をして迎え入れる。そのとなりに立っていた私もろくな確認もせずに通されなかに入る。

 

「取り敢えず、紹介もかねて夏侯淵殿を紹介しよう。今は部屋にいるはずだ。」

 

「はぁ……」

 

なんというか呆気ない。軍とはここまで緩いものなのだろうか。砦の前や城の周りには多くの兵を在中させているようだが、城の中は手薄だ。

 

「周りをそんなに見てどうした?」

 

「いえ、城内がこんな手薄でいいのかなと……」

 

「恐らくこれぐらいのほうが良いのだろうな。曹操殿の近くにはいくらか兵か、夏侯惇殿がおられる。その周りの城に在中している将は私を含めて一筋縄ではいかぬものばかりだ。無駄に兵を集めると巻き添えをくらってしまうかもしれんからな。」

 

「確かにそうですね。昔からそうなのですか?」

 

「いや、私も将となった、というか仕えたのは今日からなのだ。」

 

「は!?今日……からですか?」

 

「あぁ、今日からである。そして最初の任務は君のような有能なものを連れてくるというものであったな。」

 

なんというか緊張度がぐっと下がりました。どうやら私がはいれば同僚となるかたらしい。

緊張して損をした気分である。だが将につく程の武はもっているのだろう。

 

「あらグラハム。もう帰ってきていたのね。隣の者は?」

 

と、奥から一人で金髪の女性が歩いてくる。

 

「あぁ、紹介しよう。楽進殿だ。」

 

私は一応礼をする。

 

「あら、以外ねあなたにたらしの才能があるなんて。」

 

「女性をたらす趣味はないのでね。今日は説明を聞きにきてもらっただけだ。」

 

「ものにできるといいわね。仕えることとなったらまた紹介してちょうだい。秋蘭ならまだ部屋にいるはずよ。それじゃあ私も仕事があるのよ。」

 

といって会話を切り女性は、廊下の奥に消えていく。

 

「あの方は?将のかたでしょうか?それとも文官のかたですか?」

 

言葉使いからしてぐらはむよりは立場は上なのだろう。だがそこまでの上下関係を感じさせなかった。文官か、武官のそれなりのかただろうと思った。

 

「曹操殿だな。」

 

「……あの…もう一度言ってもらってもいいですか……」

 

「曹操殿。曹孟徳殿であるな。」

 

「……………」

 

「それでは夏侯淵殿のもとに向かおうか。

ん?楽進殿どうした固まっておるのだ。楽進殿楽進殿。」

 

あぁ……私は来て早々何足る失敗を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋蘭の部屋の前につき戸を叩く。

 

「秋蘭殿入ってもよろしいだろうか。」

 

「その声はグラハムか。いいぞ。」

 

「失礼する。もう一人いるのだがいれても良いだろうか?」

 

「構わんが……もう見つけてきたのか?」

 

「そうだ。うむ、見た瞬間運命を感じたよ。」

 

そう。やはり思えば思うほどあれは運命だったのだろう。まさにガンダムを、見たときのような感覚には届かないが似ている。これを運命と言わず何と言おう!?

 

「はぁ…?まぁ、連れてきたのなら顔を見せてほしい。背中を預けることに成やも知れんからな。入っても構わんぞ。」

 

秋蘭から許しをもらうと楽進殿が部屋に入ってくる。

すると頭を下げ

 

「は、初めまして!性は楽、名は進、字は文謙と申します。」

 

もう頭が床につくのではないだろうか。腰なんて180度曲がっているぞ……

もはやそれは礼ではない気がするのだが

 

「そんなに固くならなくていいのだぞ。座ってくれ。グラハムは…」

 

「私は立ったままでも構わん。」

 

そして楽進殿にたいする説明が始まる。

主に全線で戦うことが主となること、主に将と戦う者の補佐に回ること可能性として敵方の将とあたる可能性もあるということ。

 

「あの、質問よろしいですか?」

 

「なにか不服なところでもあったか?」

 

「いえ、全線に出るならそれほどの危険はもちろん承知のうえです。ですがこんな身分もなく出自不明なものを取り立て、重要な仕事を任せるなど……」

 

「不信に思うか?」

 

秋蘭がそう言うと首を縦に降る。

それもそうだ。私とてそのような話があったら怪しく思うのも仕方ない。

有り体にいえばただの捨て駒。

そのように思うだろう。

 

「楽進殿が思っていることはないと思ってくれ。私の姉夏侯惇が前に出るのは変わらず。私達がやるべきことは姉者の負担を減らすことだ。それ以上のことはしないさ。」

 

「……はい。」

 

少し不服そうだが楽進は頷く。

秋蘭殿はそれをさっしたのか笑顔を浮かべ 

 

「無理強いするつもりはない。まぁ、考えてみてくれ。私は少し席を外すから後はグラハム頼んだぞ。」

 

私も少々顔に出ていたようだ。出さないようにしていたのだがさすが秋蘭殿。

秋蘭殿は私と目を少し合わせたあと部屋から出ていく。

私は空いた席に座り楽進殿と顔を合わせた。

やはりよく表情に出ている。疑念、恐怖様々な負の感情がまじあってなにかと葛藤しているのだろう。

沈黙が続く。

その沈黙を破ったのは

 

「あなたは不安ではないのですか?」

 

楽進殿のほうであった。

 

「あなたもこの軍では新参者。過去にどんな実績があったとしても入ってすぐに将軍になり、このような隊を任せられるのはおかしいとは思わないのですか。」

 

当たり前の疑念。

 

「まるで捨て駒ではありませんか……」

 

当たり前の恐怖。

 

「これが軍として当たり前なことは重々承知です。ですが……」

 

当たり前のの葛藤であった。

 

「楽進殿。不躾な質問だが顔の傷をなぜ隠そうとしないのかね?」

 

「この傷は邑の人々を守るため負ったもの。恥じらうものではありません!隠すなんてことはできません!」

 

怒気をはらんだ声で反論してくる。

 

「怒らせるようで悪かった。なら私の顔の傷を見てどう思う?」

 

「その傷も同じようなものなのでは?戦で負った傷は名誉と聞きますし、あなたは隠そうともしていません。」

 

「そうか、ならば認識を改めなければな。この傷は私の人生における最大の汚点なのだよ。」

 

楽進殿は驚いた表情を浮かべる。

 

「ならばなぜ?」

 

「私も隠したことはあった。だがあの頃の私は未熟だったのだよ。過去を隠すことが怖かったのだ。」

 

「…………」

 

「この傷は私が憧れ、憎んだ者から受けた傷なのだよ。それだけならば名誉なのかもしれん。ならばなぜ汚点なのかわかるか。」

 

「………」

 

無言で考えてはいるが返答は帰ってこない。

 

「戦うことこそが望みだったからだ。その者と戦い打倒したい。他のものなどどうでもいい。その後他の者に殺されようが打倒し打ち砕く…例え刺し違えてでも。それが私の悲願だった。私は自ら命を捨て戦場に立っていたというわけだ。まるで捨て駒だな。

そして彼とは数々の果たし合いをし最終的に私が負けた。私はその時殺せと彼に言った。だが彼は私を見逃した。そして最後に『生きるために戦え』とそう言い残し去っていった。

私は執着しすぎていたのだよ。私も平和な世を生きるための世を目指し戦った一人であった。だが生きるためという目的を忘れ戦っていたのだよ。そう気づき思い出した時私は仮面を外し、ただのグラハム・エーカーに戻ることができたのだよ。」

 

楽進殿は私の顔をじっと見つめている。

 

「楽進殿はどのような目的があり戦っているのかね。」

 

「わ、私は邑の皆の為に……」

 

「そう。それでいい。この軍にも様々な目的をもったものがいる。だがな、それに一つ付け加えてほしいのだよ。『生きるために戦う』と。本当に勝てないとわかれば撤退することに力をさけば良い。貴殿が生きることでその邑の人々は喜んで迎え入れてくれ、貴殿は邑を守るために力を尽くせる。我々は死ぬために戦いにいくわけではないのだよ。私達が生きるために戦うことを忘れなければ捨て駒になることはない。もし捨て駒になるような任務があればその時は共に裸足で逃げ出せばいい。生きるためにな。私を私の部隊を捨て駒にするわけにはいかないのだよ。

私はそういった心づもりで戦う。楽進殿もどうだろう。もし、自分のためにこの隊が利用できるのであれば存分に使い潰しその後除隊してもかまわない。

加えてこれは私の勝手だが貴殿と共に戦えたらと思うのだがどうかね?」

 

「それ曹操様に聞かれてもよろしいのですか?」

 

「華林殿なら笑って許してくれるだろうさ。」

 

「なんというか自分勝手ですね。」

 

「自分を大事にしなければ、人のことなど考えることなどできないさ。」

 

「私はたくさんの給金がほしいです。」

 

「良き目標ではないか。」

 

「私は友人を仕官させようと考えています。」

 

「美しい友情だな。華林殿に話をしておこう。」

 

「私は……死ぬのが怖いです。何かを成せず死ぬのが本当に怖い……」

 

「…………」

 

「私は死にませんか?」

 

顔が変わった。今までのような武を志している者の顔ではない。これはただの人の、女性の顔をしている。

 

「勿論だとも。私のもとで働いくからには生きるために戦ってもらう。死ぬことなど許さん。」

 

 

いくつかの質問に答えたあと彼女は呆れたように微笑を浮かべる。

 

「生きるために戦え、ですか……」

 

噛み締めるように言う。

 

「グラハム殿!いえグラハム隊長。」

 

今度は覚悟を決めた顔で私を見据える。

 

「不肖楽進、真名は凪、グラハム隊に入隊いたします。生きて苦しんでいる邑の人々を救うために。そして生きるために!」

 

「良く言った凪!生きるために共に戦おうではないか!」

 

「は!」

 

こうして私の初の任務は良き部下であり友の凪の勧誘成功で終わった。確かに凪の言うとおり私の隊はただの捨て駒なのかもしれない。

それでも私は私達は生きるために、生きて未来を切り開くために戦うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そろそろネタを書きたい………
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