真・恋姫†無双~夢空飛譚~   作:ジャックIOVE

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第七話

 

 

とある朝。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!」

 

「ふっ!」

 

鍛練を行う一組の男女がいる。まだ、一部のものは起きていない時間ですのに考えてほしいものですわ。

といっても悪いことばかりではないのですが。

凪さんがあの男[グラハム・エーカーである。]の下についてからこの鍛練は続いている。最初は場所を決めていなかったからか庭の隅で行っていた。その結果城壁や庭が崩れ荒れその修繕費が莫大にかかったのは思い出したくもありませんわ。凪さんにならお金をかけてもいいのですが……

あの男[グラハム・エーカーである!]に使うのは気が引けますが。

武の腕を考えれば仕方ありませんね。春蘭さんよりお金はかかっていませんし。

周りには新兵やあの男[グラハ]もうわかりました!!地の文に突っ込まないでくださいまし!

グラハムさんの隊の皆さんをいらっしゃいますわね。

これがこのお二人の鍛練の利点。新兵たちの意欲向上ですね。

お二人はお互い徒手で仕合をしています。

凪さんはとてもたくましい武。勇猛果敢に突き蹴りを行う激しい物である。ですが武を心得てない私でも綺麗なものだと思うぐらい完成しているように見える。

一方グラハムさんの武は…………とても美しく感じてしまいます。

凪さんの寸前で避け、反撃を繰り出す。そして凪さんの攻めが弱まると攻撃を仕掛ける。反撃も攻撃もきまった所作、一貫しているものがあるように感じる。

また、鍛練であるので二人とも基礎の動きしかしていない。ただの見せ物というわけてはなく良き見本となっている。

 

「むぅ、やはり勝てないか……」

 

「いいえ、隊長も腕を上げていますよ。しかも本来の得物は剣ではないですか。ここで私が勝たなければ面目が立ちませんよ。」

 

と、決着はついたようですわね。

倒れたグラハムさんに凪さんが近寄る。グラハムさんは立ち上がり少し話している。反省をしているようだ。

そろそろ話しかけてもいいだろう。

 

「凪さん、グラハムさん。おはようございます。」

 

「曹洪殿か、なにようかな?」

 

「栄華様おはようございます。」

 

この男[グ]もういいです!

真名はお姉様の指示で許してはいるのですが、彼は頑なに私の真名は呼ばない。彼が言うには

『嫌いなものに名をしかも真名を呼ばれるのは苦痛であろう。』

らしい。一度お姉様が真名を呼びなさいと注意はあったが。等の本人は名前を避け、私しかいない時や事情を知っている者の近くでは真名をよばず、姓名で呼ぶ。

律儀というかなんというか……男のわりにはきちんとしていらっしゃる方ではあるのでしょうね。男のわりにはですがね。

他の方からの評価もそんな感じである。

ですが、何か気持ち悪いといった評価もある。主に凪さんや、春蘭などの鍛練を一緒にしている人からなのだが。

いや、私はなぜこんなことを考えているのだろう。

要件があったというのに

 

「お二人とも鍛練はここまでにして少し手伝ってください。新兵の皆さんも今日が何の日かわかったいるでしょう?」

 

「あぁ、どこかの相がくると言っていたが。まだ謁見の時間には早いとだろう。」

 

「豫州沛国の相ですわ。しっかり話は聞いていたんですの?貴方も立ち会うのですわよ。」

 

「そうなのか。では、凪これで朝の鍛練は終了しよう。グラハム隊の皆も解散とする。」

 

30人ほどの兵からの返事が聞こえ、それぞれ去っていく。

 

「私はどうすればよろしいでしょうか?」

 

「経験も大事であろう。謁見に立ち会ってみればいい。それまでは私の手伝いをしてもらおうかな。」

 

「わ、私がですか!?そんな!恐れ多くて……」

 

「あら、一応凪さんも部隊の副将なのですよ。」

 

「そうですが……」

 

「そこまで気にしないでいいさ。私なんてまだ文字は書けないのでな。」

 

「でもなぜ文字は読めるんですか?しかも難しい書物まで……」

 

「本当になんでなんでしょうね?

それはともかくこの紙に書いているものを買ってきてくださいな。お金はこれで足りるはずです。」

 

「了解した。凪行くぞ。」

 

「はい。隊長。」

 

と二人は町の方向に歩いていく。

最近は町の警邏も自主的にやっているようですし迷うこともないでしょう。

他の方からも信頼を得ていて、働きもそこそこ。

他の男よりもましなようですわね。

あの男[グラハム・エーカーであ]

 

「もう、うるさいですわよ!!頭の中でずっとずっと自己紹介しないでください!気持ち悪い!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「必要なものを準備しなくてはな……」

 

「そうですね、隊長。まずは……」

 

私の隊の運営は順調だ。

朝夕の鍛練、仕事として町の警邏をさせている。

隊員同士の仲も良くなっているようだ。

凪もよく私のサポートをしてくれている。

良い部下をもったものだ……やはりあの出会いは運命。

 

「あ、たいちょうさん。今日はどうしたんだい?楽進様もおはようございます。」

 

「おぉ飯屋の店主ではないか。少し使いを頼まれてな。」

 

「おはようございます。」

 

買うものを集めていると、凪とよく行く飯屋店の店主とあった。最初に凪につれられていき、同じものをと頼んだ時のことは懐かしい。

まさか凪があのように辛いものが好きだとは……

その後も店にはよく行くが、凪や店主の調整によって美味しく食べられる辛さのものを食べている。そう考えると凪の食べていたものは異常だったのだな……

 

「たいちょうさんだー」

 

「楽進様だー今日も遊んでよー」

 

子供たちも集まってくる。

少年少女たちとも町の人と関わっていくなかで遊ぶこともある。子守りも町の治安を良くすることに繋がる。

子供が元気な町は栄えるというしな。

 

「すまぬな。今日は大事な予定があるのだ。また今度な。」

 

「「えーーーーー」」

 

「たいちょうさんも楽進様も忙しいのよ。ほら迷惑かけないの。」

 

「「はーーーーい」」

 

と子供たちは諦めたように違う方向にかけていった。

 

「申し訳ありません。子供たちが…これお詫びですので楽進様と一緒に食べてください。」

 

桃を2つもらう。鍛練が終わってからすぐだったので丁度よい。もらった桃の一個を凪に渡す。

 

「ありがとうございます。

隊長は町の皆からも尊敬されているのですね。」

 

「ははは、ありがたいことだ。

凪こそご老人の方々に人気ではないか。」

 

凪はご老人の方々の手伝いを、警邏の間にしていることが多いい。私よりも町の人には顔が広いだろう。

 

「そんなことはありませんよ。隊長のほうこそ子供たちに人気ではありませんか。

というか、こんなところで話している暇ではないのですよ。急ぎましょう。」

 

「そうだな。」

 

残りのお使いを、すませるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方町人は

 

「やっぱりたいちょうさんと、楽進様仲がいいね!やっぱりそういった関係なのかね?」

 

「こらお二人に失礼でしょうが。でも私もう一つ気になることがあるのよ。」

 

「ん?なんだ?」

 

「隊長さんのお名前ってなんなんでしょうね?」

 

「「え?たいちょうって名前じゃないの?」」

 

意外!!グラハム・エーカー町人に自己紹介はしておらず部下や凪が言っている隊長を名前と勘違いされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「曹洪殿はいるか?頼まれたものを届けにきたのだが?」

 

「グラっち!丁度よかったす!」

 

「グラハムさんおはようございます。」

 

「華侖殿、柳琳殿どうした?」

 

曹洪殿が指定していた場所にいなかったため凪と探していると、従姉妹である華侖殿と柳琳殿と出会った。少し慌てているようだが……

 

「どうかしたのか。」

 

「えぇーーと……ようしゅうはいこくのしょうがきたらしいっすよ。だから早く来いって華林ねぇが言ってたっす。」

 

「豫州沛国の相ね。

どうやら思っていたより早くこちらについたみたいなので至急謁見の間に集まれと言われたので皆さんに手分けして声をかけていたのですよ。」

 

確か予定の時間は昼過ぎ頃だったはずだ。大分早まったようだな。

 

「わかった。身だしなみを整えてすぐ向かおう。」

 

「よろしくっす。」

 

「よろしくお願いします。」

 

やはり正反対の姉妹であるな。

お互いを補完しあっている良き姉妹である。

少し羨ましくも思うがな……

 

「じゃあ行くっすよーーー」

 

華侖殿が腕を掴んでくる。

 

「凪後は任せた……」

 

「はい………」

 

私は華侖殿に腕を掴まれ引きずられながら自分の部屋に向かい、着替え今度は担がれ謁見の間の前に行く事になるのだろう。

 

「隊長慣れすぎです……」

 

凪は哀れなものを見るような目でこっを見ており。

 

「あはは…………」

 

柳琳殿は苦笑いをしている。

 

「よーーーい!どんっすーーーー!」

 

このグラハム・エーカーこの程度ではもう動じぬ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豫州沛国の相との謁見はすぐに終わった。

内容としては私が来たばかりに襲ってきた盗賊たちが豫州で力を付け無視できない勢力になってしまった。だからそちらの責任もあるから手伝ってほしい。

ということだった。途中私が知らない袁紹という名が出たとたん、華林殿の顔が変わり同盟を結び半月後に豫州に賊退治に出ることがきまった。袁紹……よほど重要な人物なのだろう。

まぁ、後で聴いておこう。

それよりも豫州沛国の相なかなか侮れん相手だ。名は陳珪と言ったか……嘘はついていなかったが、真の目的は定かにしていない。他州の兵を領地にいれるのは異例であり異常なことである。何が狙いなのだろうか。華林殿を巻き込み何を企んでいるのか……

ああいった者の対処はしたことがなかったからな。というかおなごの扱いなどここにくるまでしてこなかった。イェーガン等の部下はいたが…

思い出すのはやめておこう。

悪いことばかり思い出してしまうな……

今は賊の対処について考えなければ…

 

考えようと窓を見ると庭で手招く陳珪殿とあきれたような顔をする娘の陳登殿がいた。

 

 

 

 

「なんでくるのさ……」

 

「あら、本当に来てくれるなんて思ってなかったわ。」

 

「手招きをされてはなにかあるのではと思ってしまいまして。私の名はグラハム・エーカー一将として曹操殿に仕えています。」

 

と頭を下げる。

 

「あら、そこまでかしこまらなくていいのよ。私は陳珪。豫州沛国の相をしているわ。この子は」

 

「陳登……」

 

名前だけ言ってその後はなにも言わない。

 

「ごめんなさい。この子人見知りなのよ。」

 

「人見知りじゃない。無駄なことを喋りたくないだけ。」

 

これはまた正反対な親子であるな。陳珪殿は妖艶で何を考えているのかわからない。陳登殿は生真面目で言いたいことは言う。似ていないものだな、親子というのも……

 

「それで私になにかご用でしょうか?」

 

「そうそう、気になっていたのよ。」

 

というと私の右腕を胸に当てるよう抱える。

 

「曹操様の軍の唯一の男の将。

あの曹孟徳が初めて身内に取り込んだ男はどれほどいい男なのかをね?」

 

紫がかった目で私を見てくる。

 

「買い被りです、陳珪殿。私は一武官として仕えているだけです。信頼にたる行動をしようとは思っておりますがまだまだ……」

 

「信頼は十分にされているじゃない。曹操様だけでなく他の家臣からも……」

 

「まだ、私は新参者なのできをかけてくれているだけですよ。私にはもったいない。」

 

「本当に?どこか不満とかあるんじゃないの。」

 

「今のところ困ったところはないですな。

ところでいつまでも他国の将の腕に抱き付いていてはいけません。見られてしまっては私が怒られてしまいます。」

 

まぁ、もう見られているだろうが……

陳珪殿はパッと手を離し

 

「それもそうね。私もせっかくこぎ着けた同盟を破棄にされたくはないし。」

 

陳珪殿も気づいているようだった。

さすがだ、しかもこの短い会話の中でも駆け引きがあった。流されれば呑み込まれる感覚をずっと感じていた。声色も変えずよく言う。

 

「母さんそろそろいかないと……」

 

「そうね。じゃあまた会いましょう。グラハム様。」

 

といって二人の親子は何人かの部下をつれて城を出ていく。

できれば会いたくないのだがな……

 

 

「あなたにも苦手なものがあるのね?」

 

「華林殿覗き見とは趣味が悪いぞ。」

 

覗いてたの我等の主、曹孟徳こと華林殿であった。

 

「あなたが誑かされそうになっているのよ。自分の物の管理ぐらいしっかりしないとね。」

 

「誑かられてはいないさ。苦手であることは確かだがな。」

 

返答に納得しなかったのだろう。

私の顔をじっと見て

 

「本当に女性に対する欲はないのね。」

 

「何の話だ?」

 

急に変な話題をふられる。

 

「だってあなた、凪を副官として手に入れ、城には私が愛する花が何人もいる。女官だって多くいるのよ。それなのに手をださないなんて。しかも陳珪の色仕掛けなんて全然きいてなかったじゃない。もう、枯れてしまったのかしら?」

 

「失礼な。枯れてなどいない。」

 

「ではどうしてかしら?あなた顔つきはいいのだし女の一人や二人落とせそうなものだけれど。」

 

華林殿は純粋に疑問に思っているようだった。

ここの女たちは大体華林殿に抱かれている。性的な意味で。仕事に影響しない範囲で楽しんでいるようだが少しは自重してほしいものだ……

 

「今はここで生きることに力を注いでいるだけだ。落ち着いたら嫁でも探しに行くとするさ。」

 

「あらそう。ならもっと働かなければね。落ち着くのはもっと先でしょうから。期待しているわよ。」

 

そういった小言をいいながら華林殿は去っていくのであった。

 

さぁ、私も久々の戦の準備をしなければな。

この手で人を切ることになるのだ。モビルスーツ越しではない、私の手が持つ剣で……

恐怖はないだが覚悟は必要だ。

夏侯惇殿と久々に鍛練でもするとするか。

 

 

 

 

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