プロレスこそが最強の格闘技?   作:ネコガミ

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2年差は大きい。


第17話『アメリカ旅行とプロレスラー その2』

 アメリカに到着して飛行機を降りると、Mr.アライが寄越してくれた迎えのリムジンに皆で乗り込む。

 

「ところで三浦さん、今さらだけど誰と会うのさ?」

「刃牙君も会えばわかるんじゃないかな?」

 

 そう返答すると諦めた様に1つ息を吐いた刃牙君は、慣れた様子で備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して飲み始めた。

 

「おい刃牙、いいのかよ?」

「こういうのは客用に用意してあるものだから大丈夫だよ」

 

 その返答に若干遠慮がちになりながらも克己君もミネラルウォーターを取り出して飲む。

 

 うん、こういう一面を見ると刃牙君も本物の金持ちの家の子なんだなぁと思うね。

 

 しばらくしてリムジンが止まり外に出ると、目の前に豪邸と形容すべき家がある。Mr.アライの邸宅だ。

 

「へぇ、中々大きな家だね」

「中々ってお前、すげぇ豪邸だろ」

 

 2人の会話を聞いていると家庭環境の違いを感じる。まぁ、独歩さんもそれなりにお金を持っているんだろうけど、あの人は対外的に必要な部分以外にはお金を使わなそうだからなぁ。

 

 中から執事さんが出てきて招き入れられると、そのまま奥へと進んでいく。そしてとある部屋に入ると……そこには前回あった時よりも覇気に満ちたMr.アライの姿があった。

 

「「……マホメド・アライ?」」

「うん、そうだよ」

 

 異口同音でMr.アライの名を呼んだ2人を見て笑いそうになる。けど仕方ないか。Mr.アライは格闘技の世界では伝説的な偉人だもんなぁ。

 

「ヨシオキ、よく来てくれた」

「こちらこそ歓迎ありがとうございます」

「ハハハ、君と猪狩に閉ざす門は我が家には無いよ」

 

 茶目っ気たっぷりにウインクをしながらそう言うMr.の姿は凄く絵になる。こういうカリスマ性は彼の生き様が醸し出すんだろうなぁ。

 

 2人を紹介してMr.が握手をするけど、2人は呆然としている。独歩さんも勇次郎さんもMr.に負けず劣らず凄い人だけど、Mr.のカリスマは世界トップレベルだからなぁ。2人がこうなるのも仕方ないか。

 

「早速だが運動する準備は出来てるかな?」

「えぇ、もちろん」

「Good.それじゃ地下に行こうか。Jr.が待っている」

 

 Mr.に先導されて地下を下りていくと、そこには十分な設備が整ったジムとリングがある部屋へと辿り着く。

 

 そしてリングの上には……グローブを着けて十分に汗を流していたJr.の姿があった。

 

「Jr.」

 

 Mr.が呼び掛けると動きを止めてJr.がこちらに振り向く。

 

「パパ?……ヨシオキ!やっと来たのか!」

「やあJr.、年末以来だね」

 

 夏と冬の長期休みの度にアメリカと中国に行っているんだけど、去年に会った時よりもJr.は確実に成長してるのがわかる。肉体面と技術面だけだけどね。

 

「さぁヨシオキ、早くリングに上がってくれ。直ぐにスパーをやろう」

「まぁまぁJr.、ちょっと待ってよ。先にこの2人の相手をしてくれないかな?」

 

 そう言って俺は刃牙君と克己君へと目を向ける。

 

「さて2人とも、俺からの課題だ。アメリカ滞在中の2週間、彼と……マホメド・アライJr.とのスパーで1ラウンド中に1度もダウンをしない。これを達成したら1000ドルをあげるよ。頑張って」

 

 

 

 

side:範馬刃牙

 

 

 1ラウンド中に1度もダウンをしない?それで1000ドル?三浦さんが冗談を言ってないのはわかるけど、そんなに凄い相手なのかあいつは?

 

「克己さん、先いい?」

「おいおい、ここは年上に譲ってくれよ」

「ハハ、冗談。むしろ年下に譲ってくれる場面でしょ」

 

 たぶん克己さんも三浦さんの言葉に思うところがあるみたいだ。強い奴と戦いたい……これは俺達にとって本能みたいなものだからね。

 

「ヨシオキは随分と厳しいな。僕とやるなら1分でいいんじゃないか?」

 

(……舐めやがって! )

 

 俺の身体から一気に闘志が沸き上がる。

 

「克己さん、お先っ!」

「あっ、おい!……ったく、後で何か奢れよ!」

 

 リングに上がった俺は克己さんにサムズアップを返す。

 

「ルールは?」

「キックでもグラップルでも好きに使ってくれていい。どちらにしろ、僕には当たらないから」

「……オーケー。あぁ、自己紹介は?」

「ノー、君の名前を覚える必要性を感じていない」

 

 心の底からムカつくけど、怒りを堪えて軽く何度か跳ねて力みを抜く。

 

「じゃあ、始めるよ」

(吠え面かかせてやる!)

 

 三浦さんがそう言ってゴングを鳴らすと同時に踏み込む。

 

 だが次の瞬間、俺の意識は途切れたのだった。




これで本日の投稿は終わりです。

また来週お会いしましょう。
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