「…綺麗だ」
もう、何十年も侵略や怪獣災害のない星。
《地球》アインはただ生きている少年達と夜景を笑いながら見ていた。アインは地球が好きになった。だから、だ。彼は今、人間として生きていた。
「先生!アイン先生!!」
「大丈夫だ!皆!おかしを忘れるな!」
彼は小学校の教師として教鞭をとる道を選んだ。もう、この世界に来て何年も怪獣を見ていない。
だから……彼も油断していたのだ。宇宙斬鉄怪獣ディノゾール、それが4半世紀ぶりに地球に現れた。そして、それを追って彼の知らないウルトラ族が現れた。
「ギャァァァオ!!!」
「キャァァァァ」
「アユミちゃん!」
生徒がコンクリートの中に埋もれる。アインは血の気が引いた。
「先生…怖いよ……先生」
「皆、速く行くんだ。マスミ先生、皆を頼みます」
「そんな、アイン先生は」
「僕はアユミちゃんを助けてから行きます。お願いします、生徒を頼めるのは貴女だけなんです」
生徒を任せて、アインはアユミの救出を開始した。人間に擬態していながらも、その肉体はウルトラ族である。
「先生!」
「アユミちゃん!」
その時、巨大な足が二人の上を過ぎた。瓦礫が沈んでくる、アインは生徒を助けるためにソレを掲げた。アユミは見た、自分の担任が何かを掲げるのを。そして……
「シェア!」
「へぇァ?!」
ディノゾールを倒したウルトラ族を吹き飛ばした。
「ウルトラマンだ!ウルトラマンが帰ってきたんだ!」
「でも、何故ウルトラマンがウルトラマンを攻撃するんだ?」
市民の声、アインはそれを興味を持たず行動を始める。
「…」
アインが手から光を出すと、破壊された街が蘇る。廃墟が都市として復活したことに、人間達は驚きを隠せない。
「先生?」
「…シェア」
アインは頷きながら、アユミを安全な場所に下ろした。そして、現れたウルトラ戦士に対してファイティングポーズを構える。
(誰だ!)
(地球を破壊する存在は…殺す)
カラータイマーがなっているウルトラ戦士に攻撃を開始する。だが、街に被害は出さない。近くに広い公園があるそこで戦う。
「シェア」
「テェア!ハァ!」
「……フン」
ウルトラ戦士は何度も、何度もアインを攻撃するがアインにはまるで通じていない。
「シェア!」
「ハァ!」
ウルトラ戦士は驚いた。アインが使った技は八つ裂き光輪、ウルトラ兄弟であるウルトラマンの技であるからだ。
「ウェア」
「ハァ」
地面に叩きつけられ、けたたましく鳴り響くカラータイマー。アインはそれを見ると腕を十字に組もうとした
「止めろ!」「止めて!」
「ヘェア?」
アインの後方から二人の声が聞こえた。一人はクルーガイズの制服を纏った青年、そして自身の生徒であるアユミを抱えている。
「アンタの…アンタの気持ちはわかる!でも…この娘の、アンタの守った命の前で、殺すのかよ!」
「…先生………止めて……」
泣いている少女、アインにはウルトラ戦士をここで仕留める勇気がなかった。
(…お前、名前は)
(僕は…メビウスだ。君は…君は誰なんだ)
アインは思った、知らないはずがないと。見たことは無くとも、聞いたことはあるだろうと。だから、名乗った。
(俺の名はアイン、地球を愛するウルトラ族だ)
「シュワッチ!」
アインは空中へと飛び立つと、成層圏の彼方へと消えた。それを、メビウスはじっと見つめていた。
それから、アインはメビウスの前に現れる事は無かった。メビウスの戦い方が変化したのだ。街を壊すでもなく、周りに被害が無い戦い方。アインは地球を守ると誓った。自分の生徒たちが生きられる星を守ると、その為になら修羅になると。
「先生…先生はウルトラマンなの?」
「…アユミちゃん。クラスの皆には話した?」
首を横にふるアユミにアインは微笑みながら、言葉を返した。
「先生はウルトラマンだよ」
「…じゃあ、なんでメビウスを殴ったの?先生は何時も暴力はいけないって」
「そうだね、でも彼奴はメビウスは君を殺そうとした。周りの被害も考えず、ディノゾールを殺した。それだけで…何人が死んだが……もし、君達が巻き込まれていたかと思うと」
「大丈夫だよ!先生が守ってくれるもん!」
ドス黒い感情が渦巻く中で、アインにとって制とのアユミの笑顔が救いだった。
「そうだね、俺が守らないとね」
アインは決意した。生徒を守ると、そう彼にウルトラマンとしての光が確かに生まれたのだ。
「……あの、ここにアイン・キタムラと言う男性が居ると聞いて」
「アイン・キタムラは私です」
クルーガイズの制服を着たメビウスいや、ヒビノ・ミライがアインの下に現れた。
「アユミちゃん、授業が始まるよ?」
「あ…それじゃあね!先生!!」
アユミが消えたのを見送ると、アインは席をたった。そして、ミライに向かい、テレパシーを送った。
(…付いてこい)
それに頷き、アインはミライを学校の屋上へと案内した。
「君は……本当にあのアインなのか」
「やはり、知っているか。あの見た目では父親に間違えられる」
「何故…君はこの星に」
「……知りたくなった。父さんが贖罪として守り、セブン、ジャック、エースが守ったこの星を。見ろ」
アインはミライに校庭で遊ぶ子供たちを見せる。
「俺は、この笑顔を守りたい。未来ある子供たち、そして、お前は見たことがないだろうが、この星の夕日と、自然も美しい。メビウス、俺は……この星が好きだ。この国には俺を知る者はいない」
「その心はウルトラマンとしての心じゃないのか!どうして……どうして光の国を」
「……貴様も俺を戦闘面でしか見ないとは、次その話をしてみろ。殺してやる」
「…それは」
アインは右腕だけを変身させ、八つ裂き光輪をミライの首元に近付けた。気づかなかった、気づけなかった。メビウスは目の前のウルトラマンに釘付けにされる。
「…守れるなら、守ってみせろ。メビウス、俺は俺の生きる世界を邪魔したら許さない」
ミライとの会話を終えたアインは学校から近くにある料理店に向かう。午後は休みになっている事もあり、アインは楽に過ごしている。
「…何を」
「何って…飯だ」
「お!アインさんいらっしゃい、どうしたの?お友達?」
「ヒビノ・ミライです!」
「同郷さ、ガイズに入ったんだけど周りがわからないらしくてさ、一押しの料理店を教えたって事だよ」
案内された席に座る二人、アインはオススメをミライに奢る。そして、食べ始めた。
「美味しい」
「美味いだろ、お前はまだ地球を、人間を知らない。人間は俺達より弱いが、優れる存在だ。未来ある存在、だがなメビウス俺はそんな事はどうでもいい」
「何で?」
「俺は、俺の知り合いが大丈夫ならいいのさ。あかの他人まで、助ける義理はない。俺は、お前の言う、ウルトラマンじゃないっと…無駄話は終わりだ、覚める前に食べてしまおう」
アインの最後の言葉には納得した。だが、彼のウルトラマンではないという言葉には、納得する事は出来なかった。
アイン・キタムラ 26歳 男性
見た目はシュウ・シラカワを3次元化したような見た目、黒髪でありアメリカ人とのハーフという設定にしている。教員免許を所持しており、教師として生計を立てている。
変身アイテム
ベータペンシル
ベータカプセルをボールペンとして改造した物となっている。ボールペンとしてだけでなく、ライトや他のアイテムと合わせることでレーザーピストルとして活用できる。