自分の相方は"てんさい"と呼ばれています。   作:zaq2

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急に起こるは天災事

「うー・・・もう、めんどくさい!思いっきり行く!!」

 

 

 "天災"さんが叫ぶその言葉を聞いた瞬間、条件反射のごとく防御壁を展開し、この後に起こるであろう災害に対しての対応を行っていた。

 

 

 防御壁を展開し終わったと同時ぐらいに、衝撃という振動が自分たちに襲い掛かってきた。

 

 

「な、なんだ?」

「うおぉぉ!?」

「!!!」

 

 

 しばらく続いた振動、まるで地震とでもいうべき振動が続き、それとほぼ同じくして砂煙ともいえる物が防御壁を避けるかのように後方へと吹き去って行く。

 

 その球状の防御壁の中心にいる三人は、そのまき散らされた砂煙で周囲の状況がよくわからないままでいたが、防御壁の内部にいる限りは多少なりとも耐えれ・・・

 

 

 

 そう思っていた矢先、砂煙も収まり始めた周囲に、"ゴン"という石の塊がその石床へと落下して・・・

 

 

 

 えっ?と思いつつ、その視線を石の塊が元あったであろうという部分へとむけてみると、高くみえる天井の形状が、いまにも中央部分から崩れてきて・・・って、まずいまずいまずいまずい!!悠長に観察している場合じゃない!!

 

 

「みんな走れぇぇぇぇ!!走れぇ走れぇ!!」

 

 

 

 お偉い様とか相方の状況とかそんなのはもうどうでもいい!とにかく二人の背を押すように、通路口へと無理やり押しやりながら走りださなければ!

 

 続けて、少しでも崩落を抑えれる様にと、天井側へと魔防壁を展開させて逃げる通路を確保する。

 

 いくら自分の障壁魔法でも、崩落してくる膨大な質量を支えれ続けれるわけにはならないが、それでも多少の時間稼ぎにでもなってくれればと、とにかく移動する方向へと展開していくしかない

 

 

 何が何だかわからないままの二人も、自分が張っている障壁と視線のほうへと見上げてくれたのか、その天井の状況をみたとたん「うぉぉぉ!?」「マヂかよ!マヂかよ!!」と、ようやく現状が窮地という事を理解してもらえ、顔を真っ青へと変貌させながら、それはもう死に物狂いという表情で自発的に通路へと走り出してくれた。

 

 

 そうこうして走り去った後には、鈍い音とともに天井が、展開していた魔防壁を押しつぶす様に徐々に徐々にと崩れ落ちていくという

 

 

「振り向かずに走れぇぇぇぇぇ!」

「うぉぉぁぁぁぁぁぁ」

「マヂかよ!!マヂかぁぁぁぁよぉぉぉぉll」

 

 

 背後から迫りくる音と衝撃をその体に感じながら、一心不乱に上へ向かう通路を走り続ける、とにかく必死に走り続ける。

 

 後になって、これが必死という言葉なのかというぐらいそれはもう足を動かす事しかできない。

 

 とにかくとにかく、走って走ってけつまづいて転んでは起き上がって、走って走って・・・どれくらいの時間がたったのかすらも、もうわからない。

 

 途中、魔物が出てきたとは思うが、今はかまってる暇はない・・・なにせ崩落が徐々にこちらに聞こえてきているのだから、その足を止めての戦闘なんてやっていられない

 

 そうなれば、魔防壁を障害物として設置して、ほんの数刻だけでもこちらにこれない様にするのが精一杯だ。

 

 そんなこんなと何十回繰り返しつづけ、とにかく上へと向かうべく走り、精も根も尽き果てようとしてきた時には、日の光らしき灯りが差し込んでくるのが見えた。

 

 ・・・そこからしばらくは何も覚えていない。それほどに我武者羅に走った。

 

 そこだけは覚えている。

 

 

 気が付けば、兎に角そのあかりの元へと躍り出たとき、ようやく外に出れた実感し、三人は息を荒げながら、目の前の草むらへとその体を投げだして、疲弊しきった身体を休ませている状況からしかわからなかった

 

 

 

「もう、無理・・・だ・・・走・・・れん・・・・」

「おれ様も・・・だ・・・・」

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

 

 まともな答えができないぐらい気力すらも尽きてはいたが、それでも顔を起こして周囲を見渡すと、その眼下に見える場所は昨日まで戦場としている場所を見下ろす恰好になっている丘付近だった。

 

 

「こ・・・こんな近くに・・・ダンジョン・・・なんて・・・」

「俺様も・・・知らん・・・ぞ・・・」

 

 

 偉いお二人様も、どうやらこの場所のこのダンジョンがあるという事すらしらない物だったらしいが、今となってはどうだっていい・・・

 

 

 あれ・・・そういえば、"天災"さんは・・・?

 

 

 ようやく状況内容が理解できた時、ふと、何が起きようともいつもいるはずの相方の事が脳裏によぎり、周囲を見渡してみるも、それらしい気配も内容もないまま、地響きとでもいう振動と音が自分たちの場を揺らして、今来たダンジョンの入り口から吹き飛んでくる砂煙から、顔を守りながらも、その跡を見てみるも、いま先ほど出てきたダンジョンの入り口を天井から、見事に崩れ落ちて塞いでいた。

 

 

 

 "天災"さん・・・まさか・・・ね・・・

 

 

 

 崩れ去ったダンジョンの入り口を、息を整えようとしながら眺めみているが、そこから人が出てくる様な気配なんて物はない。

 

 そもそも、そんな隙間なんて一目見ただけであるわけがないと、素人目にもわかることである。

 

 

「"天災"さん・・・」

 

 

 そういうつぶやきが、何気なく漏れた。

 

 なんだかんだいって、相方として組んでいた時期は合った方である。

 それがあっさりと、そうこんなあっさりと幕が引かれるなんて、到底思いたくはなかった。

 

 

「飯屋ぁ!」

 

 

 そう、いつもの様に、こんな風に自分の事を名前で呼ばず、"飯屋"とか言ってきていた"天災"さんだっけか・・・

 

 

「飯屋ぁって!」

 

 

 ・・・ん?・・・空・・・耳・・・?

 いや、そんなまさか・・・?

 

 まさかと思いつつも、声の聞こえる方を振り向いくと、いつも通りの"天災"さんがそこに立ってた。

 

 それも普通に・・・へっ?

 

 

「飯屋!わたし、勝ったぞー!」

 

 

 と、勝利のサインともいえるサインをこちらに向けて仁王立ちしているし。

 

 頂いたマントには、無数の切り傷が残ってはいるが、本人はまったくの無傷というか、魔物の返り血でちょっと引く程度かな・・・

 

 そしてその足元に転がるのは、いくつものへの字に曲がりまくってもう元の状態はわからない剣と、剣才と呼ばれた人物がピクリとも動かない状態でいたりするという。

 

 

 あー、生きてるかな・・・アレ・・・

 

 

「というか、なんで"天災"さんがここにいるの?」

 

 

 再起動した思考から、まずは状況を確認しようと"天災"さんへと質問してみると

 

「天才だし!」

「ああ、うん、そうだね。って、そうじゃなくてぇ!」

「ん?」

「えーっと・・・」

 

 なんか、もうちょっと・・・あぁ、もう・・・

 いいか・・・落ち着け自分、落ち着け自分・・・よし

 

 

「あの、思いっきりやるとか言ったよね?」

「言った」

「で、その後、どうしたの?」

「思いっきり地面たたいた」

「なんでたたいたの?」

「たたきたかったから?」

 

 

 ・・・頭痛いし、意味がわからない。

 

 あの戦いの最中、そんな思考でやってたの?何なの?

 いや、まてまて、これはいつも通りだ。

 いつも通りの"天災"さんだ。

 こんな会話はいつもの事、何も間違ってはいない。

 もう一度だ、落ち着け自分、いいから落ち着け・・・ここは深呼吸だ。

 

 すぅ・・・はぁ・・・すぅ・・・はぁ・・・よしっ

 

 

「それで、叩いたあと、天井が崩れてきた・・・よね?」

「天井?・・・ああ、なんか落ちてきたな!」

「それで、どうしたの?」

「落ちてきたの斬った!」

 

「・・・」

 

 

 ほら、ようやく息が整ってきたお偉いお二人様が「何言ってるんだコイツ?」っていう、そんな表情をしてるじゃないですか。

 

 あれ?なんかデジャヴを感じるのは気のせいだろうか・・・

 

 

「そ、それでどうしたの?」

「そしたら、あかるくなったから、そこ行けばいいと思った!」

 

 

 えーっと、まったくもって意味が分かりません。

 ちょっとまってね?いま少し整理させてもらうと・・・

 

 

 1)地面を思いっきり叩いた

 2)天井が崩れてきた

 3)崩れてきた天井を斬った

 4)そうしたら明かりがみえた

 5)それは外とつながってたので出てきた

 

 

 こんな所だろうか。

 

 

 ・・・・・・

 ・・・

 

 

 

「理解してたまるかぁぁぁ!常識を返せぇぇぇ!!」

 

 

 

 空に向かって盛大に叫ぶしかなかった

 

 

 

 

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