ベルと徐倫の奇妙な冒険、ストーンオーシャンは終わらない   作:37級建築士

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原作スタンド、ただしちょっと改造あり。このあたり好き嫌い分かれそうだからギャンブル、とりあえず花京院の魂でもかけておきます。気に入らないなら持っててください


Disc.14~グーグー・ドールズ

 

 

 天界から降り立ち、地上に居つく神々は皆娯楽のとりこになる。世話しなく回り続け喧騒絶えない人間たちの世界に魅入られ、神も人も同じ目線で日々を謳歌する。それは別段珍しくないことだ

 

 ある女神も同じであった。地上に魅入られ、地上の人たち(神の側から言えば子供たちというのが適切か)……とにかく、他の神々の類に外れずその女神も地上の暮らしに身を染めたのだった。だが、そのやり方がまずかった。

 女神は地上にて冒険者ギルド、つまりはファミリアの結成を目論んでいたが、やりだしたことは知人、否知神の家に転がり込み気ままな日々を過ごすばかり、言ってしまえば引きこもり、ニート、人間失格コースを役満で無事謳歌してしまったのである

 

 無論、そうなっては人も神もすることは同じ、ぐうたらのケツは蹴飛ばされ、泣きながら女神は当初の目的を思い出しようやく重い腰を上げたのだった

 

 女神の名はヘスティア、処女神にて炉の神、彼女が身を預けていたヘファイストスファミリアを離れた後、彼女を追う不穏な影に気づくのは、それから割とすぐ間もない頃にであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロキファミリアにて門番を務めていた男、彼の様な男がのさばってしまうように、大組織というのは広く枝葉を伸ばすが故に、時に枝葉に紛れて腐った一枚がのさばることはざらにあってしまう。

 これは、そんなよくある話の一つ。ロキファミリアとは別、鍛冶職人を抱えたヘファイストスファミリアにおいての、とある一枚の腐った葉っぱの話だ

 

 男の名はマック・ツールズ。恩恵こそ持っているが戦闘の才能は無く、また鍛冶師としては平凡。だが、彼は幼少期と青年期に他国の学院でそれなりの教養をみにつけてたお陰かファミリアの中では低くない立ち位置に属していた。彼の仕事は主神のデスクワークを支える事務員の一人、故に頻繁にホームの中では神のいる部屋に訪れることが多々あり、そしてその縁からもう一人の女神とも一方的な接点を持つことになったのだ。

 

 マックは平凡な男として認識されていた。だが、誰も知る由の無い事だったが、男は前述にも述べた枝葉の腐った一枚に属する人間、マック・ツールズは異性への暴行、及び監禁への興味を抱いていた。それはもう、手段さえ整えばいつ何時、それがたとえ目の前でばったり出会った異性であったとしても衝動的に動くほどに

 だが、例え衝動があっても男は踏みとどまった。それは理性があってか、否

 

 

……どうせ監禁するなら、もっと大きい場所を、いやそもそも音も聞こえない設備も

 

 

 マック・ツールズは冷静に己の欲と向き合い、そして結果的に自制していた。だがしかし、幸運というべきか、それとも不幸と見るべきか、男の元に運命を変える出会いがあった

 

 マックは対価を払った。そして運命を変えるための手段を手に入れた

 

 手に入れた手段の名はグーグー・ドールズ。数日間オラリオの内と外にてその力の研究を深め、そして今日この日に件の目的を果たすべく彼の女神の元に向かった

 そうして始まった女神の逃走劇、マックは逃げる女神の先に二人の人物を見た

 

 それは、外の検問でたまたま見かけた二人、一人は自分が話しかけた少年、そしてもう一人は

 

 

 

……俺と同じ、ただの人間には見えない力

 

 

 

 訝し気に見て、そして男はその時点で結論を得た。

 

 空条徐倫、女神ヘスティア、そして白髪の年若い少年ベル・クラネル

 

 結論を言おう、この述べた三人は男の趣向というお眼鏡に叶う外見であったのだ

 

 

 

 

……運命としか思えない。リスクはあるかもだが、こんな機会はもうない

 

 

 

……感謝します、涅槃の主よ。道を示していただいたこと、大いに感謝申し上げます

 

 

 

……この運命の出会いに感謝し、そして私は己の欲望故に苦しむ私自身を救います。生涯、死ぬまで彼ら彼女らを箱に収め、最後は私も涅槃の先へ至りましょう

 

 

 

 

 

 

 祈りは、獲物を求め走りながらのほんの一瞬、刹那の思考で決めてしまった。偶然の出会い、そして衝動、マック・ツールズは女神ヘスティアと空条徐倫をトリカゴへしまった。

 スタンドを手にして一週間、彼の欲望を満たしたトリカゴにはこれで合計78人、男女問わず今も彼の住居の中で丁寧に保管をされているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

   ×   ×   ×

 

 

 

 

 

 

「……徐倫、姉さん……さっきの人も、どこに、二人ともどこに消えたッ」

 

 

 

 叫ぶ、しかし声はむなしく返事は無い。路地の真ん中で、僕は唯一話しかけられる相手、二人が消えたと同時に姿を現した人物に、ローブを纏い正体を見せない相手に

 

 

「あなたは、いったい……」

 

 

 

 

 

 

「——————」

 

 

 

 

 

 

「……敵、ですか?」

 

 尋ねる言葉、会話を弾ませる気は毛頭ない、探りを入れながら僕はナイフを手に、構える。いつ何が起きてもおかしくない状況、そして薄々理解は得てしまう

 

 僕はただのヒューマン、ステータスだってないまだ冒険者にさえなっていない14の少年。だけど、知識はある。

 最低限、この状況を理解するだけの単語を、僕は有していた

 

 

「……あなたは、スタンド使いですか?」

 

 

 尋ねる、今度は反応を見せる。一瞬喉を鳴らしたような反応、そしてすぐ気味の悪い笑いを浮かべた

 

 

「…………坊主、これが何かわかるかい?」

 

 

「!」

 

 

 喋ったと思えば、ローブに隠れていた腕を外に出し何かを魅せる。布に覆われたそれは、よく見れば鳥かごの様に見える。金属でできた鳥かご、ピンクのフリル付きの布に覆われた、一見少女の持つような趣向を思わせる

 

 けど、それ自体に意味は無い。それよりも、ずっと度し難いことに

 

 

「……た、助けて……いやだ、出しておくれよッ

 

 

「!?」

 

 

 さっきの、僕に助けを求めたツインテールの黒髪の女性、それが篭の中に入っている。

 

 

……まさか、そんな

 

 

 これが普通の人なら、こんなものを見せられても作り物やまがい物の類に感じてしまうかもしれない。だけど、この手の超常をすでに見知った僕はそれが精巧な偽物には見えやしない。推測は断定の息に、そう確信をもってたわごとを言い切れる

 

 

 

『グーグー……ドールズ』

 

 

 

 

「……スタンド、人を人形サイズに変える。それが、あなたの」

 

 

 

 

「あぁ、ご名答だ……ほら、坊主の姉さんも」

 

 

 

 

「徐倫お姉さん……はッ!」

 

 

 

 

 

 

 

『キシャシャアアアアッ!!?!?』

 

 

 

 

 

 

 意識が向いた瞬間、僕は飛びのくようにその場で横にとんだ。さっきまで僕がいた場所、そこに降り立っているのは濁った黄色肌の小人、不気味な見た目のそれは口を開き奇妙な声を繰り返し発し続けている。

 

 狙っている。怒りの感情があるように、その無機質で不気味な醜面をこっちに向けて、また唸っていた。

 

 グーグー、ドールズ、それがこいつの名前なのか

 

 

 

……スタンド、また僕の前に現れたのか

 

 

  

 見える。確かな実像として見えるそれ、警戒しながら男の方を見るが何もする様子はない。フードから覗く鼻から下、そこに気味の悪い笑みを浮かばていることだけは見て取れる

 

 楽しんでいる。その上で、このスタンドを僕に差し向けているのだろうか

 

 

「……逃げるのは勘弁してくれ、じゃないと殺してしまう」

 

「!」

 

「わかっていると思うが、坊主の姉さんも鳥かごの中だ。ちなみにこいつはマジックアイテム、中に入れた小動物を沈める機能がある。言ってしまえば、安楽死って奴だな」

 

「……人質、ですかッ」

 

「それもある。だが、今となっては封じるのが目的だ……坊主、わからないか?」

 

「なにを……いや、まさか」

 

「……はッ」

 

 フードを外した。晒した顔には、確かな見覚えがある。名前も知らない相手、だけど昨日今日あった顔ならすぐに思い出せる

 

 外の検問で話しかけられた相手、鍛冶師の男の人。黒髪の好青年顔、けど今はそれが絶妙に曇っている。れっきとした悪人の顔だ

 

「驚いたものだ、まさか俺と似たような力を持った奴がいたとは…………なあ、勝気な姉ちゃん、教えてくれ。お前の連れはスタンド使いなのか」

 

「……ッ」

 

 話しかける、それは持っている鳥かごの中にいる、そう徐倫お姉さんだ。

 

 さっきの女性と同じ、人形サイズに変えられている。押し黙っていて、そのまま坐して何も答えない。鋭い瞳で敵を見ているだけ

 

「だんまりか、まあいい……坊主、そろそろ再開しようか」

 

「……再開」

 

「わかっているだろ、スタンドが見える坊主はスタンド使いだってことだ。あぁ、せっかく三人同時に気持ちよく捕まえられたのに、まあなってしまったものは仕方ない。あぁ、出来るだけ傷つけたくはないんだ。なあ、今からでも諦めてくれないか。俺はただ、君たちが欲しいだけなんだ」

 

「な、何を言っているんですかあなたは」

 

「……理解されない、それも仕方ない。だから、理解されようとされまいと関係なく、俺は好きに君を愛するよ」

 

「……ッ!?」

 

 

 全身の血管に鉛がねじ込まれたような不快感、背筋がよじれてこのまま胴体が崩壊しそうなほどの生理的嫌悪感。確信した、こいつはやばい、相当にヤバい変態だ

 

 その上、質の悪いことに、持っている力だけは笑えないものだという

 

 

……どうする、どうやって

 

 

 

「さあ、坊主のスタンドを見せてくれ。俺もこの際だから、君と楽しみたい、そんな欲が出てしまった。なら、発散しないと俺が救われない……理解してほしい。なあ、そうだろう、行こうか、グーグー・ドールズ」

 

 

 

 

『……ドールズ、ロータス』

 

 

 

 

 

「うぅ、普通に気持ち悪い……ぜ、絶対ダメです。あなたみたいな人、野放しにしては置けないッ……僕が、あなたを牢獄にぶち込んでやるッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

>> to be continued

 




今回はここまで、次回からは戦闘ががっつり始まる予定


【情報提示】

スタンド名-「グーグー・ドールズ・ロータス」

本体名-「マック・ツールズ」

破壊力=D/スピード=C-/射程距離=S/持続力=S/精密動作性=B/成長性=C


[能力(オリジン)]

 小人型のスタンド、スタンドが接触した生物を人形サイズに変換する。対象がスタンド本体から離れるほど効果が減衰する

[能力(ロータス)]

 上記と比較して効果は範囲が拡大。人形化は同時に並行して機能する。限界人数は検証されてないため暫定で不明。

 オリジンと比較して距離の減衰は無い。スタンドを消すか、もしくはスタンド及び本体が再起不能になることでのダメージでのみ能力は解除される。

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