彼女が麦わらの一味に加わるまでの話   作:スカイロブスター

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佐藤東沙さん、NoSTRa!さん、烏瑠さん、誤字報告ありがとうございます。


102:彼女と彼女は旧交を温め直す。

 ウーパールーパーの名で知られるアホロートル種は、異様に高い肉体再生能力を持つ。実験では尾や四肢だけでなく眼球や脊髄、心臓すらも再生してみせたという。

 

 さて。

 濃縮されたS・I・Qは被投与者の大脳辺縁系のシナプスを拾い、細胞レベルで肉体を再構成し、適応変態させる。

 

 ドクター・インディゴの精製と調合により、適応変態は恣意的に戦闘方面へ誘導されているが、継戦能力の向上という形で生存性にも強く作用する。

 

 ベアトリーゼに上下半身に両断されたザパンは、下半身をくわえながら這って海へ逃げ込んだ。

 S・I・Qによって魚人のように鰓を獲得し、海底に潜みながら切断された下半身を“取り込み”、肉体を再生させる養分に転換させた。足りない養分は海中の魚介類を食い漁って補っている。

 

 ザパンは、暗く冷たい夜の水底でゴボゴボと呪詛を吐き続けた。

「べあと……りぃいいいぜえええ……」

 怪人の肉体の再生と再構築は、今少し時間を必要とした。

 

       〇

 

 ロビンは絶句していた。

 無理もない。7年振りに再会した親友から、とんでもない爆弾を投げつけられたのだから。

 

 サイファー・ポールと手を組んだと聞かされた時は、世界が足元から崩れていくような恐怖を覚えていたが、ベアトリーゼが話を始めると、“それどころではなくなった”。

 

 天竜人フランマリオン家に脈々と伝えられる……狂気の思想と実践。

 

 西の海屈指の蛮地が実はフランマリオン家の実験場で、ベアトリーゼが実験体の現地交雑種の子孫だったという事実。

 

 歴史の闇に潜み続ける危険思想の反政府秘密結社“抗う者達”。彼らが人造人間兵器を生産し始めているという事実。

 

 CP0の女諜報員がベアトリーゼと同じく“造られた者”で、それゆえにベアトリーゼに奇妙な同族意識を抱いており、互いの立場を超越したつながりを持つようになった……という話(ロビンは昼メロのように『図々しい泥棒猫ね』と内心で毒づいた)。

 

 これらだけでも受け止めきれないほどだが、仕舞いには今も泥棒猫の依頼で動いており、大海賊“金獅子”シキと渡り合い、追手として送り込まれた化物――先日、ロッキー島を襲った怪物だ――に狙われているという。

 

 つまり、クロコダイル肝煎りの国盗り計画が仕上げに入ったこの大事な時期に、アラバスタ国内でベアトリーゼと怪物の大立ち回りが起きるかもしれない。

 

 ……ああ。ビーゼ。ビーゼ。そうだったわ。貴女は熟慮してしっかり準備して、そのうえでとんでもないことをやらかすのよね。ええ。貴女と別れてからの7年が“平穏”過ぎてすっかり失念してたわ。

 

 あ。ロビンは気づく。ベアトリーゼと怪物という不確定要素に加え、これからビビ王女が麦わらの一味を連れて帰国する。こちらもクロコダイルの企てを止めようと大暴れするだろう。

 

 自分で招いたことだが、何もかもしっちゃかめっちゃかになってしまいそうな、そんな予感がしてきた。

 まあ、一種の現実逃避だが。

 

 ロビンは混乱と困惑の極致にあった。

 鋭敏で聡明な頭脳と冷徹な理性がベアトリーゼの語った“物語”を理解したが、気持ちがまったく追いつかない。唯一心許せる親友がよりによって怨敵に等しい政府の諜報員とつながりを持っていたなんて……どう消化すれば良いか、感情が答えを出せない。

 

 同時に、世界を敵に回した考古学者達の遺児らしく、秘められた歴史に対して好奇心と探求心を強烈に刺激されている。もっと知りたいという、この獰猛な感覚は『欲』と言い換えても良いかもしれない。我ながら業が深い。

 

 ロビンは様々な感情が荒れ狂う頭を冷やすべく、氷が小さくなったグラスを額に当てた。グラスから伝わる冷気が心地良い。

 大きな深呼吸を二度繰り返し、ロビンは物憂げ顔でグラスを傾けている親友を恨みがましく睨む。

「私はどうすれば良いの? サイファー・ポールの泥棒猫に誑かされた親友を説教すべき? それとも、私の親友を誑かした泥棒猫を始末するべき? それにね。酷いわよ、ビーゼ」

 

 様々な感情を込めた大きな溜息をこぼし、ロビンはグラスを置いて続ける。

「私はね、失われた100年の謎を解くために人生を懸けてきたのよ。なのに、こんな……秘匿されてきた歴史と事実を聞かされて……どうしてくれるの。私、もっと知りたくて仕方ないわ」

 

「私、ロビンのそういうとこ大好き」

 ベアトリーゼはくすくすとアンニュイ顔で上品に笑い、カウンターに置いた黒い手帳を突く。ロビンの神秘的な麗貌を見つめた。

「どう思う?」

 

「そう、ね。まず言わせてもらうなら」

 ロビンは手を伸ばし、ベアトリーゼの頬を慈しむように撫でる。

「貴女の出自がなんであれ、私の大事な親友。この事実は決して揺らがないわ、ビーゼ」

 

 その言葉に込められた感情は強く深く……重い。

 無理もないと言えば無理もない。ロビンはオハラが壊滅する以前からずっと孤独と寂寥を抱えていた。母は自分を遠ざけ、周囲とは打ち解けられず、いつも寂しい思いをしていた。

 そして、オハラ壊滅後の過酷な逃亡生活。猜疑と不信に心が軋み歪む日々を何年も何年も過ごして、ようやく出会えたのだ。

 心から信じられる相手を。手放しで心を許せる存在を。 

 

「嬉しいよ」

 もっとも、当のベアトリーゼは照れ臭そうにはにかむだけだ。暢気であろう。

 

 釣られて表情を和らげた後、ロビンは蒸留酒で唇を湿らせた。

「精査したわけじゃないから、はっきりしたことは言えないけれど、いくつか納得がいく事柄もあったわね」

 

 オハラは、いや、クローバー博士を中心とする主流派は失われた100年の解明に血道を上げていたけれど、オハラは何も失われた100年だけを追っていたわけではない。というか、そもそもオハラの全考古学者がクローバーに追従するなどありえない。

 

 実際、失われた100年と無縁の研究や調査をしていた者も多かった。

 彼らの中には世界政府によって消されてきた非加盟国を調べていた者や、世界政府に叛旗を翻した抵抗者達について書き残した者、天竜人について研究した者も居る。ある意味で、失われた100年以上に危険な調査、研究だろう。

 

 わずか8歳でオハラの博士号を取得した才媛ロビンは、そうした非主流派の書籍や論文、資料にも目を通しており、その内容を今もはっきりと覚えている。

 ただまあ、流石にオハラに収蔵されていた膨大な書籍や論文を全て把握しているわけではないし、学者達の個人的な調査資料、研究ノートの内容までは分からないが。

 

「ビーゼが話してくれた内容……この手帳の記述だけれど、天竜人フランマリオン家の超人思想。“抗う者達”という秘密結社の暗躍。これはそうした非主流派だった人達の論文や著作で指摘されていた、疑問や謎の答えにつながるかも」

「たとえば?」

「海上軍閥ウールヴヘジンを知ってる?」

 ベアトリーゼの合いの手にロビンは反問を返す。

 

 問われた蛮姫は摘まみのナッツをカリッと齧り、回答する。

「かつて数世紀にわたって北の海で勢力を誇った海上軍閥だっけ? ウールヴヘジン討伐のために北の海の有力国が弱体化したことが、後のジェルマの台頭と暴挙を招く遠因になったらしいね」

 

「ええ。ウールヴヘジンが海軍と諸国連合軍を向こうに回して数世紀も存続できた理由は、諸説あるけれど、どれも決定打に欠いていた。でも、この秘密結社が強力に支援していたが故……ということなら、いろいろ解決するわ。他にも歴史上の謎が明らかになるかもしれない」

 ロビンは額を押さえて再び大きな、とても大きな溜息を吐いた。

「ああ……研究したい。馬鹿馬鹿しいことを放り出して、ビーゼの持ってきた情報と私の知識のすり合わせをしたい。調べたい。研究したい」

 

 ベアトリーゼが柔らかく微苦笑していると、ロビンが碧眼を向けた。

「ビーゼ。サイファー・ポールの泥棒猫は私とクロコダイルのことをどこまで掴んでるの?」

 

「泥棒猫?」ベアトリーゼは目を瞬かせつつ「ステューシーはロビンがアラバスタに居ることを把握してるけど、私との仁義を優先してる。クロコダイルの悪企みは完全にノーマーク」

 

「ロッキー島に秘密拠点(ブラックサイト)を置いてたのに?」

「あくまでサイトだよ。対アラバスタ用のネストじゃない」

 納得いかなそうな顔のロビンへ、ベアトリーゼは物憂げ顔でさらりと言い切った。

「まあ、仮にステューシーがロビンに手を出すなら、後悔してもらうだけだ」

 

 言外にロビンを何より優先する。と言われ、ロビンはどこか嬉しそうに表情を和らげ、悪戯っぽく指摘した。

「今は別の女性をエスコート中じゃなかった?」

 

「あっちも守るさ。約束と受けた仕事は完遂したいからね」

 見聞色の覇気で今もきっちり見守ってるよ、とベアトリーゼはフッと息を吐く。

「まあ、その前に鶏冠ジジイが送り込んできたバケモンを、ぶっ殺さないといけないけど」

 

「……そんなに危険なの?」

 最精鋭の海軍大将や歴戦の古参中将達と渡り合えるベアトリーゼが、警戒心を露わにする怪物。ロビンはちょっと想像がつかない。

「危険というか……鬱陶しい相手だね。すっごく邪魔臭い」

 癖の強い夜色の髪を弄りながら、ベアトリーゼは渋面を作る。

「ちょっとばかり派手な立ち回りが必要になりそう」

 

「この町ではやめて? いろいろ大変なことになるから」ロビンが溜息をこぼす。

「前向きに検討して善処を図るよ」

 官僚的答弁を返し、ベアトリーゼはグラスを傾けた。

「話が遡るけれど、どうする?」

 

 ベアトリーゼはロビンを質す。

 簡素ながら、ロビンにとっては極めて重大な質問だ。

 

 先に言った通り、ベアトリーゼは親友と恩人を秤に掛ける気はない。どちらを選べと言われたら、どちらも手に入れるために選択肢自体をひっくり返す。

 すなわち、バロックワークスそのものをぶっ潰し、自身とビビの伝手を用いて、ロビンの本命たるポーネグリフの内容を確保する。チレンというオマケが傍に引っ付いているが、あのバケモノをぶっ殺した後に“白猟”スモーカー大佐の部隊に預ければ済む。

 

 ロビンはベアトリーゼから目を背け、手元のグラスへ目線を落とす。琥珀色の酒に浸かる氷は随分と小さくなっていた。

 グラスを口に運び、一息で飲み干す。ロビンは酒精の熱を頼りに告げた。

「クロコダイルの野望にもアラバスタの命運にも興味はないわ。ただ……私も時間と労力をかけてきた以上、ネフェルタリ家が秘匿するポーネグリフを読みたい。それに……恩義は抱いてないし、借りとも思ってないけれど、クロコダイルのおかげで政府や海軍に煩わされずに済んだことも事実。相応の筋を通さないと後味が悪いわね」

 

 手を引かない。

 ロビンの決断にベアトリーゼは渋面を作りつつも、否やを訴えない。翻意を促すことも、説得を試みることもしない。ただ受け入れた。

「そっか。じゃ、仕方ないな」

 

「いいの?」ロビンが憂いを抱いた碧眼を向ける。

「ロビンに諦めるなと約束を求めたのは、私だからね。それに……ワニ公の計画が成功したとして、ロビンは“その後”に付き合う気は無いんだろ?」

「無いわね」ロビンは即答した。「彼の王国を支える女宰相なんてゴメンよ」

 

「新王のお妃様って線もあるんじゃない?」

「それこそ、お断りよ。人間不信の王の妻なんてろくな結末を迎えないもの」

 にやりと笑うベアトリーゼに微苦笑を返すロビン。

 

 くすくすと笑い合う大人の女二人。

 ロビンは小さく息を吐き、話を再開する。

「今、王女サマは少人数の海賊達と行動を共にしてるわ。リトルガーデンで倒れていなければ、彼らを連れてこの国に帰ってくるでしょうね。クロコダイルの野望を止めるために」

 

「それはまた……ビビ様らしいというかなんというか……とはいえ、私以外にもイレギュラーがあるわけか。ワニ公の対応次第じゃ愉快なことになりそうだ」

 表面上は初耳を装いつつも、ベアトリーゼは内心で『よしよし原作チャート通りに進んでるゾ。結構結構』と親指を立てる。

 

「これは決まりかな?」

「そうね」

 ベアトリーゼとロビンは互いに頷く。

 

「私はビビ様とその御家族と身近な人達を守るように動く。ロビンはバロックワークスの計画通りに動く。計画が成就した場合はロビンが、失敗した場合は私が、ポーネグリフの内容を確認して、この国から消える」

「第三のケースもあるわね。王女サマが自分の手でこの国を救う」

 

「御姫様の努力と献身が報われ、善が勝って悪が破れ、皆が笑ってハッピーエンド。美しい結末だね」

 

「たしかに。私は悪役の一人だけれど」

 ロビンはくすりと控えめな笑みをこぼし、時計を一瞥する。

「ごめんなさい、ビーゼ。もっと一緒に過ごしたいのだけど、そろそろ上がらないと不味いわ」

 

「私もそろそろ帰らないと不味いから丁度良い。それに、この騒ぎが終われば、幾らでも時間が取れるさ」

 ベアトリーゼとロビンは最後にグラスを打ち合わせた。

 

「私達もハッピーエンドを迎えられるように」

「ハッピーエンドに」

 

        〇

 

 一夜が明け、ロビンはバロックワークスの根拠地があるレインベース市に戻り、大カジノ『レインディナーズ』に出勤していた。 

 ミス・オールサンデーの仮面を被っていたが、ロビンはどこか上の空だ。

 

 昨晩、7年振りに再会した親友から、とんでもない爆弾を投げつけられたのだから、当然と言えば当然だが。

「実は結婚して子供がいる、とでも言われる方がマシだったわ……」

 ロビンは深々と溜息をこぼしつつも、小さく顔を綻ばせた。

 

 不安感と期待感が混ざり合ったこの感覚。なんとも懐かしい。

 

 ビーゼと西の海を旅していた頃も、そうだった。

 情報や道具を入念に準備し、きっちり計画を練って挑んだのに、土壇場で想定外が起きて、結局は創意工夫と臨機応変とベアトリーゼの強引さで潜り抜ける。そんなことが幾度あっただろう。

 

 危機一髪、間一髪で生き延びて、ビーゼがあっけらかんと笑い、釣られて自分も笑ってしまう。そんなことが何度もあっただろう。

 

 故郷を追われ、常に猜疑と不信を抱いて人を恐れながら、孤独に生きていた中で、ビーゼと過ごした4年間は本当に楽しくて……心救われた日々だった。

 

 そして、再会したベアトリーゼは変わらず自分を尊重してくれた。迷うことなく自分を優先してくれた。まあ、アラバスタ王女へ心を砕いているところに少しだけモニョッとしたけれど。

 

 ロビンが昨晩のことと思い出を振り返っていると、デスク上の電伝虫が鳴いた。

 秘密犯罪会社の社長様からだ。ロビンが通話器を手に取る。

 

『旧友との再会はどうだった、ミス・オールサンデー』

 猜疑が見え隠れする冷たい声が耳朶を打つ。

「おかげ様で楽しい時間を過ごせたわ。残念ながら、私へ会いに来てくれたわけじゃないみたいけれどね。今はフリーの請負人稼業をしているそうで、この国には補給に立ち寄っただけみたい。私がこの国に居ること自体、凄く驚いていたわ」

 

『ほう?』こちらを心根を覗き込むような声色。『ロッキー島の化け物騒ぎと関係は?』

「御想像通りよ。彼女が追手と交戦したの。アラバスタに寄ったのはロッキー島で追いつかれて補給できなかったから。つまり偶然よ。繰り返すけれど、私がこの国に居ることを知らなかったわ。凄く驚いてた」

『そうか』こちらをまったく信じてない声。

 

「そう心配しなくても、彼女と一緒に去ったりしないわよ。契約通り、事が終わるまでは貴方に付き合うわ」

 ロビンがからかうように言えば、王下七武海が鼻で嗤う。

『心配なんざしちゃあいねェさ。裏切るなら始末するだけだ……作戦の手配を進めろ』

 

「分かったわ、ボス」

 通話が切られる。ロビンは通話器を置き、窓辺に向かい、レインベースの街並みを見つめた。

「最後に笑うのは誰かしら」

 

       〇

 

「護衛対象をほったらかして深酒するとか、勘弁してよ」

「七年ぶりの再会だったんだ。大目に見てよ。それにほったらかしてたわけじゃない。見聞色の覇気でちゃんとカバーしてたさ」

「なら良いけど……」

 不満を露わにするチレンを宥めつつ、ベアトリーゼは甘い煮出し紅茶を口に運ぶ。

 

 港町ナノハナの船着き場にほど近いカフェテリアの店外席で、ベアトリーゼとチレンは朝食を摂っていた。

 パプリカと玉ねぎのトマトソースにチーズと卵を落とした炒め物。大きな薄焼きパン。そら豆のスープ。濃厚なミルクティー。

 薄焼きパンを千切って、炒め物を挟んでぱくり。スープに浸してぱくり。

 

 チレンは船着き場の方を窺いながら、健啖を披露するベアトリーゼに尋ねた。

「海軍の船が入港してるようだけど、あれが私の迎え?」

 

「正確には迎えになるかも、てところだね。追手の化け物を始末しないと話が進められない」

 ベアトリーゼは食事の手を止め、

「追ってきてることが分かってるんだから、待ち伏せの一択だ。この国は今、荒れに荒れていて、人がいなくなった町がいくつかあるらしい。そこなら巻き添え被害を気にせず仕掛けられる。今度こそ確実に仕留めるよ」

 悪戯っぽく微笑んだ。

「だから、今はたっぷり食べておいた方が良い」

 

「美味しいものを食べられるのは今のうち、ってことね」

 チレンが大きな慨嘆をこぼした。直後。

 

『メシ――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!』

 

 何やら少年の叫び声が聞こえ、大通りの方から湧き上がる砂埃が見えた。

「……今の、何?」

「さてね」

 怪訝そうに目を瞬かせるチレンを余所に、ベアトリーゼはくすくすと楽しげに喉を鳴らした。

 ここでの大きな物語が始まったと確信して。

 




Tips
ニコ・ロビン
原作キャラ。
 何年も何年も誰一人信じることが出来ない日々を過ごしていたところへ、自分のために命を懸けてくれる友人が出来たら、そりゃあねって。
 でも、そこで依存にまで発展しないところが、ロビンの精神的強さかな、と。

ベアトリーゼ。
オリ主。
 まあ、自分がどう動いても麦わらの一味が居りゃあ大丈夫だろ、と雑に考えている。

クロコダイル。
 原作キャラ。
 数年掛かりで進めてきた計画が土壇場でワチャワチャにされちゃう気の毒な悪党。

ザパン
 オリキャラ
 元ネタは銃夢。
 現在、再襲撃の準備中。
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