彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
右腕を失い、胸部を貫かれた巨獣の骸から流れ続ける大量の鮮血が、砂漠を赤く染めていく。
全身に血を浴びた魔女は前方抱え込み三回転半捻りの末、巨獣の屍に降り立った。
「あー……すっからかんだわ」
大技二発で体力も気力も底をついた。ベアトリーゼはその場に腰を下ろし、大きく肩で息をする。むせかえるような血の臭いはさして気にならない。それより、太陽に焼かれた砂が貼りついて熱い。
後ろ腰の雑嚢から水筒を取り出して一気飲みし、干し果物を押し固めたエナジーバーを胃袋へ詰め込むように嚥下する。消耗しきった体を回復させるには全然足りない。
深々と息を吐き、ベアトリーゼはフードのように巻いたシュマグの奥から、暗紫色の双眸をゆっくりと巡らせる。
混乱が収まらない反乱軍は当分動けない。国王軍も王と王女が揃って不在の現状では下手に動けない。
首都西方のガレ場に潜むバロックワークスの刺客達はこちらを窺っているようだが、どうやらこっちの大立ち回りを目の当たりにして腰が引けたらしい。まあ、正しい判断でもある。たとえ覇気や能力を使えないほど疲弊していても、ベアトリーゼは“あの程度”の連中なら苦も無く殺せる。
王の救出とクロコダイル討伐だが、そっちは主人公様御一行が何とかするはず。
となれば。
ベアトリーゼは西へ顔を向けた。
こちら向かって一直線に駆けてくるカルガモ軍団。
麦わらの一味と王女ビビだ。
ベアトリーゼは空になった水筒を放り捨て、億劫そうに立ち上がる。足腰に力が入らず体が傾ぎ、血を吸って赤黒くなった砂の塊が体中からばらばらと落ちた。
カルーに跨るビビを窺い、シュマグの奥で呟く。
「クライマックス前にもう一仕事、と」
〇
巨獣から流れ出た大量の血液は早くも渇き始め、鉄錆に似た悪臭を伴う蒸気を燻らせている。血で煮えた赤黒い砂を踏み越え、超カルガモ達が巨獣の骸に近づく。
小山染みた巨獣の骸の上で、全身を赤黒く染めた魔女が待っている。
たった一人で、隊列の長さが数十キロに及ぶ反乱軍を大閃光と大音響で押し留め、巨人並みに大きな異形の怪物を討伐した、恐るべき魔女の佇まいは酷く気だるげ。フードを目深に被るようにシュマグを巻いているため、
「ベアトリーゼさん」
カルーの背から魔女を見上げるビビの声は、どこか震えていた。
親しみを抱いていた“悪い魔女”が、破格の力を持つバケモノであることを、本当の意味で理解したから。ではない。
ビビが求めた通り、100万を大きく超える大軍勢を本当に押し留めてくれたからだ。“多少”手荒でも、国民同士が相討つ惨劇を土壇場で防いでくれたからだ。
魔女が恭しく誘う。
「アラバスタ王女ネフェルタリ・ビビ殿下。ここからが貴女の本当の勝負です。貴女の語る言葉が彼らの生死を分かち、この国の未来を決める」
ビビは息を呑む。
これまで国を救おうとがむしゃらに突き進んできた。民を救おうと必死に戦ってきた。苦悩する父を助けようと一心不乱に足掻いてきた。忠臣や頼もしい仲間達に支えられ、決して諦めることなく。
しかし、視界に収まらぬほどの大群衆と故郷アルバーナを目の当たりにし、国と民の命運がかかっているという重責を実感として抱き、思わず怯みかける。
と。
ナミがビビの両肩に手を置いた。
「ビビなら出来るわ」
この二つばかり年上の少女は、お金にがめつくて利害と打算にとてもシビアで、だけど、いつでも姉のように自分を思いやってくれて。
「お前の大一番だ。気張れよ」「俺がついてるぞ、ビビちゃん」
ゾロが不敵に口角を吊り上げ、サンジがニヒルな笑みを贈る。
「がつんとキメたれっ!」「頑張れ、ビビっ!」
ウソップとチョッパーが揃って握り拳を掲げて応援し、エロラクダとカルガモ達が強い頷きを寄こす。
頼もしい仲間達が揃って腕に巻いた絆の印を示した。
「―――行ってきますっ!」
怯懦を掃われ、ビビは仲間達に大きく頷く。
カルーが跳躍して巨獣の骸の上に降り立ち、ビビは愛鴨の背から降りる。その立ち居振る舞いは犯罪組織へ潜入した御転婆姫様でも、重責に怯んだ少女でもない。
4000年の歴史を持つ貴き血の系譜に相応しい、気高く勇敢な王女だった。
ビビは胸に下げた“御守り”を握りしめて頷き、告げる。
「始めましょう」
「御意。では、まずは聴衆の意識を集めましょうか」
ベアトリーゼはなけなしの体力を絞り出し、自身の声の伝播率を高めて、大音声を発した。
「喝ッ!」
その声は凪いだ水面に広がる波紋のように、首都アルバーナ一帯に伝わっていく。
「国を守らんとする防人達よ、傾聴せよっ!
国を救わんと願う烈士達よ、拝聴せよっ!
こちらにおわすはアラバスタ王国正統後継者たる王女殿下、ネフェルタリ・ビビ様であるっ!
王女殿下は国難の極みに惑う貴様らを見ておられぬと貴き御身を危険に晒し、貴様らを苛み苦しめた旱魃の“真実”を手に入れられたっ!
これより王女殿下が“真実”を語られるっ!
貴様らの知るべき“真実”を聞けっ!」
演劇染みた前口上を終え、魔女は王女へ一歩前に出るよう促し、王女の背後に立つ。そして、両腕を王女の両側に回し、悪魔の実の力を駆使する。
王女の声の伝播率を上げると同時に、周囲の大気と光を操作して巨獣の上方に、大きな王女の幻影を映し出した。
国王軍も反乱軍も避難民も、宙に描かれた少女の姿を凝視する。
水色の髪と瞳。可憐な美貌。薄汚れた砂漠装束を着こんでいても、見間違えようが無い。
ここ数年、病を経て王宮の奥で療養していると語られていた王女の登場に、誰もが戸惑いを抱く。同時に、誰もが王家尊崇と敬愛の情が篤いアラバスタ王国人として、王女の健やかな姿と佇まいに、怒りを脇において安堵と喜びの念を抱いてしまう。
「私はアラバスタ王国、国王ネフェルタリ・コブラの娘、王女ネフェルタリ・ビビ」
王女は強い信念が込められた言葉を静かに紡ぎ始める。
「この国を救うため、私の言葉に耳を傾けてください」
〇
如何なる術か王女の声が鮮明にアルバーナ近郊に広がっている。
誰の耳にも聞き取り易い発声と口調で“真実”が語り明かされていく。
三年に渡る旱魃。旱魃を機に始まった国王軍と民衆の諍い。水利を狙い撃ちにするような砂嵐。王宮で発見された大量のダンスパウダー。今朝方に起きた国王の失踪。王によるナノハナの襲撃。武器を満載した大型貨物船の座礁。
全てが、バロックワークスと呼ばれる秘密犯罪会社による陰謀であると。
遠くからも目に出来る王女の幻影が分厚いファイルを開き、告発を続ける。
ガレ場に潜むバロックワークスの刺客達は、為す術がない。
王女の周囲は海賊共が守りを固めているし、モノノケ女が傍に控えている。襲撃を掛けても成功の見込みは薄い。それどころか、王女の言葉を裏付けるだけだ。
つい数時間前まで国盗りを成したと嗤っていたというのに、今や追い詰められている。
刻一刻と悪化していく状況を前に、彼らは出来ることが何もなかった。
王女が淡々と証拠を上げていく。
バロックワークスが数々の犯罪行為で調達した資金で大量のダンスパウダーを入手した記録を。ダンスパウダーを使用した日時の記録を。バロックワークスの工作員が王国当局や市井で擾乱行為を行った記録を。作戦で利用する王国政府や市井要人の買収記録を。陰謀行為を偶然目にしてしまった者や作戦遂行上の邪魔になる者達の暗殺命令を。
国王を誘拐した能力者達のことを。国王に扮してナノハナを襲った能力者達のことを。大型貨物船を座礁させて反乱軍へ武器を与えた能力者達のことを。
そして、王女は告げる。
アラバスタ王国を傷つけ、王家を貶め、民衆を苦しめ、この国難を引き起こした本当の“敵”の名を。
「全ての陰謀を企てた黒幕。国と人々を苦しめたバロックワークスの首魁。この国から雨を奪い、この争いを引き起こした元凶っ!! その名はクロコダイルッ! 王下七武海“サー”・クロコダイルッ!!」
「ククク……」
王下七武海“サー”・クロコダイルは、堪えきれず笑いだす。
もはや怒りを通り越して清々しい気分だった。
5年の歳月と莫大な金と多くの人手を費やしてきた計画が、本当に完了直前で全て台無しにされた。
惰弱な王女と取るに足らぬ小物海賊団と、首を突っ込んできた野良犬によって。
「クハハハッ!」
それは自棄になった捨て鉢の笑いではない。
冷酷非道な捕食者が獲物を食い殺すと決めた嗤い声だ。
海賊が海賊らしく暴力で奪い取ると決めた嗤い声だ。
国王軍も反乱軍も避難民も動揺を隠せない。
5年に渡ってこの国を海賊などから守ってきた“英雄”が、実はこの国や自分達を苦しめてきた元凶であり、この内戦を引き起こした黒幕だと聞かされても、受け止められない。如何に王女が具体的な証拠を語っても、信じきれない。
特に、反乱軍の動揺と狼狽は酷かった。なにせ彼らは完全に踊らされ、大人達の説得と制止を無視し、信じるべき王へ剣を向けてしまったのだから。
意気消沈。茫然自失。
しかし、それも王女が名前を挙げていくまでだった。
バロックワークスの工作員達の名前を。
王国軍も反乱軍も名を上げられた者へ目を向け、じりじりと滲み寄り―
その者が逃げ出したり、得物に手を伸ばした瞬間。餓えた狼のように襲い掛かった。
「逃がすなっ! 捕まえろっ!」「この裏切り者が――っ!!」「何をしても構わんっ! 今すぐ仲間を吐かせろっ!」「俺の息子は旱魃で死んだっ! 報いを味わわせてやるッ!」「俺の故郷は砂に呑まれたっ! 楽に死ねッと思うなよ、テメーっ!!」
怒り狂った国王軍や反乱軍の兵士達が名指しされた裏切り者へ慈悲も容赦もなく、暴力を叩きつける。それは凄惨極まる報復と復讐であり、圧倒的大勢による無勢の駆逐掃討だった。
かくて王下七武海の企てた計画は完全に水泡へ帰す。
だが……
クロコダイルの国盗りはまだ終わっていない。
〇
不意に、嘲りの響きを持つ拍手が奏でられ、王女の言葉が止まった。
ビビが驚いて振り返れば。
「クロコダイル……っ!」
黒髪を撫でつけた精悍な大海賊が、右手と義手で器用に拍手を続ける。
「やってくれたな、ミス・ウェンズデー。おかげで全部ご破算だ」
大国を翻弄し続けた悪漢は、どこか他人事のように語る。麦わらの一味達が戦う構えを見せても、視界に入れもせずに葉巻を燻らせた。
「まったく……最後の最後でこんなどんでん返しが起きるとはな……」
奇妙なほど淡々と語り、クロコダイルが紫煙交じりの深い嘆息を吐く。
「そんな……あいつがここにいるならルフィは――」
口元に手を当てて驚愕するナミを一瞥し、クロコダイルは今気づいたと言いたげに鼻息をつく。
「ぁあ……テメェらは麦わらの手下だったな。テメェらの船長ならレインベースでぶち殺した。この俺が手ずからな」
「―――そんなの」信じない、とナミは続けられない。だって現にクロコダイルがここにいて、ルフィがいつまで経ってもやってこない。
ゾロが刀を抜き、サンジが煙草を強く踏み消した。ウソップがパチンコを構え、チョッパーが人獣姿で拳を握り固める。
野郎共は戦意と闘志で語っていた。
テメーをぶっ潰す。と。
「船長が船長なら手下共も手下共だな」
疎まし気にクロコダイルがぼやいた。刹那。
「クロコダイルゥッ!!」
憤怒に染まり切った怒号が轟き、殺気立った叛徒達が姿を見せる。その先頭には力がこもり過ぎて切っ先を震えさせているコーザが居た。
「貴様が……貴様がこの国の雨を奪ったのかっ!!」
「やぁ、コーザ君」
クロコダイルは悪意をたっぷり込めて冷笑する。
「君は実に良い“協力者”だった。いつも俺が期待する以上に踊ってくれた。穴掘りに狂った親父共々、よく嗤わせてくれたぜ」
「―――ッ!」
コーザはただ殺意のままにクロコダイルへ襲い掛かる。ゾロとサンジの制止も、ビビの悲鳴染みた呼びかけも届かない。この瞬間、コーザはもう国とか水とかどうでも良かった。コイツを殺す以外はどうでも良いし、どうなっても良かった。コイツをぶっ殺して、一番深くて最悪の地獄に叩き落としたい。その一念に染まり満ちていた。
「本当によく嗤わせやがる」
クロコダイルは避ける素振りも見せなかった。コーザの刃を身に浴びるも、砂と化してあっさりと受け流す。そして、左の義手でコーザの胸を深々と貫いた。
ビビの悲鳴が上がり、麦わらの一味と反乱軍の兵士達が怒声を発する。
「俺が怒ってないと思うか? お前ら虫けら共に全てを台無しにされて。とっくにハラワタが煮えくり返ってんだ、こっちぁ……っ!」
吐血するコーザを投げ捨て、クロコダイルはベアトリーゼを睨み据えた。双眸が憤怒に燃え上がっている。
「特にテメェだ。野良犬……っ! 舐めた真似し腐りやがってっ!!」
「だったら?」
今まで黙って様子を見守っていたベアトリーゼが、場違い極まるアンニュイな調子で嗤い、ふっと暗紫色の双眸を冷たくし、
「たとえ体力がすっからかんでも、テメーみたいな能力頼りのロギア野郎、相手じゃねーよ」
左腕のダマスカスブレードを漆黒に染める。
「覇気か。くだらねェ」
クロコダイルは葉巻を足元へ落とし、上等なブーツで踏み潰す。
「覇気なんざ所詮は小手先芸だ。殴り合い頼りのアホ共が重宝してるに過ぎねェ。それに、テメーは何か勘違いしてねェか?」
自然系悪魔の実スナスナの実の能力者はにたりと冷笑し、
「ロギア系能力の本質は、自然現象や自然物に変化することや攻防の技にすることじゃねえ」
右手を地面に押し付けた。
「自然現象や環境そのものを支配し、恣に扱う。これこそロギアの真価だ……っ!」
瞬間、クロコダイルを中心に砂漠がほとんど垂直に隆起した。巨獣の骸を薙ぎ払い、ベアトリーゼやビビ、麦わら一味に反乱軍の将兵達が凄まじい勢いで隆起していく砂山から転げ落ちていく。
瞬く間に全高100メートルを優に超える砂の巨塔が生じた、刹那。
「
巨塔が崩落し、数十億トンに達する莫大な砂が轟音と共にアルバーナ前面へ降り注ぐ。
天を覆い尽くす砂の大瀑布を前に、反乱軍はたちまち恐慌状態に陥り、重傷を負ったコーザを保護した叛徒達も右往左往。
「ぎゃあああああ死ぬぅうううううっ!!」
「うわぁああああ助けてえええええっ!!」
ウソップとチョッパーは阿鼻叫喚。
ゾロは両手の刀を握りしめた。この砂の大洪水を切り払う力があれば、と自分の非力さに憤慨する。
サンジは歯噛みして唸る。この砂の大津波を蹴り払う力があれば、と自身の無力さに腹が立つ。
「このままじゃ、皆がっ!」
圧倒的危機の最中にあってもなお、ビビは自身より仲間と民の安危を想う。
そんなビビを抱き支えるナミが叫んだ。
「ベアトリーゼッ!!」
水を向けられたベアトリーゼが、シュマグの奥で微苦笑を返す。
「私、もう体力も気力もすっからかんなんだけど」
「やらなきゃ皆死んじゃうのよっ! やんなさいっ!!」橙色の双眸を吊り上げて吠えるナミ。
「ベアトリーゼさんっ! お願いっ! 皆を助けてっ!!」水色の瞳を潤ませて縋るビビ。
「仕方ないなぁ」
ベアトリーゼは空を覆い尽くす砂の大瀑布を見上げて笑い、
「正真正銘これが最後だ。後は君らで何とかしなさいな」
体力気力を絞り捻りだし、能力を発動させる。
「――おい、本当に何とかなるのかっ!?」
「何とかするしかないのよっ!!」
数十億トンの砂が奏でる轟音に負けじと怒鳴るゾロへ、ナミが噛みつくように怒鳴り返す。
「今、大気は強く不安定化してるっ! それこそ”嵐”が起きる前みたくっ! だから、ベアトリーゼがきっかけを与えさえすれば――」
天性の気象読みナミの言葉を遮るように、“それ”は生じる。
ベアトリーゼによってきっかけを与えられた磁気と静電気が瞬く間に収斂し、誘導された暑気と反乱軍100万余の熱気が収束し――
ずっどぉおおおおおおおおおんんんんっ!!
〇
全てを呑み込み、押し潰すはずだった。
誰一人生き残れないはずだった。
だが、数十億トンの砂の大瀑布は爆発的な帯電乱気流によって、跡形もなく吹き飛ばされた。
空高く巻き上げられた大量の砂塵がアルバーナ周辺の空を覆い、宙を舞う莫大な砂埃が濃霧のように首都一帯を包んでいる。
「野良犬がぁ……っ!」
黄昏時のような仄暗い薄闇の中、クロコダイルは額に青筋を浮かべていた。
首魁が披露した強大無比な異能と凄まじい憤怒振りに、合流したバロックワークス上級幹部の面々が密やかに恐れ慄く。が、
「だからビーゼは私が対処すると言ったのよ」
ロビンは口元をハンカチで押さえながら微苦笑をこぼしていた。
「――黙れ。ミス・オールサンデー」と殺気を隠さないクロコダイル。
「私に当たらないで」ロビンはいなすように肩を小さく竦める。「まあ、ビーゼはもう放っておいて大丈夫。今頃は能力の酷使で目を回してるわ」
本当に? と言いたげに幹部達が振り返り、ビビ達が居るであろう辺りを窺う。
クロコダイルは苛立たしげに舌打ちし、
「俺は王宮を制圧に向かう。ミス・オールサンデー。国王を王宮に連れてこい。アレの在処について尋問する」
ロビンに命じ、他の幹部達を見回した。
「あの野良犬とビビを始末してこい」
「待って」ロビンは横から口を挟む。「御姫様は攫ってはどう? 王様を”説得”し易くなると思うの」
クロコダイルはロビンを睨み据え、小さく首肯した。
「……良いだろう。行け」
上級幹部達は弾かれたように駆け出した。
が、ロビンは変わらぬ調子で歩いていく。まるでそう急ぐ必要はないと言いたげに。
不快そうに鼻を鳴らし、クロコダイルは自身も王宮へ向かって歩き始める。
魔人の野望はまだ終わっていなかった。
Tips
ビビ
原作では最後の最後まで叶わなかった”説得”に成功。
結果として、国王軍と反乱軍による凄惨なバロックワークス狩りが勃発するが、流石に連中の安危は気にしない。
クロコダイル
怒りが一周して冷静になっちゃった。
本作では、覇気が使えないのではなく、覇気を使わないスタイルということにした。
まあ、覇気が使えないウソップやナミも”新世界”の強敵を倒してるし。
砂巨塔-崩壊
オリ技。大量の砂を隆起させてから崩落させ、効力圏内を圧殺する大質量攻撃。
コーザ
ものの見事に踊らされまくった人。そりゃ怒る。
ベアトリーゼ
ワニを煽り、危うく大惨事を招くところだった。
そういうとこやぞ。