彼女が麦わらの一味に加わるまでの話   作:スカイロブスター

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佐藤東沙さん、金木犀さん、烏瑠さん、NoSTRa!さん、誤字報告ありがとうございます。


121:感動シーンの裏側で。B面

 ベアトリーゼとロビンの行動は、ルフィが王宮で爆睡している間に進められていた。

 

 まずベアトリーゼがレインベースに赴き、ロビンの逃走用キットを始めとする荷物を回収。

 この時、司直の手を逃れようとするバロックワークスの下っ端グループを見つけたので、強盗働き。案の定、組織の金を持ち逃げしようとしていた。

 診療所へ戻る道すがら、首都に立ち寄ってアラワサゴ紛争の難民達が保護された施設に寄付と贈り物をした。出来る女はアフターケアの機会を逃さない。

 

 でもって、ルフィが目覚める日の午前中。

「麦わらの船に密航しろ、ですって?」

 砂漠の診療所の病室。ロビンはベッド脇で着替えを進めながら片眉を上げた。

「どういうこと?」

 

 ベアトリーゼはサイドボードの傍らに座り、ナイフでマンゴーの皮を剥きながら説明を始める。

「バロックワークスにオカマが居たじゃん? マネマネの実の」

 

「ボン・クレーね。まだ逮捕されてないの?」

 ロビンの問いに首肯を返し、ベアトリーゼは皮を剥いたマンゴーを切り分け、皿の上に並べていく。

「あいつ、部下を連れて島を脱出しようとしたんだけど、海軍の封鎖で立ち往生してるみたい。麦わら一味の船を回収して、サンドラ大河を昇ったから、多分麦わら一味と一緒に封鎖を破る気だ。ロビンはこの麦わらの船に密航して、アラバスタを脱出してよ」

 

「ビーゼはどうするの? まさか」

 マーケットでの別れを思い出し、ロビンが顔を強張らせると、

 

「囮役なんかしないよ。トビウオライダーを回収次第、ロビンが乗った麦わらの船へ合流するよ。潜水服は一着しかないから、ロビンを乗せられないってだけ」

 ベアトリーゼは親友の早合点に微苦笑を返す。デニムのポケットから子電伝虫を取り出し、サイドボードの上に置いた。

「この電伝虫を持ってて。私のトビウオライダーは念波を追跡して追いかけられるし、連絡も取り合える」

 

「……分かった」

 どこか不安そうにしながらも、ロビンは子電伝虫を受け取る。

 

 そんなロビンの胸中を察しているのかしていないのか。ベアトリーゼは切り分けたマンゴーを摘まみ、果肉の甘みに口端を和ませつつ、あっけらかんと言った。

「ロビンはそのまま麦わらの一味に参加しても良いかも」

 

「え?」

 予期せぬ提案に碧眼を瞬かせるロビン。

 

「心惹かれたでしょ?」ベアトリーゼはメスを振るうように「あれだけ仲間を大事にする一味。あの子達はビビ様のために命を張った。仲間と認めて貰えたなら、ロビンのためにも命を張ってくれるかもしれない」

 

 ロビンは思わず返答に詰まる。

 

 心から信じられる仲間。それは『失われた100年』と並ぶ、ロビンが求めてやまないものだ。

 今は亡き大きな親友サウロが告げた『いつか必ず仲間に出会える』という言葉が、色褪せることなくロビンの心に残っているから。

 

 麦わらの一味を……仲間のために平然と命を懸ける麦わらのルフィや彼の仲間達を見た時、かつて自分を守るために一人で海軍へ挑んだベアトリーゼの姿を強く思い出した。

 

 紐帯で結ばれた彼らに羨望を抱いた。全員が強い信頼で固く結束した在り方に憧憬を覚えた。

 彼らなら、サウロの告げたような“仲間”になれるかもしれない。彼らなら、ベアトリーゼと築いたような関係になれるかもしれない。そんな期待を抱いた。

 

「……否定はしないわ。彼らの在り方は美しいし、面白い子達だし……船長は“D”だもの」

 確かに麦わらの一味に惹かれている。でも彼らの輪に加わるにしても……

「もしも、よ? 私があの子達の仲間に加わったら、ビーゼも加わるのよね?」

 親友が共に、という絶対条件があってこそ。

 

「んー……どうかな」

 が、当人はどこか投げやりに応じる。

「ほら。あの子達って善人じゃん? 私みたいなワルはちょっとお呼びじゃなくない?」

 

「ビーゼが加わらないなら、私も入らない」

 ほとんど条件反射みたいな速度で、ロビンは言った。やっと再会できた親友と別れてまで、新たな仲間なんて欲しくない。

 

 その回答はベアトリーゼを内心で物凄く困らせていたが、ロビンが気づくわけもなく。

「まぁ……その辺りは先方の意向もあるし、今は脇に置いて、高飛びの話に戻ろうか」

 

 ベアトリーゼは問題を先送りした。

 怪我の影響でメンタルが不安定気味なのかも、と感じたし、メリー号に放り込んじまえば上手くいくだろ、程度の雑な考えがあった。

 いつも通りである。

 

 ともかく、ベアトリーゼは高飛びの段取りを話し始める。マンゴーを摘まみながら。

「まずは……ロビンをサンドラ大河の麦わらの船へ密航させる。それから私は東海岸の港町に居る海軍部隊のところへ出向いて、荷物とトビウオライダーを回収。海軍の封鎖を突破後、海上で合流する」

 

 自信たっぷりね……。ロビンは何とも言えない面持ちで、まじまじと親友のアンニュイ顔を見つめる。何かやらかしそう。

「……不安になってきたわ」

 

「大丈夫だって。上手くいくよ」

 にんまりと笑いながらマンゴーを摘まむベアトリーゼに、ロビンは神秘的な美貌を大きく大きく曇らせた。

「増々不安になってきたわ……」

 

        ○

 

 というわけで。

 やってきました、港町タマリスク。

 

 住民達が放送機材の前で、立志式の始まりを今か今かと待つ昼前。

 ベアトリーゼは港へ向かって進んでいく。

 

 港には海軍の船が一隻だけ停泊していた。どうやら“黒檻”ヒナ大佐の戦隊は既に封鎖作戦の準備に出たようだ。スモーカーの船が残っていた理由は乗員――海兵達のほとんどが骨折という重傷を負った負傷兵達だから。気象変化が激しいグランドライン内で、操船要員が全滅状態では動きようがない。

 

 海軍船に近づき、ベアトリーゼは不可聴域催眠音波を展開。人間と異なる可聴域を持つ犬猫や鳥達が仰天して一斉に逃げ出していく。

 船外に居た者達が次々と催眠音波の餌食となった。幻聴幻覚に囚われる者。茫然自失状態に陥る者。極度の鬱を発症してうずくまる者。金縛りに罹って身動きが取れない者。

 

 ベアトリーゼはタラップを昇って乗船。

 催眠音波を切って、甲板から艦橋へ向かって声を張った。

「こーんにちはー。スモーカーさんとチレンさんはいますかー?」

 

 すぐさま大型十手を握りしめた憤怒顔のスモーカーが現れた。強面に加えて青筋を浮かべる様は子供が見たら泣きだしそう。

「イカレてんのか、テメェ」

 

「イカレてるのよ」

 続いて現れたるは亜麻色髪の美女チレン女史。仰々しいほど仏頂面だ。

 

 右腕にギプスをした眼鏡っ子曹長たしぎも姿を見せる。あまりの困惑振りに、いがらしみきお作品のシマリスみたいな面持ちになっていた。

「貴女、正気ですか……?」

 

 全員から異常者のお墨付きを貰ったベアトリーゼは、男前な顔で答える。

「立ち話はなんだから、士官食堂辺りに案内してくれない? 飲み物は珈琲ね」

 

「――――――」

 この日、スモーカーは自分の自制心が思っていたより強いことを発見した。

 

 

 で。

 

 

 士官食堂のテーブルに、たしぎが4人分の珈琲が用意する。

 しれっと自分の分も用意して同席する気満々のたしぎをぎろりと睨み、スモーカーは早くもカップを口につけているベアトリーゼへ詰問する。

「テメェはニコ・ロビンを連れて、とっくに島を出てると思ったぜ。いったい何しに来やがった?」

 

 が。小麦肌の美女は出された珈琲に気を取られていた。

「わ。すっごく美味しい。官給の珈琲は苦い泥水ってのが通り相場なんだけど。ひょっとしてお姉さんの私物?」

 

 突然水を向けられ、たしぎは相手が凶悪犯であることを忘れて素直に答える。

「あ、はい。この街で良い豆が手に入ったので」

「和んでんじゃねえぞ、たしぎっ!!」スモーカーが眉目を吊り上げた。

 エクトプラズムのように紫煙を吐くチレン。

 

「用件は二つ」

 ベアトリーゼはカップを置き、続けた。

「君らが押収した私の私物の奪回。荷物とトビウオライダーを返してもらう。断るなら力づくで取り返すつもり」

 

 ピキッと青筋を走らせるスモーカーと緊張するたしぎ。そんな2人を無視して、ベアトリーゼは二つ目の用件を告げる。

「それと。そこのチレン女史に聞きたいことがあったから」

 

「私?」怪訝そうに眉をひそめるチレン。

「鶏冠ジジイの情報を頂戴。奴のいる浮遊島メルヴィユの大まかな位置。島内の地理。内部施設。特にピロピロ嗤うクソヤローがいる施設のネタね」

「え?」想像よりヤバい要求に戸惑うチレン「ちょっと。どういうこと? なんでそんな情報が必要なの?」

 

「簡単に言うと」ベアトリーゼは暗紫色の双眸を肉食獣のように鋭くし「あの鶏冠ジジイをぶっ潰してやろうと思ってさ」

 

「「「は?」」」

 海軍大佐と海軍曹長と科学者が完璧なシンクロで呆けた声を上げる。

 

 その様子に思わず苦笑しつつ、ベアトリーゼは追補を話す。

「やる時は私の単騎駆けじゃないよ。スパイの“お友達”も一緒だと思う」

 

「例のCP0か」

 スモーカーは苦りきった顔を浮かべた。

 

 レインベースから同期のヒナに協力を求めるべく沿岸付近を移動していたところ、ツギハギのトビウオライダーに乗ったチレンがやってきて、保護を求めてきたのだ。

 

 最初はアラバスタの難民か海賊被害者かと思ったのだが……金獅子のシキから脱走してきたことや政府筋の秘密作戦として凶悪犯:血浴のベアトリーゼに護送されてきた等々の事情を聞かされ、とんでもない厄ネタを拾ったと溜息をこぼした。

 

 が。甘かった。身分証明としてCP0エージェントへ直通の秘匿回線まで披露され、しかも件のCP0エージェントから『万難を排して本部へ護送するように』と命令されてしまい、もはや溜息も出なかった。

 

 トドメに。ニコ・ロビンに部下達を壊されてしまい、身動きとれないところに、これだ。

 スモーカーは灰皿に葉巻の灰を落とし、

「……解せねェな。凶悪犯のテメェがCP0とこそこそつるんでることは、まぁいい。諜報屋が犯罪者やゴロツキを使うのは珍しくねェし、そもそも政府が海賊を飼ってるしな。シキを狙うのも構わねェ。海のクズ共が潰し合う分には万々歳だ。だがな」

 ベアトリーゼを睨み据える。

「なぜ、このタイミングだ。何を企んでやがる」

 

「知りたがりは長生き出来ないよ、大佐」

 射るような眼光に晒されても、ベアトリーゼはしれっとしたままだ。戦闘能力の差を考えれば、当然かもしれない。

 しかし、スモーカーは微塵も臆さず踏み込んでいく。

「余計なお世話だ。さっさと答えろ」

 

 珈琲を口に運んだ後、ベアトリーゼは切り返す。

「交換条件。素直に荷物とトビウオライダーを返してくれるなら」

 

「良いだろう。持ってけ」スモーカーは即断即答。

「スモーカーさんっ!? 重要証拠をそんな簡単に――」

 たしぎが思わず目を剥くも、スモーカーはひと睨みして黙らせた。チレンが溜息をたっぷり混ぜた紫煙を吐く。

 

 取引成立だ。とベアトリーゼは頷き、話し始める。

「これは予定だけど……私は近いうちに空島へ行く。その際、空島経由でメルヴィユへ行けるかもしれない」

 

「え」たしぎは目を瞬かせ「空島は御伽噺じゃ」

「……空島はあるわ。(ダイアル)を知ってるでしょう? あれの出所よ」

 チレンが自身とスモーカーの紫煙が漂う天井辺りを見つめながら説明する。

「空島へ行く手段が恐ろしく危険なの。だから、地上と空島の交流は非常に限られている。空島の存在が御伽噺と言われるほどにね」

 

「疑問が増えたぞ、血浴。テメェ、空島へ何しに行く気だ?」

「今、チレンが言った(ダイアル)の調達だよ。トビウオライダーを弄り直したいんだ。ベースをエッグヘッド由来の人造生体部品から貝にするつもり。ついでにシキをぶっ殺そうってわけ」

 

 噓は言ってない。空島に行ったら貝を買えるだけ調達するつもりだ。ただし、どうやって行くか、“誰と”行くかを言わないだけ。

 

 ついで、で大海賊に挑むと宣う女に、スモーカーとたしぎは狂人を見るような目を向ける。チレンは遠い目をしながら珈琲を飲んだ。

 そんな三人の反応を無視し、ベアトリーゼは言った。

「というわけだから、メルヴィユの情報をくださいな」

 

「ダメだ」

 スモーカーは堂々と拒否した。

「コイツの情報は軍と政府の管理下だ。テメェの都合で渡せるもんじゃねェ。欲しけりゃCP0の担当を通せ」

「えっ!?」たしぎが驚愕し「スモーカーさんが手続きを求めるなんて」

「要らねェこと言うな、たしぎ……っ!」

 イラッとしつつ、スモーカーはベアトリーゼを睥睨する。険しい目つきが譲歩も妥協もしない、と雄弁に語っている。

 

「分かったよ。トビウオライダーと荷物だけで我慢しとく。揉めてまで欲しい情報でもないからね。ここで退散するよ」

 降参するように手を挙げて交渉を打ち切り、ベアトリーゼは珈琲を飲み干して腰を上げた。

 

「ああ。そうだ、スモーカー大佐。たしぎ曹長」

 ドアへ向かう足を不意に止め、ベアトリーゼは大佐と曹長を順に窺い、からかうように言った。

「受勲と昇進、おめでとう」

 

 “白猟”本部大佐は額に青筋を浮かべ、副官の曹長に命じた。

「たしぎ、荷物とトビウオを渡してさっさと追い出せ!」

 

      ○

 

 かくて、ベアトリーゼは荷物とトビウオライダーを大過なく取り返した。

 なお、軍艦の甲板上でたしぎと兵士達に監視されながら、ベアトリーゼは荷物の確認を済ませ、その場で潜水服に着替えようと服を脱ぎ出し、たしぎと海兵達を慌てさせる。

「!? ちょ、なんで服を脱ぎ始めるんですかっ!?」

 

「潜水服に着替えなきゃ、トビウオライダーに乗って出ていけないじゃん」

 共感羞恥で顔を紅くするたしぎに構わず、ベアトリーゼはスポブラ&スポーツショーツ姿になっていく。

 

 忘れがちだが、ベアトリーゼは美女である。

 アンニュイな面差し。身長180センチのすらりとした長身。小癪な胸と生意気なお尻。引き締まった腰回り。瑞々しい小麦肌。しなやかな健康美とたおやかな艶美。

 そんな美女が突然ストリップを始めりゃ、男ならガン見せずにいられない。

 

 もっとも、邪な視線を一身に浴びる当人は、犬猫に見られている程度の感覚だが。

 顔を真っ赤にしたたしぎは、ベアトリーゼへ宇宙人を見るような目を向ける。

「だからって、だからって……こんな衆人環視の中で脱がなくても……」

 

「ん? 言われてみりゃそうか。おい、人の裸をタダ見してんじゃねーぞっ! 見物料出せっ!」

 ベアトリーゼは周囲の兵士達へ声を張ると、たしぎが眉目を吊り上げて出来の悪い後輩を叱るように吠えた。

「違う! 違いますっ! 私が言いたいことはそうじゃありませんっ!!」

 

 そんなこんながあった後、ベアトリーゼは適当な岸の陰に身を潜め、スケッチブックに絵を描きながら待つ。

 太陽が南の空を過ぎた頃、町の拡声器から王女の声が聞こえてきた。

 同時に海上から戦闘騒音も届いてくる。

 ベアトリーゼは見聞色の覇気を展開する。

 

 そして。

 見た。

 

 大きな物語の一つの章が美しい終わりを迎える様を。

 

      ○

 

「「「「さみしー……」」」」

 海軍の追跡を振り切り、アラバスタ海域を脱した麦わらの一味は、寂寥感に打ちのめされていた。

 副船長を除いた全員が、後船楼のポーチの手すりに並んでメソメソとベソを掻いている。

 

「いつまでメソメソしてんだ。そんなに別れたくなきゃあ力づくで連れてくりゃあよかったじゃねえか」

 ゾロが鬱陶しそうに苦言を呈せば。

 

「うわぁ……野蛮人」トナカイがドン引きし。

「最低……っ!」蜜柑色のショートヘア娘が抗議し。

「マリモ……」金髪グル眉少年が悪態を吐き。

「三刀流……」麦わら小僧がズレたことを言い。

「おい。そりゃ悪口になってねえよ」長っ鼻が思わずツッコミを入れる。

 

「分かった。分かったよ。好きなだけ泣いてろ」

 ゾロが匙を投げた。直後。がちゃりと後船楼の出入り口が開く。

 船員はこの場に全員揃っているのに。

 

 え? と全員が目を点にして混乱しているところへ、密航者が陽光を浴びて眩し気に目を細めた。

「やっと落ち着いたわね。御苦労さま」

 

 肩口まで伸びた艶やかな黒髪。碧玉のような青い瞳。繊細な造作の美貌。180センチ台のすらりとした長身と長い手足。はっきりと主張する胸元と臀部。絞られた腰回り。シンプルな服装が素の美しさを艶めかしいほど表現している。

「日差しが強いわね。サングラスも用意しておけばよかったかしら」

 ニコ・ロビンは柔らかく微笑んだ。

 

 ええええええええええええええええええええっ!!?

 麦わらの一味は混乱しているっ!

 

「に、ニコ・ロビン!? なんでっ!?」動揺するナミ。

「組織の報復か? 受けて立つぜ」腰の刀に手を伸ばすゾロ。

「いつぞやの美しい御姉様ッ!」サンジは色ボケし。

「敵襲じゃあっ! 出合え出合えっ!」ウソップは錯乱し。

 唯一ニコ・ロビンと会ったことがないチョッパーは周りにつられて驚くも、ふと気づく。

「? 誰だ?」

 

 我に返ったナミが噛みつくように睨む。恩人(ベアトリーゼ)の親友でも、ナミには仲間(ビビ)の敵だった相手だ。気遣いなんてしない。

「あんた、どういうつもりよっ!」

 

 ロビンは勝手を知っているらしく、物置の扉を開けて折り畳み椅子を用意し、腰を下ろす。

「そうね。簡単に言うと」

「言うと?」

 困惑顔のルフィが鸚鵡返しして問い返す。

 

 ロビンはくすりと小さく微笑んで、言った。

「しばらくこの船に置いて」

 

 ええええええええええええええええええええっ!!?

 麦わらの一味は混乱しているっ!!

 

 




Tips
ロビン。
 友達の少ない女子中学生が引っ越しすることなり、仲良しと別れたくないと駄々を捏ねている心理に近いかもしれない。

スモーカー。
 チレンと遭遇やステューシーと通話などのシーンは文字量の都合からカット。
 なお、前者はヒナから『戦場でナンパとは、スモーカーくんも変わったわね』とからかわれた模様。

たしぎ。
 国王軍と反乱軍の激突が回避されたため、大きな見せ場は無し。気の毒。

チレン。
 本来はザパンに殺される予定だった……のだけれど、どういうわけか作者の手を逃れて生き延びた。

ベアトリーゼ。
 ロビンの麦わらの一味入りが思うより難しそうで、『なんで?』と首を傾げてる。
 お前が理由やぞ。



本年の御笑読ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
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