彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
佐藤東沙さん、nullpointさん、金木犀さん、しゅうこつさん、NosTRa!さん、hmzさん、誤字報告ありがとうございます。
「デタラメにも程があるぜ……」
海面を眺めながら、ウソップはしみじみと呟いた。
「空から落ちてくる巨大ガレオン船。夢の空島。サルベージの猿軍団。突然の夜と超大怪物。流石に盛りだくさん過ぎるだろ。どうなってんだ、今日は」
空から200年前の超巨大ガレオン船が降ってきて。
ログポースの指針を空島に奪われて。
沈んだガレオン船から情報を得るべく決死の潜水調査をすれば、どこからともなくサルベージの猿軍団がやってきて。
気づけばちょっとした島ほどある超巨大ウミガメに丸呑みされかけて。
トドメに突然の夜と巨人の何十倍もデカい怪物の影。
泡を食って逃げ出して、なぜかメリー号に乗り込んでいたゴリラを蹴り出し、今に至る。
なんとまあ盛り沢山な一日だ。
ウソップの隣で、チョッパーがくたびれたようにへたり込む。
「俺、驚きすぎて疲れたよ……」
チョッパーは目線を動かし、呆れと感心を込めて呟く。
「ナミは元気だなぁ……」
船医が指摘した通り、ナミは野郎三人と女野蛮人が海底のガレオン船から持ち帰ってきた品々を確認し、元気な叱声を張っていた。
「手掛かりを探してこいって言ったのに、ガラクタばっかりじゃないっ! サビた剣にひん曲がった燭台、崩れかけの食器、それに……蛸? 蛸っ!!」
食器の上でうねうねと蠢く蛸に苛立ちを刺激され、ナミは一層ぷんすかぷんすか。
「ナミさん♥ 綺麗な貝殻もあるよ?」
空気を読まずにサンジが桃色の美しい貝殻を捧げるも、ナミは怒声で一蹴。
「いらんわっ!! 航海日誌とか海図とか、そーいうのを持ってきなさいよっ!」
「そうは言うけどな。マジで何もなかったんだ」
ゾロが緑の短髪を掻きながら宥め、ベアトリーゼが夜色の髪を弄りながら続ける。
「潜る前にも言ったけど、船のあちこちに戦闘と略奪の跡があった。価値のあるものはとっくに持ち去られたんだろうね。“上”でさ」
ベアトリーゼが指差した空を見上げ、ナミは柔らかな唇をへの字に曲げた後、先ほどからうろちょろしている甲冑男をぎろりと睨む。
「……ルフィ。あんた、さっきから何やってんの」
「鎧拾ったから着てみた」
似合うか? と言いたげなルフィ。
ナミの苛立ちが沸点を越え、衝撃のファースト・ブリットが走った。
殴り砕かれた鎧と共に甲板に転がるルフィ。ナミのハードパンチャーぶりに驚愕するゾロ。サンジはナミが貝殻を受け取らなかったことを照れ隠しだと語り、ウソップから『前向き過ぎるだろ』と呆れられている。
ぷんすかぷんすかしながら、ナミは気を落ち着けるために蜜柑の木を弄るべく、後甲板へ。
「まったくどいつもこいつも……っ!」
「どうぞ、航海士さん」
階段に座っていたロビンがエターナルポースを差し出した。
「! これ、どうしたのっ!?」
驚くナミに、ロビンが柔らかく微笑む。
「さっきのおサルさん達の船からね。一応」
ナミは橙色の瞳を潤ませて「ありがとうありがとう……っ!」
「……苦労してるのね」ナミの過剰反応に色々察したロビン。
「ジャヤって書いてあるわ」
エターナルポースに刻まれたラベルを確認して呟くナミ。
頭の中で地図を広げたロビンがおおよその現在地を想像し、いつの間にかナミの背後に来ていたベアトリーゼが眉根を寄せる。
「あら。思ったよりアラバスタから進んでいたのね」
「んー。ちょっと不味いかも」
「2人とも知ってるの?」
ナミが水を向けると、
「バロックワークスは賞金稼ぎのビジネスをしてたでしょう? その筋でよく耳にした島よ」
先日まで秘密犯罪会社の元最高幹部は澄まし顔で応じ、高額賞金首はちょっとバツが悪そうに答える。
「数日前にそこでシキの追手達をぶっ殺した」
沈黙の天使が踊り、全員の目線がベアトリーゼに注がれる。
ナミは眉間を押さえながら「詳しく」
ベアトリーゼはあっけらかんと語る。
「チレン女史の件だよ。アラバスタへ行く前にジャヤで保護したんだけど、ついでに追手達をぶっ殺した」
「ついで、で人殺しすんなよっ! 怖すぎだろっ!」
「忘れてた! こいつ、懸賞金3億8千万ベリーの凶悪犯だったっ!」
喚くチョッパーとウソップ。ごもっとも。
「「3億8千万……っ!」」
ルフィとゾロがむぅと唸り、ライバルを見るようにベアトリーゼを凝視する。
「そこ、対抗心を燃やすな」ナミは大きく溜息を吐き「どうする、ルフィ。入島したら、こいつの面倒に巻き込まれるかも」
「んー。そーだなぁ」
航海士に判断を求められ、船長は腕組みして思案を始めた。そこへ、狙撃手が御注進。
「待て。ルフィ。ジャヤに行ったらログポースが書き換えられねェか? 空島に行けなくなるぞ」
「そうだった!」ルフィは血相を変えて「ジャヤ行き無しっ! ナミ、俺は空島行きてェんだ!」
「良いわよ」ナミはあっさり応じて「でも、どうやって? 手がかりは無いわよ」
「えっ!? そりゃ……誰かに聞くとか」
予期せぬ返しに、ルフィは目を瞬かせながら打開策を口にするが、声は小さく、いつもの勢いがない。
そんなルフィへ、航海士がオプションを提示する。
「私達が今行けるところは、行き方の分からない空島と、おサル達の本拠地があるジャヤだけよ」
「そっか。ならジャヤで誰かに聞くしかねェな。ジャヤ行くぞッ! 進路ジャヤ舵ッ!」
「だから、ジャヤに行ったら空島に行けなくなるといっとろーが!」
ウソップがすかさずツッコむと、ルフィは目を見開いて驚き、姉に縋りつく弟のような顔をナミに向けた。
「ああっ!? おい、ナミィッ!!」
一連のやり取りを見ていたロビンが別解を提示する。
「すぐにログが書き換えられるわけではないし、長居せずにすぐ島を出れば、大丈夫だと思うわ。多少の運も必要になるでしょうけれど」
「おお。そんなウラワザがっ!」
ルフィはロビンに称賛の眼差しを送り、海に響き渡るほど元気いっぱいに進路を宣言する。
「よーし、ジャヤ舵だっ! しゅっぱーつっ!!」
○
麦わらの一味がアラバスタ‐ジャヤ間の海で右往左往していた頃。
グランドライン某海域。
しとしとと降り注ぐ雨。大きくうねる水面。
ロイヤル・クリッパー型豪華客船はさして揺れもせず、悠然と波濤を越えていく。
「アラバスタの案件は計画通りとは行きませんでしたな」
豪華客船の中でも図抜けて豪勢な特等客室。上等なスーツを着込んだ中年男がカップを口に運ぶ。口調と仕草には部屋の主に対する畏怖の念が見え隠れしていた。
「ええ。枢密院も些か失望を抱いておられます」
部屋の主であるフラウ・ビマは冷たい微笑で中年男へ応じた。
結い上げられた黒髪。優しげな顔立ち。程よい肉付きの身体を黒い和風ワンピースで包み、黒のストールを羽織っている。三十路半ばの優艶な姥桜。
一見、気弱そうな双眸。しかして、漆黒の瞳は黒曜石のように冷たい。
「数年に渡って期待通りに踊ってくれた点は評価しますが、まさかグランドライン入りしたばかりのルーキーの海賊に敗れるとは」
800年に渡って世界政府へ抗い続ける秘密結社は、かつて左腕を失くして間もない海賊へ近づき、囁きかけたことがある。
――プルトンを知っているか?
以降、折々の機を見て陰からクロコダイルの計画に手を貸してきた。アラバスタの情報を提供したり。ダンスパウダーを供給したり。当然ながら、クロコダイルにこちらの工作を気取られぬよう注意を払って。
もちろん、プルトンはアラバスタには無い。が、クロコダイルがその事実を知った時には既に手遅れ。アラバスタを滅ぼした咎で海軍に討伐される。砂漠の国で砂の魔人を倒すことは難しかろう。相当量の戦力がアラバスタのために費やされるはずだった。
他が随分と手薄になるほどに。
白磁のカップを傾け、黒髪の淑女は小さく息を吐く。気を取り直したように男へ尋ねた。
「クロコダイル氏を打ち倒したルーキーの海賊と、血浴のベアトリーゼが介入してきた背景の調べは?」
中年男は首肯し、話し始める。
「では、まず“血浴”のベアトリーゼから。金獅子シキの下を出奔した重要情報提供者の護送を請け負っていました。シキの放った追手がアラバスタ人のいう“悪魔”ということのようです」
また血浴か、とフラウ・ビマは整った眉を微かにひそめた。
「“血浴”が王女に与した理由は? クロコダイル氏の元にニコ・ロビンが居たことを考えると、彼女はむしろクロコダイル氏の側に立ちそうなものですけれど」
「噂レベルの情報となりますが」中年男は前置きし「“血浴”と王女は個人的知己があったと」
「……面白い縁故ですね」
フラウ・ビマの脳裏に『?』マークが浮かぶ。どうしたら凶悪犯と大国の姫君が個人的知己を得るのだろう。世界は不思議に満ちている。
「件の“悪魔”のサンプルは? あれはおそらくドクター・インディゴの“作品”。貴重なサンプルです」
「肉片と血液を回収に成功したと報告を受けております。数日以内にラボへ届くかと」
「それは重畳」満足げに頷き、フラウ・ビマはカップを口元へ。
「次に件のルーキーですが……本名、モンキー・D・ルフィ。17歳。イースト出身。最新の懸賞金額は1億ベリー」
中年男が続けた言葉に、フラウ・ビマはぴたりと固まる。漆黒の瞳に困惑を滲ませながらカップを卓に置き、確認の言葉を紡ぐ。
「その姓はまさか……“英雄”ガープの孫で“革命家”ドラゴンの息子ですか?」
「おそらく」中年男は言い辛そうに「それと、収集した情報からの推測ですが……“ゴムゴム”の実の能力者です」
フラウ・ビマは思わず呆気にとられた。
800年に渡り、この世界の支配者へ抗い続けてきた組織の中枢幹部だけあって、“D”のこともゴムゴムの実のことも、英雄ガープのことも、革命家ドラゴンのことも、サイファー・ポール以上に情報を持っていた。
眉間を押さえ、フラウ・ビマはため息をつく。
「……百歩譲って“D”とゴムゴムの実が結びついたことは良しとしましょう。しかし……」
あの無茶苦茶な“英雄”に崇高な計画を何度台無しにされたことか。
あの夢想家が始めた“お遊戯”のおかげで、高邁な計画にどれほど修正が生じたことか。
あの傍迷惑な親子の血を継いだ孫。もう想像がつく。絶対に一筋縄でいかないタイプだ。
前向きに考えれば、偽神から世界を取り戻す刃に丁度良いかもしれない。
しかし……
フラウ・ビマは漆黒の双眸を雨の海へ向けた。
「きっとそれは魔女の鍋の底みたいでしょうね」
○
同じ頃。
情報機関最上位部局CP0のエージェント、ステューシーは天竜人フランマリオン家の大屋敷――実質的に研究所――へ足を運んでいた。
フランマリオン家は“特異な”出自を持つステューシーに目を掛け、何かと便宜を図り、様々な優遇を与えている。
むろん、飴ばかりではない。
ステューシーは診察台の上に一糸まとわぬ姿で寝かされている。
端正な顔。ほっそりとした首元。美しい鎖骨。寝そべっても山を維持する胸。引き締まった腹部。優美な曲線を描く腰回りや長い手足。体のあちこちに様々な計測器が取り付けられており、身体情報を“いつも通り”事細かに調べられた。
身体情報に加え、毛髪。血液。涙。汗。体液。皮膚の細胞片などサンプルを“いつも通り”採取された後、ステューシーは簡素ながら上等な絹製の患者着を与えられ、中庭へ案内された。
中庭と呼ぶには広すぎる空間は色彩豊かな風景式庭園で、繁茂した枝葉の緑をキャンバスに様々な色の花が咲き乱れていた。花々に交じり、ステンドグラスみたいな翅を持つ蝶達が思い思いに過ごしている。
奴隷の首輪をつけた若い執事に煉瓦敷きの通路を案内され、庭園の中央にある
その醜男がいるだけで、優美な自然庭園が邪神の住まう暗い森に思えてきた。庭園の各所に目立たぬよう配された護衛達は、さしずめ森に潜む悪霊か。
「定期検査、御苦労だえ。掛けるえ」
邪神然としたフランマリオン家現当主はステューシーに着席を促す。
「御言葉に甘えさせていただきます」
ステューシーは丁寧に応じ、執事の引いた椅子に腰かける。奴隷の首輪をつけた美しい侍女が見事な手つきでポットから白磁製カップに紅茶を注いでいく。
いただきます、と告げてカップを口に運び、ステューシーは小さく頷く。
「サウス。ロシュワン産の葉ですね」
フランマリオン聖は満足げに頷き、蠅を払うような手振りをする。奴隷の侍女と執事が広場から去っていく。護衛達も距離を取っていく気配がした。
「これで話がし易くなったな」
天竜人特有の口調と言葉遣いを止め、フランマリオン聖は肥えた体躯を背もたれに預ける。ミシミシと椅子が哭いた。
「先の報告に間違いないのかね?」
「はい、聖。金獅子シキの手元にヒューロンの標本がある、と重要情報提供者が証言しています。情報提供者はヒューロンを知らなかったため、重要性を理解していませんでしたが」
フランマリオン聖はカップを手に取って丁寧に嗜んだ。
「ヒューロン……アレは芸術だ。種としての“性能”はルナーリアやバッカニア、巨人には及ばないものの、発展性と拡張性は大いに優れていた。製作者が悪魔の実の能力者という事実に、父祖は随分と悔しい思いを抱いたと聞く。理解できる。アレは……とても美しかった」
どこか懐かしげな面差しに浮かぶ回顧には、憧憬と嫉妬が濃い。
「鹵獲に成功した個体はわずかだった。それもあの“5匹”によって廃棄させられてしまった。辛うじて手元に置けた完全標本と資料も、魚モドキの襲撃時に全て失われた。今や、ヒューロンは……些少な記録にしか存在せん」
心底忌々しげにパンゲア城のある方角を睨む肥満男。その目に宿る感情は、昏い。
ステューシーは気づかない振りをしつつ、話を先へ進める。
「不勉強で恐縮ですが……御一族が手掛けられた試験体には、ヒューロンの血統因子を含めたものが居たかと。それらの血統因子から再現が能うのではありませんか?」
質問に込められた裏の意図に気付くことはなく、フランマリオン聖は紅茶でのどを潤す。
「確かに“5匹”に廃棄を強制されるまでの間、鹵獲個体を用いて“繁殖”を試みた。しかし、ヒューロンの混雑種はラバのように繁殖能力を持たなかった。
カップを卓に置き、フランマリオン聖は澱んだ双眸を患者着の美女へ向けた。
「ステューシー。金獅子シキの拠点を攻略し、ヒューロンに関わる全資料を奪取せよ。手段も犠牲も問わん。この命令は最優先事項であり、五老星を含めたあらゆる干渉を拒否して構わぬ」
居住まいを正して命令を拝聴したステューシーは、明眸皓歯な顔に驚きを滲ませる。
「よろしいのですか?」
五老星は世界最高権力。天竜人とはいえ、軽々に扱って良い存在ではない。が、フランマリオンはいつもの傲岸不遜な笑みを浮かべ、ぐふふふと喉を鳴らす。
「奴らは我々に手を出せん。少なくとも、我々が奴らにとって有用な内は」
「畏まりました」ステューシーは折り目正しく一礼し「ドクター・インディゴが開発したという進化促進薬については、如何いたしますか?」
「むろん、確保したまえ。だが、あくまでヒューロンの標本と資料が最優先だ」
フランマリオン聖は卓の傍を舞う蝶達を一瞥し、ステューシーへ諮問する。
「必要なものは能う限り用意しよう。現段階で何かあるかね?」
「そうですね」
イージス・ゼロの特級女エージェントは素早く思考し、具体的な作戦の絵図を描く。目標は空に浮かぶメルヴィユ。ならば……
「僭越ながら……聖様の権限で今作戦に王下七武海バーソロミュー・くまの動員。加えて御家の“アレ”をお貸しいただけましたら。後はこちらで手配させていただきます」
邪神染みた肥満体男は首のない顎周りを揉みながら応じた。
「くまの動員はなんとかしよう。それと、“アレ”に関してだが……型落ちで良ければ連れていきたまえ。損失しても構わん。好きに扱うと良い」
「御高配に心から感謝します。甘えさせていただきます」
ステューシーは再び丁寧に一礼する。
醜男は大きく頷き、肥え太った体躯に難儀しながら立ち上がり、
「私は次の予定が入っているので先に席を立たせてもらおう。君は茶を楽しんでいきたまえ」
「はい、聖。お時間をいただきありがとうございました」
同じ立ち上がって礼をしようとする貴婦人を手で制し、四阿からのたのたと去っていく。
と。フランマリオン聖は足を止め、振り返らずに。
「ヴィンデの娘の件だが」
密やかに不安を覚えた
「このまま放置する。箱庭の外へ飛び出した小さな
ぐふふふと楽しげに嗤いながら、フランマリオン聖は中庭を去っていく。醜い邪神の移動に伴って周囲から護衛の気配も消えた。
中庭に一人残され、ステューシーは疲労感を覚えつつも気を抜かない。ここは邪神の腹の中。どこに耳目が潜んでいるか分からなかった。
貴婦人は美しい庭園と蝶達を眺めながら、勧められた通り茶を飲む。
フランマリオンの言葉が正しいなら、純血のヒューロンは既に絶滅。混血は一代限りで血は継がれない。なら、どうしてベアトリーゼの血からヒューロンの因子が?
あの子はヴィンデ・シリーズの血筋。それは間違いない。でも、ヴィンデにヒューロンの血が混ぜられたという記録はなかったし、あの子の父母どちらかがヒューロンだったということは時代的にあり得ない。
東の海へ逃がした狂人から、話を聞く必要がある。
貴女は思った以上に複雑な出自なのかもしれないわね、ベアトリーゼ。
カップの茶を干しかけた頃。首に奴隷の輪を付けた侍女が手荷物を持ってやってくる。
「聖様より、ステューシー様へこちらの御衣裳が下賜されました」
卓上に並べられる衣服。セクシーな下着とタイツ。裾丈の短いワンピースドレス。膝丈のロングブーツ。トレンチコート。指輪などの装飾品。そして、鼻から頭頂部まで覆う瀟洒なマスク。
「ありがとう。聖には重ねてお礼申し上げると伝えてちょうだい」
いずれも高価な最高級品質だが、歓楽街の女王は極めて儀礼的に微笑むだけ。それどころか内心では――
悪趣味ね。
そんな感想を抱いた仮面の縁に、蝶が留まった。
Tips
ナミ
苦労してる。
フラウ・ビマ
オリキャラ。元ネタは銃夢:火星戦記のキョーコ・ビマ。
秘密結社の大幹部で、三十路半ばの淑女。
ガープやドラゴンのことをある程度知っている模様。
”抗う者達”
オリ設定。
クロコダイルにプルトンのネタを差し込んだ黒幕組織。
フランマリオン
オリキャラの天竜人。名前の由来は銃夢:火星戦記。
イカレポンチ一族の当主。
ヒューロン。
かつて悪魔の実の能力者が作り出した人造人間兵器。
フランマリオン家が数体を鹵獲したが、”五老星”の命令で破棄された。
ルナーリアやバッカニアに匹敵する脅威を繁殖させる? 認められるわけねーだろ!
更なる詳細は追々。
ステューシー。
原作キャラ。ただしオリ要素多数。
ヒューロンの件を報告。
シキ潰しを命じられた。