彼女が麦わらの一味に加わるまでの話   作:スカイロブスター

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いっちにっさん、佐藤東沙さん、金木犀さん、誤字報告ありがとうございます。


127:ノックアップストリーム・スクリーミング

 未明の闇を払うように煌々と照明が焚かれ、猿山連合軍が総出でゴーイング・メリー号を修理しつつ、フライングモデル――さながら翼を広げた雄鶏のような姿へ改修していく。

 もちろん、手隙の麦わらの一味も手伝い、サンジが夜食の支度を進めている。

 

 ルフィとベアトリーゼはベラミー一味を追い出していた。

 クリケットの情けで服だけ返してもらったベラミー一味は、敗北感と屈辱に打ちのめされながら、身ぐるみ剥がされた船に向かっていく。なお、金目の物の返却はベアトリーゼが頑として認めなかった。曰く『殴っておしまい、で済ますわけねーだろ』。

 

 と、仲間に肩を担がれて運ばれていたベラミーが意識を取り戻す。仲間達を押し退け、力の入らぬ膝を押さえながらも一人で立ち、ベアトリーゼを睨み据える。

「ぐぅ……なんでだ……っ!?」

 ベラミーは苦悶しながら吠えた。

「テメェほど強ェ奴が、なんで、こんな奴らとつるんでる……っ! 在りもしねェ空島や黄金郷を探すバカ共と……なぜだっ!」

 

 ベアトリーゼはアンニュイ顔で気だるげに言葉を編む。

「クリケットのオヤジさんや麦わらの一味とつるむ理由? その方が面白くて楽しいからだ。お前らみたいな雑魚をイジメて小銭を巻き上げるよりずっとな。自分より弱い奴にイキりたいだけなら、公園の砂場でチビッ子の相手でもしてろ。負け犬」

 

「ぅ……っ! 血浴ぅッ!!!」

 侮辱に激昂するも身体が言うことを聞かず、ベラミーは崩れ落ちる。一味の仲間達が慌てて支えるが、煩わしそうに振り払う。

「このままじゃあ……済まさねェ……っ! いつか、必ず……っ!」

 

 その台詞がどれほど間が抜けているか、ベラミーは理解していない。暴力稼業の渡世で『次』を考える自体が甘えた思考だと、ベラミーは気づかない。

 

 ベアトリーゼは鬱陶しそうに手を振り、氷塊より冷たい殺気を発する。

「とっとと失せろ。目障りだ」

 

 ひぃ、と一味の仲間達が悲鳴を上げ、暴れるベラミーを担ぎ上げて船へ逃げていく。

 ぎゃあぎゃあと喚き散らすベラミーに心底くだらない生き物を見るような目を向け、ベアトリーゼは鼻息をもらすと、ルフィに向き直って悪戯っぽく口端を曲げる。

「さてと……それじゃ楽しい準備に戻ろうか、ルフィ君」

 

「お前、切り替え早いなぁ」と呆れ顔のルフィ。

 ベアトリーゼはルフィの肩を軽く叩いて嘯く。

「佳い女は済んだことを気にしないもんさ」

 

 

 

 で。

 

 

 

 猿山連合軍総出でメリー号を修理しつつ、フライングモデルへ強化改修。

 羊船から翼を広げた鶏船に化けたメリー号に、ベアトリーゼは思う。

 あの翼……航空力学的にも船舶構造的にも、まったく意味が無いよな。むしろトップヘビーになって安定性を欠くだろ。

 でも、飛んじゃうんだよなあ。原作的に。飛んじゃうんだよなぁ。物理学を無視して。

 

 なぜか達観気味のベアトリーゼを余所に、作業を終えた猿山連合軍の船大工達が麦わらの一味達へ言った。

「お前ら、よくまぁこんな船でグランドラインに来られたな」

「まったくだ。命知らずと言うか怖いもの知らずというか……」

 

 船大工達の物言いに、メリー号へ思い入れが強いウソップが反射的に頭へ血を昇らせかけたが、同じく仏頂面をこさえたルフィが先んじて口を開く。

「メリーは俺らの大事な仲間だ。悪く言うなよ」

 

「別に貶したわけじゃあねえ」マシラの船の船大工が呆れ気味に「型遅れの小型キャラック。しかも造りからして沿岸遊覧船。この船で外洋へ挑むこと自体が無茶って言ってんだ」

「そりゃつまり、メリーがスゲェ船ってことだな!」と前向き過ぎる麦わら坊主。

 今の話はそういうことじゃねえだろ、と言いたげなゾロ。

 

「余程航海の仕方が良かったんだろうな」ショウジョウの船の船大工がしみじみと「でなけりゃ、この船の造りで外洋やグランドラインの風浪に耐えられるわけねェ」

 流石はナミさん♥ と言いたげなサンジ。

 

「まあ、頭の片隅にでも入れとけ」「こいつは船大工としての忠告だ」

 船大工達は鶏と化したメリー号を見回しながら言った。

「この船はそう遠くないうちに限界が来るだろう。それは航海の最中に突然来るかもしれねえし、嵐や海王類に襲われてる最中かもしれねェ。海賊や海軍とドンパチしてる最中かもしれねェ。その時、お前らが無事で済む保証は何一つねェ」

「この船に愛着を持つことやこの船を大事にすることと、この船に執着することを履き違えるなよ。死ぬぞ」

 

 感情的に反論しかけたウソップを制し、ルフィは真剣な顔で船大工達の“忠告”に耳を傾ける。

 ルフィは船大工達が言外に告げていることを間違えずに受け止めていた。船長として、そう遠くないうちにメリーと別れる決断を求められる、と。

 

「忠告はしたぜ」「よくよく考えるこった」

 麦わらの一味の面々は去っていく船大工達の背からメリー号へ視線を移した。なんとも言えない苦い雰囲気が漂う中、ゾロは大きく息を吐き、メリー号を見つめながらルフィへ提案する。

「あいつらの言葉はともかく、どっかの港で一度本格的に整備へ出した方が良いんじゃねェか?」

 

「確かになぁ」ルフィもゾロの提案に頷く。船大工達の話を聞いたうえで旅を続けていくほど、ルフィは無神経じゃない。なんたって仲間の命が懸かってるのだから。

 

「俺はメリーを見捨てたりしねェからなっ!」

「そういう事態にならねェよう、本格的に整備しようって話だろ」

 不機嫌顔を崩さないウソップにサンジは眉根を寄せつつ、ルフィへ提案した。

「あと船大工をそろそろ仲間に入れた方が良いんじゃねェか? 日頃からきちんと手入れができる人間が必要だろ」

 

「そうだなぁ」ルフィは大きく頷いて「空島から帰ったらメリーをがっつり整備して、おもしれー船大工を仲間にしようっ!」

 

 野郎共がそんな会話を交わしている頃、ナミとベアトリーゼはクリケットと大猿兄弟から、ノックアップストリームの説明を受けていた。

 ベアトリーゼはひとしきり話を聞いた後、手振りを加えながらモンキーな男達へ問う。

「つまり、ノックアップストリームによって空へ押し上げられると考えるより、ノックアップストリームの水流と気流に乗る、と解釈した方が良いのかな?」

 

「俺達もノックアップストリームを傍から観察したことがあるだけだが……そうだな。言われてみれば、その解釈が正しい」

 クリケットが煙草を吹かしながら頷く。

「ノックアップストリームによってふっ飛ばされる船舶は例外なく、空高く打ち上げられた後に宙へ投げ出され、何も出来ずに海面へ叩きつけられた。姉ちゃんの言う通り、ノックアップストリームという潮に乗ることが成功のカギと考えるべきだろうな」

 

「なるほど……」

 ベアトリーゼとクリケットのやりとりを聞き、ナミは航海士として思案を始める。

 

「しかし……姉ちゃんは本当にあのトビウオライダーで行くのか?」

「置いて行くわけにもいかないからね」

 クリケットに問われ、ベアトリーゼは小さく肩を竦めて月を見上げた。

「それに空島へ行けたら……別の用向きもあるからさ」

 

 金獅子をぶっ殺しに行くなら、一人で動けるトビウオライダーがあった方が好都合だ。

 シキのキャラの濃さと設定から考えて、ネームドに間違いないだろう。ただ……穴あき靴下みたいな原作知識に金獅子のシキもメルヴィユも存在しない。もちろん自分が知らないだけで登場しているのかもしれないけれど、まぁ、その時はその時だ。

 

 いつも通りのテキトーさで問題を先送りし、ベアトリーゼはナミとクリケット達へ提案する。

「出立時間まで少しある。多少なりとも仮眠を取って体を休めておこう。なんせ命懸けの大博奕が控えてるからね」

 

        ○

 

 早朝。

 クリケットに見送られながら、ゴーイング・メリー号とツギハギ・トビウオライダーが猿山連合軍のサルベージ船二隻を伴い、サウスバードが示す南へ真っ直ぐ向かっていく。

 

「南西に“夜”! 積帝雲を発見っ!」「まだ昼前だぞ、予定より早ェなっ!」「10時の方角に海流へ逆らう波を確認っ! 渦潮の可能性大っ!」「そいつだっ! 船首を10時の方向へ向けろっ! 逃がすんじゃねェぞっ!」

 猿山連合軍が慌てふためき騒々しくなるが、麦わらの一味に出来ることは何もない。ただ彼らを信じてついていくだけだ。

 

 巨雲に蓋をされて真っ暗になっていく空。荒れ始める海。乱れ始める大気。怪獣染みた海王類すら飲まれ溺れる超特大渦潮。暴力的な波の音色はさながら魔王の咆哮のようだ。

 

「聞いてないわよっ!? あんなのっ!?」ナミが目を剥く。

「はははっ! すっげーなあっ!!」ルフィが目をキラキラと輝かせて「最高じゃねーかっ!」

 

「こっからはお前らだけだっ! 渦の軌道に乗って中心まで行けっ!!」「後は自力だっ! 上手くやれよっ!!」

 マシラとショウジョウが叫び、猿山連合軍の助力で鶏船が渦潮の流れに乗っていく。

 

「おーっ! ここまでありがとなーっ!! 空島、行ってくるぞ――っ!!」

「ああああああああっ!? もう引き返せねえっ!? もう帰れねぇっ!!」

 猿山連合軍へぶんぶんと手を振るルフィの隣で、ウソップが頭を抱えてガタガタと震えていた。

 

 ぎゃあぎゃあと大騒ぎの麦わらの一味の面々とは裏腹に、ロビンはどこか楽しげな様子で状況に身を置いていた。

 親友と別れてからこの七年の間、ずっと犯罪秘密結社に身を置き、気の乗らない組織経営に勤しんできた。アラバスタのポーネグリフのため、とはいえ張り合いのない日々。

 

 それが今やどうだ。

 親友と再会し、麦わらの一味に居候してから、たった数日でこの大冒険。

「ふふっ」

 ロビンは思わず破顔し、少女のような屈託のない微笑がこぼれた。

 

 その美しい微笑を目にした者はチョッパーだけで、他者の機微にいまだ疎い青鼻トナカイ坊主は『この状況で笑ってられるなんて、ロビンはすげーっ!』と感嘆していた。

 

 そして、絶賛大騒ぎ中のメリー号の背に続くツギハギ・トビウオライダーを駆るベアトリーゼはハンドルを握り直しながら、肩越しに後背を一瞥。

 丸太筏を巨大化したような海賊船が追ってきていた。

「原作チャートは継続中か。よろしいよろしい大いによろしい」

 ベアトリーゼが冷笑し、わずかな凪が生じた後、それは来た。

 

 

 ノ ッ ク ア ッ プ ス ト リ ー ム。

 

 

 海底で生じた地熱と蒸気の超爆発が付近の海流を捻じ曲げ、無量大数的海水を天空へ向けて突き上げる。

 荒れ狂う水面にバベルの巨塔染みた超特大の垂直奔流を生み出し、メリー号とツギハギ・トビウオライダーを空へ向かって押し流していく。

 

 乱れ暴れる甲板から大猿兄弟と猿山連合軍の水兵達が水飛沫を浴びながら、物理法則に喧嘩を売る巨大奔流と空へ昇っていく鶏船と化物トビウオを、茫然と見送る。

 転覆した筏船にしがみ付きながら、黒ひげ達も超巨大水柱を昇っていくけったいな船と化物トビウオを眺めていた。

 

 ツギハギ・トビウオライダーはメリー号よりはるかに軽いため、ノックアップストリーム発生時にメリー号を飛び越してしまい、結果として先行していた。

 ベアトリーゼは魚体へしがみ付くように低姿勢でトビウオライダーを操縦し、巨大水柱の水面を駆けていく。

 

 トビウオライダーの後頭部に埋め込まれた計器盤の針や各種警告灯が、クリスマスツリーみたく暴れ『やべーぜ!』と搭乗者へ知らせていたが、当人は――

「あはははは、すっげーっ!」

 殺人的な相対気流と過重負荷に晒されながら昂奮と昂揚で大はしゃぎ。イカレてる。

 

 頭上から垂直奔流から押し出された海王類や海生生物、海底に眠っていた沈没船の残骸などが次々と降り注いでくる。も、胸鰭を翼のように展張させ、離水。海面ギリギリを駆ける雷撃機のようにローリングとヨーイングを繰り返し、降り注ぐ障害物を軽やかにかわしていく。

「やっばっ! これ楽しすぎっ!」

 

 多眼式ヘルメットの中で黄色い声を上げるベアトリーゼの背後では、

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああっ!」

「きゃあああああああああああああああああああああああああっ!」

「うわああああああああああああああああああああああああっ!」

 長っ鼻の小僧と蜜柑色の髪の美少女と青鼻トナカイの悲鳴が轟く。

 

 90度垂直になったメリー号の船上は大混乱だった。

 ウソップとサンジが前船楼の手すりにぶら下がり、チョッパーとナミはメインマストにしがみ付き、ゾロとロビンが後船楼の壁に立っている。

 

 誰も彼もが現実離れした状況を受け止めきれない中、

「はははは、おっもしれぇ――――っ! いけーメリーっ! 突っ走れーっ!」

 鶏冠を加えられた羊頭の船首飾にひっ付いたルフィが喝采を上げ、ナミへ太陽みたいな笑顔を向けた。

「これで空島まで行けるんだろ、ナミッ!」

 

「それは――」

 ナミは出発前にクリケット達との打ち合わせを思い出し、メリーに先んじて空を駆けるツギハギトビウオの姿を目の当たりにし、即座に今すべきことを理解する。

「帆を張ってっ! 今すぐっ! この海流と上昇気流を捕まえるのよっ!」

 

「おらぁ、ナミさんの指示だぞっ! お前らさっさと動きやがれっ!」

 サンジの怒声に誰も彼もが大慌てで動き出す。

 

「右舷から風を受けてっ! 取り舵っ! 船体を海流に合わせてっ!」

 テンポよくナミの指示が飛び、ゾロと人獣形態のチョッパーが腕っぷしに物を言わせて暴れる帆を制御し、ウソップとサンジが操舵桿を躍起になって操り、足りない手数をロビンが能力を発動させて補う。

 

 船首飾に引っ付いていたルフィがぎょっと目を剥く。

「やべえっ! 船体が水面から浮き始めたぞっ!? ナミッ! どーすんだ、ナミっ!? このままじゃ落ちちまうぞっ!?」

 

「大丈夫よ! 行けるわ!」

 慌てふためく船長やクルー達を揶揄うように、ナミはニッと白い歯を見せる。

 

 相手が風と海なら絶対に負けないという自負。風と潮さえ掴んでしまえば絶対に航海させられるという自信。何よりナミの判断が正しいことを証明するように、メリーの先を赤黒のトビウオライダーが軽やかに飛んでいる。

 

 そして、メリーもまた、トビウオを真似るようにふわりと離水し――

「翔んだ―――――――――――――――――――――――ッ!?」

 ルフィの大歓声が空に響き渡る。

 

 チョッパーが感動の吃驚を上げ、ウソップは超現実的事態に愕然。ロビンは楽しげに美貌を綻ばせ、ゾロはナミを讃えるように感嘆をこぼし、エロコックはナミの大活躍振りにメロリンキュー。

 

 船長は相対気流に飛ばされないよう麦わら帽子を押さえながら、成功にこっそり安堵していた航海士へ無邪気な笑顔を向けた。

「すっげーっ! 船が空を飛んでるぞッ! ナミは世界一の航海士だっ!」

 ナミは面映ゆそうに、嬉しそうに頬を染めつつ、自分が成し遂げた偉業に立派な胸を張る。

「当然っ! 私に掛かれば、空島だって連れていってあげるわよっ!」

 

「流石、ナミッ!」

 太陽のような笑顔と称賛を贈り、ルフィはぐんぐんと迫っていく巨大な雲塊を見上げ、好奇心に胸を高鳴らせる。

「あの雲の上にいったい何があるんだろうなっ!!」

 

 興奮と昂揚に心を弾ませながら、麦わらの一味とそのオマケが積帝雲の中へ飛び込んでいった。

 

     ○

 

 海中と紛うような雲中を突き抜けたなら。

 ずぶ濡れのベアトリーゼは多眼式ヘルメットを脱ぎ、周囲を見回す。

 頭上も雲なら眼下も雲。周りも全て雲。

 目が痛くなるような白い世界。

 水彩画のような色彩の絶景。

 

 景色を楽しみつつ、ベアトリーゼは呟く。

「はぐれたか」

 積帝雲中層の“白海”だろう。メリー号の姿がどこにも見えない。どうやら積帝雲の下層を通り抜けている間にはぐれてしまったらしい。トビウオライダーとメリー号では重さも大きさも大分違うから、ノックアップストリームによって与えられた慣性のエネルギー量が異なる。この事態は起きうることだった。

 

 まぁ、今ははぐれたことより――

 鬱陶しい奴。

 不躾で不愉快な見聞色の覇気を感じる。おそらく神気取りのロギア野郎のものだろう。

 

 相手は戦略兵器レベルの雷をぶっ放す強キャラ。武装色でぶん殴れるし、プルプルの実で渡り合えないこともないが、出力差で押し切られるとかなりキツい。

 

 でも、原作だとシャンドラのチビッ子の見聞色を逆探してなかったようだから、見聞色の情報戦は心得が無いのかもしれない。

 

 んー……どーすっかな。

 空島の“戦争ごっこ”に関わる気はない。あれは麦わらの一味に任せておけばいい。こっちはあくまで貝(ダイアル)の調達とメルヴィユの捕捉が目的。他は知らん。

 

 ああ、でもロビンと遺跡探検したいな。

 たしか、この日の午後にゃあ、ドンパチ会場の島に乗り込むんだよな。で、夜には島でキャンプファイヤー。明日にはスカイピアの命運を賭けた大決戦に参加。

 生き急ぎ過ぎだろ。麦わらの一味。

 

 小さく溜息をこぼしたところへ、防水パウチの中で子電伝虫が鳴いた。

「もしもし?」

『――ゼ? 聞こえ――こっちは無――今――こ――?』

「ロビン? よく聞こえないよ。ロビン? もしもーし?」

 雑音交じりで途切れがちな念話通信はぶつりと切れてしまった。

 

「ありゃま」

 通信圏外なのか、環境の問題か。

 まあ、いざとなれば見聞色の覇気で捕捉すりゃ良いし、エンジェル島かアッパーヤードで合流できるだろう。

 

「とりあえず……“上”へ行くか」

 ベアトリーゼは頭上に広がる雲を見上げ、ヘルメットを被り直し、ツギハギ・トビウオライダーを発進させた。




Tips
ベラミー
 因縁の相手がルフィからベアトリーゼに変わっちゃったけど、まあ誤差やろ。

マーシャル・D・ティーチ
 現状、本作では登場シーン全カット中の不遇な男。
 CV大塚明夫の時点で強キャラが確定してるんだよなぁ。

ノックアップストリーム。
 実際、こんなもんが不定期に突然発生する海域とか恐ろしすぎる。

麦わらの一味
 まさしく大冒険。

ベアトリーゼ。
 麦わらの一味からはぐれた。
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