彼女が麦わらの一味に加わるまでの話   作:スカイロブスター

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june10101さん、烏瑠さん、佐藤東沙さん、誤字報告ありがとうございます。


133:衝撃! 伝説の黄金都市は天空にあった!

 童話ジャックの豆の木を思わせる、ひときわ巨大な大樹へ向かって、ロビンとベアトリーゼは島雲の白い丘を登っていく。

 2人は度々歩みを止め、ロビンが廃墟や石像のような遺物を調べ、装飾や文字などをノートに描き写していく傍ら、ベアトリーゼもスケッチブックに遺跡の紋様や石像などを手早く写生する。

 

 手書きで記録を取りながら、博学の美女2人は都市について議論を交えた。

「妙ね……石碑から描き写した市街図だと、この辺りは既に都市内縁のはずだけど……広さも地形も不自然よ」

 ノートに描き写した地図と周囲の遺跡群を見比べながら、ロビンは首を傾げる。

「ビーゼ。何か分かる?」

 

「島雲に埋まったみたいだね」

 ベアトリーゼは即答した。原作知識は使っていない。この楽しい時間をそんな詰まらないもので台無しにするほど、野暮ではなかった。代わりに能力による地中ソナーと見聞色の覇気による捜索探査で判明したことを、親友の考古学者へ伝える。

「どうも、この辺りは島雲によって多層構造になってるみたいだ。地上から運ばれてきた時、この島は積帝雲の中を通り抜けてきただろ? その時に地表部分へ積み上がった島雲が、アレの成長で押し上げられ、複層化したんだと思う」

 

 小麦肌の指が示す先には、森の大樹達が苗木に思えるほど巨大な大樹がそびえていた。

「なるほど。この島は400年に渡って空島環境の浸食を受けてきたし、異常成長する植生と合わせて考えると、妥当な道理ね」

 ということは、と呟き、ロビンはひときわ大きな建物へ神秘的な美貌を向けた。

「階段ピラミッド様式。おそらく神殿ね。だけど、背丈が半端すぎるし、接地面の埋まり方が怪しい。アレの下には大きな空間が眠っているはず」

 

「行ってみよう」

 白いテンガロンハットを被った黒髪碧眼の美女とトレイルランナー風の装いをした小麦肌の美女が階段ピラミッドへ足を運び、苔生した階段を上っていく。

 階段を上りきり、出入り口から神殿内部へ。

 しかし、神殿内は島雲で充填されていて、下層部へ降り口が見つからない。

 

「内部にもかなり島雲が浸食してるわね……降りられないか」美貌を曇らせるロビン。

 ベアトリーゼは屈みこんで島雲に触れ、振動波(ピンガー)を放つ。

「いや、埋まり切ってない。この島雲の下には空間がある」

 

 右腕を漆黒に染め、ベアトリーゼは瓦割りをするように白い地面を殴りつけた。砲撃の如き打撃が分厚い島雲を一撃で掘削し――

 

「あ、やべ」

「ビーゼ?」

 ベアトリーゼとロビンの立つ足場まで崩落させた。千々に砕けた大量の島雲諸共に落ちていく美女2人。

 いつも通りである。

 

      ○

 

「なんなんだよ、この()()はよぉ~~~……全然出口に行きつかねェし、なんか臭ェし、水たまりの水はピリピリするし、どーなってんだぁ?」

 ルフィは暗闇の中を進んでいた。

 

 ぼやきの通り、この“洞窟”は奇妙だった。なぜか洞窟内のそこかしこに遺跡らしい瓦礫や腐り朽ちた木々が散乱しており、獣や人の骨に交じって黄金製の品物が無造作に転がっている。

 

 道中に拾った黄金の冠を麦わら帽子の上から被り、ルフィは首を傾げた。

 なんか妙なんだよなぁ。

 こんなところに人が住んでいたとは思えないし、住む理由もないはずだし、そもそも根っこがないのに木の幹や枝だけ転がっている道理が分からない。

 学も教養も他人様に誇れるほど修めてないけれど、幼い頃から大自然の中でサバイバル暮らしをしてきたのだ。この洞窟の不自然さに違和感を禁じ得ない。

 

 と。ぐぅ~~と腹が盛大に鳴き、ルフィの思考力が一瞬で霧散した。

「腹減ったなぁ……リュックは表に置いてきちまったし……木は腐ってて実も生ってねェし……サンジの弁当、楽しみにしてたのになぁ~……皆、もう黄金遺跡に着いたかなぁ……」

 

 嘆息しながら、ルフィはふと思ったことを呟く。

「いや、ゾロだけは迷ってそうだな」

 

 ルフィの推理は正しかった。

 ゾロは“持病”が発動し、森林の中を2時間以上も迷走し続けている。

「一向に着かねェな……地図で見た感じより遠かったのか……」

 自分が森に迷ったとは考えず、目的地の方が遠かった、と考える辺りが病根かもしれない。

 

「とりあえず、一服入れるか」

 倒木に腰を下ろしてリュックから大きな弁当箱と水筒を取り出す。ぬるい水で渇きを癒し、サンジが作ったスタミナ弁当を食べ始める。

 

「まあまあだな」

 ゾロがサンジと喧嘩友達みたいな関係性にあることを考えれば、ほぼ絶賛であろう。

 

「ん?」

 弁当を食べ進めていると、象並みにデカい鳥――おそらく空島環境で大型化したサウスバードがやってきて、ジョージョーと鳴きながら口を大きく開く。さながら『餌をくれ』と催促するように。

 

「飯はやらねーよっ! ほれ、斬っちまうぞっ! あっち行けっ!」

 ゾロが煩わしそうに手を振るが、どういうわけかサウスバードは人懐っこく、あるいは、図々しくゾロに身を寄せて『餌をくれ』と鳴き続ける。

「ああああうるせえっ!!」

 迷子中に遭遇した動物やら女子供やらに懐かれ易い、というゾロの特性が発揮されていた。

 

      ○

 

 崩落した大量の島雲に埋もれた美女2人は、クッション染みた白い雲の塊を掻き分けて脱出に成功。

「ビーゼ。後で話し合いましょう」

 帽子とリュックサックを拾い上げながら、ロビンが怖い微笑みと共にお説教を宣言。

「ごめんなさいでした」

 やらかしたベアトリーゼはしょんぼり顔で応じる。

 

 帽子をかぶり直し、ロビンは神殿内を見回した。

「想像以上に広く大きいわね。ビーゼの言う通り、上で見た遺跡群は都市の上層部だったみたい。外に出られたら……」

「そこが黄金都市かも、か。出口を探そう」

 気を取り直したベアトリーゼが、楽しげに口端を上げる。

 

 神殿内の捜索開始。

 数百年の時の流れに侵された神殿内は荘厳な雰囲気に満ちている。石造りの建物らしい冷たい空気にはカビの臭いが乏しい。代わりに、神殿内まで浸透した樹木の枝や根、そこかしこに()した苔が放つ緑の臭いが濃かった。樹木の根に絡みつかれた宗教的な石像。苔に覆われた壁の彫刻。色褪せてもなお美しい壁画。

 

「素晴らしいわ……」

 歴史の息吹を感じているロビンの隣で、ベアトリーゼは頭の中で『ゆけ! ゆけ! 川口浩!』を流していたりする。俗っぽい。

 

 そして、ベアトリーゼが廊下を塞ぐ島雲を周波衝拳(ヘルツェアハオエン)でぶち抜くと、廊下の先に光が見えた。

 

「! ビーゼっ!」

「うん! 行こう!!」

 2人は思わず光を目指して駆け出し――

 

 見た。

 

「あぁ……」ロビンは感動を吐露し、

「うわぁ……」ベアトリーゼは圧倒されて呻く。

 

 基壇に立った2人の視界いっぱいに広がる石造りの大都市。

 北の海の冒険家が発見したという伝説の黄金郷。

 シャンディアの民が守り続けたという伝説の都市遺跡。

 

 ロビンは眼前の街を茫然と見つめながら、熱に浮かされたように言葉を紡ぐ。

「800年前。突如滅びた古の都。とてもそんな風には思えない。今もまだこんなにも堂々と、こんなにも雄大。これが……シャンドラ」

「地上から消え、天空に佇む伝説の都市、か」

 親友の編んだ言葉に糸を加え、ベアトリーゼは参ったと言いたげに笑う。

「こりゃ凄いや」

 

 そして――

 ロビンとベアトリーゼは神殿の基壇に腰を下ろし、伝説の都市をしばし眺める。

 

 燦々と注ぐ高空の陽光に照らされ、緑に浸食されたその姿は、莫大な時間の中で色褪せてなお荘厳で神々しい。

 同時に、完全に無人化して人の営みが絶えた大都市は、酷く現実感が乏しい。鳥の声ひとつ聞こえてこない静寂が、この大都市が巨大な墓標であることを明言していた。

 

 ぐう。

 

 と厳かな雰囲気を台無しにするように、ベアトリーゼの腹が鳴った。さしものベアトリーゼもこれはこっぱずかしい。気恥ずかしげに頭を掻く。

「丁度良いわ。街を探索する前に休憩しましょう」

 微苦笑を湛えつつ、ロビンはリュックサックを降ろして水筒とサンジお手製の弁当を取り出す。ベアトリーゼも腰の雑嚢から水筒と弁当箱を出して膝の上に広げる。

 

 海鮮物主体のスタミナ弁当を突きつつ、ベアトリーゼは街を横目にして言った。

「滅ぼしたのは世界政府かな」

 

「可能性は否定しないわ。空白の100年をひた隠しにしているし、この街は世界政府を起こした勢力に敵対したのかもしれない」

 ロビンは水筒を傾けてから続けた。

「でも、彼らの所業だとしたら、都市がこうも残っていることに違和感がある。世界政府のやり口からしたら、この都市を完全破壊して更地にしていてもおかしくないもの」

 

「確かに。都合の悪いもんを隠すことにかけては念入りだからな、あいつらは」

 ベアトリーゼは空になった弁当箱を雑嚢に押し込み、改めて伝説の都を眺め、しみじみと呟く。

「ロビンと一緒にこれを見られて嬉しいよ」

 

「私もよ。ビーゼと一緒にシャンドラを見つけられて嬉しいわ」

 食べ終えた弁当箱に蓋をし、ロビンは悪戯っぽく微笑む。

「それじゃ、2人で伝説の黄金郷を調べましょう」

 

     ○

 

 豆の木を登るジャックよろしく、チョッパーは超々巨大樹を登攀し、これまでより立派な都市遺跡に到達。

「ここが黄金遺跡……かな?」

 小首を傾げたチョッパーへ、厳めしい声が降ってきた。

「今日、ここに到達したのは、お前で三人目だ」

 

 神官オームと巨大な愛犬ホーリーに遭遇。チョッパー、再び神官戦である。

「ぎゃあああ殺されるぅうううっ!?」

 

 チョッパーがベソを掻きながら遁走している頃。

 迷子界のファンタジスタ、ロロノア・ゾロは奇跡を起こしていた。

 二時間以上の徘徊の末にまさかの生贄の祭壇(スタートポイント)に帰還! そこへ加えて、付きまとっていた巨大サウスバードと悶着を起こし、空へ連れ去られる。

「のわああああああああっ!?」

 

 

 迷子のゾロが空へ飛びたった時。

“洞窟”で彷徨い疲れたルフィが癇癪を起していた。

 

「あああああもうっ! こうなりゃ掘り崩して出口を作ってやるッ! ゴムゴムのぉ~」

 空きっ腹を抱えて苛立つルフィは大きく深呼吸し、洞窟の壁面を思いっきり殴りつける。

「バズーカァッ!!」

 

 衝撃音が洞窟内につんざくも、壁面はヒビ一つ入らない。

「くそぉ! びくともしねェっ!! ―――ん?」

 ルフィがしかめ面を浮かべた、直後。

 

 洞窟が文字通り“ひっくり返った”。

 それも洞窟全体が縦横無尽に荒れ狂う。さながら撹拌機の中のように、ルフィは瓦礫や倒木もろとも“掻き回される”。

「うわああああああああああっ!? 本当になんなんだよ、この洞窟ぅううううっ?!」

 ルフィの悲鳴は洞窟の闇に呑まれ、誰にも届かない。

 

 麦わらの一味の船長が人知れず半ベソ掻いている頃。

 成り行きで一味の大事な船を守る羽目になっていたナミは、シャンドラ戦士を自称するチビッ子に手を焼いていた。

 

 生得的に心網(マントラ)が使えるらしいチビッ子アイサは、次々と仲間達が斃れていく様を知覚してパニックを起こしており、ナミやコニス・パガヤ父子がいくら落ち着かせようとしても、まったく言うことを聞かない。

 

 ついには――

「もういいっ! あたいは皆のところに行くっ!」

 アイサはナミの手を振り払い、雲の川へ飛び込んでしまった。

 

「ああ、もうっ!」

 ナミはTシャツを脱ぎ捨て、ビキニ・ブラに包まれた胸を披露しつつ、アイサを追って白い川面へダイブ。飛び込み姿勢が美しい。すいすいと泳いで瞬く間にアイサを捕獲。

 

「放せ、放せよっ! あんたには関係ないだろっ!!」

「関係ないけど、見殺しに出来ないじゃないっ! あんたみたいな子供をっ!」

 ナミは喚き暴れるアイサを、メリー号の傍らに係留された小型ウェイバーの許へ、強引に引っ張っていく。

 

「ほら、ウェイバーに上がってっ!」

「嫌だっ! 放せっ! あたいは皆を助けに行くんだっ! 放せよぉ!」

 なおも激しく暴れるアイサに、ナミも流石に怒声を上げる。

「あんたね、いい加減にしないとぶつわよっ!!」

 

 見知らぬ異邦人の剣幕に怯え、アイサが9歳児らしく涙を溢れさせるも、ナミは手を緩めない。ここが締め時とばかりに叱声を続けた。

「泣いたってダメッ! いい? うちの腕が立つクルーだって2人もやられてるのっ! 子供のあんたが同じような目に遭うのは、見過ごせないのよっ!!」

 

 ナミだっていっぱいいっぱいなのだ。

 重傷を負ったサンジとウソップは依然意識が戻らないし、探索チームからは音沙汰無し。エネルに散々ビビらされたし、島のあちこちから戦闘騒音は聞こえ続けているのに、非戦闘員の自分が船を守らなければいけない。おまけに、ベアトリーゼのトビウオライダーが感電してぴくりともしない。あの野蛮人が知ったら、絶対大変なことになる。このうえ、この幼い少女にまで何かあったら、もうナミの心が持たない。

 

 ナミが意地悪ではなく本気で案じていると察したのか、アイサは泣き顔のまま大人しくなり、ウェイバーの船体へ上がる。

 ほ、と小さく溜息をこぼし、ナミもアイサに続いてウェイバーへ上がった。

 

 その時。ふっと濃い影が差す。

 何かしら、とナミが顔を上げれば。

 

 メリー号を軽く一飲みに出来そうな超々巨大ウワバミが、げんなり顔を浮かべていた。

 

「――え?」

 脳が認識を拒絶したナミの口から、マヌケな声がこぼれる。メリー号の甲板上ではコニス・パガヤ父子が驚愕と戦慄のあまり声なき悲鳴を上げており、ウェイバーの上ではアイサが涙を引っ込めて白目を剥きかけていた。

 

 驚き慄く小動物達を余所に、超々巨大ウワバミは参っていた。

 突如として生じた激烈な腹痛。あまりの痛さにのたうち回ったほどだ。(雲の川)をごくごくとたらふく飲んでみたら落ち着いたが……これほどの腹痛はここ数百年覚えがない。何か変なものを食べてしまったのだろうか……

 

 げふぅ、とウワバミが突風染みたゲップを吐いた直後。

 自身の腹の中で麦わら小僧が突然生じた“洪水”に腹を立て、本気で“洞窟”を掘り進もうと大暴れを始めた。

 

「!? !? じゅらああああああああああああああああああああっ!?」

 超々巨大ウワバミは再び腹の中から生じる凄まじき激痛に激しく大きくのたうち回り、

「「「「ぎゃああああああああああああああああああああああっ!?」」」」

 コニス・パガヤ父子が乗るメリー号を勢いよく押し流し、ウェイバーに乗ったナミとアイサを島内へ吹っ飛ばした。

 

        ○

 

 麦わらの面々とその他が愉快な体験をしている頃。

 ベアトリーゼとロビンは神殿を出て、黄金郷の探索を始めていた。

 

「見事なもんだ。建物は経年劣化で石材の“つなぎ”が無くなっても、崩れるどころか石材同士がみっちり食い合って強度を増してる。それに整備されてる上下水道も、少し手直しすれば充分に使えるよ」

「大型建築物も見事ね……空へ打ち上げられた際の衝撃は凄まじかったでしょうに、ほとんどが無事に姿を保っているもの。1000年以上前にこれほどの文明が存在していたなんて……」

 

 人が完全に絶え、緑と島雲に侵された姿が神秘的な古の遺跡都市は、前世の高度産業社会を知るベアトリーゼすら圧倒されるものであり、博学博識のロビンもただただ讃嘆をこぼすことしかできなかった。

 

 ノートに記録を、スケッチブックに写生をしながら、美女2人はシャンドラの探索を続け、街の中を進みながら注意深く調査し、何一つ見逃さぬよう情報を集めていく。

 

「文献物が何もないな……文字を持つ文明が石碑以外の記録物を遺さないなんてあり得る? よしんば紙を開発できなかったとしても、布や木板、粘土板なんかに記録を取るだろ」

 地球の古代中東文明を脳裏に浮かべながらベアトリーゼが指摘すると、ロビンは難しい顔つきで考え込み、故郷オハラで起きたことを思い返していった。

「ひょっとしたら、滅亡した際に勝利者が焚書をしたのかもしれないわね」

「情報、知識……歴史の根絶か。世界政府(奴ら)のやり口っぽいな」

 

 そして、2人が大通りへ向かう大型の持送り型アーチへ踏み入れると、彫刻壁に囲まれた古代文字の石碑を発見。

「これはポーネグリフじゃないな。黒曜石に似た石に刻んである」

「でも……ポーネグリフと同じ古代語を用いているわ。でも、どうしてこんな無造作に……」唖然とするロビン。

「後から据え付けたみたいだね」ベアトリーゼは石碑の周りにある壁面を調べ「目地の劣化具合が周りと違う。石材を剥がしてここに設置したんだ」

 

「後世へ伝えるためね」

 碧眼を驚きと昂奮に輝かせながら、ロビンは即座に解読を始めて内容をノートに書き記していく。その姿はまさしく考古学者としかたとえようがない。

 

「真意を心に口を閉ざせ。我らは歴史を紡ぐもの。大鐘楼の響きと共に……」

 ロビンは古代文字を読み上げ、

「大鐘楼。ノーランドの日誌にあった、黄金の巨大な鐘ってやつかな」

「ええ。間違いないわ」

 ベアトリーゼの指摘に応じ、口端を大きく吊り上げた。

「ビーゼ。この石碑はおそらく、この街へポーネグリフが運び込まれた際に設置されたのよ。そして、ポーネグリフは四つの祭壇の中心に位置する大鐘楼へ置かれた」

 

「いよいよ本丸が見えて来たね」

 楽しげに笑い、ベアトリーゼは親友へ告げる。

「さあ、ロビン先生。歴史を見つけにいこう」




Tips
タイトル
 昭和後期に大ヒットしたテレビ番組『川口浩探検隊』にちなむ。
 今で言えば、陳腐な仕込みバラエティなのだが、当時の子供達はもちろん大人達も番組のシリアスな笑いを楽しんだ。

『ゆけ!ゆけ!川口浩探検隊』
 シンガーソングライターの嘉門達夫が上記番組をテーマに発表したコミックソング。内容は同番組に対するツッコミやブラックジョークに塗れている。
 何かのアニメで用いられたこともあるとかないとか。

黄金都市シャンドラ。
 原作では、ロビンが『ポーネグリフが運び込まれたから、敵対勢力に滅ぼされた』と推測していたが、それだと都市を滅ぼし、焚書までした連中が古代文字の石碑やポーネグリフを手つかずで遺したことに説明がつかない気がする。
 まあ、勝利者達が莫大な黄金を略奪しなかったことも謎だが。

ロロノア・ゾロ。
 自分を疑わない心を持つ迷子界のレジェンド。

ニコ・ロビン
 黄金都市を発見してクールに大興奮。可愛い。

ベアトリーゼ。
 トビウオライダーのことを彼女はまだ知らない。
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