彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
佐藤東沙さん、ミタさんさん、トリアーエズBRT2さん、誤字報告ありがとうございます。
「やりやがった……あんにゃろぉっ! やりやがったっ!」
「すげえ……なんだ? これ、なんだっ!?」
ウソップが感涙しながら喝采を上げ、目覚めていたチョッパーは壮麗の天体現象と美麗な鐘の音に昂奮している。
「なんて美しい……」
「こりゃあ大したもんだ……」
ロビンは静かに讃嘆をこぼし、意識を取り戻していたサンジも感嘆をあげている。
心震わせている者は麦わらの一味に限らない。
「あの空……いったい何が起きたんだ……」「この音色は……まさか伝説の……」
空の民はあまりにもたくさんのことが起こり過ぎて認識と感情が追いつかずにいた。が、シャンディアの民は違った。
「シャンドラの火が燈された。400年の時を越え、ついに叶えられた。先祖の悲願が、我らの大願がついに……っ!! 大戦士カルガラよ、聞こえますか……我らは、我らは……っ!」
シャンディアの酋長が大粒の涙をこぼすと、シャンドラの民達が堰を切ったように嗚咽を奏で始めた。400年分の想いを込めて。
「おぉおお……おおおおお……ッ!!! おおおおおおおっ!」
ガン・フォールは顔を覆い、むせび泣く。鳥馬ピエールも泣きながら主に寄り添う。
空の傭兵に身をやつしていたかつての“神”は、伝説を知っていた。
島の歌声が再び響く時、それは戦いの終わりを告げる報せだと。歴代の“神”達は『シャンディアを打ち倒した勝利の時、奏でられるであろう』と解釈していたが……ガン・フォールは今、“真実”を得た。この祝福の音色はそんなさもしいものではないと。
「……一杯
重傷を負ったゾロは立ち上がることも出来ず、遺跡に背中を預けながら、空を眺め、知らず知らず微笑んでいた。なるほど。こいつは命を張る価値があった。
と、近くで倒れていたシャンディア戦士が立ち上がり、鐘の音を降らせる空へ向けて言葉を紡ぐ。
「聞こえるか、大戦士カルガラ。聞こえるか、英雄ノーランド。400年掛かったが、あんた達の約束を叶えたぞ……ノーランドの子孫にも届くと良いが」
言葉を編み終え、シャンディア戦士は気を失って倒れた。
ゾロは大きく息を吐く。空の騎士やベアトリーゼから多少、事情を聞いていたが、きっと当事者のこいつには聞いた話以上に、抱えていたものがあるのだろう。
成り行きで戦友となった男へ、一言贈る。
「お疲れ」
『じゅらあああああああああああああああああああああああああああああっ!』
今や誰も彼の名を知らぬ超巨大ウワバミ“空の主”。
かつてノラと呼ばれていたその蛇は、400年望み続けた鐘の音に、滂沱の涙を流しながら高々と吠える。もう二度と会えない友達を想い、400年探し続けた故郷でノラは泣き続ける。
哀悼と歓喜を込めて。
そして―――
空島から遠く遠く離れた青海。ジャヤ島のモックタウン。
夢を嘲り笑う負け犬達が通りへ、港へ、表に続々と出てきて、空を見上げる。
はるか高空に広がっていく真紅の円環。そして、空から響き聞こえてる美しい鐘の音色。
「ありゃあ、何だ……?」
「鐘の音が……空から聞こえてくる……」
負け犬達には何が起きたのか分からない。ただ、自分達が伝説的な何かを目撃し、耳にしている。そんな気がしていた。
茫然と空を見上げ続ける負け犬達。その中には、つい昨日、屈辱の極致を味わったベラミーも居た。
「……そんなはずねェ……そんなはずはねェ……っ!!」
何が何やら訳が分からぬ負け犬達と違い、その鐘の音の意味を知る者達も居た。
空を茫然と見上げる猿山連合軍。
真紅の円環を眺め、空から降り注ぐ壮麗な音色を味わいながら、モンブラン・クリケットは煙草を吹かし、口端を楽しげに持ち上げた。
「あの空で何が起きたか知らねェが……この鐘の音は間違いねェ。大きな黄金の鐘の音だ」
呆気にとられているマシラとショウジョウに、クリケットは笑みを大きくした。
「これぞ浪漫じゃねェか」
クリケットはうんうんと大きく首肯し、
「黄金郷は空に実在した。積帝雲の中に……っ! ノーランドは……俺の先祖はウソつきじゃあなかったっ!! あいつらはそれを空から教えてくれたんだろうよ」
言ってしまえば、それだけのこと。
『黄金郷は空にあった』。
『先祖はウソつきじゃなかった』。
たったそれだけのことを知るために、一族は400年に渡って多くの犠牲を払ってきた。クリケット自身も宿業を背負わされてきた。
そして、今ついに一族は、自身は、400年の宿業から解放された。それも、美麗極まる絶景と祝福の音色と共に。
クリケットは万感の思いを抱き、空へ向かって心から告げた。
「同志よ。ありがとう」
感謝を口にした直後、クリケットは感情が抑えきれず、くわえ煙草を落とし、顔を覆って涙をこぼし始めた。驚き慌てふためく猿山連合軍達へ、心情を吐露した。
「あいつらぁ……無事でよかったぜ……俺ぁ心配で心配で……」
瞬間、猿山連合軍は大喝采を上げる。マシラもショウジョウも船員達もクリケットへ群がり、祝いの言葉を掛けながら大騒ぎを始めた。
宙に浮かぶ島雲の一つ。
精魂尽き果てたルフィが大の字に寝転がっていて、傍らにはナミが体育座りしている。2人は真紅の円環を眺めながら、鐘の音に耳を傾けていた。
ルフィは充足感と満足感を抱きながら、呟く。
「聞こえたかな……おっさん達に」
「ええ」
ナミはルフィに麦わら帽子を被せて微笑む。
「きっとね」
○
鐘の音の残響と真紅の円環が空に溶けていく。
神エネルと巨船マクシムが白い海に落ちて沈んでいく。
黄金の鐘もまた鐘楼ごと白々海へ落ちて沈んでいく。
戦いは終わった。
しかし、戦いの傷は勝手に癒えたりしない。
消滅したエンジェル島や焼き払われたシャンディアの村が復活することはない。焼かれた森や砕かれた遺跡が元に戻ることはない。命を落とした者達が帰ってくることはない。
それでも、人は生きていかねばならない。
空の民もシャンディアの民もアッパーヤードに上陸し、負傷者を手当てし、死者を弔う。生活基盤の何もかも失って途方に暮れながらも、当座の居場所を繕い始める。
シャンディアの戦士達は動ける者がまだ生きている者も死んだ者も、同胞の許へ連れて帰る。同時に、まだ息のある神官や神兵を捕らえ、密やかに追放刑――雲流しへしていく。
ガン・フォールは覚悟を決めて秘密造船所へ向かった。
作業所の奥に地獄があった。
折り重なって息絶えた元部下達。誰もが雑多な道具を硬く握りしめて倒れている。エネルが嘲笑したように、彼らは武器もないまま強大無比な雷神へ立ち向かった。
愛する者達を守るために。故郷エンジェル島を守るために。この国を守るために。斃れていく仲間を踏み越えて、神に挑んだのだ。
「すまぬ……救ってやれず、すまぬ……」
勇敢と献身を示した者達を前に、元“神”は膝をついて慟哭を始めた、刹那。
死体の中から呻き声が漏れる。微かに身を動かす者も。手を伸ばす者も。
生存者がいることを認めるや、ガン・フォールは供をしていたピエールに叫ぶ。
「医者をっ! いや、医者でなくともよいっ! 人を呼び集めるのだっ! 急げピエールッ!!」
医者のチョッパーは大忙しだ。
自分を含めた一味の全員が、大なり小なり怪我していた。手先が器用なウソップの手伝いを得ても忙しい。アイサから「たぬきちゃん……ワイパー、治せる?」と問われた時、「狸じゃねーよっ!? トナカイだよっ!! ほら、角っ! な、角生えてるだろ!?」とにかく忙しい。
重傷を負っていたサンジは休んでろという周囲の気遣いに甘え、紫煙を燻らせる。
「伝説の黄金郷に辿り着いたものの……黄金は一つも手に入らなかったなぁ」
「“神”に先を越されちまったからな。俺達の貧乏航海は続く、だ」
同じく休息中のゾロが応じ、ウソップがチョッパーを手伝いながら言った。
「俺は黄金より
「おーいっ!!」
ルフィが大荷物――それこそ貨物コンテナ並みにデカい袋を引きずりながら駆けてきた。ルフィの右隣にベアトリーゼを積んだウェイバーを手押しするナミが、左隣に愛狐スーを抱えたコニスが駆けてくる。
「ナミさん! ベアトリーゼさんっ! コニスちゃんもっ!!」
サンジが目をハートにして女性陣を歓迎。
「皆さん……ご無事でよかった……っ!」とわんわん泣き出すコニス。
「この大荷物はどうした?」
「おう。森ン中で食糧庫みてーなの見っけたんだ。まだまだたくさんあったぞっ!!」
ゾロへ応じながら、ハムの塊肉を齧るルフィ。
「ビーゼ。調子は?」
「倦怠感と疲労感が酷いけど、ま、たらふく食べれば大丈夫だと思う」
ウェイバーの船体に寝かされたままベアトリーゼが応じれば、ロビンはにっこり微笑み、告げた。
「じゃ、話はその後ゆっくりしましょう」
「当然よ。今回の件はきっちり詰めるからねっ!」
「ヒェ……ッ!」
お説教宣言にナミも乗っかり、美女と美少女に睥睨された蛮族女が震える。
女衆のやり取りに野郎共が苦笑いしつつ、ルフィは大荷物を広げ、言った。
「とりあえず、食おうっ! 腹ペコだっ!!」
異議は出なかった。
麦わらの一味と居候2人と空の民の少女と雲狐は、遅すぎる昼飯を口にしながら、此度の大冒険を語り合う。
ウソップは尾ひれ背ひれを付けまくった活躍譚を語って皆を笑わせ、チョッパーは自身の健闘を語って皆から褒められて照れまくり、ゾロは迷子が発覚して『やっぱり』と爆笑が起こり、揶揄したサンジと大喧嘩を始めた。
ロビンとナミは宣言通りにベアトリーゼに説教を始め、戸惑うコニスが仲裁に入り、『ええ子や!』とベアトリーゼに抱擁されて困惑を深める。なお、説教後のロビンは雲狐スーを抱っこしたくてソワソワしていた模様。
ルフィはそんな一同と楽しい時間を過ごし、太陽のように笑い続けた。
そして、気づけば、日が沈んで夜の帳が落ちていた。全員で満天の星を見上げる中、ナミが言う。
「そろそろメリーに戻って休みましょ」
「おいおい、ウソップ。ナミの奴、あんなこと言ってるぞ」
「まったく困ったもんだな。ナミときたら、まるで分かってねェ」
ルフィとウソップがこれ見よがしに仰々しく溜息を吐き、ナミが怪訝そうに眉をひそめた。
「? あんた達、なにを―――」
困惑するナミを余所に、ルフィは野郎共を見回す。
「もちろん、やるだろ?」
「やらいでか」とウソップ。
「やらねェ道理がねェ」とゾロ。
「だな。やろう」とサンジ。
「? ? ?」チョッパーはきょとん顔からハッとして目を輝かせ「あれか? あれかぁっ?」
訝る女性陣と笑い始めたベアトリーゼを余所に、ルフィは立ち上がり両腕を高々と伸ばし、叫ぶ。
「さあ、やるぞぉっ!!」
そういうことになった。
○
ドンドットット♪
ドンドットット♪
月光の下、太鼓が打ち鳴らされている。
遺跡都市シャンドラの中央大広場。その真ん中に組み上げられた大木の櫓が、月夜を焦がさんばかりに煌々と燃え盛る。
明日から先のことは何も分からないけれど。
憂き世の悩みはひとまず忘れ、今は飲めや食え。歌えや踊れ。
空の民も。シャンディアの民も。青海の海賊も。空の主も。森の獣も。
皆一緒に、
「宴だぁ――――――――――――――――――――――――ッ!!」
太陽のような笑顔を浮かべ、ルフィは大騒ぎ。
ゾロはシャンディア戦士達と呑み勝負。
サンジは空の民のレディ(熟女・独身)と踊り。
ナミは入管ババアを抱えて踊り。
ウソップはコニスやシャンディアの民や空の民と一緒に音曲を奏で。
チョッパーはアイサや子供達に大人気。
ベアトリーゼはパガヤとウェイバー談議に花を咲かせ。
ガン・フォールも酋長も酒杯を傾け、大笑い。
超々巨大ウワバミがその背に大勢を乗せてクネクネと大踊り。
生きる喜びの乾杯も、命を落とした者達への献杯も、全部まとめて飲みこむ。
目覚めたばかりのワイパーが大宴会に唖然としていると、ラキとカマキリに捕まり、宴の輪に連行されていく。
昨日までの敵と酒を酌み交わし、肩を組み、手を握って、一緒に踊る。
ドンドットット♪
ドンドットット♪
輪から一歩離れたところで酒杯を傾けながら、ロビンは柔らかな笑顔を浮かべている。
昨夜のキャンプファイヤーも楽しかったけれど、今夜は桁外れだ。
ベアトリーゼと二人で旅をしていた時ですら、こんな途方もなく賑やかな夜には覚えがない。
こんなに大勢の人とこんなバカ騒ぎをするなんて、今まで経験がない。
楽しくて、嬉しくて、温かくて、心地良くて、不意に目頭が熱くなった、刹那。
ルフィが目の前にいて、にししと悪戯っぽく笑う。
「こんなとこでなーにやってんだ、ロビンッ! 昨日みたく一緒に踊ろうっ!!」
「ええっ?」
連れ出されたロビンが踊りの輪に加えられていく。
ドンドットット♪
ドンドットット♪
夜は更けていくが、宴の勢いはちっとも衰えず、盛り上がり続ける。
いつの間にかベアトリーゼが姿を消しても、誰も気づかないほどに。
○
電伝虫の念波通信が接続された。
エネルの心網と電波制御が途絶えたからかもしれない。
『ようやくつながった。一日連絡が取れなかったから、心配したわ』
電伝虫の通話器から、気品あふれる貴婦人の声が届く。
アッパーヤードの沿岸。穏やかな海嘯を奏でる夜の海。
ベアトリーゼは誰もいないメリー号の後甲板を独り占めし、酒瓶を傾けながら通話器に応じる。
「こっちも色々あってね」
ホント色々あった。ガチで大変だった。主に自分のやらかしで。振り返るとマジで良いとこなし。ナイスでグッドな凄腕美人が形無しだ。そろそろナミちゃん辺りからはポンコツ扱いを受けるかもしれない。
『今、空島に居るのよね? どう? 素敵なところ?』
世界の秘密に触れられる世界政府の秘密諜報員も空島に行ったことはないらしい。声を弾ませるイージス・ゼロの女スパイへ、ベアトリーゼは溜息交じりに答える。
「民族紛争の真っ只中で、暴君の討伐戦に巻き込まれた」
『それはまた……空の上も地上と大差ないのね』
「この憂き世に楽園はないのかもな」
がっかりした声色にベアトリーゼは思わず苦笑いをこぼし、酒瓶を呷ってから話を進めた。
「この電伝虫の位置は測定できてるんだろう? メルヴィユの位置は掴めた?」
ええ。と相槌を返してから、ステューシーは説明した。
『チレン女史の計算では、現在のメルヴィユはロングリングロングランドと、海上鉄道沿線の中間を西へ移動中。貴方の位置から一般帆船の速度でおおよそ二日の距離。貴女のトビウオライダーなら、滑走開始の高度次第で問題なくメルヴィユに辿り着ける。というのがチレン女史の判断よ』
トビウオライダーの件を持ち出され、ベアトリーゼはアンニュイな美貌を見事なショボン顔へ変換し、これ以上ないほど落胆した調子で告げた。
「トビウオ、壊されちゃった」
『え?』
「トビウオ、壊されちゃったよ……」
通話器の向こうから困惑の雰囲気が漂ってくる。
『直せないの?』
おずおずと尋ねてきたステューシーへ、ベアトリーゼは思い返す。白目を剥いて腹を水面に向けたままぷかぷか浮かぶ愛機の姿を。
「脳が高圧電流で焼かれて、手の打ちようがない。一年掛かりで組んで、一月乗ったかどうかでおしゃかだ。たまんないよ……」
しょんぼり顔で嘆くベアトリーゼ。
もっとも、ステューシーの方はしょんぼりどころではない。気ままな個人事業主のベアトリーゼと違い、ステューシーは組織人なのだ。しかも、今回の案件は依頼人が厄介極まる非常にデリケートなものであり、既に上役を通して方々に話を通してしまっていた。
『……もう人と装備を整えちゃったのよ? やっぱり無理です、はもう通らないわ。どうにかできないの?』
ステューシーは口調こそ上品だったが、声音はかなり切羽詰まっていた。ベアトリーゼは感電して痛んだ夜色の髪を弄りながら、応じる。
「電伝虫でこちらの位置を随時教えてくれれば、後はこっちで何とかするよ」
炭化した髪の欠片やら、土汚れやら、煤やらが、パラパラ落ちてきた。お風呂入りたい……
『一応、聞いておくけど、どうする気?』
「推進は私の能力で賄えるから、後は揚力を生む飛翔体を作ればいい。それだけの話だよ。ま、そう難しいことじゃないし、任せて」
不安そうなステューシーへ、ベアトリーゼはグライダーを脳裏に浮かべながら言った。
プラズマジェットをぶっ放しながら、グライダーで飛べばいい。問題はメルヴィユ到着まで一切休憩不可能ということだ。飲食はおろかトイレすらできない。もよおしたら垂れ流すのみ。25歳の淑女としてそれは断固として避けたいところだ。
『無茶をする気なのはよく分かったわ』
ステューシーは的確な感想を返し、話を終えに入る。
『出発する際、連絡を。こちらも準備を進めておくわ』
「了解。そだ、答えられないなら、それで良いんだけど、一つ質問」
ベアトリーゼの問いかけに警戒しつつも、ステューシーは先を促した。
『怖いわね。何かしら』
そして、ベアトリーゼは満月を見上げた。今頃、意識を取り戻したエネルが傷ついた飛行船マクシムを飛ばし、独りぼっちで向かっている頃だろうか。
「月には何がある?」
数秒に及ぶ沈黙の末、ステューシーの静かな、だが、緊張した声が返ってきた。
『かつては神が住んでいた。そう言われてるわ。それ以上は私も分からない』
「この世界は謎が多くて飽きないね」
くすくすと楽しげに笑うベアトリーゼに釣られたのか、ステューシーも困った子を相手にした時のような微苦笑をこぼす。
『知らない方が良いことばかり、とも言えるわね』
通信を終えて通話器を電伝虫の背に戻し、ベアトリーゼは酒瓶を傾けた。
遺跡都市の方から元気な太鼓囃子が聞こえてくる。
ドンドットット♪
ドンドットット♪
Tips
モンブラン・クリケット
原作描写を見てると、ホントに海賊だったのか疑問に思えるほど気の良いオヤジ。
ベラミー他、モックタウン住人。
クリケット達に鐘の音が届いたなら、彼らの耳にも届いたはず。
黄金郷を幻想、妄想と嘲っていた彼らは鐘の音に何を思っただろうか。
ガン・フォール
原作では部下達は皆生きていたけれど、異物が混じる本作では犠牲者多数に生存者が少数いた状態。
希望と失意の両方を抱くことに。
シャンディア戦士
ワイパーの他、主要人物は生き残ったが、命を落とした者も少なくない。
戦争やってんだから、当然の話。
空を見上げるルフィとナミ
サンジが知ったら、嫉妬で血の涙を流しそうなシチュエーション。
パガヤ
コニスの父。落雷を浴びて死んだかに思われていたが、原作通りに生き延びた模様。
本作では扱いが悪かった美少女コニスをこれ以上悲しませることは忍びなく……
ステューシー/ベアトリーゼ
楽しい冒険の時間は終わった。ここからは金獅子狩りだ。