彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
――メリー号をかけて決闘だ。俺とお前達との縁も、それで終いだ。
どうしてこうなったんだろう。
ナミは思わずにいられない。
船の乗り換えを決定したルフィと反対するウソップの対立は、一味が結成されて以来、最悪の仲間割れに至った。
ナミやゾロが冷静になるよう呼び掛けても、ルフィもウソップも耳を貸さず、売り言葉に買い言葉で瞬く間に激しい怒鳴り合いへ発展。
ウソップの逆上振りはもはやパニックと大差なかった。
なんせ仲間達が誰一人として乗り換えに反対していないことに気づかず、普段なら絶対に口走らないような罵詈雑言をルフィに浴びせた。
「お前がまだ走れる
ウソップの狂熱にあてられたのか。ルフィも頭に血を昇らせてしまい、いつもなら仲間に対して絶対言わないような怒号を放つ。
「いいかげんにしろよ、お前ェッ!! お前一人が辛いなんて思ってんじゃねえっ!!」
チョッパーは2人の激昂振りに気圧され、ナミはナミでやはり強く動揺してしまい、2人の間へ割って入ることができず。
ゾロは“船長”の責務を見届けるとばかりに黙して見守っているものの、その表情は酷く険しい。
サンジに至っては、我を忘れたルフィがウソップの追放を口走りかけた時、ルフィを
そんな激しいやり取りの末、ウソップは船を出ていった。
悪しざまにルフィを罵り、仲間達に捨て台詞を吐き、冒頭の決闘を宣言して。
治療をしに追いかけたチョッパーへ『俺とお前はもう仲間じゃねェから、船に帰れ』と追い返すほどに、ウソップの決意は固い。
全てが終わり、ナミは言い争いを始めかけた両翼を叱りつけて黙らせ、キッチンの椅子に腰かけた。額を押さえて溜息をこぼす。
どうしてこんなことになったんだろう。
ルフィはルフィなりにウソップを気遣っていた。メリー号とここで別れる決断も、このまま無理を続けてメリーを沈めてしまうよりは、と苦渋の末に出した答えだったのに。
ウソップだって大切なメリー号と別れたくないだけだったのに。
それなのに、どうしてウソップが一味を抜け、ルフィと決闘なんて話になってしまったのだろう。
……ロビンとベアトリーゼが居てくれたら、こんなことにはならなかったかもしれない。
ロビンなら感情的になった皆を諭すように仲裁してくれただろうし、ベアトリーゼなら厳しい言葉と態度で冷静にさせてくれたはずだ。
だけど、ロビンはまだ帰ってこないし、ベアトリーゼはまだ戻ってこない。
せめてルフィを説得できたらと思ったけれど、ルフィもいつもとどこか違っていて、ナミを冷淡に追い払ってしまった。
「ウソップ……本当に出てっちまうのかな」
チョッパーがぽろぽろと大粒の涙をこぼしながら誰へともなく問うも、答える者はない。
ゾロは眉間に深い皺を刻み、口を固く引き結ぶ。
サンジは煙草の味がやけに苦く感じていた。思うことはゼフの偉大さだ。
ゼフは我もアクも
「今朝まで楽しかったのがウソみたいね……まるで一味がバラバラになってくみたい……」
ナミは不安を隠さずに呟く。
決闘の時間が迫っている。
○
月が照らすウォーターセブン裏町の岬。
メリー号の前の海岸で、ルフィとウソップの決闘が始まる。
ナミは泣いていた。
自分を救ってくれた最高の仲間達が争う様に、涙が止まらない。
ウソップは弱くなんかない。
一つ一つの行動が戦術的に計算され、次の行動に繋がっている。たとえば、腐った卵は燃焼ガスの臭いを誤魔化すため。爆発で生じた粉塵と煙に紛れ、マキビシの罠を仕掛ける。
ルフィの強力な攻撃を敢えて受けて衝撃貝で吸収し、反撃する奴が腰抜けのはずがない。
パチンコ玉サイズで榴散弾を自作できる奴が雑魚の訳がない。
ウソップは弱くなんかない。
だけど、ルフィが本気で、“敵”を倒すように殴れば。
「馬鹿野郎……お前が俺に、勝てるわけねェだろうがっ!!!」
ルフィの怒号はまるで悲鳴のようで、ナミはもう見ていられない。
誰も悪くないのに、なんでこんなことになってしまったのだろう。
ルフィは船長として皆の命の責任を負って決断しただけなのに。
ウソップは皆が愛してるメリー号を大事にしたかっただけなのに。
いつも太陽のように笑って、いざという時は誰よりも頼もしいルフィ。
いろんなことに気が回って、いざという時は誰よりも勇敢なウソップ。
最高の仲間の2人がどうして血を流し合わなきゃいけないんだろう。
海岸に倒れ伏すウソップ。顔を隠すように麦わら帽子を目深に被り直すルフィ。親友同然の2人が袂を分かつ様に、ナミが悲愴な嗚咽をこぼす。
「いやだ……こんなの……っ!!」
そして――
「メリーはお前の好きにしろ。新しい船を手に入れて……俺達はこの先の海へ進む」
決闘は終わりを迎え、
「じゃあな……ウソップ。今まで……楽しかった」
ルフィがウソップに別れを告げ、メリー号の許へ戻ってきた。
不意に足を止め、ルフィは苦悶する。
「……重い」
「それが船長だろ」ゾロは叱咤するように言い、激励するように続ける。「迷うな。お前がフラフラしてやがったら、俺達は誰を信じりゃいいんだよ」
ルフィは無言で歯を食いしばり、拳を硬く握ってゾロの言葉を聞くだけだ。
船長に代わり、ゾロが皆へ告げる。
「船を明け渡そう。この船には俺達はもう……戻れねェから」
麦わらの一味がメリー号の許を去って少し経った時、ウォーターセブンの夜空を流れ星が駆けていく。
否、流れ星はウォーターセブンへ向かって落ちており、同島の頂点に立つ巨大噴水ウォーターグラスに激突する瞬間、慣性を殺すように驚異の六回転捻りから後転二回を加え、ふわりとウォーターグラスの縁に降り立った。
「あー……腹減った」
血浴のベアトリーゼ、ウォーターセブンに到着。
○
黒のスリムパンツとロングブーツ、タイトなカットソーと赤革のジャケット。ライダーファッションな格好の蛮姫は巨大噴水の縁に立ち、霧雨のように注ぐ水飛沫にアンニュイ顔を曇らせつつ、産業都市の夜景を見回す。
飛行中、裏町の岬に小型キャラックが見えた。おそらくゴーイングメリー号。時間的にメリー号を巡る大喧嘩と決闘は終わったと見て良いだろう。
まぁいい。彼らにとっては一大事でも、私にとっては取るに足らない些事だ。もっと重要なことがある。
私の大事な親友がどういう状況にあるか、だ。
原作通り、ロビンがCP9に協力しているのか。
原作と違い、協力を拒んだのか。
前者ならアイスバーグさんのところへ急げば、まだ対処可能か? 後者なら今すぐ見つけて合流したい。
水飛沫で冷やされた夜の空気をゆっくりと吸い、ベアトリーゼは決断を下す。
ひとまずアイスバーグさんとこへ向かおう。原作通りなら、今は本社の
決断するや、ベアトリーゼは迷わずウォーターグラスから飛び降りた。
プラズマジェットの光は目立つので、単純に強靭な身体能力だけで産業都市の屋根を駆け抜けていく。
もっとも、道など使わない。建物を登攀して屋上伝いに飛び移り、通りや水路を飛び越える。パルクールと呼ぶには、あまりにも縦横無尽な疾走と跳躍の繰り返し、ガレーラカンパニー本社まで真っ直ぐ目指す。
――身体能力がさらに向上しているような……ヒューロンの背骨と心肺の交換が効いてんのかな?
移植して一週間経たずにこの馴染みよう。やべーな、オペオペの実。それとも、ドクター・トラファルガーの腕かしら。
そんなことを考えながらガレーラカンパニー本社の近くに到達。物陰に身を隠しながら見聞色の覇気を発動。こちらも以前より効力がずっと大きく向上していた。
ガレーラカンパニー本社内のコンドミニアム。そのリビングルームで、アイスバーグが血を流して倒れていた。原作通りに事が起きてしまったらしい。
間に合わなかったか。
控えめに舌打ち。ベアトリーゼは見聞色の覇気の出力と精度を上げ、現場に残るわずかな痕跡を基に脳内で襲撃時のイメージ映像を構築する。
密室状態の室内に突然新たなドアが生じ、黒づくめの大男と女が侵入。男は変装しているが、女は顔を隠しておらずアイスバーグを撃ち、件のドアから姿を消し、ドアも消滅した。
幻視を確認後、ベアトリーゼの金色の瞳が細められる。
――
顔も背格好もロビンと全く同じだったけれど、佇まいと細かい所作が完全に違う。間違いなく別人だ。
ロビンを捕えられなかったから、カリファ辺りが変装したか? いや、私の知るカリファとも異なる。
この女、誰だよ。
原作との差異に戸惑いを抱きつつ、ベアトリーゼは物陰から身を起こす。
とりあえず一つ分かった。
ロビンは犬ッコロ共と手を組んでない。
ベアトリーゼは見聞色の覇気を最大出力で広域の捜索追跡を行い、
―――? これは……っ!?
突如として砂嵐を浴びたような感覚が走り、見聞色の覇気による捜索追跡が妨害される。金色の瞳孔がきゅっと絞られ、端正な細面が苛立ちに歪んだ。
見聞色の覇気に長けた遣い手は他者の知覚や見聞色に干渉し得る。たとえば、劇場版『RED』でヤソップが息子ウソップの目に自身の視覚を同期させたように。
つまりは今このウォーターセブンには、強力になったベアトリーゼの見聞色の覇気を妨害し得るだけの、見聞色遣いが居る。
電子情報戦のような不可視の攻防が数分に渡って行われた末、ベアトリーゼは見聞色を切った。いや、撤退した、というべきか。
「クソッ。力はこっちが上なのに……相当な遣い手だな」
――どうなってんだ? なんでエネル並みの見聞色戦の手練れが居やがる。こんな奴、原作にいなかったよな?
あ。ベアトリーゼは眉間に深い皺を刻み、忌々しげに毒づく。
「私が居ることで生じた変化ってことか。面倒臭ェな」
CP9の犬ッコロ共に加え、正体も数も不明の脅威――少なくともロビンに化けた女と見聞色遣いがいるわけだ。
今の見聞色戦でこちらの存在は露呈したことも都合が悪い。ロビンの状況次第では、下手に動くと不味いことになる。
「……麦わらの一味が場を引っ掻き回すまで待つか」
苦々しく吐き捨て、ベアトリーゼは苛立ちで歪んだ顔を裏町へ向ける。
合流するならどちらにすべきか。
裏町の宿にいる一味か。岬のメリー号に残る長鼻坊主か。
この不愉快な気分を解消できそうなのは――
ベアトリーゼは人の悪い微笑を浮かべ、夜空に跳んだ。
○
夜が更け、南の風が勢いを増していく。
麦わらの一味は私物を一切合切――それこそ後甲板に移植された蜜柑の木すら掘り返して持ち出し、街の宿に移っていた(ちなみにゾロの筋トレグッズも笑えないくらい多かったりする)。
そうして、誰も居なくなったメリー号の甲板で、麦わらの一味ではなくなったウソップが大の字になって寝転がっていた。
賑やかな船長はもう居ない。迷子癖の寝坊助剣士も、頼もしすぎる美少女航海士も、エロいけど最高のコックも、弟分みたいな凄腕船医も、もう居ない。居候の美女2人もここには居ない。
独りぼっちのウソップは胸中に渦巻く感情から逃げるように、固く目を閉じ続けている。
と。
突如、峻烈な閃光と炸裂音がメリー号を襲った。
「な、なんじゃああっ?! フランキー一家の仕返しかっ!?」
ウソップが驚愕しながら飛び起きると、メリー号の船首飾へ長身の小麦肌美女が立っていた。
「べ、ベアトリーゼ?」
「やあ。ウソップ君」
ベアトリーゼは呆気にとられているウソップの許に歩み寄りながら、アンニュイな美貌を悪戯っぽく歪めた。
「どしたの? 出来の悪いジャガイモみてーにボッコボコだし、恋女房を寝取られた旦那みてーな顔してるぞ」
「たとえが生臭ェっ!!」
感傷的な気分へ生ゴミをぶちまけられるような物言いをされ、ウソップが強く憤慨するも、ベアトリーゼはからからと笑い、月と同じ色をした瞳を細めた。
「で? なーんで独りぼっちなのさ。それに船が空っぽなのはどーいうこったい?」
「―――それは」
咄嗟の返答に詰まるウソップ。目を泳がせた末、状況を説明しようと口を開いた、矢先。
「あ、話の前に何か食おう。今、お腹ペッコペコなのよ」と会話の兆しを蹴り飛ばす蛮族女。
「お前、俺のことからかってんだろっ?!」
正当な抗議をするウソップを余所に、ベアトリーゼは船楼内に入っていき、冷蔵庫を開ける。
「あらら。空っぽじゃない。仕方ないな……ウソップ君、飯食いに行こうぜ!」
「マイペースにも程があるだろっ!! 飯なら勝手に行けっ! 俺は気分じゃねえっ!」
ウソップは腕組みしてそっぽを向く。も、ベアトリーゼに顎を引っ掴まれて無理やり顔を真っ直ぐに向けさせられる。
「な、な、な、なにを」
「行くよな?」
ベアトリーゼは怖い笑顔で言い放ち、力ずくでウソップの首を縦に振らせた。しかも腹話術のように『モチロンダヨ。凄腕美人ト夜食デートニ行ケテ、ウソップ感激ッ!』と宣う始末。
なんかもう色々とバカらしくなり、ウソップは抵抗を諦めた。
そんなウソップを連れ、ベアトリーゼはメリー号から降りると、海岸の一角に向けて手を振った。
「おーい、サンジくーん。一緒にメシいこーぜ」
「「はあっ!?」」
隣のウソップと岩陰のサンジが同時に吃驚を上げた。
「ど、どうしてサンジが……」「な、なんで俺が居るって……」
驚愕顔の長鼻と金髪グル眉に、蛮姫はからかうように微笑む。
「空島で見聞色の覇気を教えただろ。じゃ、飯に行こう」
ベアトリーゼが歩き出すも、ウソップとサンジはバツが悪そうに揃って顔を背けて動かない。
「どしたの?」
「……俺はもう麦わらの一味じゃねえ。こいつとは一緒に居られねェ」険しい顔のウソップ。
「……俺はロビンちゃんがメリー号に戻ってくるかもしれねェから、動けねェ」と苦い顔のサンジ。
「なーんか深い事情がありそうだけど」
ベアトリーゼは金色の瞳をぎらつかせて、小僧共に告げる。
「無理やり引きずられるか、手前で歩くか、好きな方を選べ」
ウソップとサンジは思わず互いに顔を見合わせ、再び揃って溜息を吐いた。
で。
大都市ウォーターセブンは夜更けでも飲食店が開いている。裏町商店街の一角にあるダイナーも、その一つだ。夜間労働者向けにがっつりした食い物を提供している。
ベアトリーゼはウソップとサンジを連れてボックス席に座り(ウソップとサンジの2人は並んで座らされた。気まずい)、ウェイトレスのおばちゃんへ注文する。
「おススメを五人前とツマミを適当に。私にはビールをピッチャーで。あとこの店で一番強い酒。ボトルで。グラスは二つ。氷は要らない」
勝手に注文を済ませ、ベアトリーゼは向かい席の気まずそうな2人へ問う。
「で? 何があったの?」
「……その前に一つ良いかい?」
サンジがまじまじとベアトリーゼの瞳を見つめながら尋ねた。
「ベアトリーゼさん。瞳の色が変わってないか?」
問われた当人はしれっと応じる。
「ああ。金獅子のジジイに元の目をちょっと潰されちゃってね。新しくした」
「はあ!? 目を潰され……はあ!?」「新しくって……ええっ!?」
驚くウソップとサンジに、良い反応だと暢気に微笑み、ベアトリーゼはおばちゃんが持ってきたラム酒のボトルを開け、2つのグラスになみなみと注ぐ。そして、2人の手元に置いた。
「ま、色々あった時にはとりあえず飲め」
力業すぎるだろ、とげんなり顔を浮かべたサンジの隣で、ウソップは琥珀色の酒をじっと凝視した末、一気に呷った。
「お、おい。無茶すんな」
サンジが小さく驚いて案じた通り、ウソップは度数の高い酒を一気飲みして激しくむせた。
強力な酒精はウソップのあちこち痛む身体に沁みいり、喉と空きっ腹を焦がし、何より傷ついていた心を強く蹴り飛ばす。
表情が引き締まったウソップを横目にし、サンジも腹を括ってグラスを一気に干した。強烈。むせ返りそうになったが、オトコノコ的尊厳を保つべく根性を発揮。耐えきった。
そんなオトコノコ達を満足げに眺め、ベアトリーゼは空になったグラスへ、容赦なくお代わりをだぶだぶと注ぐ。
「そうだな。私と別れて青海に帰ってから順を追って説明して欲しい。多分、その方が分かり易い」
ベアトリーゼの要望に、ウソップが再びラムを一気飲み。呆れるサンジを余所に重たい口をゆっくりと開いた。
「多分……今日のことだけじゃねえ。空島から帰ってきた日から積み重なってたんだ……」
空島から帰ってきて、傷ついたメリー号を巡る話し合い。
メリーを直すのか。メリーと別れて新たな船に乗り換えるのか。
ロングリングロングランドで遭遇した海軍大将“青雉”クザンとのやり取り。
そして、今日。
空島から持ち帰った黄金を換金後、3億ベリーのうち2億ベリーを奪われ、ガレーラカンパニーの船大工達は『メリー号はまだ走れるが、直しても改造してもこの先の航海には耐えられない』と判断。
ルフィと一味の皆はメリーと別れることを決断するも、ウソップは認められず――
サンジが溜息を隠すように紫煙を吐いた。
そして、ベアトリーゼは説明の最中に届けられた注文の料理を平らげ、ピッチャーでビールをガブガブ呷り、
「船の乗り換えで大揉めして、決闘に脱退て。アオハルすぎるだろっ! あはははっ!!!」
爆笑した。
つい数時間前に行われた悲愴な決闘に対する感想が、爆笑。それも、大爆笑。店内に響くほどの馬鹿笑いだった。
「……勘弁してくれよ。ベアトリーゼさん」ドン引き顔のサンジ。
「お前、人の心とかないんか?」ウソップが真顔で罵る。
当然の反応だった。
少年二人から大いに見損なわれた大人は、深呼吸を繰り返してなんとか落ち着き、釈明を試みる。
「いやゴメン。でも……ぷふゥッ!」
ダメだった。
ベアトリーゼは美貌を台無しにするほど噴き出し、再び大爆笑する。
原作予備知識があっても、当事者から直接語られると威力が半端ないんだもの。
「分かる、分かるよ? 大事な船を手放すのは嫌だろうさ。私も手塩に掛けて作ったトビウオライダーをぶっ壊されてブチ切れたしね。君らの気持ちはよーく分かるとも。だけど……だからって決闘!?」
腹を抱えて大爆笑する小麦肌美女に対し、サンジは思わず顔を覆い、ウソップは青筋を浮かべた。
Tips
大喧嘩~決闘
原作でもウソップ以外の面々はメリー号から乗り換えることを受け容れている。
本作では『まだ走れるメリーと別れるか否か』の選択だが、どの道、ウソップは受け容れっこないんだから、この大喧嘩~決闘の流れに大きな変化は生じない。という解釈。
ベアトリーゼ。
ようやく現着。
自分の存在が原因で原作よりややこしい状況になったことへ、やや苛立ち気味。
純粋な少年達の衝突を爆笑するダメ大人。
時系列(考察勢の航海日程を参考)
D1:麦わらの一味:青海に帰還。午後にロングリングロングランドへ。
デービーバックファイト&青雉戦
ベアトリーゼ:メルヴィユを目指す準備。
D2:麦わらの一味:休養
ベアトリーゼ:メルヴィユに向けて出発~翌未明に到着
D3:麦わらの一味:休養
ベアトリーゼ:日没時にステューシーの部隊と合流。翌未明まで金獅子戦
D4:麦わらの一味:休養
ベアトリーゼ:トラファルガーに治療を受ける
D5:麦わらの一味:ロングリングロングランドを出立。
ベアトリーゼ:安静中
D6:麦わらの一味:航海中
ベアトリーゼ:安静中
D7:麦わらの一味:海列車シフト駅~W7
午後:換金ーフランキー一家と抗争(ロビンは猟犬と戦闘。囚われる)
夕方:大喧嘩
夜:ルフィとウソップが決闘
ベアトリーゼ:メルヴィユ~W7
午前:くまに飛ばされる
深夜:W7に到着。麦わらの一味大喧嘩後かつアイスバーグ襲撃事件後。
ウソップとサンジを連れて呑みに行き、爆笑中←今ここ