彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
嵐の夜。上昇を始めた水位がウォーターセブンの下町を少しずつ沈めていく中、人気の絶えた再開発地区の屋上の連なりに人影が生じた。
「お前か、邪魔臭い見聞色遣いは」
集合住宅の屋上に降り立ち、ベアトリーゼは革鞄を後ろ腰の雑嚢へ無理やり突っ込み、苛立たしげにサングラスを捨てた。猛々しい南風に夜色のショートアフロを揺さぶられながら、隣棟の屋上を睨む。
隣棟の屋上に立つ二人の成人男性。どちらもサイファー・ポールの黒服を着ていない。
「モース」
大きな眼帯で両目を覆った黒人の大男が名乗り、隣に立つ包帯男も紹介する。
「こちらはザポルスカだ。ちと狂っている」
「よ、よ・ヨ、ろしく」
「よろしく。死ね」
ベアトリーゼは返事をした、と同時に2人へ襲い掛かる。後ろ腰に下げたダマスカスブレードも両腰のカランビットも抜かない。拳を高密度の武装色の覇気で覆い、暴虐的なプラズマブーストで加速した
フリゲート艦を轟沈せしめる電磁加速パンチが、2人が立っていた建物の屋上を爆散させるように吹き飛ばし、粉塵と瓦礫片を方々へ飛散させていく。
だが、そこにモースとザポルスカの屍は含まれない。両者は共に砲弾染みた拳撃を回避していた。まるで攻撃が来ると分かっていたように。
建物の屋上を吹き飛ばし、凶悪犯は小さく舌打ちした。
未来視か。何秒先まで見通せるかは分からないが、要は相手の対応を上回れば良いだけのこと。肝は速度と戦術だ。それにしても……
「気に入らない」ベアトリーゼはどこか気だるげに「それなりに腕は立つようだから、分かるよな? お前らじゃ逆立ちしても私に勝てないって。“迎え”が来るまで逃げ回ってりゃ良いものを、なぜ出てきた」
「お前を抑えておくことが我々の務めだ」
「お・オ・お前に暴れられるとめ・メ・迷惑するんだってサァ」
モースとザポルスカがどこか他人事のように語る。捨て駒、肉盾として扱われることを受け容れているらしい。
「……鬱陶しい覚悟キメやがって」ベアトリーゼは眉間に皺を刻み「政府の犬じゃないな。どこの犬だ」
「“ジョージ”だ」
「お前ら、あの陰険クソ狸の飼い犬共か」
モースの回答を聞いた瞬間、ベアトリーゼのアンニュイ顔が凶暴に歪められていく。
原作開始一年前を“マーケット”で過ごし、またCP0エージェントと交流を深めた関係から、ベアトリーゼはかつて自分が捕縛された“マーケット沖海戦”の背後で、絵図を描いていた諜報員のことを知った。
“ジョージ”と呼ばれる政府諜報機関の古狸。
諜報員や工作員は概して情報機関が持つ非倫理的メカニズムや組織論のシステムに人間性を潰されがちだが、あれは別格だ。他者を駒として扱うことに長けたガチのスパイマスター。
ステューシーに『私の数少ない“友人”なの』と言われて留まっていたけれど……
「ぶち殺しておけばよかった」
ベアトリーゼは心底忌々しそうに毒づく。
見聞色の覇気が造船島からかっ飛んでくる犬共の群れを捉えた。再度舌打ちがこぼれる。
満月色の瞳が殺意に染まる。肉食獣を思わせるぎらつきを湛え、ベアトリーゼは後ろ腰からダマスカスブレードを抜き、両腕に巻いてある装具へ装着。
「まずはお前らをぶち殺す」
「お前なら出来るだろうな」
盲目の巨漢は凶悪な星頭戦棍をワイドスタンスで構えた。その風格と威容はまるで野球の打撃王。
「だが、容易くはないと思え」
「お、オ・俺達はそこらの、の、ノ・野良犬とは違う……っ!」
包帯男はギプスで固定された右腕に御包みの人形を抱いたまま、左手の湾刀を構える。その佇まいは剣客と呼ぶに相応しい。
嵐の夜、暗闘が始まった。
○
ウォーターセブン裏町。北東海岸。ゴミ処理場前『大橋』。
「ぎゃああああああ~~~~~~」
南風が吹き荒れ、波浪が暴れ始めた夜。フランキーの秘密基地たる橋の下倉庫から、嵐の音色に負けぬ大絶叫が轟く。
「あ~~~~~~~うアウアウア~~~~~~~ウッ!!」
「えーんっ!!」
「船のために連れ添ってきた仲間と別れるなんてェ……っ!」
アロハにビキニパンツ一枚の巨漢とスクエアな髪形の長鼻美人姉妹が大号泣していた。
「なんでオメーらが泣くんだよ」
フランキーにメリー号ごと拉致されたウソップが、麦わら一味とゴーイングメリー号の事情を語って聞かせたところ、心の琴線に触れたらしく三人ともこの有様だ。
「バカッ! 泣いてねーよバカ! だが、オメーの心意気に心打たれたのも事実だ!!」
「泣いてねーわいな!」
「誰一人泣いてねーわいな!!」
「なんなんだこいつら」
泣いてないと言いながら号泣する三人に、ウソップは溜息も出ない。
ひとしきり喚き散らすように泣いた後、フランキーはオンボロソファに巨体を預け、美人姉妹が淹れた茶をしばきながら、心を落ち着かせる。
「オメーにそこまで男を見せられちゃあ、俺も怒りを収めざるを得ないじゃない……つーことでお互いに怒りを鎮めて……それでワッショイワッショイってことで手を打とうじゃないの」
「ドッコイドッコイだわいな」「ドッコイドッコイだわいな兄貴」
モズとキウイのツッコミを浴びつつ、
「オメー気に入ったぜ、お兄ちゃん。行く当てがねェなら、俺の部下になれ」
フランキーはウソップを一家に誘う。
も、ウソップは断固として拒否。
「断る! 俺は一味を辞めても海賊なんだ!」
「男の子だねえ……」
フランキーがにやにやと笑う。年長者特有の若者に対する包容的な微笑み。
対照的に、ウソップは昨夜ベアトリーゼに笑われたことを思いだし、銀紙を噛んだような顔を浮かべる。
「……アクア・ラグナって高潮だか台風だかが来るんだろ。お前らは暢気にしてていいのか?」
「まぁ規模にもよるが、この倉庫まで水位が上がってくることはまずねェ。毎年のことだからな。この島の人間にしてみりゃあ風物詩さ」
フランキーは茶を啜り、ウォーターセブンの事情をウソップへ語って聞かせる。
「問題は年々上がる水位……いや、島の沈下の方だ」
「沈下? この島、沈んでんのか?」
「ああ。水上都市なんて言われちまうくらいにな。潜ってみりゃあ分かることだが、造船島以外の街はどこも古い建物の上に建てられてる。最深部は数百年前、この島がもっとデケェ島だった頃のもんさ。オメェらが利用してた水路も本来は歩道だったんだぜ」
「あと数十年もしたら、下町全体が沈むかもしれないわいな」
「隣の再開発地区はもう新しい基礎を作り始めてるわいな」
兄貴分の解説に四角髪の姉妹が補足を加える。
「そうなのか……でも、いざって時はあの海列車で他の島へ移れば良いんじゃねえか?」
「まぁ、今ならそう言える。だが、この辺りは航海の難しい海域でな。海列車の誕生以前は島同士の往来が滅多になかった。住人達はいつか島もろとも沈んじまう不安を漠然と抱えながら、しみったれた生活を送ってたわけだ」
ウソップの指摘に、フランキーはどこか得意げに言葉を紡ぐ。
「そんな諦めにも似た住民に希望を与え、この海域一帯の島々の未来に光を与えたのが、海列車パッフィング・トムだ」
「今じゃログポース要らずで誰でも好きな時に海を渡れるんだから、凄い進歩なんだわいな」とキウイも自慢げに言った。
ああ。とフランキーはキウイの言葉に深く頷き、なぜか懐かしそうに言葉を編む。
「全ては海列車を開発した、トムという偉大な船大工のおかげなのさ」
海列車はウォーターセブンの人間にとって誇りなのか、とウソップは理解する。
フランキーは茶を呷り、目線をウソップから傷だらけの小型キャラックへ移した。
「で、お兄ちゃんよ。本題に入るが、この船を直してどーする気だ?」
「そりゃ当然、こいつと一緒にまた冒険して、いつか故郷の
ウソップが晴れ晴れと語るも、フランキーは溜息と共に否定する。
「無理だな。東の海までもちゃあしねェよ」
「―――ッ!!」
思わず息を飲むウソップを余所に、フランキーはゴーイングメリー号を見つめながら、
「ここへ引き上げる時、この船をよく見せてもらった。ガレーラのヘボ共が査定した通りだな。“そいつ”がはるばる東の海からグランドラインのこの島まで来られたこと自体、奇跡みてェなもんだ」
滔々と言葉を重ねていく。
「旧式の小型キャラック、それも沿岸用遊覧船。おまけに設計も材も大したもんじゃねえときた。この船にゃあグランドラインの海はあまりにも厳しかっただろうよ。そりゃ傷だらけにもなるってもんだ……ところが肝心要の竜骨と肋骨は歪みだけで済んでやがる。操舵士か、あるいは航海士の腕が余程よかったんだな」
フランキーは茶を口に運び、顔を引きつらせているウソップへ目線を移す。
「逆に言やぁよ。そんだけ腕の良い船員が居てもなお、この様だ。仮に全バラして竜骨と肋骨の歪みを直したところで、お兄ちゃん一人じゃ、あっという間に沈んじまうのがオチだ」
「……っ!」
残酷な事実をここでも指摘され、ウソップの顔が強張っていく。
そんなウソップへ、フランキーは告げた。
「解体屋としてはっきり言おう。この船に直す価値はねェ」
「――うるせぇ!! メリーは俺の船だっ! 俺は絶対に、メリーを見捨てたりはしねぇっ!」
怒気を込めて吠えるも、ウソップの声は悲愴そのもの。
「オメーがこの船で死にてェなら、俺も口出ししなかったさ。船と一緒に魚の餌になりゃあ良い。見ず知らずの死にたがりを止めてやる義理なんざねェからな」
フランキーはソファの背もたれに巨躯を預け、フッと息を吐く。
「けどよ、オメーは帰ると言った。いつかは故郷へ帰りてェんだろ? 故郷の家族なりダチなりにまた逢いてェんだろ? だから、言ってやる。その船じゃあ帰れねェ。無理だ。その船で海に出れば、オメーは死ぬ。これは脅しじゃねえ。絶対の事実だ」
「……黙れよ」ウソップが声を絞り出す。
「どうすんだ、お兄ちゃんよ」
ハラハラ顔の長鼻美人姉妹から視線を浴びつつ、フランキーはウソップに問いかける。その声音はどこか憐れみがこもっていて、諭すような響きが強かった。
「どうしても死にてェなら、そいつを直しゃあ良い。アクア・ラグナが通り過ぎるまでの暇潰しだ。作業に助言の一つもしてやるよ」
「黙れって」ウソップは奥歯が割れそうなほど噛みしめ、拳を強く握りしめる。
「生きて故郷へ帰りてェなら、その船は諦めろ。無理なもんは無理だ。オメーがどれだけその船を愛してようが関係ねェ。そいつじゃあ東の海には辿り着けねェよ」
「黙れって言ってんだろっ!!」
ウソップの絶叫が倉庫に反響した。そして、その場に崩れ落ちるようにへたり込む。
フランキーはウソップを真っ直ぐ見据えたままだ。感受性が強い四角髪姉妹はウソップに同情したのか、再び涙ぐみ始めている。
へたり込んだウソップはぽろぽろと大粒の涙を石畳へ落とし始めた。
「……分かってんだ……っ! もう、メリーじゃこの先に進めねェのは……っ! 全部分かってんだっ!!」
それは告解だった。
「グランドラインに入って以来、波を一つ越える度、島を一つ進む度、メリーはどんどん壊れてって……分かってたんだ。グランドラインの海はメリーには過酷すぎるって……メリーじゃ……もうこの先へ進めねェって……俺だって分かってたんだ……っ!」
猿山連合軍の船大工達に指摘された時はまだ反発していられた。ベアトリーゼに指摘された時もまだ否定していられた。けれど、空島から帰ってから、血を流し続けるように浸水が止まないメリーの姿を見て、もう否定できなくなった。
ウソップは傷だらけの両手で顔を覆うも、大粒の涙は指の間を抜けて石畳を濡らし続ける。
「だけど、俺は……あの日、見たんだ……絶対に見間違いなんかじゃねえ……」
空島で過ごした最初の晩。霧深い湖畔の夜。船に槌を振るうレインコートの小さな影。フライングモデルに改造されていたメリー号を、空島では誰も知らないはずの本来の姿へ復元させた。
もう少しだけ、皆を運んであげる、と言いながら。
「――別に信じてくれなくてもいい。だけど」
「信じるも何も……そりゃあクラバウターマンさ、お兄ちゃん」
ウソップの言葉尻に被せるようにフランキーが言った。ウソップは怒気が抜け落ち、涙に濡れた目をきょとんと瞬かせた。感涙していたモズとキウイも初耳らしく小首を傾げる。
「今時の若ェ奴らは知らねェのか」
フランキーは微苦笑をこぼし、不思議そうな顔をしている若者達へ教えた。
「船乗りの伝説さ。本当に大事にされた船に宿る妖精、まぁ船の化身みてェなもんだな。俺も長く船大工をやっちゃいるが……正直、そいつを見たと直接聞くのは初めてだ」
感嘆をこぼし、フランキーは傷だらけの小さな帆船を見上げる。敬意を込めて。
「大切にされた分だけ、船は船乗りに感謝し、船乗り達を愛する。人の姿で現れるほど愛する船員に出会えたとなりゃあ、この船は随分な幸せもんだな」
「メリー……」目元を拭い、愛船を見上げるウソップ。
「しっかしよぉ」フランキーは年長者らしい顔つきをウソップへ向け「呆れたもんだ。船のことを全部分かってたってのに、わざわざ仲間と大喧嘩したのか」
「……そう、割り切れるもんじゃねえ……」
ウソップは昨晩ベアトリーゼに大爆笑された挙句に『駄々をこねたガキ』とまで言われ、さんざん弄り倒されたことを思い出し、バツが悪そうにそっぽを向く。
「男って奴は不器用だわいな」
「バカだわいな」
スクエアな髪の姉妹がくすくすと苦笑いし、フランキーが長々と溜息をこぼした。ウソップはへそを曲げた。
フランキーは水色髪のリーゼント頭をぽりぽりと掻き、言った。家出少年を諭す近所のオヤジみたいに。
「お兄ちゃんよぉ……オメー、仲間のトコに帰れや」
その口調にオトコノコ的心理を酷く刺激され、ウソップは不貞腐れて顔を背けた。
「今更……そんなこと出来るか。俺は船長と決闘したんだぞ……っ! それに船のことも解決してねェし……」
「解決もへったくれもねェだろ……っ! そいつじゃもう先に進めねェと分かってんなら、答えは出てるじゃねェの!!」
仕方ねえなあ、とフランキーは小さくぼやく。
「こいつは俺に預けていけ。オメーの気の済むよういい塩梅に始末をつけてやる。そうだな……この辺りの海で余生を過ごさせてやるよ。男として約束する」
ここまで面倒を見てやる義理はないのだが、オトナのフランキーはこの不器用な坊主をどうにも放っておけない。道に迷った若造の背中を正しい道へ送り出してやるくらいはよかろう。
「余計なお世話だっ! メリーは俺の問題だぞ!!」
が、長鼻小僧はそんなフランキーの心遣いをあっさり拒絶した。
「わっかんねェ坊主だなぁ……」
フランキーは『これだからガキはよぉ』と言いたげに仰々しく鼻息をつき、言葉を並べていく。
「オメーらが大好きで人の姿で現れるほどの船がよぉ、オメーら乗っけたまま死んじまった日にゃあ、おい! こいつに立つ瀬がねェだろうよ。それとも、何か? オメーはこの船で仲間全員がくたばる方が良いってのか? そりゃあ我儘が過ぎるってもんだろ」
しかし、ウソップは納得しない。承服しない。承諾しない。頑固一徹。
「―――わ、我儘の何が悪いってんだっ!! オメェは先に進むためなら、苦楽を共にした仲間を『後はせいぜい楽に暮らせよ』って置き去りにしても良いってのかよっ!」
「そりゃ話の筋を逸らしてるだろーが」
「逸らしてねえっ!! そういう話だろっ!!」
ぎゃあぎゃあ喚く男2人。
「男って面倒臭いわいな」
「バカなんだわいな」
スクエアシスターズが呆れ声をこぼした、刹那。
倉庫を襲う轟音。砕け飛ぶ倉庫正面扉。宙を舞う血塗れの大男と包帯男。
「「なんじゃあああっ!?」」「「ぎゃああああああああっ?!」」
フランキーとウソップと長鼻美人姉妹が驚愕しているところへ、小麦肌の長身美女が金色の瞳をぎらつかせながら現れた。
「ベアトリーゼっ!?」「なんだ、テメーらはッ!!」
予期せぬ登場に吃驚するウソップと至極真っ当に憤慨するフランキー。
「雑魚共が根性見せやがって……っ!」
ベアトリーゼはウソップ達を完全に無視し、悪役台詞を吐き捨てながら、血達磨の黒人大男と包帯男へ向かって進んでいく。
「さっさと三枚下ろしになりやがれ」
「おいコラァッ! 無視してんじゃねえッ!! 俺の秘密基地に殴り込んできた挙句、殺人現場にしようしてんじゃねえぞっ!!」
額に青筋を走らせたフランキーが怒鳴りつけると、ベアトリーゼは面倒臭そうに舌打ちした。
「立て込んでんだよ。すっこんでろ」
実際問題、ベアトリーゼの心中はかなり苦々しい。
まさかよりにもよって、『此処』に至るとは。せっかく犬共の計画を引っ掻き回したのに、全てを挽回されかねない。
「アーゥ! スーパー図々しい物言いしてくれるじゃないの……っ! 俺は女相手でも容赦しねぇぞゴルァッ!!」
フランキーがソファから立ち上がり、大きな拳をボキボキと鳴らす。
「ま、待てよっ! おい、ベアトリーゼっ! 何がどうなってんだっ!? そいつらは誰だよっ!?」
ウソップが慌ててフランキーとベアトリーゼの間に入り、血反吐をぶちまけている黒肌の盲人と包帯男を指差す。
「敵だよ、敵」ベアトリーゼは煩わしげに「ロビンを攫い、麦わらの一味にアイスバーグ氏殺害未遂とガレーラ襲撃の濡れ衣を着せた、政府の犬ッコロ共の仲間だ」
「え?」「あ? 政府だぁ?」
ウソップが目を瞬かせ、フランキーが訝んだ、ところへ。
盲目の黒人男と包帯男がよろめきながら立ち上がり、揃って得物を構えた。
「まだ俺達の心臓は止まっていないぞ、血浴」
「ひ、ヒ・ひひ。血浴も意外と、た、タ・大したことないなぁ」
ピキッとしたベアトリーゼは後ろ腰から革鞄を抜き取り、ウソップへ投げ渡す。
「――おい、ウソップ。持ってろ」
「え、ちょ、なんだよ、これっ!?」
戸惑うウソップを無視し、ベアトリーゼは満月色の双眸をぎらつかせた。
「殺す」
「アーゥ!! 俺の秘密基地で俺を蚊帳の外に置くんじゃね――――っ!!」
フランキーの、やはり至極当然の怒号が響き渡った。
Tips
ベアトリーゼ
オリ主。25歳。
”ジョージ”と会ったことはないが、7年前にしてやられたことを忘れてない。機会があれば殺そう、と思うくらい嫌い。
モース
オリキャラ。元ネタは銃夢:LOの実質的なネームドモブ。
本作では手練れの覇気使い。
ザポルスカ
オリキャラ。元ネタは銃夢:LOの実質的なネームドモブ。
本作でも頭がイカレてる。でも、手練れ。
ウソップ
原作主役の一人。
迷える青春真っ只中の17歳。なんかもう尾崎豊の歌が合いそうなくらい青春中。
フランキー
原作主役の一人。
オトナな34歳。意固地なウソップに若き日の――そして過ちを犯した自分を見ているのかもしれない。
スクエアシスターズ。
原作キャラ。
真四角の特長的な髪形をしているけれど、幼い頃は普通の髪形をしてた模様。
可愛いと評判。実際、可愛い。髪を下ろすともっと可愛い。
一部界隈曰く『ウソップが女体化したらこんな感じの美人になりそう』とのこと。