彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
裁判所の屋上、胸壁に傲然と並び立つ海賊共。
大滝を挟んで向かい立つ司法の塔。その最上階バルコニーに諜報機関の殺し屋達が現れる。
「どいつもこいつも腹ぁ括った顔をしとるな……傷の具合は?」
「もう塞がった。そっちは? 多少は“馴染んだ”か?」
「まぁ何とかするわい」
カクとルッチが死闘を予感してシリアスに言葉を交わす。
「あれが血浴か。手配書より良い女じゃねェか。まぁ俺の好みじゃねェが」
「給仕のギャサリンに振られたばかりでよく言う――チャパパパ」
「余計なこと言ってんじゃねえっ!!」
ジャブラとフクロウが気の抜けたやり取りをする隣で、
「あれは、フランキー……っ! わざわざ出向いてくれるとはね、手間が省けたわ……っ!」
「ほ~~~ぉ? カティ・フラム某がここにぃ~~? そいつぁ災い転じて福とぉ~なすかぁっ!! ここで捕えてくれようぞぉ~~~よよぃっ!」
任務失敗を挽回する機会を得たことに気合を入れ直すカリファ。意気軒高なクマドリ。
「カティ・フラムがここに居るだとぉっ?!」
と、押っ取り刀で駆けつけてきたCP9指令長官スパンダムは、耳聡くカリファとクマドリのやり取りを聞きとめ、歪な顔を凶悪に歪めた。血走った眼で裁判所屋上に並び立つ慮外者共を睥睨し、水色リーゼント頭の変態大男を凝視する。
「ぁあああっ!! 確かにっ! いくらか老けちゃあいるが、あの忌々しい面は間違いねぇっ!!」
スパンダムは火傷で腫れた顔に嘲笑を浮かべ、悪罵を放つ。
「運良く逃げられたのに、のこのこテメェから出向いてきやがるとはなぁっ!! 8年前から変わらず、テメェは俺に好都合なマヌケ野郎だぜっ!! カティ・フラムッ!!」
「オメェ、あいつと知り合いなのか?」
「ちっとだけな。8年前よりアホ面に磨きが掛かってやがる」
ルフィに問われ、フランキーは師匠の仇を睨みながら毒づいた。
フランキーの強烈な敵意に気づかず、スパンダムは嘲弄を続ける。
「それに引き換え……テメェの兄弟子アイスバーグには手を焼かされたぜっ! 腕一本でウォーターセブンの造船所をまとめ上げ、大会社を組織し、恨みさえある世界政府に自ら近づき、政府と軍の“御用達”として地位を確立しやがった……おまけに市長なんぞにまで成り上がってよぉ……っ! おかげで下手に手が出せず、5年も掛かっちまったっ! まったく師匠の魚人といい、弟子といい、目障りこのうえねェっ!!」
マヌケ男の嘲罵を聞かされ、フランキーは兄弟子がなぜ政府に与するような真似をしていたのか、今更ながらに理解した。同時に、再会時に兄弟子を罵ってしまった自身の短慮と不明を内心で恥じる。
バカバーグめ、そうならそうと言やぁ良いものを……俺様がクッソダセェじゃねぇか……っ!
そんなフランキーの心情を察することなく、スパンダムは囀り続ける。
「まぁそんなアイスバーグの努力もテメェが今台無しにしちまったがなぁ、カティ・フラムッ! 多少厄介な事態になったが……俺の望んだ絵図通りにニコ・ロビンと貴様、古代兵器復活の引き金は俺の手に収まるっ! ははははっ!! 俺に向かって風が吹いてるんだっ!」
スパンダムがげらげらと哄笑を挙げる中――
「おい」
ルフィが心底どうでも良さそうに吐き捨て、
「俺達はオメェの与太話を聞きに来たんじゃねェんだよ」
どーんと吠える。
「ロビンとサンジを取り返しに来たんだっ!!」
びりびりと大気を震わせる剛毅な豪気に圧倒されつつ、スパンダムは脳裏に『?マーク』をこさえた。
「サンジって誰だ?」
「ニコ・ロビンと共に連行した男です」
ルッチが淡々と説明すると、スパンダムの陰険な顔が悪意に歪む。
「……ニコ・ロビンとあのクソガキを連れてこい」
怪訝顔を作る政府公認の暗殺者達。それでも上司の命令に従い、カクが衛兵に2人を連れてくるよう命じた。
スパンダムは不快そうにチリチリになった髪を掻き乱しながら、対岸のルフィ達へ罵声を張る。
「海のクズ共がここをなんだと思ってやがるっ!! 政府中枢の玄関口っ! 悪を罰する法の大要塞エニエスロビーだぞっ!! テメェらゴミカス共が好き勝手暴れていい場所じゃねえんだよっ!! 身の程を弁えやがれっ!!」
ぎゃーぎゃーとスパンダムがヒステリックに喚いているうちに、衛兵達がロビンとサンジをバルコニーへ連れてきた。高純度海楼石で拘束されているため、ロビンは自力で立てず、衛兵に支えられて無理やり立たされている。
「あ! ロビーンッ! サンジーッ!!」
仲間の“2人”が無事だと分かり、ルフィが大きく手を振る。
ロビンが歓喜と後悔の入り混じった複雑な思いに駆られた隣で、サンジは頼もしい仲間達――ではなく、エロカワ衣装のナミとセクシー衣装のベアトリーゼに目をハートマークにしていた。
「ナミさんッ!! ベアトリーゼさんっ!! お二人ともなんて刺激的なお姿なんだ……っ!!」
「海列車の時よりボロボロになっとるんだが……拷問でもされたか?」
「平気だろ。あのアホ面を見ろよ。元気いっぱいだ」
サンジの有様にスナイパーマンとゾロがそんなやり取りを交わし、
「2人とも無事だ……っ!」「良かった……っ!」
チョッパーとナミがひとまずの安堵を抱く。
その傍らで、ベアトリーゼはロビンの口元に血が滲んでいることや着衣にある土足の痕などから、ロビンが原作通りに貶められ、虐げられたと気づいた。
あの豚野郎。ベアトリーゼは密やかに決意する。生きたまま全身の皮を剥いでやる。
「寛大な俺様がテメェらカス共に取引してやろうじゃねェかっ!」
スパンダムがサンジを指差してから、にやにやと薄笑いを浮かべて告げた。
「俺にとっちゃあ何の価値もねェゴミクズだが、テメェらには大事な仲間なんだろう? 返してやろうじゃねェか。代わりに、カティ・フラムをこちらに差し出せェッ!!」
本人は離間の計を仕掛けたとでも思ったのだろう。薄笑いを大きくし、気持ちよく言葉を並べていく。
「悪い話じゃねえだろぉ? テメェらは仲間を取り戻せて、世界中の人間から憎まれ疎まれる“厄介者”のニコ・ロビンをこっちで引き取ってやろうってんだからよぉ」
ロビンを侮辱され、ベアトリーゼが『背骨を抉り取ってやる』と決意を新たにする傍らで、
「何言ってんだ、あいつ」
ルフィが鼻をほじりながら小首を傾げた。
「なぁっ!? は、鼻ほじっとるっ!?」驚愕したのはスパンダムだけだった。CP9の面々がこっそり嘆息をつく。
鼻糞を大滝に飛ばし、ルフィはスパンダムに呆れた目を向け、怒鳴る。
「取引なんてするわけねーだろバカッ!! ロビンも、サンジも、お前らに渡したりしねぇっ!!」
「パープリンの梅毒病みめ」ベアトリーゼが悪態を吐き「よくまぁこんなノータリンが要職に就けたもんだ。あれだな。政府のジジイ共にケツを差し出して成り上がったタイプだろ。おしゃぶりとおねだりが得意なケツ舐め野郎だ。間違いない」
唐突に吐かれた強烈な侮辱に、スパンダムは頭に血が昇り過ぎて立ち眩みを起こし、白目を剥いた。
あまりの物言いに一味の青少年達がドン引きし、純真無垢なトナカイボーイが『? どういう意味だろう』と小首を傾げ、フランキーが思わず苦笑いをこぼす。
CP9の面々は驚異の感情抑制能力を発揮した。敬意を欠片も抱いていないとはいえ、上司が侮辱されて笑っちゃ不味い。
そんな奇妙な静寂の中で、ロビンは困惑する衛兵の手から逃れ、手すりで力の入らない身を支えながら、告げた。
「皆、ごめんなさい」
美しい碧眼を慙愧の涙に潤ませながら、言葉を紡いでいく。
「貴方達を私に付きまとう世界の闇に巻き込みたくなかった。貴方達を私が味わってきた世界の悪意に晒したくなかった。今回の件で貴方達と別れることになってでも、貴方達を守りたかった。なのに……ごめんなさい。私のことに巻き込んでしまって、本当に――」
「謝るんじゃねえっ!!」
ルフィが全身から絞り出したような大声で叫び、続くロビンの言葉を掻き消した。
「ロビンッ!! 俺達に謝るんじゃねェッ!!」
雄叫びを浴び、スパンダムが我に返る。
「……ぅ、海のゴミクズ共がああああっ!! テメェら如きがいくらイキがったところで、どーしよーもねェと思い知れぃっ!!」
見ろ、とスパンダムは腕を掲げ、司法の塔の尖塔に掲げられた世界政府の旗を示す。
「あの旗はなぁ、四つの海とグランドラインにある170国以上の加盟国の結束を示すもの……そして、その上に君臨する世界政府の象徴だっ!! 俺達はなぁっ! テメェらみてェなちっぽけな存在なんざ、いつでも踏み潰せるんだっ!! その空っぽの頭で理解しやがれっ!!」
「……あれがロビンの敵か」
ルフィは世界政府の旗をじっと見つめ、
「スナイパーマン」
「何かね、ルフィ君」
緑マスクの長っ鼻へ告げた。
「あの旗。撃て」
「了解した」
スナイパーマンは即答し、背中に担いでいた新兵器の巨大パチンコをブンブンとバトンのように回した後、
「必殺、
一切の躊躇も逡巡もせず、撃った。
放たれた弾丸はド派手な炎の軌跡を曳きながら、一直線に尖塔にたなびく世界政府の旗へ着弾。
ドカンと木っ端微塵に吹き飛ばした。
世界政府の旗が千々に引き裂かれ、焼け落ちていく様は島のどこからでも見ることができ、その衝撃的な光景に、島の全部隊が思わず動きを止めて慄きながら驚愕した。
『海賊共が、世界政府に宣戦布告しやがったぁっ!!』
「しょ、正気かっ!? 全世界を敵に回して」
「望むところだぁ―――――――――――――――――っ!!」
狼狽するスパンダムの訴えを掻き消す未来の海賊王の大咆哮。
「ロビンッ!!」
ルフィは涙ぐむロビンを真っ直ぐ見つめ、
「お前はもう一人じゃねえっ!! お前の仲間はもうリーゼだけじゃねえっ!! 俺達全員が仲間だっ!! 相手が世界だろうが何だろうが、俺が、俺達が絶対に守ってやるっ!!!!」
全身全霊の力を込めて叫ぶ。
「俺達は絶対っ! お前に夢を諦めさせたりしねェぞっ!!!」
故郷を失って以来、誰もがロビンを否定した。
この世に生きてはいけないのだと。存在そのものが罪だと。夢を追うことも、生きることすらも許さなかった。
唯一心許せる親友のベアトリーゼですら、出会った時はロビンに“契約”を求めた。
だが、麦わらの少年と彼の仲間達は……
――海は広いんだで。いつか必ず、お前を守ってくれる仲間が現れる!!
――必ず心から信じられる人達と出会える。だから、諦めないで。
大きな親友の言葉は正しかった。頼もしい親友の言葉は正しかった。
本当に出会えた。この敵意と悪意だらけの世界の中で。
美しい碧眼から滂沱の涙が溢れだす。幼子のように外聞もなく美貌をくしゃくしゃにして、ロビンは嗚咽をこぼす。
「ロビンちゃん」サンジが優しい声で告げた。「応えてやってくれ」
私は……
「……絶対に諦めないっ! 私は貴方達と一緒に夢を追いかけたいっ!!」
ロビンは叫ぶ。
自分の小さな世界が燃え落ちた日、母へ訴えたように。
血塗れの甲板で、たった一人の友へ宣誓したように。
だから――
「ここから助けてっ!!」
ルフィが満足げに微笑んだ。
ゾロは黒布を頭に巻き、ナミが感涙を拭ってクリマ・タクトを強く握った。
スナイパーマンが『よくぞ言った』と謎の上から目線で頷き、ロビンの隣でサンジがニッと白い歯を見せる。
人獣姿のチョッパーが両腕を高々と掲げて叫ぶ。フランキーが『オメェら好きだーチキショ~~~ッ!!』と感動の号泣。
そして、ベアトリーゼは心底嬉しそうに、同時にどこか寂しそうに、小さくとても小さく唇の端を和らげた。
おめでとう。
今、貴女は本当の意味で最高の仲間を手に入れた。もう私のような異物に恃まなくても、自由に海を渡っていける。
おめでとう。ロビン。私の最愛の友達。
○
大きな駆動音を奏でながら跳ね橋が降りていく。その降下を妨げるものはいない。
本来なら裁判所も裁判所前も激戦が繰り広げられ、跳ね橋の架橋を担ったフランキー一家達は大変な悪戦苦闘を強いられた。が、この世界線においてはちと違う。
フランキー一家達は異物による正門と前門の速やかな撃滅と熱プラズマ爆撃、催眠音波攻撃により、大幅な負担軽減を得られた。加勢に参じた巨人2人も万全だ。
最後の最後までしぶとく足掻いた裁判長バスカビルも、今やぶちのめされて失神昏倒、パウリーのロープワークによって天井から逆さ吊りにされている始末。
よって跳ね橋は順調に降りていく。
「ふざけんじゃねェっ!!」
感動的な空気に唾を吐くように、スパンダムが喚き散らす。
「海の虫けら共が人並みにお友達ごっこかっ!? ふざけんじゃねえっ!!」
チリチリ頭をイライラと掻き乱しながらロビンに歩み寄り、躊躇なく殴り倒した。
「何が夢を諦めェねェだっ! 邪悪なオハラの生き残りが抜かしやがるっ!! テメェはこの世に存在すること自体が許されねェんだっ! 世界の邪魔者が夢を見るなんて烏滸がましいンだよっ!」
脇のサンジが瞬時に飛び掛かろうとするも、衛兵達に取り押さえられた。麦わらの一味が殺気立ち、ベアトリーゼがいよいよクソヤロウをぶっ殺しに向かおうとしたところへ、
「空気の読めねェ野郎だな、スパンダ。まあ、性根の腐りきったゲスヤローにこいつらの情や絆を理解できるわけもねェ」
フランキーが軽侮を込めて鼻息をつく。
「この世に存在すること自体が罪? そんなバカな話はねェ」
――どんな船でも、造り出すことに善も悪もねェもんだ。
今なお敬愛する師匠トムの言葉を思い浮かべつつ、がぽっと腹のハッチを開いて隠し箱から書類束を取り出した。
「見えるか、クソヤロー共。テメェらが血眼ンなって探してたもんだぞ」
高々と掲げられた書類束を驚異的な視力で捉え、ルッチとカクが身を強張らせる。
「どれだけ探しても見つからんわけじゃ。まさか体の中に隠し持っておったとは……」
「あいつ、サイボーグじゃねェか」ジャブラが顔を引きつらせ「なんで最先端技術の塊があんな所に居やがる?」
ジャブラの疑問の答えを持つ者はいない。
「ほ、本物かっ!? 寄越せっ!! そいつを寄こせっ! それは俺のものだっ!!」
スパンダムはバルコニーの手すりから身を乗り出し、口角から泡を飛ばして叫ぶ。
ふん、とフランキーは鼻を鳴らす。8年前に恩師を死に追いやったクソヤローに侮蔑の眼差しを向けた。
――あれだけの偉業を成したトムさんが全てを捨てて、未来へつないだ設計図だ。古代兵器が蘇る可能性がある以上、抵抗勢力としてこの世に必要なものなんだ。
脳裏に兄弟子の言葉がよぎる。ああ。オメェの言いたいことはよく分かる。だがな――
「大勢の船大工達が継いできたこの設計図はよ、トムさんやアイスバーグが命懸けで守ってきたもんはよ……古代兵器がテメェみてェな薄らバカの手に渡った時、その暴走を阻止してくれという“設計者の願い”、良心の叫びだっ!!」
フランキーはにたりと口端を大きく歪め、
「そんな設計者の想い、先達が繋いできた思いをテメェ如き小物に踏み躙られるくらいなら……こうすべきだよなぁ」
大滝へ向かって書類束を放り投げ、トドメに口から業火を放って焼き払う。
古い設計図はたちまち燃え尽き、灰となって千々に砕けながら底なしの大滝に消えていく。
「いぃやあぁあああああああああああああああああああああああっ!?」
半狂乱になって慟哭を上げるスパンダム。5年間、探し続けた設計図の末路を目の当たりにし、ルッチ達も言葉がない。
「ンッン~っ! スゥーパーにイ~~~気分だぜェ……ッ!!」
往年の報復と意趣返しを済ませ、フランキーはスッキリ爽快な気分を抱きながらリーゼントに櫛を通す。
「麦わらぁ。これで古代兵器の対抗する力は消えて無くなった。テメェらがニコ・ロビンを助け出さなきゃあ世界は“絶望”だが……問題ねェよなぁ?」
「ああ。何も問題ねェ」
未来の海賊王は大きく頷く。彼の誇るべき仲間達もまた強く頷く。
「ロビンとサンジは絶対に取り返すからな」
「よ……よくも、よくも俺の設計図をぉっ!! 許さねぇ! 許さねぇっ! 許さねぇっ!!」
怒り狂い、双眸を血走らせたスパンダムがサンジの襟首を掴み上げ、
「テメェらも俺の痛みを思い知れっ!!」
ゴミを捨てるようにバルコニーから突き落とす。
「この……クソヤロォッ!?」
宙へ投げ出されたサンジが毒づき、
「サンジッ!」「サンジ君っ!!」「うわぁあああっ!? サンジィッ!!」「コックさん!」
麦わらの一味の面々とロビンが悲鳴を上げる中、
『何をごちゃごちゃやってんらいっ!! こっちはもう突っ込むよっ!!』
ナミの子電伝虫にココロ婆さんの叱声が飛ぶ。
酔っ払いバァさんは橋が降りきるまで、待つ気がなかった。
この場のやり取りはココロ婆さんの持つ電伝虫にも届いていて、彼女はスパンダムという男の名前を決して忘れていなかった。
忘れられるわけもない。忘れられるはずもない。
8年前、敬愛するトムを罠に掛けて“殺し”たクソヤロー。可愛がってきたアイスバーグとフランキーを殺そうとしたクソヤロー。
目にもの見せてやらねば、収まらない。
『思いっきり大滝へ飛びらっ!!』
ココロ婆さんの一喝と同時に、海列車ロケットマンの獰猛極まる汽笛が“真下”から轟き響く。
「そういうことか」
ルフィはニヤッと笑い、ばみょーんと両腕を伸ばして皆を巻き込むと、迷わず屋上から大滝へ飛び込んだ。
ルフィとゾロとベアトリーゼ以外の面々が飛び降り自殺紛いの行為に悲鳴を上げる中、
「スナイパーマンッ!!」
大滝へ落ちていくサンジが叫ぶ。
「! が、合点承知ッ!!」
落下しながらスナイパーマンが大型パチンコで徹甲弾丸をぶっ放せば、薄ら恐ろしいことにサンジを拘束していた鎖だけを精確に撃ち砕く。神業ってレベルじゃねーぞ。
「うぉおおおおおおおおっ!!」
解き放たれたサンジが雄叫びを上げる。
直後、裁判所後門が吹き飛んだ。裁判所内を一直線に爆走してきたロケットマンが、降りかけの跳ね橋をジャンプ台替わりにして宙を飛ぶ。
「トムズワーカーが作っら海列車を舐めんじゃないよっ! 政府のボンクラ共っ!!」運転席でココロ婆さんが啖呵を切る。
空駆ける暴走海列車の屋根に麦わらの一味その他が降り(というより煙突に引っ掛かり)、ひん曲がった鼻先にサンジがしがみつく。
そして、海列車ロケットマンは巨大破城槌の如く司法の塔正門をぶち抜き、正門エントランス内で迎撃態勢を整えていた衛兵達を撥ね、轢き、正門の瓦礫片で埋め、横転する車体で吹き飛ばした。
麦わらの一味、司法の塔に推参。
Tips
ロビンとルフィのやり取り。
原作の感動に遠く及ばないけれど勘弁してください・・・
ギャザリン
エニエスロビーに勤務する女給さん。すんごいブサ……個性的な顔立ちをしてる。
ジャブラに好意を寄せられていたが、振ったらしい。原作で一コマだけ登場した。
サンジ
原作主役キャラ。
改変によって、フランキーの代わりにとっ捕まった。ロビンを幾度も励ます。
煩悩が表に出ない時は本当にイイ男。
ロビン
原作主役キャラ。
彼女はついに心から信じられる”仲間”を手に入れた。
ココロ婆ちゃん。
原作キャラ。
心理描写は自己解釈。
ベアトリーゼ。
オリ主。
最愛の親友が本当の仲間を得たことを祝福しつつも、胸中に一抹の寂寥感を抱く。