彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
トマス二世さん、佐藤東沙さん、誤字報告ありがとうございます。
粉塵立ち込める司法の塔の正門ホール。瓦礫の山と横転して鼓動を止めた海列車ロケットマン。負傷した衛兵達の呻き声と滝の水音が響く。
「ババアッ!? チビ共ッ?! 無事かっ?! 無茶な真似しやがってっ! おい、しっかりしろっ! 頼むから……死ぬなよっ! 死ぬなぁっ!!」
フランキーが血相を変えて倒れ伏したココロ婆さん達に駆け寄り、抱き上げようとした矢先。
「「鼻血出た」」「にゃにゃにゃ」
ココロ婆さんと孫娘チムニーと兎? のゴンベは鼻血を垂らしながらしれっと起き上がった。
「なんで鼻血で済むんだよっ!?」
変態が思わず常識的なツッコミを入れていると、瓦礫の中から麦わらの一味が次々と平然と立ち上がり、口々に無茶な真似をした船長を罵倒する。
「一応言っとくが、お前らも大概おかしいからな」
元気いっぱいの非常識な少年少女達へツッコミを入れ、水色リーゼントの変態はふと気づく。一人だけ無傷のエロチャイナ姿のキョーボー女がどこか遠くを見ている。金色の瞳が”何か”を追っている。
まるで猫が虚空を見つめるように。しかし、この美麗な女は猫どころか人食い虎だ。
「……おい、またぞろド派手に何かする気か、姉ちゃん」
「そういう訳じゃないさ」
ベアトリーゼは目尻に紅を挿した双眸を天井や床に向け、見聞色の覇気で探りを入れていた。
クソヤローはロビンを連れて地下通路から、”ためらいの橋”の船着き場へ移動中。他のCP9とよく分からんオマケが上階にいる。
ふん? 原作だとたしか……CP9の風船野郎が現れて、司法の塔における各キャラのタイマンバトルを始める説明をしたはずだけど……奴ら、何をする気かしらん?
背後で麦わらの一味が無鉄砲に飛び出そうとするルフィをひっ捕まえ、各々の行動方針を手早く話し合い始めていた。
話し合いに加わらず、ベアトリーゼが上階に居る工作員共の動向を窺っていると、ナミが唇を尖らせながら詰め寄ってくる。
「ベアトリーゼッ! 何、ぼーっと突っ立ってんのっ!? ここからどう動くか話し合わないと――」
その瞬間。
ず が ん っ !
正面ホールの天井が大きく切り裂かれ、崩落。
切り刻まれた建材塊と無数の瓦礫片が轟音を響かせながら、正面ホールを埋め潰さんと降り注ぐ。
加えて、瓦礫と粉塵の土石流に紛れて襲撃者達が一同へ襲い掛かった。
ゾロが三刀を振るい、降り注ぐ瓦礫諸共に襲撃者達を吹き飛ばそうと動く。
サンジがこれまでの鬱憤晴らしに瓦礫の豪雨ごと襲撃者達を蹴り飛ばそうと動く。
スナイパーマンは両腕で頭を庇いながら、チョッパーは咄嗟にトナカイ化して右往左往。
フランキーは迷わずココロ婆さんとチムニー&ゴンベを抱えて退避。
ベアトリーゼは傍のナミをルフィへ向かって放り投げ――
ナミを押しつけられたルフィは左手に抱きかかえたまま、瓦礫の激流を押し返さんと右拳を叩き込む。
ど が ん っ !!!
天井崩落の轟音を吹き飛ばす衝撃音と激突音が耳をつんざき、司法の塔を大きく強く揺さぶった。
土石流が止む。天井が一階層分高くなり、さらに瓦礫が積もり上がった正面ホールに静寂が訪れる。ロケットマンにぶち破られた正門から大滝の潮風が注ぎ込み、立ち込める粉塵が拭われていく。
「テメェか」ゾロが三刀で双剣と鍔迫り合いをしていた。
「反応が良いのう、ロロノア」四角い長っ鼻男――CPのカクが双剣を握りながら微笑む。
「チッ!」サンジは短くなった煙草を踏み消し、仕留め損ねた相手を睨む。
「やるじゃねェか、小僧」髭男――CP9のジャブラが蹴りが擦った頬を指先で撫でながら不敵に笑う。
「ヤバかった……」
にゅるりと瓦礫の隙間から這い出るスナイパーマン。
「ちょこまかと……っ!」
緑マスクの長っ鼻を逃し、金髪眼鏡美女――CP9のカリファが苛立たしげに吐き捨てた。
ココロ婆さんとチムニー&ゴンベを背に庇い、
「テメェ……ババアとチビ共を狙いやがったな……っ!!」
「戦えない人達を狙うなんて、卑怯だぞっ!!」
青筋を浮かべるフランキー。老人と幼子を狙う卑劣さに憤るチョッパー。
しかし、2人の襲撃者は冷笑を返すだけだった。
「弱い獲物から狙う……襲撃の基本だ。罵られる謂れはねェぜ~」
片方は大きな鷲鼻の筋肉モリモリマッチョマン。大柄な逆三角形の上半身にスウェット越しでも分かるぶっとい脚。
「血浴以外は視界になかったが……楽しませてくれそうだ」
片方は
「テメェらは何だ? スパイじゃねェだろ」
フランキーが憤懣を込めて問えば、
「俺はガヴィドッ!!」マッチョマンが名乗り「俺らはお前らの首を食いちぎるために呼ばれた猛犬だぜェ~」
「我が名はホーガンッ!!」仮装男が称し「我らは闇に生きる荒事師よ」
2人の不一致な回答に、チョッパーが眉を戸惑い気味に大きく下げる。
「どっちだよ」
襲撃者達を睨みながら、ルフィは左脇に抱えたナミに問う。
「無事か、ナミ」
「おかげさまでね。下ろして」
ルフィから下ろされたナミは、被った粉塵を払いながらきょろきょろ。
「ベアトリーゼは?」
と。粉塵の奥から、エロチャイナドレス姿のベアトリーゼが左右の手に巨漢二人を掴み、ゴミ袋のように引きずりながら現れた。
風船体形の大男と歌舞伎役者紛いな大男。2人ともズタボロの血達磨にされており、カブキマンの方は髪を毟り取られて落ち武者みたいになっている。
ベアトリーゼは2人を乱暴に投げ棄て、呆気に取られている面々へアンニュイ顔で告げた。
「2匹しか仕留められなかった」
CP9の面々は愕然と顔を歪め、“犬”の2人はさもありなんと頷き、麦わらの一味の面々は苦笑いを浮かべるしかなかった。
「チャ、パ、パパ……噂以上に無茶苦茶な女だ――」
どういうわけかお口がチャックになっている風船体形の大男が血反吐を吐く。カブキマンはピクリとも動かない。
ベアトリーゼはナミをルフィへ放り投げた直後に跳躍し、瓦礫の土石流の間を電光石火で飛び抜け、CP9“音無し”のフクロウと“獅子”のクマドリへ逆襲。
フクロウもクマドリも決して油断していなかったが……
ベアトリーゼは正面ホールが瓦礫に埋まっていく数瞬でフクロウとクマドリを制圧。両者合わせて9手だった。
「フクロウ。まだやれるか? クマドリはくたばったのか?」
ジャブラが投げやりな口調で、されど案じる声色に問いかけた。
「ダメだ。もう動けない……クマドリはまだ死んでない。手を抜かれて、この様だ。チャパ、パパ……――」
血を吐きながら語ったフクロウの言葉通り、ベアトリーゼは風船野郎とカブキマンを殺さなかった。原作との差異をいくつか確認しておく必要があったから。それにまぁ……幼いチムニーの前で惨殺は教育によくないだろう(今更)。
「チャ、チャッパパ……まったく。反則並みに強い――」
風船男は痛みに震える身をなんとか起こす。
と。
『な、なんてこったっ!』
島中のスピーカーからバカアホマヌケでドジという四重苦中年男の声が響き渡る。
『ウッカリしたッ!! ゴ、ゴールデン電伝虫のスイッチが入っちまったっ!!』
パープリンのノータリンの悲鳴が島の端から端まで轟き響く。
『バスターコールを掛けちまったぁっ!!』
正面ホールの天井崩落。加えて、麦わらの一味とCP9が激突した衝撃が司法の塔を強く大きく揺さぶった際、バカアホマヌケでドジなゲスヤローはスッテンコロリンし、うっかりゴールデン電伝虫のスイッチを入れてしまったのだ。本当にドジっ子さん。
なんだぁ? 司法の塔の正面ホールで訝る麦わらの一味。裁判所内外で首を傾げるフランキー一家その他。無知ゆえの暢気さよ。
逆に、島の衛兵達には強い動揺が走った。世界政府の手勢である彼らは『バスターコール』について予備知識があり、既知ゆえの恐怖を味わっていた。
『なんてことを……っ!』島中にロビンの鋭い声が走り『今すぐ取り消しなさいっ!! 大変なことになるっ!!』
『取り消せだぁっ!? 誰に口を利ィてんだ、
殴る音がスピーカーから伝わるも、ロビンの悲痛な叫びは止まらない。
『バスターコールはただの軍事作戦じゃないっ!! 攻撃対象を“無差別”に殲滅するのよっ!! このエニエスロビーにある全てを! 私達だけじゃないっ! 貴方の部下だって容赦なく焼き払われるっ!』
『
スパンダムの怒号はあまりに大きく、スピーカーが音割れを起こした。
『カティ・フラムのクソがプルトンの設計図を焼いちまった今、テメェだけが古代兵器の手掛かりなんだっ! 世界をひっくり返すほどの力が手に入るかどうかの瀬戸際っ!
そのお前を奪い去ろうとするバカ共を、より確実に葬り去るっ!! 世界政府の兵士なら、栄えある未来のために喜んで
そもそも、侵入した賊をまったく止められねェ能無し共だっ! 死んだところで何の問題もありゃあしねェよっ!!!』
狂猛で凶暴な理屈をがなり立てるスピーカーを見上げ、兵士達は戦いを止めて唖然と立ち尽くす。
『人の命をなんだと思って……そっちの子電伝虫、通話中?』
ロビンが怪訝そうに指摘し、
『ぁ? ああああっ!?』
パープリンのノータリンが自身の失態に気づいて吃驚を上げる中、ロビンは叫ぶ。
『全員、今すぐ島から逃げてっ!』
自身を賊徒と見做す政府の手勢達へ向かって、人間が持つ最も高貴な美質から、ロビンは訴える。
『島に居たら誰も助からないっ!! 今すぐこの島から逃げてっ! 早くっ!!』
『黙れっ! 余計なこと抜かすんじゃねぇッ!!』
再び強く打擲される音が響く。それでも、ロビンは黙らない。最も信頼する者へ最も愛する者達を恃むべく、叫び続ける。
『ビーゼッ!! 皆を守って――』
ブツッ! と通信が絶えた。
総力戦の雰囲気が満ちていたはずの司法の塔正面ホールも、今や困惑の雰囲気に満ちていた。
「なんなの、今の?」「なんか滅茶苦茶なこと言ってたぞ」
一味の中では常識人のナミとスナイパーマンが呆れと当惑の声をこぼし。
「あの男は何をやってんだ……っ!」「ウッカリじゃねーよ。アホが」
ジャブラが心底苦々しく吐き捨て、マッチョマンのガヴィトが毒づき。
「……お前の上司が大変なことをやらかしたみてェだな」
ゾロが鍔迫り合いをしていたカクに言えば、
「……言うな、ロロノア」
カクがなんとも言えぬ面持ちで溜息を吐く。
「チャパパ……やらかしはいつものことだ。が、今回はちと笑えない。チャパパパ――」
風船男フクロウは仰々しく溜息を吐き、ごほごほと咳き込む。口から血飛沫が散った。
「俺達は長官がニコ・ロビンを連れて、この島を離れるまでの時間稼ぎを命じられた」
麦わらの一味の視線を集めたフクロウは、口に溜まった血を吐き捨てて懐から鍵を取り出す。
「そこで、俺達が持つ海楼石の鍵を賭けて戦わせ、時間を稼ぐという案を用意したが……その化物女一人ですぐに片が付いてしまうだろう――」
原作におけるCP9と麦わらの一味のタイマンバトルを描く展開は、異物の存在で成立しない。ベアトリーゼが数分で各個撃破して終いだ。麦わらの一味の出る幕など無い。
「だから総力戦を企図し、この状況を生んだが……バスターコールが発動されてしまった。まさか上司に策を台無しにされるとは、まいったチャパパパ――」
力なく笑うフクロウ。CP9の面々も“犬”の2人も酷い渋面をこさえる。麦わらの一味も釣られて戸惑い気味だ。
互いに引けない闘争に身を置きながらも、いまいち火蓋を切れない。そんな酷く微妙な雰囲気が広がっている。天上天下唯我独尊気質のルフィでさえ、一歩目を踏み出せずにいた。
「――やれやれ」
ベアトリーゼのぼやき声がやけに大きく響き、
「ロビンに頼まれちゃあ仕方ない。私はバスターコールを迎え撃つ。その他は全部任せる」
はぁ? と目を瞬かせる全員を無視し、表に出るべく歩き始めた。
「リーゼ」
ルフィは傍らを通り過ぎようとしたベアトリーゼを呼び止め、否を許さぬ強い口調で告げた。
「無茶すんなよ。皆で一緒にロビンを助けて、皆で一緒に帰るんだからな」
この坊主は本当にまったく……
ベアトリーゼは柔らかく微苦笑し、右手の人差し指に口づけしてから、ルフィのおでこにぺたり。
「約束の証だ。これでいいかな、“船長”?」
「よし、約束したっ!! 行ってこいっ!!」
ルフィはニカッと太陽のような笑顔を浮かべ、表に出ていくベアトリーゼを見送った。
そんな親愛がこもったフィンガーキスのやりとりを、サンジは見た。見てしまった。見てしまったのだ。
「あああああああああああああっ!? ルッ! おまっ! お、き、べ、き、ああああっ!!」
全身から炎を吹き出しそうな勢いで奇声を発するサンジに、対峙していたジャブラが思わず仰け反る。
「なんだこいつっ?!」
「言語能力が失われてやがる。サンジ君には刺激が強すぎたんだ……っ!」
腐った巨神兵を見たトルメキア軍参謀みたいな調子で言うスナイパーマン。
「あっ、男の嫉妬だっ! 醜いぞサンジっ!!」
チョッパーがここぞとばかりに『知識』を披露する。楽しそうで可愛い。
言葉にならぬ叫び声を喚き続けるコック。そんなコックを宥める覆面長鼻男と船医。コックに叱声を張る航海士。怒声を浴びて首を傾げる船長。
場の一切合切を無視し、ぎゃあぎゃあと大騒ぎを始める麦わらの一味。水色リーゼントの変態が若者達へ『マジメにやれや!』とツッコミを飛ばし、ココロ婆さんと孫娘と猫? が大爆笑し、CP9と”犬”達は反応に困る。
総力戦の絵面か、これが?
「……鉄火場でも賑やかじゃのう、ロロノア。いつもこんな感じか?」
「……まあ、偶にな」
カクに尋ねられ、ゾロはいつものことだとは言わなかった。見栄だった。
未来の海賊王は仲間達へ一喝する。
「野郎共っ!! ロビンを助ける大一番だっ! 死んでも敗けんじゃねえぞっ!!」
「おうっ!」ゾロが猛々しく応える。
「ええっ! 何が何でも勝つっ!」ナミが決意を新たにする。
「任せたまえっ!」スナイパーマンはばっばっと中腰ポージング。
「あああああああああっ!!」サンジは奇声を上げ続けている。
「うんっ! 絶対、ロビンを助けるんだっ!」チョッパーが人獣形態で吠えた。
「オメェら、何度俺を泣かす気だっ!?」涙と鼻水がちょちょぎれる37歳サイボーグ。
ルフィは不敵に白い歯を見せ、仲間達へ大号令を発す。
「行くぞぉおおおおおおおおっ!!」
総力戦、(ようやく)開始。
○
海軍本部マリンフォードに警報が鳴り響く。
『シルバー電伝虫、信号受信っ!! 大将青雉よりバスターコール発動要請っ! バスターコール発動要請っ!!』
『海軍本部より発令。バスターコールッ! 繰り返す、バスターコールッ!! ただちに大型戦艦10隻の出航準備を完結させよっ!! 中将5名の緊急招集っ!!』
本部内の各所に据えられたスピーカーから緊迫した怒声が流れ続け、海軍本部全体が浮足立った空気の中で、バスターコールの緊急出航準備が猛然と進められていく。
「いったい何事だ!」
警報が鳴ってから一向に報告が届かない状況にしびれを切らし、海軍元帥たるセンゴク自らが通信部へ怒鳴り込む。
海軍最高司令官の怒鳴り込みに通信員達が目をまん丸にする中、海軍少佐が敬礼しながら報告した。
「大将青雉よりバスターコールの発動要請が入りましたっ! 目標はエニエスロビーですっ!」
「エニエスロビーだと!?」センゴクは眼鏡の奥でギョッとし「目と鼻の先ではないかっ! 政府中枢の司法拠点だぞ!? 何があったっ!?」
クザンの奴、どういうことだ。何も聞いとらんぞっ!?
「状況不明です。大将青雉は連絡が取れません。現地は相当な混乱状態にあるのか、通信部も、現地最高責任者のスパンダム長官も回線不通です。現在、バスターコールのプロトコルに従い、中将5名の緊急招集と大型戦艦10隻の緊急出撃準備を進めております」
スパンダム。その名はセンゴクの脳内メモに当たりがあった。たしか、スパンダインの子倅だったか。
オハラ殲滅の功績で『異例』の大出世を遂げた政府高官スパンダイン。諜報畑出身らしく目端と搦手に長けた男という印象が強い。もっとも、その手腕はもっぱら地位固めと息子を引き立てることに費やしてきたようだが……その息子スパンダムの方はいい評判を聞かない。
「バスターコールの招集将官は?」
「ドーベルマン中将、オニグモ中将、モモンガ中将、ヤマカジ中将、ストロベリー中将。最先任はドーベルマン中将となります」
報告の人選に、センゴクは密やかに唸る。
招集された中将達は皆、職責と任務に誠実で実直だが、やや果断に過ぎたり、少々抜けていたり、生真面目過ぎたり、腹芸が利かなかったり。しかも全員が揃いも揃って陸戦畑の現場屋で、政治的な立ち回りが不得手ときた。
彼らはバスターコールに従い、“真面目に”エニエスロビーを丸焼きにするだろう。
あそこが政府の直轄島嶼で、重要司法拠点として機密や重要公文書がたっぷり積み上げられ、替えが利かない司法職員が大勢いてもお構いなしに。
施設は再建できても、失われた情報は復元できない。人的資源が持つノウハウは回復できない。その辺りをきちんと理解したうえで、柔軟に最適解の行動が取れる中将を――年次と功績でドーベルマンの上に立てるか、意見を通せる者を送り込みたいが……
妥当な人材が手元にいない。
戦闘力に偏重した人事評価制度の決定的欠点であり、武辺者ばかりを選抜してきた組織的欠陥だった。
センゴクが“仏”の二つ名にそぐわぬ険しい顔を作っていると、海軍技官が駆けこんできた。
「元帥閣下っ! 是非とも、是非とも此度のバスターコールに試験艦の帯同を許可願いますっ!! 戦艦10隻の護衛付きで艦対地攻撃の実戦試験ができるまたとない機会なんですっ! 是非ともっ!!」
更なる面倒な話を持ち込まれ、センゴクは眉間に深々と皺を刻んだ。
Tips
CP9
カクとカリファ
能力者になっています。悪魔の実は『御褒美』ではなく、『戦力強化』として食うことに。
フクロウとクマドリ。
退場。キャラ再現が難しいから……特にクマドリ。口調がね……
ジョージの”犬”
ガヴィト
オリキャラ。元ネタは銃夢:LOに出てくるサイボーグ空手家。
物を殴りまくって団子にするのが好きな人。原作ではガリィに瞬殺された。
ホーガン
オリキャラ。元ネタは銃夢:LOに出てくるサイボーグ空手家。
冴天狗流空手とかいう忍術なのか空手なのか分からない武術を使う人。原作ではザジにあっさり倒された。
センゴク
原作キャラ。
バスターコール時に何やってたのかよく分からない人。
海軍。
多くの二次創作者や考察者がこの組織について色々な持論を披露している。
興味があればググってみよう。