彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
とんてんかん。とんてんかん。
船内からメリー号を応急修理する音色が小気味よく響く。
なんせメリーはボロボロだ。後甲板のケツは削ぎ落され、サブマストは折られ、後船楼船室と男部屋に被弾孔が空いており、あちこちの外板がめくれたり剥がれたり割れたりしている。
特に、喫水線に近い男部屋の穴と外板損傷部から、じゃぶじゃぶと海水が流れ込んでいた。
修理に当たったフランキーは資材の欠乏から、大きく破損した後船楼船室を半ば解体し、航海に影響が出ない艤装やら船体部位を外して資材にする、というタコが自分の足を食うような修理方法で被弾孔や外板の隙間を塞いでいく。
額の汗を拭い、フランキーは竜骨や肋骨、梁の具合を見回して怪訝顔を作る。
「……妙だな」
海岸から秘密基地へ運んだ際に視た時と違う。一流の船大工による応急処置が行われていた。おそらく、この応急処置が無ければ、さっきの海戦で急回頭の負荷に船が耐えられなかっただろう。
「……この仕事の出来栄え。ひょっとして“あのヤロー”か? なんであのヤローがこの船を……?」
首を傾げるフランキーの疑問に答えを持つ者はない。
がっちゃん。がっちゃん。
中央甲板。後船楼の壁に背中を預けて座るロビンは、疲労と消耗でぐでーんとバテているベアトリーゼに膝枕しつつ、ハナハナの実の力で排水ポンプを動かし、止まらぬ浸水からメリーの沈没を防いでいる。
傷の手当てを終えたゾロは前甲板で油断なく双眼鏡で周囲を窺い、一味の仲間になった気分のチムニーがゴンベと一緒に並んでいる。
サンジは再びスナイパーマンに扮したウソップと共に、半ば解体された船室の木材をフランキーの許へ届けながら、なんとなく気不味いものを覚えていた。なぜなら、
「ウソップーっ! どこ行ったんだよーっ!」「ウソップ―――っ!」
ルフィとチョッパーが消えたウソップを探し回っているからだ。
「おい。呼んでるぞ!」
サンジが小声で言いながら、バツの悪そうなスナイパーマンの横腹を膝でげしげしと突く。
「だいたい、なんでまた変装してんだよっ!」
「い、いや、我に返ってみたら、やっぱり合わせる顔がねぇなって……」
小声でこそこそと話し合う金髪グル眉と長っ鼻の許へ、純朴な顔のルフィとチョッパーが駆け寄り、口々に問う。
「お前ら、ウソップ知らねぇかっ!? 居なくなっちまった!」「ウソップが居ねぇんだ!」
ぎろりと睨むサンジ。目が告げている。潔く白状しろと。
スナイパーマンはごくりと生唾を呑み込み、バッバッバと手振り身振りして中腰ポージング。
「安心したまえ! 彼ならさっき、泳いで先に帰った!」
この期に及んでこのアホッ! サンジは無言でスナイパーマンを蹴った。
「「ええええええ~~~~~っ!? なんでだ~~~~~っ!!」」
一方、スナイパーマンから聞かされた報せを信じて驚愕するルフィとチョッパー。どうやら2人は本当に目の前の長っ鼻とウソップが一致しないらしい。
そんなやり取りを見て、ゾロは疑問を覚える。あいつらいったい何を以ってウソップと認識してんだ?
「やっぱり、誰も乗ってないわ」
船内をくまなく見て回ってきて、ナミが小首を傾げる。
「あの時、声が確かに聞こえたんだけど……」
ナミの言葉に皆が頷き、異口同音の言葉を並べていく。確かにあの瞬間、白い闇に覆われたためらいの橋の上で、自分達を呼ぶ声を聞いた、と。
ココロ婆さんとチムニーは不思議そうに眼を瞬かせる。2人は皆の言う声を聞いていない。
フランキーからクラバウターマンの伝説を聞かされていたウソップは、 “声の主”を察して思いを馳せる。
と、チムニーが船首の先を指差した。
「前から船が来たよー」
晴朗な水平線に現れた大型帆船。中腰ポージングしたまま警戒するスナイパーマン。
「ぬぁにぃっ!? また海軍の追手じゃねえだろうなっ!!」
「いや、ありゃあガレーラの船だ」
船内から上がってきたフランキーが大型船の船首に立つ男の姿を見て、どこか嬉しそうに口端を曲げる。
「怪我人なんだから休んでりゃあ良いものを……バカバーグめ」
○
海軍の大型戦艦並みにデカいガレーラカンパニーの大型帆船がメリー号に隣接した、間際。
メリー号が頭を俯かせるように前船楼部分が裂け、大きく傾く。
「な、なんだぁっ!?」「急にどうしたっ!?」「メリーっ!?」
慌てふためく一味の中で、サンジが眉間に皺を刻んで言った。
「急も何もよ……こりゃ“当然”なんじゃねえか?」
皆の目線を集めながら、サンジは苦りきった顔で自身の考察を語る。
「メリーは元々重傷で廃船の手前だったって話じゃねえか。そんな状態でさっきの海戦だ。被弾したし、あの急回頭で限界を超えちまったんだろ……」
ルフィは顔から血の気を引かせ、悲愴な顔でガレーラカンパニーの巨船を見上げた。舷側に立つアイスバーグや職人達へ向かって恥も外聞もなく助けを求める。
「アイスのおっさんっ! メリーが、メリーがヤベェんだっ! お前ら皆、船大工だろっ!? 頼むよ、メリーを助けてくれっ! ずっと一緒に旅をしてきたんだっ! さっきも、メリーに助けられたばかりなんだ、だから――」
今にも泣きだしそうな顔で必死に訴える少年船長に、船大工達は言葉を返せない。世界一の造船会社に勤める一流の職人達は、見ただけでメリー号の状態が分かっていたから。必死に船を救ってくれと叫ぶ少年に、同様に縋るような目を向けてくる一味の少年少女に、残酷な真実を告げることが出来なかった。少年少女の傍らに立つフランキーでさえ、口を噤んでしまっていた。
ただ一人、アイスバーグが誠実さを以って告げる。
「その船のために出来ることは、オメェらで最期を看取ってやることだけだ」
「!!」
ルフィは思わず息を飲む。太陽のような笑顔が似合う顔は強く曇り、今にも大雨が降りだしそうで。一味の面々も残酷な現実に大きくうなだれる。
「その船には……既に手を尽くした」
アイスバーグは振り返る。
麦わらの一味達をロケットマンで送り出した帰路のこと。海岸から微かに届く槌の音に誘われ、足を運んでみれば。無数の残骸や瓦礫に交じって横たわるメリー号を見つけた。
アクア・ラグナに呑まれたのだろう。カクの報告で聞いた以上に酷い状態だった。外観からでも分かる。どれだけ丹念に修繕しても焼け石に水だ、と。
この船は、もうだめだ。
“麦わら”達はこの船を強く愛していたから、この姿を見たら悲しむだろうな。
そんな同情から横たわる船体に触れた瞬間。健気な声がアイスバーグの耳朶を打った。
――走りたい……ッ!
――もう一度だけ、走りたいんだ。
心に直接訴えかけてくるような、切実な哀願。
気づけば、アイスバーグは作業に取り掛かっていた。
いつ大波が迫るか分からぬ悪天候の海岸で、たった一人で脇目もふらず一心不乱にゴーイングメリー号を修繕していく。これまで培った技術と知識、積み重ねた経験、全てを注ぎ込み、傷ついたキャラベルを再び走れるよう直していく。
木材や資材は周囲の残骸から程度の良いものを選び、手道具で加工する。残骸や岩を足場に水を飲む間も惜しんで槌を振るい、鉋を掛け、鋸を引く。
竜骨と肋骨の歪みはこの場で直せない。ならば現状がこれ以上悪化しないよう補強し、航海中の負担や操船の荷重に耐えるのでなく、負荷を分散するように手を加えた。
外殻と内殻の隙間も塞ぎきれないなら、ある程度の浸水を覚悟して竜骨と肋骨に負担が掛からぬことだけを重視した。
ブリキを巻いて押さえただけのメインマスト。破断面の軸心をいくらかくり抜いて芯材を噛ませて補強し、継ぎ直す。重心が変わってしまうが、それでも多少の強風に折れることはなくなるだろう。
全ての作業を終えた瞬間、アイスバーグは憑き物が落ちたように我へ返る。
あくまで応急修理の域を出ないというのに、これほど船大工仕事に没頭したことはいつ以来か。
どこか後ろ髪引かれる思いで海岸を離れる際、アイスバーグは確かに聞いた。
――ありがとう。
慌てて振り返ってみれば、海岸に大波が押し寄せ、直したばかりのキャラックを嵐の海へ攫って――否、無人の小型キャラックが海へ走り出していた。
まるで自らの意志で仲間の許へ向かうように真っ直ぐと。
信じられない光景だった。
見届けたい。あの小さな船の生き様を、一人の船大工として見届けたい。
船大工としてのアイデンティティを駆りたてられ、アイスバーグは周囲を巻き込むようにガレーラの船を出していた。
そして、今――
アイスバーグは自らが手を入れた小さな海賊船を見下ろし、言葉を編む。
「俺は今……奇跡を見てる。船の形をした奇跡を。長年、船大工をやってるが……こんなスゲェ船は一度として見たことがねェ。見事な生き様だった」
世界最高の船大工が語る称賛は、最期の時を迎えた船への
ルフィは固く目を瞑り、天を仰いで歯を食いしばり――認めがたい現実を受け容れねばならない葛藤と苦悩と対峙して、胸を裂かれる思いを抱きながら大きく大きく息をして、頷いた。
「分かった」
ルフィの口からこぼれた言葉はあまりにも寂しげで、一味の誰も異論を訴えなかった。
○
ガレーラの短艇に移譲する際、いまだ自力で立つこともできないベアトリーゼは、ロビンに肩を借りながらルフィに問う。
「……本当に良いのかい? 別れを避けられないとしても、船体の一部を再利用することだって出来る。そうすれば、次の船にメリーの思い出を持ち込める」
ベアトリーゼの提案は善意からだ。同時に、それはあくまでゴーイングメリー号を『思い入れのある船』と見做す現実主義的な言葉でもある。
「良いんだ」
ルフィは首を横に振った。なぜなら、ルフィはゴーイングメリー号を船ではなく、『仲間』として見做しているから。メリー号の一部を遺しても、それはメリー自身じゃない。
「メリーのことは何一つ忘れたりしねェ。それに、暗い海の底で一人ぼっちで寂しい思いをさせるくらいなら、ここで見届けてやる方が良い」
ルフィの言葉に感性豊かな少年少女達も無言で同意する。
「そっか」ベアトリーゼは頷き、もう何も言わず一味の決断を尊重した。
メリー号の船体に油が撒かれる。海戦と浸水で濡れた船を炎で葬送するためには、必要な処置だった。
一味の面々は無言で船体に油を撒いていく。皆で騒いだ中央甲板や前後甲板に。皆で飯を食った船室に。幾夜を過ごした男部屋と女部屋に。大騒ぎしながら浸水を塞いだ船底に。麦わら髑髏を掲げるメインマストに。
時折、ナミとチョッパーが目元をこすったり、スナイパーマンが鼻を啜ったりすれど誰も言葉を交わすことなく作業を進めていく。
先に短艇へ移っていたロビンとベアトリーゼ、フランキーとココロ婆ちゃん達はそんな物悲しい光景を見守るしかない。
ふとロビンは思い出し、傍らに座っている親友へ問う。
「ビーゼは空島で壊れたトビウオライダーを皆のように送ってあげたの?」
「まさか」ベアトリーゼは小さく肩を竦めた。
ベアトリーゼは失うことが当たり前の環境で育ったため、『どれだけ思い入れがあろうと失う時は失う』『失ったもんはしょうがない』と割り切れる。例外は大事な親友だけだ。
ちなみに『他責で失う羽目になったら、必ず報復する』という但し書きもつく。
一味の少年少女達は船体の修理痕の一つ一つから思い出を振り返りながら、粛々と船に油を撒き終え、一人ずつフランキーとココロ婆さん達、ロビンとベアトリーゼが待つ短艇へ移っていく。
そして、ルフィは松明を手に、皆の首肯を確認してから、メリー号へ火を点す。
油に引火し、炎が瞬く間にメリー号を包んでいく。
「ウソップはここに居なくてよかったかもな……あいつがこんなこと、耐えられるわけねェ」
寂しげに呟くルフィの背中を一瞥し、ゾロは燃えていくメリー号を見つめながら、隣に立つスナイパーマンへ尋ねた。
「……どう思う」
「彼は男だ。決別の時に涙を見せたりしないさ……覚悟を以って見送るよ」
長っ鼻の覆面男は燃え上がっていくメリー号から一瞬たりとも目を背けない。
炎に包まれ、少しずつ、だが、確実に燃え崩れていく愛船へ、船長は愛別の言葉を送る。
「今までありがとう。メリー」
燃え盛るメリー号から天へ昇る灰や煤が、移り気盛んなグランドラインの気象を刺激した。瞬く間に頭上を覆った鈍色の雲から、綿毛のような雪がふわりふわりと優しく降り注ぎ始める。
「短い付き合いだったけれど……良い船だった」
不意に、ベアトリーゼが静かに言った。けれど、その声は確かに皆の耳朶を打つ。
「そうね」隣のロビンは大きく頷く。
この船に出会えたことで、ロビンは幼い頃から切望していた“仲間”を得られた。親友と同じくらい心から信じられる仲間を。命と夢を懸けてでも護りたいと思う仲間を。
「本当に良い船だったわ」
ナミは空から舞い降りてきた綿雪を掌で受け止め、橙色の瞳から大粒の涙をぽろぽろとこぼし始めた。
ああ。私はメリー号が本当に大好きだったんだ……
脳裏によぎる思い出の数々が、ナミの悲涙を一層大きくしていく。
炎によって船体木皮が焼け縮み、メリー号は燃えながら船尾から沈み始めた。
ゾロは静かな面差しで、サンジは酷い仏頂面で、スナイパーマンのマスクは既に涙が滴っていて、チョッパーは声を上げて泣きながら、ロビンとベアトリーゼは真摯な顔つきで、フランキーは敬意を示して、小さな海賊船を見送る。
やがて、メリー号は船首部を、特徴的な羊頭の船首飾を残して小さな体躯のほとんどを失った。その時。
――ごめんね。
その場に居る全員が声を聴く。どこからともなく届く、幼い少年を思わせる柔らかな声を。
息を飲む麦わらの一味。ビックリ仰天するココロ婆さん達と職人達。
――ごめんね……もっと皆を遠くまで運んであげたかった。ずっと一緒に皆と旅がしたかった。
哀切に満ちた響きに、ルフィは叫ぶ。
「謝んなよ……謝んなよ、メリーッ!!」
両目がふやけそうなほど号泣しながら、心から絞り出すように言葉を連ねていく。
「謝るなら俺達の方だろっ!! 俺、お前のマスト折っちまったし、帆を破っちまったり、舵が下手でいろんなとこにぶつけちまったしよーっ! ゾロもサンジもアホだから色んなもん壊しちまうしよーっ! そのたんびにウソップが直すけど、ヘタクソでよーっ! さっきだってっ! 俺達がもっと上手く戦えたら……っ! 謝るなら……俺達の方だろ……」
――だけど。
――ぼくは幸せだった。
柔らかに語られる別れの言葉に、ルフィもナミもチョッパーも涙も鼻水も流して大声を上げて号泣する。
スナイパーマンは涙と鼻水で濡らし過ぎた覆面で窒息しそうだ。それでも唇を嚙みしめて嗚咽を堪える。去り行く愛船の前で少しでも海の戦士らしく振る舞おうと。
涙もろいフランキーも釣られて大泣きしていた。ココロさん達も目の前の美しい奇跡に涙を流す。
サンジは俯きながら煙草を燻らし『煙が目に染みる』と呟く。ゾロは泣かず、代わりに瞬きを忘れて愛船を波間に消えていく姿を見届けている。
ベアトリーゼも泣くことはなかったけれど、隣で静かに一筋の涙をこぼすロビンの手を握り、言った。
「この世界は素敵な不思議に満ちているね」
白雪が優しく舞う曇天。穏やかな潮。
――今まで大切にしてくれて、どうもありがとう。
――ぼくは本当に、幸せだった。
『メリ―――――――――――――――――――――――ッ!』
柔らかな波音が奏でられる中、海賊船ゴーイングメリー号は最愛の仲間達に見送られ、グランドラインの海に消えていった。
○
ガレーラカンパニーの船に乗り込んだ瞬間、麦わらの一味とフランキーは倒れ込むように眠り込む。
CP9のガレーラカンパニー襲撃から一睡もせず一晩中活動しっぱなしだったし、海列車、エニエスロビー、ためらいの橋、海戦、と激戦を重ねて最後に愛船との別れ。化物染みた体力を持つ一味も限界だったようだ。
もっとも、一番ヘロヘロだったモノノケ女は、船室でアイスバーグから出されたブランデーで元気を取り戻していたが。
ベアトリーゼはエロチャイナドレスの上にガレーラの社章入りブルゾンを羽織らされ(アイスバーグに『なんて格好してやがんだテメェは』と小言とセットで渡された)、2杯目のブランデーを一息で飲み干した。3杯目をねだるようにグラスをついっと前へ。
「ンマー……寝酒にしちゃあ飲みすぎだろう」呆れ顔のアイスバーグが指2本分のブランデーを注ぐ。
「ボスがこんな美味い酒用意するからでしょ」軽口を叩くベアトリーゼ。
「ココロさんから聞いたが、随分と派手に暴れたらしいじゃねェか」
アイスバーグは面倒見の良い人間らしい思慮を抱きつつ、問う。
「これからどうする? 麦わら達と一緒に行くのか?」
「そこが難しいところでして」
ほとんど太ももの付け根まで見えそうな裾丈でも気にすることなく長い脚を組み替え、ベアトリーゼはグラスを弄りながら、大きく息を吐く。
「親友が一味入りするのは良いんです。私も彼らなら安心して預けられる。済し崩し的ですが、仲間認定されていることも、とても嬉しい。気の良い子達ですからね」
ただ、とベアトリーゼは倦んだ顔つきで言葉を続けた。
「気の良い彼らを関わらせるには、私の“小さな物語”は相応しくない」
「何か小難しいことを考えてるみてェだが」
アイスバーグはグラスを傾け、麦わらの一味達が休んでいる船室の方へ顔を向け、表情を和らげる。
「あいつらのことだ。テメェの言い分も都合も無視して、ロケットマンみてェに首を突っ込んでいくだろうよ」
賢人の指摘は正しい。仲間認定されている以上、あれこれ考えても無駄だ。麦わらの一味は“絶対に”首を突っ込んでくる。
ベアトリーゼはアンニュイ顔で苦笑いをこぼす。
「ボスには敵わない」
「ンマー……当たり前だ」アイスバーグは諧謔味のある微笑を浮かべ「でなけりゃあテメェ“ら”みてェな曲者を雇えねェよ」
確かに。ベアトリーゼはアイスバーグと乾杯し、グラスを呷った。
Tips
海賊船ゴーイングメリー号
全長13メートル、と大型船や巨船が当たり前のワンピ世界では非常に小柄なキャラベル。シロップ村の資産家が沿岸遊覧船として建造した。設計者は同資産家に仕える執事。
後にモンキー・D・ルフィへ譲渡され、海賊『麦わらの一味』結成の船となった。
東の海からリヴァースマウンテン経由でグランドライン入りし、傷つきながらもウォーターセブンまで旅した。
エニエスロビー島沖の海戦後、損害により廃棄が決断され、クルーに見送られながら海没した。
原作同様に本作でも船体の再利用等は行われていない。
理由は本編でルフィが語った通り。