彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
211話。烏瑠さん、誤字報告ありがとうございます。
212話。佐藤東沙さん、誤字報告ありがとうございます。
麦わらの一味はグランドライン後半“新世界”へ通じる魚人島へ向かうべく、シャボンディ諸島で船をコーティングする必要があるのだが、そのシャボンディ諸島は正確には島ではなく、巨大植物の集合体のため、ログポースが示さない。
しかし、幸いなことにナミが持つ自作海図帳にシャボンディ諸島の位置が記されていた。
その海図の元の持ち主はなんと、“道化”のバギーだった。
なんだかんだグランドラインを旅した男であるバギーの海図は、精度が甘かったり不備や誤りが多かったりしたが、抜け目のない(もしくは小賢しい)男だけあって『グランドラインを旅するうえで重要な場所』はきっちり記してあった。
「あいつから盗んだ海図がこんな役に立つ日が来るとはねぇ……」
済し崩し的に裏切ったことを思い出し、ナミはしみじみと呟く。
「そういや、あのデカっ鼻は昔シャンクスと一緒にグランドラインを旅してたんだっけ」
ルフィがうろ覚えの記憶を振り返る。
「? 誰のことだ?」「いや、俺も知らねェ」
フランキーの問いかけにウソップが首を横に振る。
「ログが使えない以上、この海図と天測を頼りに向かうしかないわ」
ナミの言葉に大きく頷き、ルフィは皆へ発破を掛ける。
「よ~し! お前ら!! 頑張って、シャボンディ諸島を見つけるぞっ!!」
おお~っ!
しかしまあ、そこで一筋縄に行かない海がグランドラインな訳で。
曇天から飴玉が降ったり、“丸虹”が現れたり、バカでかい怪獣に襲われたり。サニー号を弄ぶような大シケに出くわしたり。
「すんげー波だっ!!」
ルフィの言葉通り、海は嵐の北海もかくやという荒れ具合で、サニー号が前後左右に大きく傾ぐ。その傾斜は凄まじく、たとえば椅子の背もたれを掴んで宙ぶらりんにぶら下がれるほどだった。
そんな凄まじい高波に揺さぶられる船上で舵を取り、帆を操らねばならないとなれば、それはもうしっちゃかめっちゃかだ。
ナミは後船楼の手すりにしがみつき、風雨や波音に負けじと大声で指示を飛ばす。
身軽なルフィとベアトリーゼとブルックがマスト上で帆を畳んだり、広げたり。
ロビンがハナハナの実の力で咲かせた無数の腕で索具を操作し、ゾロと
フランキーが波を被りながら舵輪を握って舵を取る。ウソップは最も揺れが激しいマスト楼で双眼鏡を構え、暴れまくる水面の先に島影が無いか探し続ける。
サンジは荒々しく揺れまくるキッチンで皆の飯を作っている。
最大の問題は高浪が船上に被る度、海水を浴びた能力者組が脱力してしまうことだ。先ほど、チョッパーが危うく荒れ狂う海へ落ちかけ、咄嗟にフランキーが右腕を発射して引っ掴み、難を逃れた。
「おい、フランキーっ! ”秘密兵器”でこの嵐から抜け出せねーのかっ!?」
マストの横桁からルフィがアイデアを投げるも、舵輪を握るフランキーは首を横に振る。
「嵐の範囲が広すぎる!!
「皆、もう少し進めば嵐が落ち着くわっ! それまで頑張って!」
ナミの叱咤激励に、一味は嵐を蹴飛ばすように「おーっ!」と叫ぶ。
そうして、さらに小一時間に渡る悪戦苦闘の末。ナミの言葉通り、嵐は小康状態を迎えた。雨風は許容範囲に落ち着き、波も強くはあるが、暴力的な当たりは無くなった。
「嵐の海域を抜けたか?」
「いえ、まだよ」ナミは苦い顔でゾロに応じ「しばらくはこの調子だろうけれど、気は抜けないわ」
「お前ら、今のうちに飯を食っとけ!!」
後船楼のドアが開き、サンジが声を張る。一味の面々はびしょ濡れのまま食堂へ入っていく。
気の利く男サンジは『これをどうぞ、レディ達』と女性陣へ丁寧にタオルを差しだし、『おら、オメェらも拭いとけ!』と野郎共には投げつけた。
大量のおにぎりに熱い潮汁が疲れ冷えた体に沁みる。
手早く飯を済ませたベアトリーゼが腰をあげ、
「私が見張りに立っとくから、君らは交代で休んでおいて」
「良いんですか?」ブルックが問えば。
「嵐を抜けたら、ぐーすか寝させてもらうよ」
ひらひらと手を振りドアを出ていった。
「ビーゼの言葉に甘えましょう。長丁場になりそうだし、休める時に休んでおいた方が良いわ」
ロビンの意見に面々が頷く。
「俺は先にひと眠りさせてもらうぞ」
ゾロはさっそく長椅子に寝転がった。
「待て! オメーは寝るな!」サンジが慌ててゾロを呼び止めるも間に合わず「……遅かったか。こうなったら船が沈んでも起きねェぞ」
「ゾロの迷子癖と眠りの深さは病名があるんじゃねえか?」ウソップが真顔で呟く。
「俺、今度きちんと調べてみる!」チョッパーも本気で頷く。
トンチキなやり取りを横目に、フランキーがサイボーグらしく右腕を外した。波にさらわれかけたチョッパーを助ける時に発射したため、腕の中に入り込んだ水を拭き取る。
「は~……こうして改めて見ると、すっごいですねぇ。長く生きてきましたが、フランキーさんのような体の人は初めて見ましたよ。まあ、直近の50年は霧の中でしたけど! ヨホホ!」
ブルックがまじまじとサイボーグボディを窺い、感嘆とスカルジョークをこぼす。
「笑えねーわ!」
少年達がツッコミを入れる中、ナミが呟く。
「……人間の身体をどうこうするって話。意外と多いのね」
「んー? どういうこった?」
フランキーが怪訝そうに問い返す。ベアトリーゼの独白を聞いていないウソップとブルックも目をパチクリさせた。
御茶を口に運んでから、ナミはポツポツと語る。
「フランキーは改造人間でしょ? ベアトリーゼは身体が人造種族とかいうのと関わりが深い。先のスリラーバークではモリアとホグバックが悪魔の実の力でゾンビ軍団を作ってた。私の故郷であんた達が戦ったアーロン達もなんとかって秘密結社に改造されてたっぽいし、実際に改造された奴を見たことあるわ」
「待った。ベアトリーゼがなんだって? 人造種族? なんだそりゃ?」ウソップが目を丸くし、フランキーも小さく驚く。
しかし、ナミは説明するより先に話を続けた。
「あ。それと、北の海には複製人間を製造する傭兵国家があるって話も聞いたことあるわね」
ナミの言葉を耳にした瞬間、サンジが激しく咳き込む。
「ぅおっ?」ルフィがびっくりして「どうしたサンジ。大丈夫か?」
「な、何でもねェ」サンジは平静を保ち「気管に入ったみてェだ。驚かせて悪ィな」
チョッパーが隣のロビンへ声を掛ける。
「なぁ、ロビン」
「なにかしら、チョッパー」他のメンツ相手より数倍柔らかく応じるロビン。
「ベアトリーゼが自分の名前を皮肉って言ったの、何でだ?」
ウォーターセブンでベアトリーゼが名の由来を語っていたことを、チョッパーは覚えていた。
「西の海の、古い寓話に出てくる幸運の妖精の名前、なんだっけ?」
純朴な眼差しで問うチョッパーとウォーターセブンで交わした話を振り返るナミ。
「おや、懐かしいですねえ」西の海出身のブルックが頷き「ああ。ベアトリーゼさんの御名前はあの寓話由来なんですか」
アフロ骸骨から水を向けられ、ロビンは小さく頷き、お茶を口に運んでから、話を始める。
「その寓話の妖精は世界を旅していて、出会う人々にちょっとした幸運を届けるの。幸運を得た人々の笑顔を見届け、妖精はまた旅に出る」
「良い奴だな!」ルフィがにっこり。
「でも、ある日、欲深な王様がその妖精を捕らえ、幸運を独り占めしてしまうの。王様は妖精がもたらす幸運で多くのものを手に入れる。美しい妻。たくさんの宝物。広い領土。多くの実り」
「悪ィ王様だな!」ウソップがむっすり。
「そうね。けれど、王様が幸運の妖精を捕まえて、たくさんの富を手に入れたことで国が栄え、恩恵に与った民衆はとても喜んだわ」
ロビンの続けた内容に、真っ直ぐな心持の少年少女はムムッと表情を歪めた。
「捕まった妖精のことを無視すれば、皆幸せ、か」サンジが苦い顔を作る。
サンジの言葉を聞き、少年達も少女も増々『気に入らない』と言いたげ。
青い正義感を滲ませる一味に、ロビンは優しく口端を和らげ、話を進めた。
「王様の国が繁栄の絶頂を迎えた時、妖精はついに檻から逃げ出すことに成功したわ」
「良いぞ! もう自由だ!」「よかった! もう捕まんなよ!」
ひゃっほーと歓声を上げるルフィとチョッパー。
「妖精に逃げられた王様は何もかも失くしてしまうわ。たくさんの宝物も領土も、頼もしい仲間も愛する家族も。ついには民衆も国そのものも」
考古学者の口から淡々と語られる内容に、ウソップがギョッとした。
「お、おお……罰がエグいな」
「御伽噺だからな。強調されるんだろ」とフランキーがクレバーなメタ読み発言。
「まぁ……そういうことですね」ブルックがフランキーの指摘に首肯して「幸運を独り占めしようとしてはいけない。これはそういう寓話です」
なるほどなー。素直な少年少女が御伽噺の妙に感嘆をこぼし、ナミが教師に尋ねるような調子で問う。
「どうして皮肉になるの? ウォーロードはベアトリーゼが幸運をもたらす存在になるように、て名づけたんでしょう?」
「ナミ。ビーゼは能力者の戦力として受け入れられたの。つまり、幸運をもたらすという名の由来は『勝利と戦果をもたらす兵士』であることを期待してのこと。それは、数多くの戦場へ送り込む、という意味につながる。そして、実際にビーゼは多くの戦場へ送られた」
ロビンが教師然として解説する。
「使い倒してやろうって意味で付けた名前なのか。寓話の王様が妖精から幸運を搾り取ったみてェに」
「……酷い」
仲間思いな麦わらの一味は一斉に不快感を浮かべる。ベアトリーゼから覚醒剤の話を聞いていたチョッパーは特に強い義憤を覚えた。
ロビンは親友のために憤ってくれる彼らへ微笑む。
「それに、ビーゼは寓話の妖精と同様にウォーロードの下から逃げたわ。そういう意味でも、皮肉なのよ。いずれ王を破滅させる妖精の名前を与えたんだから」
なるほどなー。麦わらの一味が再び感嘆をこぼす。もっとも、ロビンは語らなかった。
ベアトリーゼが海に出る際、主君と仲間を裏切って殺害したことを。繊細な話題は避けた方がいいだろう、というロビンの思い遣りだった。
「じゃあ、ベアトリーゼのことはロビンやルフィみたいに愛称で呼んだ方がいいのか?」
心優しいチョッパーが気遣いを図るも、ロビンは首を小さく横に振った。
「ビーゼは気にしてないわ。名前を使い続けていることがその証拠。本人も『それはそれ、これはこれ』で済ませてる」
「あいつらしいわ」
ナミが思わず微苦笑をこぼす。
「お茶の御代わりが要る奴は?」
話にいち段落ついたところへ、サンジが皆に問う。
ルフィは勢い良く手を上げ、言った。
「サンジ! 俺、肉食いたい!」
○
嵐の海域を通り過ぎた時、水平線の先に壁があった。
天辺がまったく見えない大きな大きな赤い壁。
「――レッドラインだ」
誰ともなく言った。
どうやら嵐を乗り越える際、海流に捕まって運ばれたらしい。本来なら目的地であるシャボンディ諸島から遠のいたことを嘆くべきかもしれないが、麦わらの一味は雄大な赤き土の大陸を感慨深く見上げていた。
リヴァースマウンテンからグランドラインに入り、半周を成し遂げた実感を抱いて。
「世界をもう半分回った場所で、この壁をもう一度見た時」
ルフィは不敵な顔で野望を叫ぶ。
「俺は海賊王だ!!」
然して赤き土の大陸を前にしばし思いを馳せた後、改めてシャボンディ諸島を目指すべく航海の再開を図る。
船首でベアトリーゼが六分儀で天測を行い、ナミが海図と天測の数値から導き出したサニー号の位置を確認。
「流された、と思ったけれど……意外と悪くない場所まで来たわね」
海図帳から顔を上げ、ナミが言った。
「上手くいけば、今日中に辿り着けるわ」
「おお!」
幸先の良い報告に、ルフィが喜色を浮かべたところにベアトリーゼが言った。
「左舷水面に大きな影が急浮上中。多分、海獣だね。誰か対処よろしく」
アンニュイな調子で告げられた内容に、甲板上の面々が左舷へ顔を向けた直後。水面が盛大に爆ぜ、大量の水飛沫と共に大きな大きな兎の海獣がサニー号へ襲い掛かる。
ぴょぉおおおおおおっ! と“海兎”の雄叫びが響き渡る中、ルフィが真っ先に拳を振るう。
「俺がやる! ゴムゴムのぉ~
エクスパンド・コークスクリュー・パンチが巨大海獣の土手ッ腹をぶっ飛ばした。海兎は白目を剥き、吐瀉物をまき散らしながら仰向けに水面へ倒れていく。
紫煙を燻らせていたサンジが気づく。
「ん? 何か吐いたぞ」
海面に倒れ込んだ海兎が再び大量の水飛沫を立ち昇らせるも、皆の目線は宙を舞う“何か”に向いていた。
「なんだ? 魚?」「いや、人っぽいぞ」「待て、あのシルエットは――まさかっ!?」
サニー号に向かって落ちてくる“何か”が鮮明に見えた、その時。
「ま!! まさかぁ~~~~~~っ!!」
サンジの目が♡に変わり、鼻の下が伸びに伸びた。
そして、芝生甲板に落下してサンジにぶつかったその“何か”を前にし、麦わらの一味は見事にシンクロして叫んだ。
「人魚だぁああああああああああああああああああっ!?」
○
エメラルドのショートヘアにぽってりした唇がチャーミングな顔立ち。ぴっちりTシャツで包まれた華奢な上体に豊満な胸元。何より、腰から下が魚のそれであった。
彼女はデザイナー志望のタコ焼き屋店員ケイミー。
キッシンググラミーの人魚である。
「に~んぎょほぉ~うっ!! 全人類の憧れ!! 海の宝石!! そんな人魚に俺は出逢ったぁ~~っ!! か~~わうぃーなぁ~~っ! 俺、人魚なんて初めて会ったよ!!」
美しく可憐な人魚を前に、サンジは浮かれに浮かれまくる。くねくねと気色悪い、凄く気色悪い挙動をしながら踊りまくるほど浮かれまくっている。
そんなサンジへ、ウソップは言った。
「何言ってんだ、オメー。ココロ婆さんに会ってるだろーが」
容赦なき指摘。
瞬間、膝から崩れ落ちるサンジ。血の気が引いた真っ青な顔を覆い、ぶるぶると激しく震え始める。どうやら蘇った記憶に精神を打ちのめされたらしい。
「えーっ!? ココロの婆さんって人魚だったのかっ!?」
大きく驚くルフィへ、フランキーはサングラスの位置を修正し、頷く。
「んー? オメェ。そうか、タイミング的に知らなかったか……ウソップの言う通り、ココロのババアは人魚だぞ」
「ココロの婆さんが人魚ってスゲーイヤだな!」
「あんた達、失礼よ!!」
仰々しいほどの嫌厭顔を作る船長の頭をスパーンと引っ叩き、ナミは引き締まった腰に手を当てて鼻息をついた。
「まったく……男共の人魚への願望ときたらっ!」
「ヨホホ……でも、気持ちは分かりますよ。私も人魚にお会いするの、初めてです!」
ブルックははしゃぎまくる少年達に理解を示しつつ、ケイミーへあいさつした。
「スイマセン。お金貸してください」
「なんでだよ!?」立ち直ったサンジがツッコミを入れる。
「ガイコツゥ―――――ッ!?」目を真ん丸にして驚くケイミー。
「ところでお前、ウンコすんのか?」
「何聞いとんじゃあクラァッ!」ルフィを蹴っ飛ばすサンジ。
「あ、うんこは」「出ェ~~なぁ~~~~~~~いいいいっ!!」
サンジがケイミーの回答を掻き消すように咆哮を上げた。
さながら美人教育実習生を迎えた男子校のような騒ぎの中、
「ケイミーッ! ケイミーッ! 助けてケイミーッ!!」
絹を引き裂くような悲鳴が上がり、一同が顔を向けてみれば。
ベアトリーゼがデカいヒトデを掴み上げ、ナイフの切っ先を向けていた。
「きゃーっ!? 私がすっかり忘れてる間にパッパグが殺されかけてるぅーっ?!」
よもやのサスペンスチックな光景にケイミーが目を剥いて悲鳴を上げる。
「ちょっ!? ベアトリーゼ、あんた何してんの!?」
ギョッとした面々を代表してナミが叱声を浴びせれば、ベアトリーゼはまったく悪びれることなくヒトデを掲げた。
「や。この手袋みてーな玩具が喋って動いてるからさ。ちょっと分解して仕組みを調べようかと」
「やめろーっ!? 俺は玩具じゃねーっ!? ケイミーッ! ケイミーッ!!」
「やめてーっ! パッパグは私のペットで師匠なのっ! ヒトデの!!」
全力で悲鳴を上げるヒトデと全力で助命を乞う人魚。然して訴えを聞いた野蛮人は掴み上げたヒトデをまじまじと見つめ、満月色の瞳を妖しく輝かせた。
「ヒトデ……しゃべるヒトデ? どんな味なのか、気になるな……切り取って良い? 先っちょだけ。先っちょだけだから」
「やめろーっ!?」絶叫するヒトデ。
「やめてーっ!?」絶叫する人魚。
「やめんかっ!!」怒声を上げる美少女。
ご ち ん !!
打撃耐性が高いゴム人間すら沈める拳を食らい、芝生甲板へうつ伏せに倒れるベアトリーゼ。「悪ふざけし過ぎよ、ビーゼ」とロビンが小さく嘆息をこぼす。
ケイミーに抱きかかえられ、ヒィヒィと泣き震えるヒトデ。哀れである。
そんなヒトデを見て、チョッパーはルフィとサンジに初めて出会った際、危うく食われかけたことを思い出し、ほろりとする。分かる分かるぞ。
「おめーはなんで喋れるんだ?」
ルフィが尋ねると、ヒトデはハッと我に返り、
「よく聞いてくれた! ガキの頃、俺は自分をヒトだと勘違いしててな……気づいた時にゃあもうヒトの言葉を喋ってた! まあ、要は“勢い”だ!!」
ついさっきまで命の危機だったことを忘れたかの如く、元気いっぱいに名乗りを上げた。
「そういうわけで、俺はヒトデのパッパグッ! 新進気鋭のファッション・デザイナーだッ! 海獣とそこの女から助けてくれありがとよっ!!」
ケイミーはすっかり忘れてたと言いたげに驚き顔を作り、慌てて麦わらの一味の面々へ言った。
「そうだったっ!! 助けてもらったお礼にタコ焼きを御馳走するねっ!!」
「タコ焼きっ!?」
食いしん坊船長が即座に一本釣りされる。
この瞬間に麦わらの一味の運命は決まったのかもしれない。
Tips
道化のバギー。
ナミにグランドラインの海図を盗まれている。
現在はインペルダウンに収監中。部下達とアルビダは収監を逃れた模様。
寓話。
イソップ、グリム、ペロー、アンデルセン、その辺を参考にしようとしたけど、なんか上手くいかなかったので、概略的な話になってしまった。
ケイミー
原作キャラ。人魚。
彼女との出会いが麦わらの一味を結果として一時的な離散へ至らしめる。
CV:池澤春奈。アニメ・ゲーム畑で多数の有名キャラや人気キャラを演じ、舞台やテレビ、ラジオなど多方面でも活躍している。
有名文筆一家の御令嬢で、本人も多数の言語を操る才女。
パッパグ
原作キャラ。ヒトの言葉を操り、デザイナー業を勤しむ謎のヒトデ。
CV:塩屋浩三。アニメ・ゲームから洋画吹き替え、ナレーションまでこなす大ベテラン声優。俳優としても出演作がある。
魔人ブウの声の人、といえば分かるだろう。
声優の塩屋翼氏は兄弟。なお、ワンピースに出演してない。
ベアトリーゼ
悪ふざけ全開。