彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
その時、ベアトリーゼはなんとも場違いなギャルソンヌルックのメイド姿で、西日と巨壁の影の狭間に
「貴様、“血浴”のベアトリーゼだな? 貴様はフランマリオンの“箱庭”の出と聞く。相違ないか?」
重甲冑で巨躯を鎧ったケンタウロスが、地獄の悪鬼もベソを掻きそうな威圧感を放ちながら、詰問してきた。
「だったら?」
ベアトリーゼが反問を返せば。
「我らの同志となれっ!」
「はぁ?」
ケンタウロスは巨大野太刀を高々と掲げ、困惑顔を作ったベアトリーゼへ宣う。
「我らは虐げられし者達の悲憤を背負い、真の邪悪たる天竜人に鉄槌を下す者なりっ! この醜悪な世界を正す聖戦の戦列へ加わるのだっ!」
狂猛な勧誘に対し、ベアトリーゼは興味のない話を聞かされた女性特有の冷めた面持ちで、鼻を鳴らす。
「断る」
「なぁにぃっ!?」ケンタウロスが双眸をぎらつかせ「なぜだっ! 貴様もまた天竜人と奴らに媚びへつらう犬共に踏み躙られてきた者であろうっ! 奴らに対する憎しみと恨みを晴らす気が無いというのかっ!?」
ベアトリーゼはヘッドドレスの顎紐を締め直しつつ、鬱陶しそうに言葉を編む。
「天竜人はぶち殺す。必ず一匹残らず皆殺しにする。けどな、私は綺麗好きなんだ。お前らみたいな薄汚ェテロ屋と御手々つなぐ気は微塵もねェよ」
ケンタウロスは巨大野太刀の柄が悲鳴を上げるほど強く握り込み、憤怒の目でベアトリーゼを睨み下ろす。
「――貴様には失望したぞ、血浴」
「お前は既に私を怒らせてんだよ。馬ヤロー」
メイド服のスカートにナイフで深々とスリットを入れ、ベアトリーゼは構えた。満月色の瞳を冷酷非情な戦意に染める。
「復讐を果たせぬ無念を噛みしめながら、死んでいけ」
○
モニターの中で、蛮姫と半人半馬の巨人が戦い始める。
案の定というか、ベアトリーゼもケンタウロスの巨人も、周辺被害を一切気にしない。街が刻まれ、砕かれ、焼かれていく。逃げ惑う人々。斃れる人々。海軍遊撃隊やレッドポート詰めの海兵、保安官が喉が裂けそうな勢いで避難を叫ぶ。
マリンフォードでは、将兵達がモニターを食い入るように眺めていたが、将官達が怒鳴り声をあげ、将兵を作業に移らせる。瓦礫の陰で倒れた戦友達が助けを待っているのだ。レッドポートの戦いを眺めてはいられない。
死傷者の捜索救助と回収、負傷者を収容する野戦治療所や包帯所の設営、物資の捜索回収などに駆り立てる。
白ひげ海賊団も同様にマルコを旗頭に斃れた仲間を探し、船へ運んでいく。
赤髪海賊団が睨みを利かせているため、“不幸な衝突”は起きていない。
モニターを睨み据え続けているセンゴクへ、
「出動準備が整ったよ。なんとかね」
海軍中将“大参謀”つるが報告した。
「第一陣は巡洋艦4隻の約3個大隊。将官は中将3名、少将准将8名。佐官以下も覇気使いや能力者を中心にしてある」
「それだけか」
センゴクが不満げに現役最古参の女性海兵を睨む。10万将兵と数個艦隊を搔き集めたところから、たったの巡洋艦4隻と3個大隊。少なすぎるのではないか。
つるはセンゴクを叱るように説明する。
「深呼吸して周りを御覧よ、センゴク。まともに動ける人間と船がどれだけ残ってると思ってんだい。それに向こうだってあの有様だ。大勢を送り込んでも、まともに上陸できやしないよ。それに、ここの死傷者の捜索救助と回収だって進めないと……分かるだろう?」
「――そうか、そうだな。その通りだ」
頭に血が昇っていた自覚を抱き、センゴクは大きく息を吐く。
「頭数の件は分かった。物資は?」
「それが一番の問題だよ」つるは表情を曇らせ「医薬品と食料、水が全然足りない」
包囲壁が動かなかった件と黒ひげの介入で、想定を大きく上回る損害を被っていた。死傷者だけでなく、設備も備蓄していた物資も被害は甚大だった。
「ここに備蓄していた分は半分も使えりゃ御の字だ。予定では不足分をレッドポートから回すはずだったけど、当のレッドポートがあの様だからね。周辺基地や泊地に物資を回すよう緊急手配は掛けた。でも……」
つるは続きを言わなかった。
緊急処置が必要な重傷の将兵やレッドポートの市民は少なからず、手当てが間に合わずに命を落とすだろう。加えて、決戦後の再編成や部隊移動にも大きな制限がつく。
「これが奴らの狙いか……小賢しい真似を」
センゴクが青筋を走らせているところへ、海軍大将“黄猿”ボルサリーノがやってきた。深手を負った赤犬や細かな負傷が目立つ青雉と違い、くたびれてはいるが、大きな傷は負っていない。
「ちょいと良いですかィ」
「どうした、ボルサリーノ」
「提案がありましてねェ。レッドポートの救援部隊を送るなら、アレを先行させちゃあどうですかねェ……?」
「「アレ?」」怪訝顔を作るセンゴクとつる。
「ほら、アレですよォ、アレ……」
ボルサリーノは我が子同然の弟子と共に並ぶ改造人間兵器達を指で示し、提案した。
「本物のくまにアレをレッドポートへ飛ばして貰っちゃあどうです?」
○
蝶のように舞い、蜂のように刺す。
偉大なチャンピオンの格言のように、ベアトリーゼはケンタウロスの巨人が繰り出す斬撃の嵐をひらりひらりとかわし、巨人の関節や胴にぶち込んでいく。が、分厚い甲冑を歪める以上の効果が無い。
――武装色の覇気が厚い。それに、硬質ゴムの塊を打ったようなこの手応え……コノヤロー、ひょっとしてモッズか?
いずれにせよ、通常の打撃や技が通らないなら。
女豹みたいな深い前傾姿勢を取り、地に付けた両手と両足裏で高熱圧プラズマを起爆。ベアトリーゼはミサイルのような超音速で飛翔し、一瞬で巨人の胸元へ肉薄した。人型機動兵器がスラスターを吹かすようにプラズマジェットを放ち、超高速四回転捻り。
暴虐的な重力と荷重に血液が引っ張られて視界が塞がり、骨と内臓が軋む。スリットから覗く白タイツに包まれた脚が、武装色の覇気を纏って漆黒に染まり――
ずどんっっっ!!!!
「ぐがああああっ!?」
電磁加速の運動エネルギーで威力の跳ね上がった一撃は、ケンタウロスが誇る武装色の覇気の分厚い護りを貫いた。重甲冑の胴部が大きくひしゃげ、貫徹した衝撃によって背部の甲冑が砕け、裂けた皮膚と肉からどす黒い鮮血が噴出する。
面頬に覆われた凶相が苦痛に大きく歪みながらも、ケンタウロスの巨人は反撃に巨大な左拳を繰り出す。
ベアトリーゼは新体操選手のように左拳の上を跳ね、ギュルルルッと左腕の上を高速前転しながら急上昇し、肩口から飛翔。重力の手を握ってプラズマジェット急降下。無防備な半馬の背へ向け、
どがんっっっっ!!!!!
「がああああああああああああああああああああっ!?」
轟音と共に馬鎧が割れ砕けた。背骨がへし折れ、破砕した骨片が皮膚を突き破る。大出力振動によって脂肪が融解沸騰して爆発。半馬部分の内臓や血管がいくつも圧潰し、引き裂かれ、熱損する。
「バカなっ!? 我が体躯と覇気は“黒腕”ゼファーの鉄拳すら通さぬのだぞっ!? なぜ、このような小娘の打撃が我が身を破壊できるっ!?」
消化器系に流れ込んだ血液が逆流したのか、異形の巨人が勢いよく吐血した。それでも巨人の闘志と戦意は微塵も翳らない。
ベアトリーゼはプラズマジェットで駆け回りながら、嗤う。
「それは私がスマートでクールな凄腕美人だから」
「我を嘲るか、モノノケめっ!!」
右手一本で巨大野太刀を袈裟に振るう。剣閃は迅雷の如く。されど、ベアトリーゼはこれを左向け右回りのクイックブーストで回避。急激で強烈な荷重に血が偏る。
上体と下半身の体幹に大ダメージを負わせたせいだろう。今の一刀は速いが、重みが無い。
ベアトリーゼはケンタウロスの顔面目指して飛翔しながら、最大必殺技“
「死ね」
金獅子の覇王色の覇気すら貫徹する魔技が放たれる瞬間。空から幾筋もの光線がベアトリーゼとケンタウロスへ注がれ、
どっか―――――んんんっ!!!!!
爆炎が咲き乱れ、ベアトリーゼが瓦礫の山の向こうへ吹っ飛んでいき、ケンタウロスの巨人が思わず膝をつく。
王下七武海“暴君”バーソロミュー・くまに酷似した巨漢達が次々と着地し、半数がケンタウロスの巨人へ向けて前進。もう半数が港や埠頭の魚人型モッズや手長足長型モッズの駆逐掃討を始めた。
「ベガパンク……っ! あの拝金主義者の人形共か……っ!!」
ケンタウロスの巨人は己の血に染まった凶相を、より強く憤怒に歪める。
○
ステューシーは傾斜した船内の通路を進みながら、二丁拳銃を扱うように両手で飛ぶ指銃を操り、胸に2発頭へ1発ぶちこんで着実に脅威を排除していく。ひらりひらりと六式体術の紙絵・残身を繰り出して魚人型モッズや手長足長型モッズの攻撃をかわし、お返しに嵐脚の斬撃でぶった切る。
肩に掛けた白いコートを優雅になびかせ、大きな胸を揺らしたり、ミニスカ丈のドレスの裾が躍って下着が見えたりお尻が見えたりしながら、妖艶にドンパチチャンバラを繰り返す。麗しい肌にかすり傷一つ負わず、セクスィーな衣装がこれ以上センシティブなことにならず。
地球世界80年代に流行ったセクシー・アクションムービーのヒロインみたいな活躍の末、ステューシーはフランマリオン聖が立てこもる船首部の一角へ到着。固く閉ざされた船室の扉をノックし、貴婦人的美声で告げる。
「フランマリオン聖様。ステューシーです」
扉が開かれ、単眼ゴーグル顔のモッズが銃を構えながらステューシーを確認。入室させる。
「御無事で何よりです。聖様」
恭しく頭を垂れるステューシー。ロズワード一家辺りなら『遅い!』と罵りながら頬を打つくらいするだろうが、フランマリオン聖は鷹揚に頷く。
「御苦労。脱出路は確保したかえ?」
「船首部周辺の敵は全て排除いたしましたが、敵の最大戦力はいまだ市街地で戦闘中です。ここも危険ですけれど、陸に上がっても御身の安全を確保できるとは申し上げられません」
状況説明を受け、フランマリオン聖は少しばかり思案し、決断した。
「……それでも船ごと抹殺される危険よりはマシだえ。陸へ上がるえ」
「かしこまりました。では、すぐに船を回します」
ステューシーが懐の子電伝虫を取り出し、連絡を付けようとしたところへ、フランマリオン聖は思い出したように注文を付け加えた。
「ああ。ついでに敵のモッズを一体、生きたまま鹵獲するえ。手足はもいでもかまわん。息があれば良いえ」
『生命科学の大家にそこまで関心を抱いて頂けて光栄だ。フランマリオン聖』
と、扉付近に転がっていた死にかけの魚人型モッズから念波通信が届く。
『もっとも、今回投入したモッズは君の元から流出した技術と旧MADS系統が基で、我々の独自技術は然程用いていないがね』
慇懃無礼な嘲弄を聞き、フランマリオン聖は邪神面を大きく歪めた。
「至尊たる我らへ乱暴狼藉を働く無礼な賊徒め。何者だえ」
『名乗りは控えさせていただこう。
声の主は威厳ある声で静かに淡々と語る。
『事のついでに”余禄”を得ようと君の拉致を試みたが……残念ながらこちらのモッズでは、そこにいるベガパンクの美しい“作品”を打倒出来そうにないようだ。“断念するとしよう。では失礼する』
あっさりと通信が切れ、フランマリオン聖は肥え太った顔をびきびきと怒りに歪めた。
「……余禄? 余禄だと? 襲撃が陽動でワチキの確保が本命ではなく、余禄と抜かすか」
怒りに震える天竜人を余所に、ステューシーは見聞色の覇気を巡らせて表の様子を探り、ドミノマスクの下で眉間に皺を刻む。
「敵のモッズに動きが」
「……なんだえ?」
「救援のパシフィスタ達へ殺到するように襲い掛かっています」ステューシーは一瞬、躊躇するも自身の推理を告げた。「敵はパシフィスタ……ドクター・ベガパンクが手掛けた最新鋭サイボーグの確保に動いているのかもしれません」
フランマリオン聖は数瞬ほど唖然とした後、冒涜的邪神の如き肥満体をぶるぶると震わせ、
「ぐふ……ぐふふふ……こ、これほど腹が立ったことは、魚の襲来でアトリエを焼かれた時以来だえ……っ!! 墓石の下から這い出してきた惨めな亡者共めがぁ……っ!」
げしげしと瀕死の魚人型モッズを幾度も蹴りつける。風船染みた体躯を汗塗れにし、肩で息をしながら、薄気味悪い双眸でステューシーをぎょろりと射た。
「ステューシーよ。お前に稼働可能なモッズを全て委ねるえ」
ブクブクに太った手を大きく振るい、ずびしっとステューシーを指差して命じる。
「奴らを駆逐せよっ!! 一匹たりとも生かして帰すなっ!!」
「はっ! 全力を尽くします」
ステューシーは恭しく一礼し、この場を辞す。
かつかつと傾斜した廊下を進みながら、思う。
次から次へと……今日は厄日ね……
○
パシフィスタの光学兵器と強靭無比な体躯は、
射撃戦においてはモッズ達の放つ銃火器を物ともせず光学兵器で圧倒する。
近接戦においてはモッズ達の打撃や刀剣類の攻撃を受けてもびくともせず、強大な膂力で叩きのめす。
それでも、生存本能を持たぬモッズ達は昆虫のようにパシフィスタへ襲い掛かっていく。
光学兵器で焼かれても、身体を吹き飛ばされても、拳打で肉を潰されても、骨を砕かれても、悲鳴一つ上げることなく、身体が動く限り前進し、パシフィスタに銃弾を浴びせ、刃を突き立て、拳を叩きつける。
あまりにもおぞましい戦闘行動。人間なら恐怖に駆られ、怯懦を抱くかもしれない。だが、感情を持たぬパシフィスタは命じられた通り、モッズ達が活動停止に至るまで黙々と攻撃し続ける。
逆に、ケンタウロスの巨人へ挑んだパシフィスタ達は、
手負いの怪物みたいに暴れ狂う半人半馬の巨人に、パシフィスタ達は蹴散らされる。されど、幾度打ち倒されようとも、どれだけ体躯を損傷しようとも、機能停止に至らない限り必ず立ち上がり、巨人へ熱光線を浴びせ、打撃を打ち込む。
感情を持たぬ改造人間兵器達の常軌を逸した戦い振りに、海兵達は愕然と凍り、民衆は慄然と震えあがる。
「……ぅ」
失神していたゼファーが意識を取り戻す。
「先生っ!」アインは師が目覚めたことに安堵し「動かないでください。傷は浅くありません」
ゼファーは全身の痛みを堪えながら身を起こし、周囲を窺う。
夜かと見紛うほど暗い。太陽が大巨壁の向こうへ下り、街の大半を影に沈めたことに加え、巻き上げられた大量の戦塵と立ち昇る大量の煤煙が空を覆い隠しているためだ。
ここはどこかの広場のようだ。ビンズを始めとする遊撃隊や市民の負傷者が並べられ、海軍の衛生兵や街の有志が有り合わせの道具で手当てしている。自身は右義手が損壊し、全身ボロ雑巾のようだ。
負傷のせいか見聞色の覇気が使えぬため、戦況が分からない。ゼファーは副官へ問う。
「状況は?」
アインはすぐに気を引き締めて「応援が到着しました。海軍科学部隊のパシフィスタ達が交戦中です。私の独断で遊撃隊は地元警備部隊と共同で市民の避難と救助に当たらせています」
アインが報告を進めている時、薄闇を引き裂く峻烈な閃光が走り、大爆発が生じた。衝撃波が街並みを軋ませ、全建築物の窓ガラスを砕く。吹き荒れる爆風と立ち込める戦塵。
「今のはなんだ?」
ケンタウロスの巨人が繰り出す攻撃とは違う。ゼファーがアインへ問う。
「“血浴”です」
アインが苦々しい顔で毒づくように言った。
「理由は不明ですが、逮捕されたはずの“血浴”のベアトリーゼがこの場に現れたんです」
どういう訳かメイド姿で。
「私ごと撃ちやがったな、くまモドキ共っ! 上等だよ、テメェらもまとめてぶち殺したらぁっ!」とチンピラみたいに猛り吠えながら、メイド姿の蛮姫が暴れ回っている。もう無茶苦茶だよ。
熱光線が走り、高熱圧プラズマ塊が炸裂し、巨大野太刀の斬撃が飛ぶ。さながら絨毯爆撃に晒されたかのように、大港町が街区単位で破壊され、焼かれていく。
流れ続ける戦闘交響曲。絶え間なく降り注ぐ瓦礫の雨。濃霧のように広がる塵と煤。粉雪のように舞う大量の灰と花吹雪のように踊る無数の火の粉。地獄絵図と化した街を市民の悲鳴と嗚咽と怒号が満たしている。
恐怖と怯懦と絶望が街を食いつくそうとしている。
――認めん……っ! そんなものは認めんっ!!
ゼファーは苦悶をこぼしながら、血に染まった歯を食いしばって立ち上がった。
「先生! 動かないでください! 今は安静に」アインが忠心から留めようとするも、
「ダメだ……っ! 今動かねばならんっ! 今こそ海軍がここに在ると示さねばならんのだっ!」
不撓不屈の闘志に当てられたのか、ビンズを始めとする負傷兵達も苦痛に呻きながらも、立ち上がる。
「我らも共に……っ!」
ゼファーは部下達一人一人と目を合わせた後、隻腕の握り拳を掲げ示す。
「我が身は常に先頭に在り。征くぞ、諸君っ!」
『応ッ!!』
隻腕の老雄は戦場へ向かって歩き出す。ビンズ達がその背に続く。アインも遊撃隊員達もこぼれかけた涙を拭って戦列に加わる。身体が深く大きく傷ついた彼らの足取りは鈍く、ぼたぼたと流れ落ちた血が石畳に紅い染みを刻む。然れども、その歩みは整然毅然として乱れることなく。
怯え竦んでいた市民達が居住まいを正し、ゼファー達の出撃を見送る。誰もが海兵達に敬意を示し、信心深い者達は加護の祈りを捧げ、親達は子供達にゼファー達の姿をしかと目に焼き付けさせた。
空を覆う煤煙と戦塵の裂け目から、一筋の光が差し込む。
希望は絶えていないと告げるように。
Tips
つる
原作キャラ。海軍中将。二つ名は”大参謀”。参謀なのに部隊を率いて現場にいる。辻正信かな?
若い頃は大変な美人で、既婚者らしく孫娘がいる。なお、孫も美人
CVは初代が故・松島みのり。1960年代から声優活動をしてきたレジェンド。
二代目が水田わさび。現在のドラえもんを演じている人。
名乗らぬ敵
オリ設定・オリキャラ。
これまで”抗う者達”と呼ばれている組織。実は外部がそう呼んでいるだけで、彼らが名乗ったところは一度も書いてない(はず)。
ケンタウロスの巨人
オリキャラ。元ネタは銃夢の電。
こちらもまだ名乗っていない。その理由は追々。
ベアトリーゼ
レッドポートの被害を拡大させている迷惑な女。