彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
グランドライン前半“楽園”某島の多目的ホール。
激しく鋭いエレキギターの音色がホールに轟き渡り、わずか1フレーズで観客達を惹きこむ。1メロディが奏でられた頃には、ホールは熱烈な歓声に満ちていた。
ソウルキングwithブラックヘヴン。
アフロ骸骨が率いるメタルバンドの響かせるサウンドが観客の魂を震わせた。
90分の出演時間、最後の一曲を奏で歌い終え、ソウルキングは最後の一音を鳴らし、ピックを握る左腕を高々と掲げた。観客達の大歓声が津波のようにステージへ押し寄せる。
アンコールを叫ぶ観客達へ手を振りながら、ソウルキングとバンド仲間達がステージを降りていく。
「ヒャーハッハッハッ!! 最高だったわよ、ガイズッ!! おかげでアタシはびしょ濡れよ、ファーックッ!!」
控室に入るや否や、金髪中年女性が下品極まる喝采を上げながら、ソウルキング達を出迎えた。
「お褒めいただきアザッスッ!!」ベースマンが率先してゴマすりを始めた。
ドラムマンは素知らぬ顔で差し入れ品の軽食にがっついている。
歌って奏でるアフロ骸骨こと麦わらの一味“音楽家”ブルックは、椅子に腰かけて長々と疲れた息をこぼす。呼吸器官がないはずだけど。
生きて死んで生き返ってウン十年。そのうち50年は霧の中で停滞の時間を過ごしてきた。ある意味で世間ズレ激しい50年。社長に言われるまま学んだエレキギターもメタルもソウルもロックも新体験だった。
新しいことを知ること。新しいことを覚えること。新しいことに挑むこと。どれも大変だけれど、とても刺激的でとても楽しい。
楽しい。とても楽しいけれども。麦わらの一味のことを考えぬ日はない。
50年の孤独から救い出してくれた新たな仲間。新たな絆。今は研鑽錬磨の時と分かってはいるけれども。こんな楽しんで良いのだろうか、という気もする。
「ファーックッ! 何をしけたツラしてんの、スカルマンッ!!」
「あいたぁっ?!」
スパーンッ! と頭蓋骨が引っこ抜けそうな平手打ちが走り、ブルックが悲鳴を上げるも、社長はハイテンションで喚き続ける。
「打ち上げよっ!! 朝まで呑みまくってキメまくるわよっ!」
無茶苦茶なこと言う社長にドン引きしつつ、ブルックは社長へ言った。
「あ、あの、社長。ワタシ、新曲を考えたんですっ! イマドキの音楽を勉強して……聞いてもらえますか?」
「新曲ぅっ!? ファックッ! 良いじゃないっ! 今すぐ聞かせなっ!!」
ハイテンションのまま、社長はブルックのアフロ頭を掴んでがくがくと揺さぶる。
「やめてっ! やめてくださいっ! か、髪は髪は、髪だけはだめェ!!」
与太者に乱暴される寸前の生娘みたいな悲鳴を上げつつ、ブルックはギターを手にして演奏を始める。
ジャカジャカジャカとギターの弦が歌う。明るく朗らかでポップなメロディ。陽気な海を進んでいく船の姿がありありと瞼に浮かぶ。情感たっぷりの歌詞が曲に彩りを加える。旋律に乗って流れる抒情的な歌。
ベースマンやドラムマンがほうと感嘆を漏らし、スタッフが音に心を寄り添わせた。
刹那。
「ファーックッ!!」
「ぎゃあああああ!」
社長の右拳が唸りを上げてブルックの顔面を捉えた。強烈な一撃にブルックの頭蓋骨が脛骨の上でぐるぐるりんと二周し、ばたんきゅー。
「な、なにを……っ!?」
ぶち抜かれた顔を押さえながら上体を起こそうとしたブルックへ、社長が胸骨を踏みつけて喚き散らす。
「ファックファックファックッ! ファーックッ!! かったるいポップスなんぞ聞かしゃあがってっ!! ふやけるほど濡れまくってたのに台無しだ、ファックッ!」
パンツ丸見えの姿勢から強烈な罵詈雑言を浴びせられ、ブルックは絶句。しかし、ブチギレた金髪中年女は止まらない。レザージャケットをガバッと開き、『Welcome to Satan』と召喚紋が描かれたTシャツを晒し、罵声を放つ。
「テメェはソウルキングッ! 唯一無二のファッキン骸骨野郎だっ!! マジガチのオンリーワンなファッキン・スカルだっ!! そのテメェがそこらのクソガキが歌ってそうなファッキン・ポップスなんぞ歌ってんじゃねえーっ!! テメェは地獄の魔王が思わず射精しちまうようなファッキン・グレートなサウンドをぶっ飛ばして、メスの天使が股をおっ開げてファックを懇願するようなファッキン・リリックを叫ぶんだよっ!! もう一度こんなファッキンソングを聞かせてみやがれ、テメェの骨を一本残らず煮込んで出汁を取ってやんぞゴルァアアッ!!」
機関銃みたいな剣幕で罵倒と怒号を叩きつけられ、ブルックは唖然茫然愕然。
同時に、ブルックは自分より3回り以上も若い社長の言葉に、蒙を啓かれたような気分にもなっていた。
私は唯一無二。私はマジガチのオンリーワン。
私はソウルキングッ!!
○
ウタが一曲歌い終えた時には、野外会場は大歓声の坩堝と化していた。
19歳の華奢な少女とは思えぬほど美しくエネルギッシュな歌声に、観客は一人残らず魅了され、熱狂している。
マイク片手にステージ上を動き回り、ウタは汗を散らしながら観客達へ向かってパワフルに歌い続ける。
異能ではなく、天賦の美声と師匠によって磨き上げられたエレジア音楽の技巧だけで、会場の全てを酔わせている。
“新世界”の若き歌姫。その呼び名に相応しい圧倒的なパフォーマンス。
ライブの前半が終わって休憩後、ウタはMCをこなしてバンド仲間を改めて紹介し、ついに異能を発揮する。
ウタウタの実の力を乗せた歌声を放ち、大勢の観客を一瞬で超常のウタワールドへ誘う。
嵐のような歓声が絶え、会場は静寂に満ちた。
それでもウタは夢の世界へ魂を送り出した観客へ向け、静寂のステージで歌い続ける。観客がウタワールドで最高の体験をしているから自分が休んでいる、など認めない。ただし、その歌声は前半と違って子守歌のように優しく慈しみ深かった。
そして、総計2時間30分のライブが終わる。
ウタはアンコール・ソングを済ませ、最後まで観客へ笑顔を振りまきつつ舞台袖に降り――前のめりで崩れ落ちそうになったところへ、護衛頭に優しく抱きとめられた。
ウタウタの実の力は強大無比な分、消耗が大きい。規模が大きくなればなるほど。2時間半のライブ、75分のウタウタの実の能力使用だ。ライブが終わる頃には精魂絞り尽くしてしまう。
護衛頭はウタを優しく御姫様抱っこし、控室に運んでいく。
「お嬢が目覚めるまで周辺警戒を厳に。油断するな」
「ウィッス! お嬢を起こすような奴はぶっ殺します!」
「ふひひ、お嬢の眠りを妨げる奴は切り刻む……っ!」
ライブでアゲアゲになったヤンキー女と埒外女が、にたりと獰猛に笑う。
「騒ぎを起こすな。片付けるなら静かに済ませろ」
護衛頭はウタを控室に運び入れ、簡易ベッドに寝かせた。寝顔から汗を拭い、身体を冷やさないようタオルケットを掛ける。バックバンドの面々が静かに冷えたビールでライブ成功の乾杯。
すやすやと寝息を立てながら、ウタは夢の中でも歌っていた。
ぬいぐるみみたいなチビ魔王と一緒に。
・・・
・・
・
楽しい夢から目が覚めたらホテルのベッドだった。窓の外から淡い月光が注いでいる。
心地良い疲労感。空腹感。それと喉の渇き。
ウタはサイドボードに置かれた水差しを傾け、グラス一杯の水を一気飲み。ふぅと息を吐いて第一声。
「……汗くさぁ!」
ふらりふらりと寝室を出れば、ドアの前で警護していた埒外女が、笑顔を寄こす。
「おはようございます。お嬢♡」
「皆は……打ち上げ?」
ウタの問いかけに埒外女は首肯を返す。
「ええ。下の食堂で大騒ぎしてますよ。お嬢がシャワーを浴びてから向かっても、余裕で間に合います」
「わかった。すぐ用意するね」
「ゆっくりで大丈夫ですよ。連中はどうせ朝まで呑み続けますから」
事実だ。酒好き宴会好きな“赤髪”海賊団に所属する面々らしく、ウタのバンド仲間も船乗り達もライブ後の打ち上げ後は朝まで飲み明かす。まして今回は宿ごと貸し切っているから、遠慮なく大騒ぎしている。
紅白髪の御姫様はタオルと替えの服を持って浴室へ。
湯気が燻る浴室。お湯が紅白の長髪や白い柔肌から泡と汗を洗い流していく。石鹸が全て流し落とされても、ウタはシャワー口から注ぐお湯の雨を浴び続ける。
お湯の優しい温もりと雫の心地良い刺激をずっと浴び続けたいけれど、ウタは誘惑を振り切って栓を閉じた。タオルで身体を拭い、火照った体を替えの服で包んで浴室を出る。
埒外女がウタの髪をとても丁寧に乾かし、紅白の髪をいつものウサミミお下げに結った。
「ありがと」にぱっと微笑むウタ。「よし、皆のところに行こう!」
ウタは埒外女の手を取り(埒外女の顔はだらしなく緩んでいた)、上機嫌で部屋のドアを開けた。
ぱさり、とドアの隙間から封筒が落ちる。瞬間、埒外女が動く。ウタが気づいた時には部屋のソファに優しく着地していて、ドアを閉じた埒外女が右手に刃を握り、左手で小電伝虫を起こしていた。
「え? え? な? なに? なんなの?」
大混乱するウタを置き去りにし、埒外女は小電伝虫へ告げる。
「レッド、レッド、レッドッ!」
瞬間、食堂のどんちゃん騒ぎが打ち切られ、歌姫の船“レッドディーバ号”の全船員が戦闘モードへ切り替わった。
護衛頭とヤンキー女は階段を上る手間を省き、地階の酒場を飛び出して窓から室内へ飛び込む。銃やヤッパを握りしめて部屋の周辺の警備を固め、ホテルからの退路を確保する。
「何が起きた」
既に鯉口を切っている護衛頭が、混乱の収まらないウタを余所に埒外女を問い質す。
「侵入者。ドアにメッセージ」
埒外女が答えた直後、護衛頭は目線でヤンキー女に促す。
ヤンキー女は首肯してドアを開け、廊下に落ちていた封筒を拾い上げて臭いを嗅ぐ。
「差出人の名は無し。毒物も無し」
差し出された封筒を受け取って確認し、護衛頭は封筒を開いた。手紙の文面に目を通して青筋を浮かべた。
「なんなのっ!? ちゃんと教えてよっ!」
勝気で勇敢なウタが癇癪を起こし、護衛頭は手紙を歌姫へ渡す。
「何者かが察知されること無く、我々の警備網を突破してホテル内へ侵入し、お嬢へメッセージを残していきました」
薄気味悪い物のように手紙を持ち、ウタは手紙を読み、整った眉を曲げる。文章は型通りの美辞麗句で整えられたウタへの称賛に始まり、
「出演依頼……?」
デルタ島とやらで催されるという大きなイベントが如何に凄く素晴らしいか説明し、新進気鋭の歌姫へ出演を誘っている。
なぜこんな“舐めた”出演の依頼をしてきたかは、イベンターの名前で分かった。
「ブエナ・フェスタ。長く表舞台から消えていたんですが……死んでいれば良いものを」
冷静沈着な護衛頭が珍しく感情的な様子にウタは驚きつつ、尋ねる。
「知ってるの?」
「イベンターの皮を被った戦争屋です」護衛頭は憎々しげに吐き捨て「そして、このクズはしつこい。お嬢が自身のイベントに必要ならば出演させようとします。
「……私が承諾するまで嫌がらせとかしてくるってこと?」
「お嬢自身に危害を加えるようなことは無いでしょう。お嬢を傷つけて、四皇の大頭(おおかしら)を怒らせたらイベントどころではありませんから。ただ……お嬢のライブやコンサートへ妨害したり、観客に嫌がらせを仕掛けてくると思います」
護衛頭の説明に、ウタは頬をぷくーと膨らませ、みるみる赤くなっていく。
「……ビーゼや皆が言ったでしょ。女が海で生きていくなら、決して舐められるなって」
ピコンッ! と歌姫の紅白ウサミミ髪が勢いよく屹立した。
「私から歌う場所を奪おうなんて許さない。私の歌を聞いてくれる人達を傷つけるなんて、絶対に、許さないっ!!」
ウタは魔王さえ魅了する美声で叫ぶ。
「出演依頼? 上等じゃないっ! こいつのイベント、まるっと乗っ取って私のライブにしてやるんだからっ!!」
開戦宣言は果たされた。
護衛頭は『大頭に相談するか、奴のイベントが済むまで活動を自粛しては』と提案する気だったが、無駄だと悟る。
そして、思う。我らが仕える歌姫は苦難困難を前にしても、偉大な父親に泣きついたり、尻尾を巻いて逃げたりせず、毅然と立ち向かう。なんと誇らしい。
「目にもの見せてやるーっ!」と鼻息荒く吠えるウタ。
「「お嬢っ! お嬢っ! お嬢っ!」」バカ丸出しでウタに喝采するヤンキーと埒外。
けれど、無謀は諫めねばならない。
これは大頭に報告した方が良さそうだ。
○
「――分かった。いや、詫びる必要はない。これからもウタを守ってくれ」
レッドフォース号の後甲板。護衛頭からの連絡を済ませ、電伝虫の通話器を置く。四皇“赤髪”シャンクスは覇王色の覇気をこぼした。
「俺の娘へ手を出すとはな……潰すか」
生半な者ならば泡を吹いて倒れかねない暴圧。しかし――
「セリフは格好良いのになぁ」「二日酔いでへろへろだもんな」
コックのラッキー・ルウと戦闘員ハウリング・ガヴがゲラゲラ。
「チャンポンするからだ」副船長ベン・ベックマンがじとっと船長を見据える。
「よせと言ったのにな」船医のホンゴウがじろりと船長を睨む。
「やめろ。小言はやめろ。俺に効く。やめてくれ」
シャンクスは真っ青な顔で苦しげに唸る。
「で、本当に潰すのか?」電撃使いライムジュースが尋ねた。
酔い覚ましに大量の水を一気飲みし、シャンクスは思案顔を作る。
「……難しいな。ウタは歌手として名が高まれば、これからもこういう鬱陶しいトラブルに遭うだろう。今回の件は経験として学びになるかもしれない」
「急に立派なパパになったぞ」「顔色はひでェまんまだけどな」「キキキッ!」
航海士ビルディング・スネイクが呆れ、音楽家ボンク・パンチがツッコミを入れて愛猿モンスターが笑う。
「頭の酒癖の悪さはともかく――」
狙撃手ヤソップが口を開けば「酒癖の悪さは一緒だろ!」「オメェが言えた義理かっ!」「ばーかばーか!」「デベソーっ!」シャンクスを始めとする面々から非難轟々。
聞き捨てらぬ罵倒にヤソップは怒って「俺はデベソじゃねェーッ!」
いい歳したオヤジ達が中学生男子のようにじゃれ合う。
副船長ベン・ベックマンは手の掛かる野郎共を眺め、鼻息をついた。
「ひとまず様子見。何か起きれば、即座に駆けつけられる距離で。そんなところで良いか?」
ベックマンがスマートに提案するも、じゃれ合いが楽しくなったオヤジ達は止まらない。
うーむと唸り、世に名高い大海賊の右腕は呟く。
「四皇とその一味の姿か、これが?」
空を飛ぶ渡り鳥が鳴いた。
アホーアホーアホーアホー……
○
異常な気象や海域が多いグランドラインの長距離航海は船にも船員にも負担が大きい。エターナルログポースなど航路を示す手段が無ければ、島伝いに進むしかない。
つまり痕跡が残る。
グランドライン“新世界”。某島。
偽札を積んでいた“偽”ヴォーガが海賊に襲われる前、最後に姿が確認された島、というべきか。
島内で調査を終え、元CP9の面々は“歓楽街の女王”の高速帆船へ戻り、船内食堂で情報のすり合わせを行う。
「“偽”ヴォーガを目撃した港湾作業員はいくらでもいるが、最も肝心な偽ヴォーガの船長や船員と接触したという港湾の担当職員が自宅で殺害されていた。我々がこの島に到着する三日前だ」
ブルーノの説明にカリファが接ぎ穂を加える。
「入手した当局の捜査資料によれば、物取りの押し込み強盗と見做したようだけど、この犯人は件の職員とその家族をわざわざリビングに集めて殺害しているの。多分情報を吐かせるために脅迫したと思う。目の前で奥さんと子供達を殺してね」
「その件なんじゃが、聞き込みでそれらしい奴の話を聞いた。30前後で金髪の長身。高そうな格好の伊達男。本人は探偵で人探しだと名乗っていたらしい」
カクは難しい顔つきで、言った。
「ワシら以外にも偽ヴォーガを追う奴がおる。それも冷酷なプロじゃ」
「闇社会の帝王達が送り込んだ追手だろう。連中は七回生まれ変わっても使いきれない大金の持ち主だ。いくらでも腕利きを雇える」
ロブ・ルッチは肩に乗った愛鳩ハットリを撫でながら続ける。
「海軍とCPの情報を回されている俺達より三日分、先を行っている。手強いぞ」
重苦しい雰囲気の中――
「……最も情報を持ってェそうな~職員は殺害されちまいましたがぁ~~聞き込みでェ~船に積み込まれた物資量は把握できやしたぜェ~」
「偽ヴォーガに積み込まれた補給用の水、食料、生活消耗品の量。それと、偽札の半分を奪われた時までに消費した分、海賊共に強奪された分、これら計算すると船の移動半径はこのくらいか――チャパパ」
クマドリが報告し、フクロウが計算尺を元にして海図へコンパスを立ててくるりと回す。巨躯と普通のコンパスの比率がおかしくてなんか面白い。
「海賊に物資を強奪されてなかった場合はどーなんだ?」
ジャブラの問いをうけ、フクロウはコンパスでより大きな輪を描く。
「補給や修理を考え、島伝いで動くとして……このルートだな。真っ先に寄る先は」
ルッチはフクロウが描き込んだ輪の中にペンを走らせ、島の名前を読み上げた。
「デルタ島」
食堂の扉が開かれ、白い貴婦人が姿を見せる。かつかつとピンホールを鳴らしながら元スパイの面々へ歩み寄り、手にしていたペーパーファイルをルッチに渡す。
「貴方達の大好きな“ジョージ”おじさんからプレゼントよ」
ステューシーの“ウィット”を聞きながらファイルを開き、ルッチは牙を剥くような微笑を浮かべた。
「面白いことになったぞ」
怪訝顔を作った仲間達とステューシーへ見せるよう、開いたペーパーファイルを海図の脇に置く。
ファイルの用紙には短い文章が書かれていた。
――イベンターはデルタに在り。
Tips
ブルック
原作主役キャラ。
本来は手長族に攫われてミュージシャンとして活動し始めるが、本作では怪作『デトロイトメタルシティ(DMC)』の社長みたいな女に拉致られ、ミュージシャンルートを進む。
社長
オリキャラ。モデルはDMCに登場する女社長。
ブラックヘヴン
オリ設定。ブルックのバンド仲間。
元ネタはDMCに登場するバンド仲間達。名前はアニメ『課長王子』のバンドから。
ちなみに拙作のブラックヘヴンのバンドロゴは、悪魔の召喚紋になっている。
ウタ
劇場版キャラ。
本作では野蛮人と関わった結果、エレジアを離れて歌姫になるべく活動中。
新進気鋭の歌手であること、父が四皇”赤髪”シャンクスであること、強大なウタウタの実の能力者であること、などからブエナ・フェスタに目をつけられた。
シャンクスと赤髪海賊団
原作キャラ。
ウタと血のつながりはないが、その家族愛は血の絆より強い。でも、二日酔い。
CP9の皆さん
原作キャラ。
偽札を積んだ船を追跡中。追手の存在を把握した。
デルタ島へ向かうことになる。