彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
グランドライン“新世界”のデルタ島は今、沸いていた。
とあるイベンターが闇社会の大物達から搔き集めた巨額の資金を投じ、デルタ島は催し物のために猛烈な勢いで開発が進められている。
港には入港可能な最大サイズの貨物船が次々にやってきて、大量の資材や物資、機材が持ち込まれていた。それに、イベントを嗅ぎつけた海賊や闇社会のゴロツキなどが続々と来島している。
誰の目にも明らかな期間限定の
もっとも、島民達にはイベントの間、島を離れる者も多い。なんせ海賊イベントだ。そこら中からクズ共が押し寄せる。不安を抱いて退避しても無理はない。
ともあれ、デルタ島の猛烈な活気に誘われ、大勢の海賊や賞金稼ぎ、裏社会のゴロツキ共が野心を昂らせ、欲の皮を突っ張らせながらデルタ島を目指している。
ただまあ、全ての者が情熱的にデルタ島へ向かっているわけでもない。
「デルタ島でタタキをするなんて本気なのカネ? 確かに情報通りなら莫大な金が集まっているガネ、大量の海賊や賞金稼ぎ、闇社会のゴロツキが集結しているガネ。バギー、これは地雷原へ頭から飛び込むようなものだガネ」
3の字頭おじさんことギャルディーノがイヤミっぽく言った。
「言われなくてもわかっとるわ、そんなことっ! でもなあっ!」
船長室で赤い字だらけの帳簿を前に、“道化”のバギーは頭を抱える。
「何とかして金を稼がねぇとヤベェんだよォ……っ!」
「魚人島で一稼ぎしておけば、金欠を避けられたガネ」
「ざけんなっ! ンな真似してたら今頃、魚の餌になってただろうがっ!」
ギャルディーノの小言にバギーは苛立たしげに怒鳴った。
※ ※ ※
頂上戦争後、この愉快な赤鼻おじさんは主宰のサーカス団……間違えた。自身のバギー海賊団と同盟者アルビダと合流に成功。なんだかんだで付いてきた脱獄囚達も部下に加え(ギャルディーノはしれっと大幹部に収まっている)、“新世界”へ流れてきた。
ちなみに海底ルートを通る際、小悪党らしく魚人島で小遣い稼ぎを企てていたが、誰かさんのせいで国防ガチ勢になったリュウグウ王国軍は海淵でバギー達を“歓迎”し、告げた。
『我が国に害を為すつもりなら、ここで沈める。不満があるなら、我が国に寄らず新世界へ失せろ』
ガチ殺意を向けてくる軍と海中でドンパチなど自殺行為に他ならない。バギーは持ち前の危機察知能力で『こいつらガチで殺す気だ』と判断。
「こ、こっちにゃあ貿易の用意があるぜェ~」と咄嗟に誤魔化して難を逃れたのだ。
軍の監視付きで辿り着いた魚人島の出入国管理施設には、リュウグウ王国旗と世界世政府旗に加え、ビッグマム海賊団の旗がこれ見よがしに飾られており、赤ペンキでバツ印をつけられた海賊旗が何枚も貼られていた。
――ヤベェ。
破滅の危機を正しく理解し、バギーは『貿易』と称して手持ちの物資を出せるだけ出して代わりに買えるだけ買い込んで、部下達が悪さしないよう飲ませて食わせて遊ばせて。
結果は強烈な存在感を放つでっかい赤字。
少しでも補填しようと“新世界”入り後、早々に海賊らしく暴力で奪おうと試みたが……出くわす相手は文無しの貧乏海賊ばかり。ならば島を襲おうと企むも、辿り着く島はどこも金無しで奪うもんもありゃしない。
バギー海賊団は破産の危機に陥っていた。
※ ※ ※
「このままじゃ金欠で一味解散ってことになりかねェ」
とても深い溜息を吐き、バギーは憂鬱顔でぼやく。
「それに……手下共も火ィ点いちまってる。もう『やっぱ止めた』は通じねェぞ……」
「それもお前の出まかせが原因だガネ」と呆れ顔のギャルディーノ。
バギーは金欠状態を誤魔化すために『デルタ島の祭りとやらでド派手に一攫千金と行こうじゃねえか、テメェらっ!』と派手に花火を打ち上げた。
これに脱獄組の手下達は熱狂した。バギーがヤベェと内心で震え上がるほどに。ちなみに同盟者である女海賊アルビダも脱獄組の狂信者振りにドン引きした。
「御託も小言も要らねェッ! 俺が欲しいのは方法だっ! 何か方法を、良い方法を考えろギャルディーノッ! ヤベェ奴らとかち合わずに上手く金とオタカラだけいただく方法をっ!」
「そんな都合の良い方法があるなら、私が知りたいガネ」無情に言い放つギャルディーノ。
「考える素振りくらいしやがれ、コノヤローッ!!」
バギーが鼻と同じくらい顔を真っ赤にして吠えていると。
ノックもなしに船長室のドアが開けられ、超美肌の美女が顔を覗かせた。
女海賊アルビダはバギーへ問う。
「2時方向の水平線に船を見つけた。海賊旗無し。多分、貨物船か客船だ。襲うかい?」
「襲わないでかっ!」
バギーは即座に腰を上げた。
金が要るのだ、金が。帳簿を染める赤字を減らせるなら、雀の涙ほどの小銭でも喉から手が出るほど欲しい。
「襲撃するぞっ! 全員に支度させろっ!!」
で。小一時間後。
なんということでしょう。
バギーが襲い掛かった中型貨客船は、元王下七武海にして砂魔人サー・クロコダイルの船だったのです。流石はバギー。不幸の女神に愛されていますね。
この事実に気付いた時のバギー(とギャルディーノ)の顔は、“天敵”を知った自称“神”エネルに優るとも劣らないものでした。
バギー海賊団の船が接舷した貨物船の甲板で、クロコダイルとダズ・ボーネスがサーカス団モドキを睥睨する。
「随分と威勢が良いな、バギー。“俺の船”を襲うなんてよ」
爬虫類染みた目つきで睨まれ、バギーは震え上がっていた。
「こんなところで再会するとは奇遇だな、ミスター3」
ピエロおじさんの隣でギャルディーノも冷汗塗れになっていた。いや、冷汗ダラダラはギャルディーノだけでなくバギー海賊団全員だったが。
「会えてよかった。死ね」
クロコダイルが爬虫類染みた殺気を放ちながら、右手を砂塵化させ始める。
「待った待った待った! お前の船だなんて知らなかったんだってっ! そもそも元王下七武海が普通の貨物船を転がしてるなんて、分かる訳ねえだろっ!? オメェも海賊なら海賊旗くらい掲げろよっ! マナーだろマナーッ!!」
唾と冷汗を飛ばしながら、バギーは逆ギレ気味に正論を喚き散らし、仕上げに泣きついた。
「一緒にインペルダウンを脱獄した仲じゃねえか~! 勘弁してくれよぉ~!!」
疎ましげに眉をひそめ、クロコダイルは気が変わったと言いたげに葉巻を吹かす。
「……とっとと失せろ」
「流石は元ボスッ! 寛大な申し出、大変ありがたいガネっ! バギーッ! 今すぐ立ち去るガネッ!」
「そ、そうだなっ! そうしようっ! 邪魔したな、クロコダイルッ!」
ギャルディーノが揉み手と共にクロコダイルへ愛想笑いを返し、バギーが便乗して逃げ出そうとした刹那。
がちゃりと船楼のドアが開き、
「手間取ってるみたいだけど、皆殺しにするなら手を貸そうか?」
美女が怖いことを言いながら現れた。
クロコダイルは舌打ちし、ダズが渋面を浮かべ、バギーとギャルディーノが目を剥いた。
夜色髪。小麦肌。すらりと引き締まった長身。端正な細面。そして、妖じみた満月色の瞳。
ギャルディーノはごくりと唾を呑み、呻く。
麦わらの一味と共にバロックワークスの野望と陰謀を叩き潰したモノノケ女。
「ち、“血浴”のベアトリーゼ……っ!? な、なんで――」
クロコダイルは大きく息を吐き、人喰い鰐のような目つきで2人を見据え、
「茶を出してやる。飲んでけ」
否と答えたら殺す、と目が告げていた。
○
時計の針をいくらか戻す。
ベアトリーゼはヤマハブルーのスパルタンなフルサイボーグ・トビウオライダーが波打つ水面を駆けていた。
天候も海も落ち着いていて航行し易いけれど、周囲360度水平線までなーんにもない。退屈過ぎて飽きて眠くなる。
巡航速度時速240キロでトビウオライダーを走らせながら、幾度目かの欠伸をこぼしたその時。
「ん?」
水平線にぼんやりと見え隠れするマストの先端。
――海賊なら退屈しのぎにぶち殺すか。
下手な野蛮人より野蛮なことを考えたベアトリーゼは、見聞色の覇気を展開して獲物を探り、ヘルメットの中で仏頂面を作る。
「まーた面倒臭そうな……どうすっかな。んー……」
ベアトリーゼは数秒ほど唸りながら思案し、決めた。
「茶の一つも飲ませてもらおう」
で。
「図々しい奴は珍しくもねェが……テメェの面の皮の厚さには言葉もねェ。茶を飲ませろだと? 俺のビジネスを台無しにしたことを忘れたか」
クロコダイルは胸壁に腰かけるベアトリーゼを睨み据え、葉巻を吹かしながら悪態を吐き捨てる。が、その双眸は警戒一色だ。傍らに控えているダズは既に臨戦態勢。
「お前は私の大事なロビンとビビ様を殺しかけたんだぞ。あの程度で済ませてやったことを感謝しろ。なんなら今からケジメとってやろうか?」
バイザーを開いたヘルメットの中で、ベアトリーゼは満月色の瞳を凶暴にぎらつかせた。
「こっちのセリフだ、蛮族女」砂魔人は右手をぱらぱらと砂塵化させながら「ミイラにしてミス・オールサンデーの元へ送りつけてやる」
獣と鰐の眼光が交差し、冷血な殺意が激発する寸前。
ぼひゅーっ!!
貨客船の近くで大きな鯨が勢いよく潮を昇らせた。さらさらと降り注ぐ水飛沫。
「なんか萎えたな……」
能力者の絶対的弱点の海水に濡れたクロコダイルとダズを一瞥し、ベアトリーゼは仰々しく溜息を吐いて先に殺気を解き、
「こうしよう。互いに手持ちの情報を交換する。ビジネスとしてな。というわけで」
警戒を解かないクロコダイルへ言った。
「茶を出せ。一番良い奴。茶菓子付きでな」
ふてぶてしい態度から放たれた図々しく厚かましい要求。
クロコダイルは額に青筋を浮かべつつ、濡れた葉巻を海へ投げ棄て、踵を返す。
「……ついてこい。茶を出してやる」
そうして、鰐男と蛮族女が茶をしばきながら情報交換を始めたところに現れたのが、我らのバギー船長というわけだ。
○
ブランデー入りの紅茶を口に運ぶ砂魔人。傲然と構える佇まいは海賊というより闇社会の大物を思わせる。背後に控えるダズなどスーツ姿とあいまって凄腕護衛にしか見えない。
茶菓子をぼりぼりと齧りながら紅茶を呑む蛮姫。ハイテクヘルメットを脱ぎ、タイトな潜水服の上部分を脱ぎ下げて袖部分を腰に巻いている。ラフすぎる格好でガサツに振る舞うもなぜか下品さを感じさせない。
ピエロおじさんは物凄く居心地悪そうな顔で紅茶をずずーっと啜る。その引きつった顔には『早く帰りたい』と大きく書かれている。背後にはギャルディーノやアルビダなどが『この場に居たくないけど、居ない訳にもいかない』と砂を噛んだような顔をしていた。
実に寒々しいティーパーティー。
「道化のバギー。その節はウチの船長が世話になったね。礼を言うよ」
ベアトリーゼは大雑把に礼を告げ、菓子を齧ってから続けた。
「私は今、麦わらンとこを離れてる。で、御上のちょっとしたバイト中」
「「御上のバイト?」」訝る鰐とピエロ。
「噂の一つも聞いてるだろ。闇金王と海運王がブチギレてるアレさ」
「闇社会の帝王達が偽札を掴まされた、とは聞いている」
「そんな話、初めて聞いたぞ」
ベアトリーゼの話に頷くクロコダイルと訝るバギー。闇社会と関わりの有無が2人の反応を異ならせた。
「その偽札。スーパーノートなんだけどね。大量に抱えた貨物船が行方不明なんだと。政府がイージス・ゼロまで動員して追っかけてる。下手に関わると怖いことになるよ」
金に明るいクロコダイルがわずかに、ギャルディーノが大きく顔を引きつらせた。危ない偽札? とピンとこない面々を余所に、クロコダイルが苦い顔で毒づく。
「闇社会が騒々しいわけだ」
「スーパーノートって何?」「スーパーなノートなんじゃねえの?」「あんた達は黙ってな」
こそこそ話すモージとカバジをアルビダがぴしゃりと叱る中、ベアトリーゼは紅茶を口に運んで続けた。
「あと、海軍がバーンディ・ワールド? てのを潰したんだけど、ダイナ岩を持ち逃げした奴がいて行方を追ってる。これも関わるとヤバいね」
「ダイナ岩だと」「ダイナ岩っ!?」
クロコダイルの眉間に皺が刻まれ、バギーが目をひん剥いた。
「ダイナ岩とはなんです?」
件の危険な物体を知らぬ面々を代表し、ダズがクロコダイルへ問いかける。も、バギーが代わりに答えた。
「ド派手にヤベェ爆弾みてェなもんだ。あまりにもあぶねェんで軍が厳重に管理してる」
「なんであんたがそんなこと知ってんだい?」アルビダが興味から問えば。
「……ロジャー海賊団にいた頃、ダイナ岩が爆発するところを見た。巨大なガレオン船がド派手に吹き飛んじまった。デケェ船も乗ってた連中も綺麗さっぱり木っ端微塵になっちまったよ」
「――」バギーの説明に絶句するアルビダと面々。
「……あれは扱いも管理も難しい。俺も手出しを諦めた程度にはな」
厳しい表情のまま、クロコダイルは新たな葉巻をくわえ、マッチで火を点す。濃密な紫煙を漂わせてから、ぎろりとベアトリーゼを睨む。
「持ち出した奴は闇市場に流す気なのか?」
「売る気なのか使う気なのかは分からないよ。ただまぁ、偽札を積んだ船とダイナ岩を持ち逃げした奴がどこへ向かうにせよ、補給のためにデルタ島へ立ち寄る確率が極めて高い。私が出せるネタはこれくらいかな。ところでお茶と茶菓子、お代わり貰える?」
厚かましい高額賞金首を無視し、クロコダイルは爬虫類染みた目つきでバギーを捉える。
「お前も何か面倒臭ェネタを持ってるなら吐け」
「お、俺は何もねぇよ! デルタ島でデカいイベントが催されるんで、金と物と人が集まってるってくらいだ」
何も無い、と首と手を横に振るバギー。ベアトリーゼが金色の双眸を細めて、にたり。
「……なーんか面白そうなこと隠してそう」
「ぎくぅっ!」わざわざ声に出して過剰反応するのは道化ゆえか。
クロコダイルは眼光を一層冷たく鋭くし、
「吐け。嫌なら無理やりにでも吐かせる」
顔面蒼白のバギー、次いで愉快な仲間達へ目線を移した。
「それとも、お前らに力づくで吐かせた方が良いか?」
バギーもギャルディーノもアルビダもモージ&カバジも、一斉に囀り始めた。
金欠に陥った理由からデルタ島のイベントでタタキを目論んでいることまで洗いざらいに。
「……呆れて言葉が見つからねェ」
話を聞き終え、クロコダイルはバギーへ途方もないバカを見る目を向け、ダズも理解に苦しむように小さく頭を振る。
「流石は名高き”道化”のバギー。笑いの取り方が上手い」
ベアトリーゼはくつくつと楽しげに喉を鳴らしていた。
バギーは屈辱と羞恥に顔を鼻のように真っ赤に染める。ギャルディーノとアルビダはいたたまれず顔を背け、モージ&カバジは船長をバカにされて不満を抱く。
ひとしきり笑い終え、ベアトリーゼが小さく息を吐き、微笑む。
「これまでマフィアや海賊相手のタタキを何度もやってきたけど……ここまでデカいヤマは踏んだこと無いな。
「「「え」」」
蛮姫の不穏な発言にバギーとギャルディーノとアルビダが戸惑う傍ら、砂魔人が怪訝そうに眉根を寄せた。
「お前、正気か?」クロコダイルはとびきりのバカを見るような目を向け「この道化共が数千数万のクズ共が集まった島から、大金を盗みだせると思ってんのか?」
「狂気の沙汰ほど面白いって言うだろ?」
ベアトリーゼがにんまりと笑えば、クロコダイルは深い深い嘆息をこぼした。
「お前のイカレ具合は分かっているつもりだったが、まだ認識が甘かったようだ」
皮肉を浴び、ベアトリーゼは笑みを冷たいものへ変える。
「あんたこそ、何しにここらへ来たのさ? デルタ島の祭りでヤキソバを食いに来たわけじゃないだろ? 私らのネタを聞いておいて、自分は茶を出して終わりってのは、国盗りへ挑んだ大海賊にしちゃあセコいおもてなしじゃないか。アンタもそう思うよな、バギー」
俺に振るんじゃねえよ、と歯噛みするバギー。
「口の減らねェ蛮族女だ」
クロコダイルは忌々しげに毒づき、じっくりと葉巻を燻らせてから、
「デルタ島で催される祭りについて噂が流れてる。主催のブエナ・フェスタはこのイベントに
言った。
「海賊王ゴールド・ロジャーが遺した最果ての島ラフテルへ至るエターナルポースを」
予想をはるかに上回るオタカラにベアトリーゼは目を瞬かせ、アルビダとギャルディーノ、オマケ2人も驚愕し、
「ふざけんなっ!!」
バギーは激昂した。それも誰もが驚くほど激しく。
「そんなもんがあるはずねェッ!!」
「それは……間違いねェのか? お前が知らねェだけってことは」
「ロジャー海賊団の人間はそんな下らねェものを作ったりしねェっ!! 絶対にありえねェッ!! 絶対にっ!!」
当惑気味なクロコダイルの言葉を遮り、バギーが怒号を上げた。
そのあまりの語気の熱さと激しさに誰もが理解する。これはバギーが元ロジャー海賊団の一員として誇りを賭して言っていると。自身の最も神聖な領域を穢された漢の怒りだと。
「……バギーの言葉が真実なら、ラフテルのエターナルポースは金と人を集める口実だ。でも、狙いはなんだ?」
ベアトリーゼが首を傾げながら誰へともなく問う。
「デカい詐欺って線はどうだい? 現に物凄い額が集まってるんだろう?」
「詐欺としてはリスクが大きすぎると思うガネ。騙された連中は海の果てまで追いかける。生きたまま八つ裂きにされる程度で済めば、御の字だガネ」
アルビダの意見をギャルディーノが否定する。
「ブエナ・フェスタは興行師としてより、質の悪い戦争仕掛け人と知られている。奴が何かを謀っているなら、戦争仕掛け人としてだろう」
「祭りを装ってデカいドンパチを起こそうってわけだ。しょーもな」
クロコダイルの推察を聞き、ベアトリーゼは不快そうに鼻を鳴らす。
「そのブエナなんちゃらが何を企んでようが、どうでも良いっ! 吠え面をかかさなきゃ気が済まねぇ……っ!!」
バギーは表情筋の限界まで眉目を吊り上げ、クロコダイルとベアトリーゼを睨み、言った。
「テメェら、俺のヤマに付き合う気はあるか?」
Tips
バギー
原作キャラ。バラバラの実のバラバラ人間。
バーンディ・ワールド討伐に貢献したことから、”千両道化”と呼ばれるようになったらしいが、拙作ではバーンディ討伐に関与してないため、二つ名は”道化”のまま。金欠からデルタ島のイベントでタタキを計画していた。
新世界入りのエピソードはオリ設定。
バギーのブチギレシーンは独自解釈。異論はあると思う。
CV:千葉繁。説明の必要はないほどレジェンド。
ギャルディーノ
原作キャラ。ドルドルの実のキャンドル人間。
インペルダウンを脱獄後、しれっとバギー海賊団に入り込み、相談役みたいなポジションに就いている。本人曰く『配下でも手下でもない』
CV:檜山修之。ハメ読者には説明の必要が無いだろう有名声優。
クロコダイル
原作キャラ。スナスナの実の砂人間。
原作ではインペルダウンを脱獄後、ダズと組んで新世界入りした。どこかの段階でバギーに大金を貸した模様。
CV:大友龍三郎。超ベテランのレジェンド声優。ワンピースでは白ひげの二代目を兼役。
ラフテルのエターナルログポース
劇場版設定。
ロジャー海賊団の船員が作ったが、ロジャーに無用だと海に捨てられ、巡り巡ってブエナ・フェスタの手に渡る。
拙作では……
ベアトリーゼ
図々しく厚かましい。いつも通りってこと。